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答弁本文情報

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平成二十年六月十日受領
答弁第四五五号

  内閣衆質一六九第四五五号
  平成二十年六月十日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員三日月大造君提出世界的な穀物価格の高騰等を踏まえたコメのミニマム・アクセス及び生産調整の在り方等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員三日月大造君提出世界的な穀物価格の高騰等を踏まえたコメのミニマム・アクセス及び生産調整の在り方等に関する質問に対する答弁書



一について

 穀物の国際価格高騰については、途上国の経済発展による食料需要の増大、世界的なバイオ燃料の原料としての需要の増大、地球温暖化等の地球規模の気候変動の影響という構造要因のほか、輸出国による輸出規制が広がっていることなどが影響していると考えている。
 特に、米については、生産量に占める貿易量の割合が低いこと、主要輸出国において輸出規制が実施されていることも大きく影響していると考えている。
 穀物の国際価格について一概に見通すことは困難だが、需給構造が大きく変化しつつあることにより、今後ひっ迫の度合いを強める可能性もあると考えられることから、引き続き注視していくこととしている。

二の1について

 我が国は、いわゆるミニマム・アクセス米(以下「MA米」という。)の活用の在り方について、外交上の配慮から関係国の理解を得る努力を行うとしても、WTO協定上の義務として米国を含む輸出国の特段の同意が必要であるとは考えていない。

二の2について

 今後のMA米の活用の在り方については、外国等からの要請を踏まえ、政府内で検討してまいりたい。

二の3について

 MA米の輸入については、我が国の締結した国際約束を誠実に履行しつつ、米の国際需給の動向等を踏まえて、適切に行っていく考えである。

二の4について

 ミニマム・アクセスは、千九百九十三年に妥結に至ったいわゆるウルグアイ・ラウンド交渉の中で、全体のパッケージの一つとして、従来輸入がほとんどなかった品目について、大幅な自由化は行わない代わりに、最小限度の市場参入機会を与える観点から、世界貿易機関のすべての加盟国の合意の下に設定されたものであることから、ミニマム・アクセスについては、このような経緯の下に導入されたものであることを十分踏まえる必要があると考えている。

三について

 穀物の国際需給が大きく変化する中で、相当部分を輸入に依存している小麦の価格は高騰している一方、国内では主食用米の需要が年々減少していることから、水田を最大限に活用して食料自給率の向上につなげていくため、米粉等の非主食用米の低コスト生産を進めるとともに、その利用拡大を図ることが重要と考えている。
 また、小麦粉代替としての米粉については、その利用の可能性が広がりつつあるところであり、現時点において、その需要を現在の小麦の使用実績に対する割合及び数量として正確に見込むことは困難である。

四の1について

 自給飼料基盤に立脚した畜産経営を育成することは、食料自給率の向上及び我が国畜産の持続的な発展を目指す上で重要であり、自給飼料基盤強化のための各般の施策を推進しているところである。
 このような中で、飼料用米については、水田を最大限に活用する上でも重要であることから、低コスト生産を進めるとともに、その利用拡大等を推進しているところであり、このような取組により、引き続き飼料用米の生産を振興してまいりたい。
 なお、需要を踏まえた飼料用米の生産可能数量については、畜産農家における利用の可能性の実証を行っているところであり、現時点において正確に見込むことは困難である。

四の2について

 政府としては、配合飼料価格安定制度が我が国の畜産経営の安定を図る上で極めて重要な制度となっていることを踏まえ、畜産農家や同制度を運営する関係団体の意見も十分に聞きながら、通常補てん基金が財源を確保できるよう努めてまいりたい。

五の1及び2について

 生産調整については、供給過剰になりがちな主食用米から、麦、大豆、飼料作物等の食料自給率の低い作物や米粉用等の非主食用米への生産転換を図るものであり、我が国の水田を最大限に活用して食料自給率の向上につなげていくためには、今後とも、生産調整を進めていく必要があると考えている。

五の3について

 耕作放棄地の解消を図るためには、その的確な現状把握が必要であることから、農林水産省において、市町村・農業委員会に対して、すべての耕作放棄地を対象とした本年度中の現地調査を要請するとともに、その手引書を作成し、各都道府県単位で市町村・農業委員会向けの説明会を実施したところである。
 また、耕作放棄地の発生防止を図るため、従来から、担い手への農地の利用集積、企業等の新規参入の促進、中山間地域等の農業の生産条件に関する不利を補正するための支援等の施策を講じてきているが、昨年度から集落ぐるみで農地・農業用水等の資源を適切に保全管理するための取組に対する支援も実施しており、引き続き、これらの施策を着実に実施してまいりたい。

六について

 標本家庭からの報告を基に一人一か月当たりの消費量を推計する米の消費動向等調査については、家庭炊飯が減少し外食及び中食が大幅に拡大する中で、実態把握の手法として適当でなくなってきていること等から、廃止したものである。

七について

 我が国はアフリカの農業分野において、これまで、農業政策の策定支援、肥料の供与、稲等の品種改良のための支援及び生産技術向上のための支援などを行うとともに、食糧不足への緊急対応として食糧支援も行ってきたところである。
 政府としては、第四回アフリカ開発会議(TICADW)の結果も踏まえ、アフリカのコメの生産高を増加させていくことも念頭に、様々な国や国際機関と連携しつつ、灌漑施設の整備、作物の品種改良、農業指導員の育成等の分野で協力していく考えである。



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