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昭和六十二年十二月十二日提出
質問第六号

 海難救助に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十二年十二月十二日

提出者  藤原房雄

          衆議院議長 原 健三郎 殿




海難救助に関する質問主意書


 我が国は、四面を海に囲まれた海洋国であり、また、主要資源等の輸出入による海上輸送活動、あるいは最近の国民生活の向上、余暇時間の増大等を背景とした海洋レクリェーション活動等の活発化のため、近年、船舶交通の輻輳化及び多様化が一層進展するとともに、我が国及びその周辺海域は地形や気象が複雑で変化が激しいため、海難事故の発生件数は決して少なくない。
 六十二年版の「海上保安白書」によると、我が国の周辺海域において救助を必要とする海難に遭遇した船舶(要救助船舶)は、一、八四三隻、一、〇〇四、四九六総トンであり、これに伴う遭難者は九、一一三人で、行方不明も含め二六八人の尊い人命が失われた。過去五年間の統計をみても、要救助船舶の合計隻数はほぼ二、〇〇〇隻前後で推移している。
 かかる現状により、国民の生命と財産を守る立場から、政府は海難救助に対し、今後、一層施策を強力に推進する必要がある。とくに、民間における海難救助活動への助成を充実・強化すべきである。
 よつて、次の事項について質問する。

一 海難救助は、海上保安庁法(昭和二十三年四月二十七日、法律第二十八号)の定めるところにより、海上保安庁の所管する事務とされている。六十一年の救助状況をみると、海上保安庁による救助は要救助船舶数一、八四三隻中四三七隻(二三・七パーセント)である。海上保安庁以外の船舶による救助は、八五九隻(四六・六パーセント)である。この海上保安庁以外について、そのうちわけを具体的に明らかにされたい。
二 海難救助は、水難救護法(明治三十二年三月二十九日、法律第九十五号)によつて、地元市町村長の責務となつている。
  とくに、沿岸部における海難救助活動については、民間団体である社団法人日本水難救済会の地方支部管下の救難所によるところが大きく、六十一年における救難所員の出動件数は二四四回に達している。これら救難所の運営費については、その大部分が、地元の地方自治体や漁業協同組合などの援助によつて賄われているのが実情である。
  政府は、これら救難所の運営に対して、補助金等による助成措置を講ずべきと思うがどうか。
三 救難所員は、何ら身分保障もなく、奉仕的に無報酬で活動を行つている。
  しかし、実際に救助に向かう場合、自らの生命に関わる危険を伴うことから、非常勤消防団員と同じ身分保障を確立すべきであると考えるが、政府はどう考えているか伺いたい。
四 現在、救難所員が海難救助に出動した場合、同一事故で二日〜七日出動しても一件として計算することになつているが、これは、消防団員の場合の出動一回につき一件とする計算方法と比較して相違がある。
  この差を設けている理由は何か。また、出動手当の金額の引き上げ等も含めて、改善すべきであると考えるがどうか。
五 全国各地に設けられている救難所の救難器具整備に関しては、海上保安庁が現在実施している救難用物品の無償貸与だけでは不十分である。
  今後、新たに、ゴムボートやモヤイ銃及びトランシーバー等の補充・整備に助成を行い、救難器具等の整備の充実を図るべきであると考えるがどうか。
六 現行の水難救護法の関係法令を一元化し、現状に則した内容の「漁船等海難救助法」(仮称)を制定すべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。

 右質問する。





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