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答弁本文情報

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平成二十六年十月二十四日受領
答弁第二八号

  内閣衆質一八七第二八号
  平成二十六年十月二十四日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 伊吹文明 殿

衆議院議員阿部知子君提出原子力発電所の経済性及び支援策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出原子力発電所の経済性及び支援策に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 政府としては、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故後の平成二十三年に、各電源の発電コストについて試算を行っている。当該試算において算出した原子力発電の発電コストは、初期投資額、廃止措置費用、燃料費、バックエンド費用、原子力発電所の事故のリスクへの対応費用、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故を受けた追加的安全対策の費用等を含んでいることから、妥当であると考えている。
 当該発電コストは、他の電源の発電コストと比較しても遜色なく低廉であると考えており、仮に、当該試算における原子力発電所の事故のリスクへの対応費用を、当該試算において算出した費用の二倍とした場合においても、原子力発電の発電コストは、石炭火力発電の発電コストよりも低い。
 また、現在、原子力事業者が実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第五号)等への対応も含め、原子力発電所の安全対策を行っているため、追加的安全対策の費用が増加する傾向にあることは承知しているが、個々の発電所の事情に応じて追加的安全対策の内容が異なるため、この費用の全てを、当該試算における原子力発電の発電コストに上乗せすることは必ずしも適当ではない。さらに、こうした安全対策の実施により、原子力事故の発生確率は抑えられ、かつ、万が一事故が発生した場合の被害は小さくなるということにも留意する必要があると考えている。

三及び五のBについて

 政府としては、バランスの取れたエネルギーミックスや電源構成の実現に向けた政策措置を講じているところであり、それぞれの電源の状況に応じて適切な政策措置を講じていることをもって、原子力事業が「一般の事業に係る原則を逸脱した特殊な事業」であるとは認識しておらず、また、御指摘の「原子力事業に対する公的な支援、優遇又は配慮の措置」及び「さらなる拡充」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。

四について

 原子力事故について一定金額以上の保険が成立していない背景には、事故の発生確率が低く、原子力事業者数が少ないことなどから、保険事業者がリスクプレミアム、すなわちリスクに対する対価を見込むことが難しいことがあると認識している。
 また、原子力損害賠償については、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第三条において原子力事業者の無過失責任等を規定するとともに、同法第六条において損害賠償措置を講ずべき義務を規定している。また、同法第十六条において原子力事業者が同法第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が同法第七条第一項に定める賠償措置額を超えたときは、政府は、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行う旨規定している。同法第十六条を具体化した原子力損害賠償・廃炉等支援機構法(平成二十三年法律第九十四号)においては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下「機構」という。)が、原子力事業者から負担金を徴収するとともに一定期間をかけて国庫に納付することを前提に、原子力損害の賠償のための資金を交付する等の仕組みが整備されているところであり、政府は、このような仕組みを通じて、原子力事業者による賠償等が円滑に行われるよう取り組むこととしている。なお、機構が原子力事業者から負担金を徴収するに当たっては、各原子力事業者の収支の状況、事業の円滑な運営等も考慮される。このように、現行法の制度の下でも、今後万が一事故が発生した場合も含め、迅速かつ適切な賠償がなされるよう措置している。
 御指摘の「事業としての成立条件を欠いている」、「事業としての成立性を将来にわたって確保できる」及び「原子力事業者間の純粋な相互扶助の仕組みであるとは言えず、やはり原子力事業は競争市場下における事業としての成立条件を欠いている」の意味するところが必ずしも明らかでないが、国と原子力事業者とが役割に応じてそれぞれ事故リスクに対応しているものと認識している。

五の@及びAについて

 政府としては、安定したエネルギー需給構造を確立するためには、エネルギー源ごとにサプライチェーン上の特徴を把握し、状況に応じて、各エネルギー源の強みが発揮され、弱みが補完されるよう、各エネルギー源の需給構造における位置付けを明確化し、政策的対応の方向を示すことが重要であると認識している。「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定)に記載されているとおり、原子力については、「優れた安定供給性と効率性を有しており、運転コストが低廉で変動も少なく、運転時には温室効果ガスの排出もないことから、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である」と認識しており、また、エネルギー基本計画を策定した本年四月以降に当該認識を見直すべき状況変化は認識していない。



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