衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成三十年十一月二十日受領
答弁第四四号

  内閣衆質一九七第四四号
  平成三十年十一月二十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員阿部知子君提出原発から三十キロメートル圏内の放射線防護施設の約四分の一が危険区域にあることに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出原発から三十キロメートル圏内の放射線防護施設の約四分の一が危険区域にあることに関する再質問に対する答弁書



一の1について

 お尋ねの原子力発電所の再稼働については、「エネルギー基本計画」(平成三十年七月三日閣議決定)において、「原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める」こととしており、政府としては、放射線防護施設の整備を含む原子力防災対策については、原子力発電所が再稼働するか否かにかかわらず、取り組むべきものであると考えている。
 なお、先の答弁書(平成三十年十一月二日内閣衆質一九七第五号。以下「前回答弁書」という。)四についてでお答えしたとおり、内閣府における放射線防護対策等事業の実施に当たっては、当該事業を実施する施設が「原子力災害対策事業費補助金交付要綱(放射線防護対策等事業)」(平成二十七年二月十日内閣総理大臣決定。以下「交付要綱」という。)第四条第二項第三号の「人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域」の外に立地する場合には、同号ただし書の規定に基づき「必要な対策を講じていること」を求めているところである。

一の2及び六について

 お尋ねの「放射線防護施設を頼りにする住民」の意味するところが必ずしも明らかではないが、前回答弁書四についてでお答えしたとおり、内閣府における放射線防護対策等事業の実施に当たっては、当該事業を実施する施設が交付要綱第四条第二項第三号の「人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域」の外に立地する場合には、同号ただし書の規定に基づき「必要な対策を講じていること」を、「原子力災害対策事業費補助金(放射線防護対策等事業)」(以下「補助金」という。)に係る交付申請を行う所在都道府県等(発電用施設周辺地域整備法(昭和四十九年法律第七十八号)第二条に規定する発電用施設である原子力発電施設の周囲三十キロメートルの区域内にある市町村をその区域内に含む都道府県をいう。以下同じ。)に求めているところである。

二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、交付要綱第四条第二項第三号は「原子力災害対策事業費補助金交付要綱の一部を改正する要綱」(平成二十八年十二月七日内閣総理大臣決定。以下「改正要綱」という。)により追加された規定であり、「浸水想定区域」又は「津波浸水想定区域」に位置する御指摘の十八件の放射線防護施設のうち、改正要綱が施行された平成二十八年十二月七日以降に交付決定を行った四件の施設について、補助金の対象施設の階数・高さ等の構造等を考慮して、当該施設が立地する区域が交付要綱第四条第二項第三号の「人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域」に該当すること又は当該区域外に立地する場合には同号ただし書に規定する「必要な対策」が講じられていることを確認することによって、同号の要件を満たすことを個々に判断したところである。

三について

 前回答弁書四についてで述べた「適正に実施」とは、交付要綱第四条第二項第三号の「人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域」に立地すること又は当該区域外に立地する場合に同号ただし書に規定する「必要な対策を講じていること」という要件に適合する放射線防護施設の整備が図られるように、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)等の法令の規定や交付要綱に基づき適正に実施されていることを意味するものである。

四について

 内閣府が実施する放射線防護対策等事業の対象施設については、当該施設が交付要綱に規定される各要件を満たしていることを、その交付決定等を行うに際し確認することとしていることから、御指摘の十四件の放射線防護施設が交付要綱に規定される各要件に適合しているかについては、御指摘の「伊方地域原子力防災協議会で確認された緊急時対応」には記載を求めておらず、また、平成二十七年十月六日の原子力防災会議においても報告していない。

五について

 前回答弁書五の1についてでお答えしたとおり、政府としては、原子力防災会議の下、都道府県及び市町村による地域防災計画の作成について原子力規制委員会を含む関係府省庁がその支援を行うなど、原子力防災対策の充実に一体となって取り組んでいるところである。また、「地域防災計画の充実に向けた今後の対応」(平成二十五年九月三日原子力防災会議決定)において、「政府を挙げて地域の防災計画の充実化を支援する」こととしており、その支援の一環として内閣府が実施する放射線防護対策等事業の対象施設については、当該施設が交付要綱第四条第二項第三号の「人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域」の外に立地する場合には、改正要綱が施行された平成二十八年十二月七日以降においては、同号ただし書の規定に基づき「必要な対策を講じていること」を補助金に係る交付申請を行う所在都道府県等に求めており、改正要綱の施行前に交付決定がなされた施設についても、当該施設に係る交付申請を行った所在都道府県等に対して、同様の対応を実施するよう促している。

七について

 お尋ねの「対応策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、改正要綱が施行された平成二十八年十二月七日以降の交付決定に係る対象施設については、交付要綱第四条第二項第三号の「人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域」の外に立地する場合には同号ただし書に基づき「必要な対策を講じていること」を求めているほか、御指摘の十二件の施設が「土砂災害警戒区域」、「土砂災害特別警戒区域」又は「津波浸水想定区域」に立地することについて、愛媛県を通じて適宜情報共有を図るとともに、改正要綱が施行された平成二十八年十二月七日以前に交付決定された対象施設についても、同号の「人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域」の外に立地している場合には、愛媛県に対して同号ただし書に規定する「必要な対策」を実施するよう促している。

八について

 先の質問主意書(平成三十年十月二十四日提出質問第五号。以下「前回質問主意書」という。)で御指摘のあった附帯決議第二十一項においては、原子力事業者が行う原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第十三条の二第一項に規定する防災訓練の実効性を確保することが求められているが、当該訓練は、原子力事業所における原子力災害の発生又は拡大を防止するために行うものであることから、お尋ねの「放射線防護施設」における訓練は含まれないものである。
 なお、前回質問主意書で御指摘のあった地方公共団体が実施する原子力防災訓練については、前回答弁書五の4についてでお答えしたとおり、地方公共団体がその内容等の検討を行うものである。

九について

 「放射線防護施設が危険区域に立地されているにもかかわらず、それが審査対象とならず、原発を稼働させている国はあるのか」「政府が知りえる範囲で明らかにされたい」とのお尋ねについては、政府としては承知していない。
 また、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)及び同法の規定に基づく原子力規制委員会規則等に定める基準については、原子力事業者の発電用原子炉施設等の設置等における要件を定めているもので、国際原子力機関や諸外国の規制基準を参考にしながら世界で最も厳しい水準の規制基準となるよう策定したものであるが、放射線防護施設が危険区域に立地されているか否かはこれらの基準の要件とはしていない。なお、政府としては、放射線防護施設の整備を含む原子力防災対策については、原子力発電所が再稼働するか否かにかかわらず、取り組むべきものであると考えている。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.