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昭和六十三年十月十九日提出
質問第二二号

 皇位の尊嚴と憲法に關する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年十月十九日

提出者  滝沢幸助

          衆議院議長 原 健三郎 殿




皇位の尊嚴と憲法に關する質問主意書


 謹んで
天皇陛下の御平癒をお祈り申上げます。                          さて、小員は昭和六十二年十二月二十八日「皇位繼承に關する儀禮等についての質問主意書」を提出して政府の見解を質したが、その答辯書は「憲法の趣旨に沿い、かつ、皇室の伝統等を尊重したものになると考えている」としたに止まり一切、具體的な事項には觸れずして「研究中」とされてゐた。
 越えて六十三年二月二十九日、豫算委員會に於ける小員の質疑に對する答辯も全く同様であつた。
 このことは「天皇の地位は主權の存する國民の總意に基く」とした憲法の文章にまつまでもなく、國民ひとしく、之を知らむと願ひ、且つ又、當然知らされて可なるべきものであつたと信ずる。
 ところが今般、雜誌「文藝春秋」十一月號(一二六頁〜一三三頁)に政府の内部「研究」が急速に具體化したことが報ぜられ、國民の間に複雜な思ひが渦卷いてゐる。
 之は國政上極めて重大なことであるので、以下これに關し質問する。

一 右雜誌に報道された内部資料なるものは實存するか。
二 右の記述はおほむね事實とその内容において一致するか。違ふ點あらば明示されたい。
三 なかんづく次の七項目について眞意を問ふ。
 1 大喪に関しては皇室典範にもとづき国家予算、ただし宮内庁が担当する。
 2 国葬は、宗教色を除き、国が担当。
 3 葬場殿は大正天皇時に倣う規模とする。場所は新宿御苑。
 4 御陵は多摩陵墓地。
 5 殯宮から新宿御苑は車列を用い、葬列はしない。国が担当する。
 6 國葬は四長官弔辞が中心。葱華輦の使用については検討中。
 7 剣璽渡御の儀は、国事行為・根拠 皇室経済法。
四 元號の制定は新帝の裁許によるものと解してよいか。
五 古來、葬列を行はない大葬はないとされてゐる。見解如何。
六 皇位の繼承は「践祚の儀」「即位の儀」「大嘗祭」の三式あつて完成するといふ我國古來の傳統に鑑み、これら三式すべて公式の儀式として行はれると解してよいか。
七 大葬における轜車並に葱華輦は從前通り使用されるか。
八 即位の禮は京都に於て行はれると解してよいか。
九 「天皇に私なし」といふ。ついては皇位繼承の如く超重大な禮式にあつては、天皇個人又は天皇家といふが如き見解は當を得ないと思ふが如何。
十 アメリカ合衆國大統領の就任式、英國の戴冠式などを參考するに、宗教と憲法及び法律との關係は、文明諸國にあつては、その源泉をその國の傳統習慣に求めて、これを優位にしてゐる。かく見るとき、建國二千六百五十年の傳統を有する我國にあつて天皇個人の宗教といふが如き見解は當を得ず、憲法の文章と皇室の傳統は渾然合一なるものと解すべきである。所見如何。政府は皇位が尊嚴なものであると認めるか。如何。
十一 右の見識に立つ時、將來あり得べき皇位繼承に關する諸般の禮典は須く我國の古來の傳統を全く繼承しつつ、正式完全に行はれるべきである。更に之を世界に披露して、我國の美風と世界平和への希求を廣く顯傳すべきであると思ふが、如何。
十二 先に記したる如く憲法第一條により「國民の總意に基いて」皇位が確立されてゐるとするならば、その國民の代表であり國權の最高機關たる國會が、皇位繼承に關する手續禮法等は知らざるべからず、更に國民はその國會を通じて之を知るべきである。然るに今日までの一連の作業は、この憲法の趣旨をないがしろにしてゐるが如くである。見解如何。

 右質問する。





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