衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和元年十一月二十二日提出
質問第九七号

五人のカジノ管理委員会の候補の見直しに関する質問主意書

提出者  阿部知子




五人のカジノ管理委員会の候補の見直しに関する質問主意書


 政府が十一月十三日に国会に提出したカジノ管理委員会の人事案については、先に提出した「カジノ管理委員会の人事に関する質問主意書」でも指摘したように、国民から疑念を持たれない人選が不可欠である。
 ところが、今回のカジノ管理委員会の人事案は、カジノ監視業務に必要な信頼を国民から得られるとは到底思えないものである。そこで、以下、質問する。

一 委員長候補である元防衛監察監の北村道夫氏について
 北村道夫氏は、陸上自衛隊が破棄したとしていた南スーダン国連平和維持活動部隊の日報が、実は存在し、隠ぺいされていた事件が明らかになった当時の防衛監察監である。
 防衛監察本部は、「防衛監察を通じて各部隊・機関の問題点を発見し改善策を助言するとともに、不正や非違行為につながる行為を未然に防止する」(同本部ウェブサイト説明より)役割を持ち、防衛監察監はそのトップである。
 隠蔽されていたのは、日報に「戦闘」という言葉が使われる一方で、稲田朋美防衛大臣(当時)が国会で、「戦闘行為が行われるような場合、この場合はPKO五原則に抵触をしてくる、すなわち憲法上の問題が起きる」(二〇一七年二月十四日衆議院予算委員会)とし、「戦闘」を「大規模な武力衝突」と言い換えて答弁を行っていた時期である。従って、「戦闘」の文字が書かれた日報の隠蔽に、大臣がどのように関与していたのかが、国民の大きな関心事であった。
 日報隠蔽事件を受けて、防衛監察本部は特別防衛監察を行い、二〇一七年七月二十七日に「特別防衛監察の結果について」を発表した。
 しかし、稲田大臣は調査の対象外であり、監察のための「面談対象者一覧」の欄外に、「防衛大臣から事実関係の解明のため協力を得た」とだけ書かれていた。この時、稲田大臣から事実聴取をした人物が、元福岡高等検察庁検事長であった北村道夫・防衛監察監(当時)であったとされる。
 稲田大臣は直後に辞任し、安倍政権はこの事件の幕引きを図ったが、その翌年四月になり、やはり調査の対象外だった防衛省情報本部からも新たに日報が見つかったことから、国民の不信はまったく解消されていない。
 国民の疑念を晴らすことができなかったことが明確でありながら、同人物をカジノ管理委員会の委員長に任命することは不適切ではないか。任命権者である安倍晋三内閣総理大臣の見解を明らかにされたい。
二 元警視総監の樋口建史氏について
 樋口建史氏は二〇一三年一月まで警視総監を務めた後、二〇一四年にはミャンマー大使に就任したが、その就任には菅義偉官房長官が大きく関わったとされる。
 1 これは事実か。
 2 樋口建史氏のカジノ管理委員会人事案にも、菅義偉官房長官が関わっているのか。
三 先に提出した「カジノ管理委員会の人事に関する質問主意書」でも問うたように、五人のカジノ管理委員候補の三人までが、一九九九年四月二十七日に閣議決定した「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」で「厳に抑制する」とした「府省出身者」であり、まったく抑制されていない。
 先に述べた二人の他、元国立印刷局理事長である氏兼裕之氏は、大蔵省(財務省)や国税局長の他にも通産省、厚生労働省を歴任、渡路子氏は、厚生労働省に勤務した経歴があり、さらに委託事業災害派遣精神医療チーム事務局次長などを務めたが、ギャンブル依存症の専門家ではない。
 それにもかかわらず、こうした「府省出身者」や府省勤務経験者を任命するとすれば、それぞれ余人を持って代えがたいとする根拠をはっきりと示す必要があるがどうか。
四 遠藤典子氏は、先に提出した「カジノ管理委員会の人事に関する質問主意書」でも問うたが、「原則として最高三とし、特段の事情がある場合でも四を上限」とした閣議決定があるにもかかわらず、数々の審議会等の委員をかけ持ちしている。
 従って、計五人のうち一人たりとも、国民の信頼を経て、カジノ管理業務の職責を果たせるとも思えない。全面的にこの人事は見直しをするべきではないか。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.