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平成二十二年三月三十日提出
質問第三二八号

検察官による取調べの実態及びそれに対する法務省政務三役の認識等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




検察官による取調べの実態及びそれに対する法務省政務三役の認識等に関する質問主意書


 先の質問主意書で、取調べ中に被疑者に対して殴る、蹴る、被疑者を壁に押しつけ、身動きをとれなくするといった暴行を働き、または机を叩く、大きな声を出し暴言を吐くといった威嚇をし、それが表沙汰になり罷免された、若しくは自ら職を辞した検察官は過去にいるかと問うたところ、「政府答弁書三」(内閣衆質一七四第一七一号)では、過去に四名の検察官が、取調べの相手方に右の内容の暴行を加える等の行為を働き、懲戒処分又は法務省の内規に基づく処分を受けていることが明らかにされている。

 @ 平成五年十月、取調べの相手方二名にそれぞれ足蹴りするなどの暴行を加え、傷害を負わせる。同年十一月に免職処分を受ける。退職金の支払いはなし。
 A 平成二年七月、取調べの相手方の顔を突き上げる暴行を加え、傷害を負わせる。平成六年六月に停職三カ月の処分を受け、その後退職する。退職金の支払いはあり。
 B 平成六年三月、取調べの相手方の面前にあった机を持ち上げて床に落とし、同机の下端を同人に接触させ、傷害を負わせる。同年十月に停職三カ月の処分を受け、その後退職する。退職金の支払いはあり。
 C 平成十三年三月、取調べの相手方に威迫的で不適切な発言を行う。平成十七年十二月に法務省内規に基づく厳重注意処分を受け、その後退職する。退職金の支払いはあり。

 右と「政府答弁書二」(内閣衆質一七四第二一八号)、「政府答弁書一」(内閣衆質一七四第二七二号)を踏まえ、質問する。

一 先の質問主意書で、@からBの検察官による暴行は、それぞれいつ、どの様にして発覚したのか、実際に暴行が行われた時期とそれが発覚した時期には相違があるが、それはなぜか等と、その経緯を問うたところ、「政府答弁書二」では「御指摘の三名の検察官が取調べの相手方に暴行を加えた件が発覚した経緯については、関係文書が保存されていないため、お尋ねにお答えすることは困難である。」との答弁がなされている。@からBの検察官による暴行が発覚した経緯、また実際に暴行が行われた時期とそれが発覚した時期に相違がある理由を明らかにすることは、行政に対する国民の理解、信頼を深める上でも重要であり、可能な限りの情報を国民に開示する必要があり、少なくとも、A及びBの検察官が取調べの相手方に暴行を行った後、なぜこれほどの間それが発覚せず、隠されてきたのかを明らかにしない限り、検察官に対する国民の不信が消えることはないと考える。右につき、先の質問主意書で千葉景子法務大臣はじめ法務省政務三役の見解を問うたところ、「政府答弁書一」では「お尋ねの各事案については、処分を受けた時期等にかんがみ、御指摘のような調査をする必要はないものと考えている。」との答弁がなされているが、右はどの様な意味か。処分を受けた時期等に鑑みた結果、なぜ法務省政務三役として、@からBの検察官による暴行が発覚した経緯、また実際に暴行が行われた時期とそれが発覚した時期に相違がある理由を明らかにする必要はないと考えるのか、説明を求める。
二 先の質問主意書で、@からBの検察官は、それぞれ単独で取調べを行っていたか、それとも、単独ではなく、記録係等の他の者はその場にいたか、他の者がその場にいたのなら、その者は@からBの検察官による暴行を目にしていたはずであり、特にA及びBの検察官が取調べの相手方に暴行を行った後、それぞれ約四年、約七カ月もの間それが発覚しなかったということは、右のその場にいた他の者が、然るべき報告を怠っていたことに他ならないのではないか、またCの検察官について、取調べの際、記録係の事務官等、他の者はいたか、いたのなら、その者はCの検察官の威迫的で不適切な発言について然るべき報告をしているか、していないのならそれはなぜか、更に、「政府答弁書二」では@からCの検察官の不祥事に関し、それぞれ監督責任を有していた検事正や次席検事及び部長等に対して戒告の懲戒処分が行われていることが明らかにされているが、@からCの検察官が取調べを行っていた際に居合わせていた他の者も同様に何らかの責任を負い、処分を受けるべきであり、それらの者に対し何らかの処分は下されているかと問うたところ、「政府答弁書一」では「お尋ねについては、確認できる関係文書が保存されていないため、お答えすることは困難である。」との答弁がなされている。関係文書が保存されていなくとも、当時の状況を知る現職の検察庁職員がいるのなら、その者に当時の状況を問い質せば良いのではないか。当時の状況を知る現職の同庁職員に問い質し、また誰が誰に問い質したのか、それぞれの官職氏名を明らかにし、問い質した内容を文書として記録した上で、右の質問に答えることを求める。
三 平成十四年六月十九日に逮捕され、四百三十七日間に渡る勾留を受けた当方の事件に関連し、被疑者以外の者として東京地方検察庁特別捜査部による事情聴取を受けた人物は、検察官から「こちらの狙いは鈴木だ。あなたは捕まる心配はないのだから、鈴木に不利な話をしろ」との旨の威迫的で不適切な発言をされ、または、予め質問とそれに対する回答案が書かれた文書を渡され、公判ではそれに沿って話すことを強要され、ただひたすらそれを読む練習をさせられている。現実に当方は、それを証明する陳述書等を複数所有している。この様に、被疑者以外の者に対する、検察官による違法な取調べ、または事情聴取の中にも、表沙汰になっていないだけで、懲戒処分に値する、違法な行為が行われている事例はあり、また逮捕された被疑者に対する検察官の取調べについても同様に、表沙汰になっていないだけで、@からCの事例の様に、違法な行為が行われている事例はあると考える。右につき、「政府答弁書二」では「御指摘のような事例は承知しておらず、調査する必要があるとは考えていない。」との答弁がなされているが、法務省政務三役が右で指摘した様な事例を承知していないことが、即ちその様な事例がないこととはならないのではないか、また法務省政務三役はただ「御指摘のような事例は承知していない」とするのではなく、発覚してはいないものの、その様な事例が隠されていないかどうか、改めて調査をするべきではないのかと問うたところ、「政府答弁書一」では「御指摘のような事例は承知していないところ、検察当局においては、従来から、取調べについては、その適正の確保に努め、一般的には適正に行われているものと承知しており、御指摘のような調査をする必要はないものと考えている。」との答弁がなされているが、右は当方の質問に対し、全く誠実に答えたものではない。当方は、法務省政務三役が知らないだけで、実際には@からCの事例の他にも、取調べにおいて検察官により違法な行為が行われている事例があるのではないかと問うているのである。法務省政務三役が「一般的には適正に行われている」と言うのも、事実を知らないだけで、法務省刑事局はじめ検察当局から正確な情報が上がっていないだけではないのか。
四 法務省政務三役は、当方が三で指摘した問題意識を持たず、また具体的な調査もせず、事実、真実を把握しようという意欲もないまま、ただただ検察官による取調べは適正であるとの答弁を繰り返しているだけである。これは政治家が官僚に操られている、いわゆる官僚政治の最たるものであり、国民の目線に立ち、国政の運営を官僚主導・官僚依存から政治主導・国民主導へと刷新することを目指す鳩山由紀夫内閣の方針と全くそぐわないものであると考えるが、鳩山由紀夫内閣総理大臣の見解如何。

 右質問する。



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