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令和三年四月十六日提出
質問第九八号

「強制連行」「強制労働」という表現に関する質問主意書

提出者  馬場伸幸




「強制連行」「強制労働」という表現に関する質問主意書


 「強制連行」「強制労働」等の表現に関する問題は緊急を要すると考える。
 したがって、次の事項について質問する。

一 昨年六月、一般公開された「産業遺産情報センター」においては、朝鮮半島から来て長崎県・端島(軍艦島)の炭鉱で労働者として働いていた人々やその家族の証言が展示されている。その中には、在日韓国人二世の元島民が「周囲の人とか、いろいろな方からかわいがられたことはあるけど、指さされ「あれは朝鮮人ぞ」とか、そういうことは、まったく聞いたことがないですね。」といった証言もある。
 1 終戦前に朝鮮半島から労働者として本土に来た人々には、自らの意志で渡航を決めた人もいるし、渡航に至る形態で見ても、募集に応じた人、官斡旋で来た人、徴用された人など、様々な経緯を辿って来た人がいるにもかかわらず、これらの人々を一括して「強制連行された」とか「強制的に連行された」と呼んでいたり、同様の趣旨で「連行された」と呼んでいたりする向きもある。そもそも「連行」とは、主要な国語辞典において、「犯人を連行する」というような形で使用される語として書かれており、例えば、岩波国語辞典(第八版、岩波書店)では「人を引っ張るようにしてつれていくこと。」、大辞泉(第二版、小学館)では「本人の意思にかかわらず、連れて行くこと。特に、警察官が犯人・容疑者などを警察署へ連れて行くこと。」とされていたり、また法令においては、例えば警察官職務執行法における「連行」という言葉は、相手の意に反し、有形力を用いて警察署などに同行させる行為などを指して使われていたりするなど、一般的には極めて強い意味合いのある言葉と言える。こうした表現を用いることは不適切きわまりないと考えるが、政府の考えを問う。
 2 また、国民徴用令に基づいて徴用された朝鮮半島出身者がいたことは事実であるが、当時日本人も同様に徴用されたのであり、徴用と「強制連行」を混同するのはおかしいと考える。政府は、過去に「強制連行について、「その意味するところについて確立された考え方があるとは承知していない」旨の答弁書を閣議決定しているとおり、「強制連行」について確立した定義は存在しない。徴用については、国民徴用令に出頭手続き等が規定された「徴用」というれっきとした法律用語があるのであるから、「強制連行」や「連行」との誤った用語を用いるべきではなく、「徴用」を用いるべきであると思うが、政府の考えを問う。
二 戦時中に朝鮮半島から多くの人々が労働者として「募集」「官斡旋」「徴用」により本土に連れてこられ、強制労働させられたとの見解があるが、政府の考えを問う。

 右質問する。

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