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答弁本文情報

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平成十九年九月二十五日受領
答弁第一八号

  内閣衆質一六八第一八号
  平成十九年九月二十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員保坂展人君提出難民認定制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出難民認定制度に関する質問に対する答弁書



一の1について

 難民認定申請者数は、平成十五年が三百三十六人、平成十六年が四百二十六人、平成十七年が三百八十四人、平成十八年が九百五十四人であり、難民認定者数は、平成十五年が十人、平成十六年が十五人、平成十七年が四十六人、平成十八年が三十四人である。

一の2について

 平成十八年に、難民不認定処分に係る異議申立てに基づいて審査を行った件数は百五十七件であり、このうち、難民審査参与員の前で口頭意見陳述が行われた件数は百四十六件、異議申立人の希望により口頭意見陳述が行われなかった件数は十一件である。

一の3について

 平成十八年一月一日以前に難民認定申請を受理し、平成十八年十二月三十一日時点で難民認定申請に係る処分の告知を行っていない件数は、二百十八件であり、このうち平成十七年一月一日以前に難民認定申請を受理した件数は、三十九件である。

一の4について

 平成十八年一月一日以前に提出された難民不認定処分に係る異議申立てのうち平成十八年十二月三十一日時点で決定の告知を行っていない件数は、四十七件である。

一の5について

 出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号。以下「施行規則」という。)第五十八条の六第一項においては、「調書を作成するものとする」と規定し、同条第二項においては、録音テープ又はビデオテープに記録し、「これをもつて調書の記載に代えることができる」と規定しているが、その実施の要否及び方法について検討中であること等から、現段階においては実施には至っておらず、これまで録音テープ又はビデオテープに記録したものはない。

二の1の1)について

 平成十八年において、お尋ねの「外部に委託して翻訳した出身国情報」は、Assistance Association for Political Prisoners (Burma) のウェブサイト及びミャンマー電信法である。

二の1の2)について

 難民調査官及び難民審査参与員に対し、翻訳が完成し次第、速やかに配布した。

二の1の3)について

 平成十八年度においては、お尋ねの「翻訳発注」の総件数は六百九件であり、総費用は千四百三十万三千九百八十四円である。

二の2について

 口頭意見陳述・審尋期日が実施された後、施行規則第五十八条の六第一項の規定により、「意見陳述又は審尋の要旨」等を記載した調書を作成しているところ、当該調書のすべてについて、異議申立人等に閲覧の機会を与え、訂正その他の申入れを受けた場合にはその旨を記載した書面を提出させていることから、当該調書の内容の正確性は十分に確保されており、現段階においては、謄写を認める必要性があるとは考えていない。

二の3について

 口頭意見陳述・審尋期日における審理の充実を図る目的で、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第二十六条の規定に基づき、難民調査官及び難民審査参与員が資料を精査するために必要な相当の期間として、おおむね口頭意見陳述・審尋期日の二週間前までに証拠書類及び証拠物を提出するよう求めているところである。

二の4について

 法務省としては、行政不服審査法においては、異議申立てについて、異議申立人等に証拠書類等の閲覧を認める明文の規定がない上、口頭意見陳述・審尋期日において、異議申立人に対し従前の供述内容について十分な弁明の機会を与えており、異議申立手続の客観性及び透明性の確保について配慮していることから、現段階において、異議申立人本人の供述調書については、特に開示する必要性があるとは考えていない。

三の1の1)及び2)について

 平成十八年において、国際連合難民高等弁務官事務所(以下「UNHCR」という。)に対して個別事案に係る意見を求めたことはないが、UNHCRからは、適宜、難民認定に関する情報の提供を受けている。

三の2の1)及び2)について

 平成十八年にUNHCRから提供された文書の表題及びこのうち翻訳したものの概要については、次のとおりである。
 @ 表題 Update on the Situation in Afghanistan and International Protection Considerations
  概要 アフガニスタン情勢に関するUNHCRの見解
 A 表題 UNHCR Advisory on the Return of Somali Nationals to Somalia, November 2005
  概要 ソマリア帰還に関するUNHCRの見解
 B 表題 Provision on International Protection Including Through Complementary Forms of Protection
  概要 各国の調査により、難民の地位に関する条約(昭和五十六年条約第二十一号。以下「難民条約」という。)上の保護の範囲外であると判断された者に対して提供される保護の形態
 C 表題 Providing International Protection Including Through Complementary Forms of Protection
  概要 各国の調査により、難民条約上の保護の範囲外であると判断された者に対して提供される保護の形態に関する会議資料
 D 表題 An introduction to International Protection
  概要 難民保護のためのトレーニング教材
 E 表題 Refugee Status Determination
  概要 難民保護のためのトレーニング教材
 F 表題 UNHCR難民用語集
 G 表題 難民条約上の理由と迫害の危険との因果関係に関するUNHCRによる東京弁護士会に対する助言的意見
 H 表題 アジェンダ・フォー・プロテクションの仮翻訳
 I 表題 Advisory Services and Technical Cooperation in the Field of Human Rights
  概要 ネパール情勢に関するUNHCRの見解
 J 表題 Ian Martin Representative United Nations High Commissioner for Human Rights in Nepal Presentation and Question and Answer Session
  概要 ネパール情勢に関するUNHCRの見解
 K 表題 入国審査官・警備官研修UNHCR講義アウトライン
 L 表題 UNHCR難民認定様式について
 M 表題 国際的保護についてのガイドライン除外条項の適用、難民の地位に関する千九百五十一年条約第一条F項
 N 表題 UNHCR consideration on the protection needs of persons displaced due to the conflict in Lebanon and on potential responses
  概要 レバノン情勢に関するUNHCRの見解
 O 表題 Guidelines on International Protection
  概要 人身取引と難民について
 P 表題 Country of Origin Information Iraq
  概要 イラク情勢に関するUNHCRの見解
 Q 表題 UNHCR Advisory Regarding the Return of Iraqis
  概要 イラク人の帰還に関するUNHCRの意見
 R 表題 Guidelines Relating to the Eligibility of Iraqi Asylum-Seekers October
  概要 庇護を希望するイラク人の帰還に関するガイドライン
 S 表題 イラン出身国情報の日本語訳の件
 21 表題 アフガニスタン出身の難民・その他国際保護を必要とすると判断された者の難民条約第一条C(5)に基づく地位の終止可能性について
 22 表題 アフガニスタンへの送還・帰還における人道配慮事項
 23 表題 Outcome of the Age, Gender and Diversity Mainstreaming (AGDM) Workshop
  概要 難民及び難民認定申請者に対する聞き取り調査の結果
 24 表題 Training on asylum issues at ports of entry
  概要 空港における入国管理職員の研修資料

三の3について

 平成十八年八月二十九日から同年九月十五日までの間、難民認定事務に必要な専門的な情報や知識の習得のために難民調査官及び難民認定事務に従事する入国審査官合計二十名に対して研修を実施し、その際にUNHCR職員から講師を招いている。
 なお、平成十七年六月一日並びに平成十九年三月十四日及び同年七月二十日、難民審査参与員に対し、UNHCR職員による講演を実施している。

三の4について

 平成十八年十月二十三日、UNHCRに対してアフガニスタン情勢に係る情報の提供を求め、同月三十一日にUNHCRから「アフガニスタン出身の難民・その他国際保護を必要とすると判断された者の難民条約第一条C(5)に基づく地位の終止可能性について」及び「アフガニスタンへの送還・帰還における人道配慮事項」という文書の提供を受けている。

三の5について

 平成十八年七月五日及び同年八月二十三日、UNHCRとの間において難民認定に係る意見を交換する会を行っており、その中でロヒンギャを含むミャンマー人の難民認定に関する一般的な意見の交換も行っている。このほか、UNHCRとの間では、電話やメールによる一般的な意見の交換も日常的に行っている。

四の1から4までについて

 難民不認定処分に係る異議申立ての却下又は棄却における却下又は棄却の理由については、難民認定手続の透明性を高めるとともに、異議申立人が訴訟の要否について検討することを容易にする目的で、異議申立人がこれを十分理解するに足りる具体的な説明を記載するよう運用を改めたところであるが、このように運用が変更され、難民認定手続の公正性及び中立性が高まったことを周知し、異議申立制度に対する一般の理解を深めるため、特に詳細に理由の説明を行った事例を抽出し、御指摘の「難民認定行政−二十五年間の軌跡−」の巻末に「難民不認定理由の説明状況」として掲載したものである。これらの事例の抽出及び記載に当たっては、関係者のプライバシーの保護について十分に検討し、公開されている裁判例集、刊行されている判例解説等の記載方法を踏まえたものであり、個人情報保護等の観点から特に問題があったものとは考えていないが、今後ともこのような事例の公表に当たっては、関係者のプライバシーに十分配慮してまいりたい。

四の5について

 「難民認定行政−二十五年間の軌跡−」の作成に係る企画段階において、難民審査参与員に対し、難民認定制度発足以来の難民認定申請内容の分析、難民審査参与員制度の創設経緯や趣旨、難民審査参与員制度の手続の流れ、難民不認定理由の説明状況及び難民審査参与員の感想をこれに掲載することを説明し、その後、難民審査参与員制度の創設経緯や趣旨、難民審査参与員制度の手続の流れ、難民不認定理由の説明状況及び難民審査参与員の感想の部分について原稿案を配布の上、意見を求めたところ、その内容に反対する意見はなかった。

四の6について

 お尋ねの費用のうち、御指摘の冊子の作成に要した制作費及び印刷費は、合計百九十九万三千九百五十円であり、このほか翻訳料として、二十九万二千九百五十円を支出している。お尋ねの「運送費」の意味は必ずしも明らかではないが、当該冊子の配布に当たっては、他の印刷物と混載して送付するなどしておりその送付に要した費用を特定することは困難である。また、原稿料は支出していない。
 発行部数については、日本語版が三千冊、英語版が千冊である。
 配布先については、関係府省庁、難民審査参与員、国会議員、報道機関、学術関係者等である。



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