答弁本文情報
平成十八年十二月十五日受領答弁第二〇九号
内閣衆質一六五第二〇九号
平成十八年十二月十五日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員保坂展人君提出刑事施設（東京拘置所）被収容者の給養水準に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員保坂展人君提出刑事施設（東京拘置所）被収容者の給養水準に関する質問に対する答弁書
一の①について
御指摘の「被収容者一人一日当たりの収容費の使途別内訳（平成十七年度予算）」（以下「資料」という。）における「刑務所」には拘置所を含んでおり、そこで記載されている各金額は、全国の刑務所、少年刑務所及び拘置所について、平成十七年度予算における被収容者の収容に必要な経費、被収容者の予算人員と年間の日数から算出した額である。
なお、資料における被収容者「一人一日当たり経費」は、「千二百五十九円」である。
資料における「光熱水料二百五十四円」と「燃料費五十三円」は、被収容者の生活にかかわる経費を計上する予算科目である（目）収容諸費を基に算出した額であることから、御指摘のような被収容者の生活費として評価し得ない経費は含まれていないと考えている。
一キロワット時当たりの電気料金については、平成十六年四月から六月までにあっては九・七円、同年七月から九月までにあっては十・六五円、同年十月から十二月までにあっては八・八五円、平成十七年一月から三月までにあっては九・〇三円である。
水道料金のうち、上水道については、平成十六年四月から十二月までにあっては一立方メートル当たり四百十五円、平成十七年一月から三月までにあっては一立方メートル当たり四百四円であり、下水道については、排出量零から八立方メートルにあっては五百六十円、九から二十立方メートルにあっては一立方メートル当たり百十円、二十一から三十立方メートルにあっては一立方メートル当たり百四十円、三十一から五十立方メートルにあっては一立方メートル当たり百七十円、五十一から百立方メートルにあっては一立方メートル当たり二百円、百一から二百立方メートルにあっては一立方メートル当たり二百三十円、二百一から五百立方メートルにあっては一立方メートル当たり二百七十円、五百一から千立方メートルにあっては一立方メートル当たり三百十円、千一立方メートル以上にあっては一立方メートル当たり三百四十五円である。
先の答弁書（平成十八年六月二十二日内閣衆質一六四第三五三号。以下「前回答弁書」という。）の一についてで述べた食糧費四百九十四円、被服費十五円及び備品消耗資材費二十八円は、平成十六年度に東京拘置所が支出した被収容者に対する給養に係る歳出額を基に算出した額であるのに対し、資料に記載されている「光熱水料二百五十四円」、「燃料費五十三円」及び「その他三円」は、一の①についてで述べたように、全国の刑務所等について平成十七年度予算を基に算出した額であり、算出の根拠が異なる上、被収容者に対する給養に係る歳出額のみをもって、被収容者の生活水準を判断することは適当でないと考えており、お尋ねについてお答えすることは困難である。
東京拘置所においては、例えば、被収容者の食糧費等については、食材等を一括して大量に発注し、これを同拘置所内において刑務作業により調理し配食しており、一般社会における単身世帯の者が食事を調達する場合に比べて安価で賄えること、衣類、寝具等の同拘置所における日常生活に必要な物品で被収容者に貸与されるものは、被収容者が入れ替わったとしても引き続き同拘置所内において使用されていること等にかんがみると、同拘置所における被収容者に対する給養に係る歳出額と生活保護法（昭和二十五年法律第百四十四号）に基づく単身世帯の者に対する生活扶助の基準額とを比較し、その額に差があることのみをもって、同拘置所における被収容者の生活水準と同法により保障される生活水準との間に不当な格差があるとはいえないと考えている。
また、最低限度の生活を営む権利を有するという意味においては、基本的に、受刑者、未決拘禁者、死刑確定者等の法的地位の別にかかわらず、刑事施設の被収容者とその他の国民との間に異なるところはないと考えている。
前回答弁書の三についてでお答えしたとおりである。