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昭和五十一年十一月四日提出
質問第一九号

 石油パイプライン事業法の事業用施設の設置にかかる事業の計画性に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十一年十一月四日

提出者  木原 実

          衆議院議長 前尾繁三郎 殿




石油パイプライン事業法の事業用施設の設置にかかる事業の計画性に関する質問主意書


 石油パイプライン事業法(以下事業法という)適用のパイプラインである新東京国際空港公団(以下空港公団という)の航空燃料輸送パイプライン(千葉港頭から成田空港までのもので、以下本格ラインという)の布設計画実施経過において、関係行政機関及び関係地域住民の意思尊重の問題を含む計画性に疑問があるので、以下質問する次第である。

一 空港公団は、昭和五十年十月十四日付書面において、千葉市内ルートのうち、水道道路ルートを使用しないことを述べ、その後、昭和五十一年一月から三月にかけて、同ルートの既設パイプラインを撤去した。
 (一) 本格ラインのルートとして、今後、右水道道路が使用されないことに相違はないか。
 (二) 空港公団は、昭和四十七年六月には、右水道道路を最適であると主張して、一部にパイプラインを埋設していたが、右水道道路を将来も使用しないこととした理由を明らかにされたい。
 (三) 空港公団は、昭和五十年十一月に、「水道道路ルートは、当初から暫定であり、将来建設される予定のハイウェイ(東関東自動車道路検見川線のことで、以下東関道検見川線という)に移設する構想を持つていた」という趣旨の主張をしている。この主張の当初とはいつか。
 (四) 運輸大臣、建設大臣、大蔵大臣は、水道道路ルートが暫定であり、東関道検見川線に将来移設する予定であつたことを、右の当初から承知していたか。
二 佐藤文生元運輸政務次官は、朝日ジャーナル昭和五十年七月十八日号で「地域住民から出された諸要望を入れ、それをトータルして総予算十一億円ぐらいでやろうと約束した。ところが、その約束は政府レベルにおいてキャンセルされ、千葉市内のルートは宙に浮いてしまつた。」と述べたとされている。
 (一) 右約束は、誰と誰との間の約束か。
 (二) 右約束の存在を知つた時期を、運輸大臣、財政当局それぞれに明らかにされたい。
 (三) 大蔵省は、右約束なるものの履行に反対した事実があるのか。あるとすれば、その理由を明らかにされたい。
 (四) 地域住民から出された要望のトータルが十一億円になる旨の発言があるが、昭和五十年七月二十日に、一万一九二名により提起された、パイプライン埋設工事差止請求事件(千葉地裁昭和五十年(ワ)第四五二号事件)の原告陳述において、原告は、「お金など一銭もいらない」と述べている。事実、昭和四十六年以来、安全性のみを問題として反対をしてきた一万人をこえる地域住民は、安全以外のいかなるメリットも要求していない。であるとすれば、地域住民がトータルで十一億円になる要望をしたという話はどこから来たものか、明らかにされたい。
三 千葉市長は、昭和四十七年十二月十八日、千葉市議会定例会において、「しかもいろいろメリットの問題、大蔵省が難色を示してむずかしいという話、道路公団との間のとりきめできかねるということで、これはたいへんということで私は地元に合わせる顔がない。それならばいま申し上げたような線で進んでもらわなければ困りますということで空港公団に対する不信の念というものをもつたわけでございます。」と発言し、さらに「パイプライン問題から教えられたことは、公団にだまされたということでございます。」とも述べている。
 (一) 右市長発言の原因となつた空港公団の措置を明らかにされたい。
 (二) 事業法立法の精神にかんがみ、空港公団は、関係地方公共団体の意思を尊重すべき立場にあるが、右発言の経緯は、その立場を全うした結果であると言えるのかどうか政府の見解を承わりたい。
四 空港公団が、航空燃料暫定輸送構想の推進に踏みきつた理由として、内閣総理大臣は、衆議院議員久保三郎君の質問に対する答弁書(昭和四十八年十月十九日付内閣衆質七一第二六号)において、「公団は、日本国有鉄道、京成電鉄等と設計協議を行つたところ、工事内容の変更を必要とするに至り、建設工事をそのまま継続したとしても、その完成は早くても本年九月末になる見込みとなつた」ことを述べている。
 (一) 空港公団は、日本国有鉄道、京成電鉄等と協議をすることなく、道路占用許可を申請し、本格ライン埋設工事に着手したのか。
 (二) であるとすれば、監督者としての運輸大臣の所見を承わりたい。
五 空港公団の本格ラインは、昭和四十七年六月に完成予定であつたが、四年以上経過した現在完成の目途も立つておらず、千葉市内では、最適として選んだ水道道路を放棄して、既設パイプを撤去している。また、当初、住民に対して安全性を誇示しながら、設置したものは事業法技術基準に抵触して、千葉市内全域で掘返しが不可避とされている。さらに、関係行政機関等との協議も、右質問に指摘したとおり粗末なものである。かかる空港公団の本格ライン計画実施経過は、事業法第七条第六号の規定を満たすものと言えるのか、政府の見解を承わりたい。

 右質問する。





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