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昭和六十三年九月十三日提出
質問第一四号

 化学畳床の生産とオゾン層破壊の関連に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年九月十三日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 原 健三郎 殿




化学畳床の生産とオゾン層破壊の関連に関する質問主意書


 フロンガスによる地球汚染対策は、今や国際条約による規制となつている。我が国においても「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」(以下「オゾン保護法」という。)が成立しているが、議定書が批准されていないため効力が生じていない。そればかりか通産省は、フロンガスを利用して製造する製品に新たなJIS規格を適用しようとしている実情である。その製品とは、われわれ日本人が日常生活に欠かせない畳である。畳には藁の畳床が一般的であるが、最近それに代わるものとしてフロンガスを利用して製造されているといわれるポリスチレンフォームを素材とした畳床がある。
 このポリスチレンフォームの製造に発泡剤として利用されたフロンガスの量は、昭和六十一年度には、三千四百八十二トンに達していると聞くが、国民の健康と我が国の風土に適した畳を守るため、次の質問をする。

一 フロンガスの製造許可を盛り込んだオゾン保護法は、昭和六十三年五月十三日に成立したが、議定書が批准されないため効力が生じていない。モントリオール議定書は、いつ批准するか、その予定を明らかにされたい。
二 現在日本における畳の総数は、約七億枚(全国畳産業振興会資料)といわれているが、そのうち化学畳床は約一億枚(全日本化学畳協会資料)といわれている。そこで改めて問うが、最近一年間に生産された畳床の現状を以下の内訳で、それぞれの数量を明らかにされたい。
 1 藁畳床
 2 サンドイッチ畳床
 3 化学畳床(脱藁畳床)
  @ ポリスチレンフォーム+インシュレーションファイバーボード
  A ポリスチレンフォーム
  B インシュレーションファイバーボード
三 畳床の素材となるポリスチレンフォームを製造する際、フロンガスを利用しているというがそれは事実か。
四 ポリスチレンフォームによる畳床は現在まで何畳あるのか、その数量を明らかにされたい。
五 全国畳産業振興会の資料によれば約七億枚の畳が日本国内の住宅に使用されているといわれている。一方、全日本化学畳協会の資料によれば、一億枚の化学畳が供給されているとある。政府は、現在までに生産された化学畳の総量をどのように把握しているのか、その数字を明らかにされたい。
六 化学畳床に粗悪品(難燃性の不足、へこみ等)が出回つていることを理由に、ポリスチレンフォームを素材とした畳床をJIS化しようとしているが、それはフロンガス規制の立法主旨に反してないのか。また、オゾン保護法の立法精神はポリスチレンフォーム畳床専門委員会にどのように反映しているのか。
七 一般論としてJIS規格について質問するが、JISは工業標準化法に基づき制定される国家規格であるが、常に客観情勢の変化による安全、環境保全等新たな立場からの見直しが要求されるべきものと思うがどうか、見解を問う。
八 化学畳床の素材であるポリスチレンフォームを製造するのに、フロンガス11、12等が使用されていると聞く。オゾン層を破壊する疑いが濃厚なのは、フロン11、12とされる。昭和六十一年度、六十二年度におけるフロンガスの用途別需要量(推定)を明らかにされたい。また、日本国内における過去五年間のフロン生産量を年度別に明らかにされたい。
九 工業規格では、インシュレーションファイバーボードは難燃性を規格としているが、ひとたび火がつくとモグサに火がついたようになかなか消えないという実験例がある。ポリスチレンフォームは単体では自己消火性を規格としているが、インシュレーションファイバーボードと合体すると双方の欠点が増幅し、火災の際、有毒なガスを発生し、火の勢いは強くなるという。最近の化学畳はこれらをサンドイッチにして加工されているが、従来の畳と違つて火災の場合、大量の有毒ガスを発生すると思うが、消防庁の見解を問う。
十 化学畳の廃棄処理の現状は、燃焼時において高熱と多量の煤煙が発生するため自治体焼却炉での受入れは拒否されているのが現状である。大手ポリスチレンフォームメーカーは、昭和六十三年八月十日付け業界紙のアンケートに、「この問題は、大変頭の痛いことであり業界全体で取組み行政の援助と指導をお願いしたい。もしメーカーの責任で回収にでもなれば経営が成り立たない。」と回答しているが、当局はこのようなポリスチレンフォームの廃棄処理の現状をどのように把握しているのか。また具体的にどのような対策を講じているのか、現状を明らかにされたい。

 右質問する。





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