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昭和六十三年十二月十六日提出
質問第二九号

 日本企業等の米国・西太平洋戦域ミサイル防衛構想研究参加に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年十二月十六日

提出者  東中光雄

          衆議院議長 原 健三郎 殿




日本企業等の米国・西太平洋戦域ミサイル防衛構想研究参加に関する質問主意書


 米国防省は十一月四日、西太平洋戦域中短距離ミサイル防衛構想研究に関する契約を日本企業等二社グループと締結することを発表した。
 戦略防衛構想(SDI)の一部である西太平洋戦域ミサイル防衛構想研究への我が国企業の参加は、宇宙規模の核軍拡競争を推進する米国の世界軍事戦略に対する直接の協力・加担であり、日本企業の参加を推進してきた日本政府の責任は極めて重大であつて、断じて容認できない。
 同構想研究参加はまた、日本政府及び日本企業に対し、我が国科学技術研究の自由な発展を阻害し、また科学技術研究者・労働者の基本的人権を侵害する新しい秘密保護体制の確立を強制するものである。
 よつて、西太平洋戦域ミサイル防衛構想及び秘密保護体制等の詳細について、以下質問する。

一 米国・西太平洋戦域ミサイル防衛構想について
 (1) 西太平洋戦域、ミサイル防衛構想(以下「西太平洋戦域防衛構想」という。)について、政府は米国政府からいつ、どのような説明を受けたか。
 (2) 戦略防衛構想について政府は「非核の防御システム」(内閣官房長官談話)としているが、西太平洋戦域防衛構想は「非核の防御システム」か。西太平洋戦域防衛構想の目的、内容及び日本企業等が行う研究分野(ミサイル追尾技術等)等を例示して、「核・非核」を明らかにされたい。
 (3) 西太平洋戦域の範囲はどこか。
 (4) 西太平洋戦域防衛構想研究は全体としていつまで継続されるのか。また、開発・配備の見通しはどうか。
 (5) 西太平洋戦域防衛構想と戦略防衛構想とはどのような関係にあるのか。
二 西太平洋戦域防衛構想研究に関する契約について
 (1) 西太平洋戦域防衛構想に関する米国防省の契約担当機関はどこか。
 (2) 右契約担当機関による西太平洋戦域防衛構想研究の入札公示について、その件名、研究事項・応募資格要件等の主要内容、入札公示日、同締切日及び二グループの入札決定日・契約締結日を示されたい。
 (3) 西太平洋戦域防衛構想研究に関し、米国防省の契約または研究担当機関によるその仕様・計画概要にかかわる入札説明会等の開催日、参加日本政府職員の所属省庁局部課名・人数及び参加日本企業名を示されたい。
 (4) 西太平洋戦域防衛構想の落札価格及び落札企業名を、主契約者ごとに副契約者を含めて示されたい。
 (5) 米国「一九八八・一九八九年度国防予算権限法」第二二二条は、原則として外国政府または外国企業との戦略防衛構想研究等にかかわる契約を禁止している。今回の契約は、適用除外を規定した同条(c)の(1)(2)(3)のどの項によるものか。
 (6) 右契約に関し、日本政府・契約企業は分担金等の資金提供をするのかどうか、なんらかの形態で資金提供をする場合はその金額を明らかにされたい。
三 西太平洋戦域防衛構想研究の実施に伴う秘密情報の日本企業への引渡しについて
 (1) 西太平洋戦域防衛構想研究の実施に伴い米国秘密情報(秘密情報を含む資材等を含む。以下同じ。)が米国防省から日本政府をつうじて日本企業に引き渡されることになるが、当該業務を担当する米国防省及び日本政府の機関(局部課名)はどこか。
 (2) 同構想研究実施に伴い日本企業に引き渡されることとなる秘密情報名・件数を示されたい。また、同秘密情報の米国及び日本における秘密指定区分名は何か。秘密指定されていない情報はあるのか。
 (3) 秘密情報の取扱いに関し適用される日本の法令は何か。通産省及び防衛庁の日米相互防衛援助協定秘密保護法に基づく訓令、同法以外の秘密保護(保全)に関する訓令の四訓令のどれが適用されるのか。
四 戦略防衛構想研究参加に伴う秘密保護能力の確認について
 (1) 通産省は戦略防衛構想にかかる技術の交流にかかる秘密保護に関する二つの訓令を制定した(一九八八年三月九日、衆議院予算委員会第六分科会・通産省貿易局長答弁)が、それぞれの名称及び根拠法を示されたい。
 (2) 二つの訓令における秘密指定区分の名称、秘密指定区分の基準及び秘密指定起案者・秘密指定権限者を明らかにされたい。
 (3) 通産省は右の二つの訓令についてその概要のみを発表し全容を公表していないが、防衛庁は同趣旨の訓令を公表している。通産省の二訓令を公表しないのは何故か。
 (4) 通産省「公示」(戦略防衛構想研究参加企業の秘密保護能力の確認)に基づく秘密保護能力確認を担当する通産省内の局部課名・人員体制を明示されたい。
 (5) 右「公示」以降現在までの確認申請企業名、及び今回の西太平洋戦域防衛構想研究落札に伴う確認企業名(施設等所在地・警備体制・確認対象人員数)を明示されたい。
 (6) 右の確認を執行する日本政府省庁の局部課はどこか、四(4)の通産省担当部局のみか。そのさい、通産省以外の政府機関の協力を受けるのかどうか。
 (7) 右の確認にさいし、三(1)の米国防省の担当機関は日本国内において確認にかかわる視察・立入検査等を行うことがあるのか。
 (8) 右の確認にさいし、当該企業施設等について立入検査等を行うのか。また、「背景情報及び成果情報を取り扱う者」の確認のための調査項目は何か。
五 防衛庁訓令に基づく確認等について
 (1) 防衛庁「防衛秘密の保護に関する訓令」及び「秘密保全に関する訓令」に基づいて、物件の外部委託に関し秘密保護・保全上支障がないことを確認している企業名(下請け企業を含む。社(工場)所在地・保管責任者等対象となる人員数)を、各訓令ごと、中央・地方調達ごとに示されたい。
 (2) 右二つの訓令に基づく調査・確認を行う防衛庁の局部課はどこか。また、調査・確認にさいし、他の政府機関の援助・協力を受けることがあるのか。さらに、調査・確認、検査等秘密保護体制の維持について米国政府機関が関与することがあるのかどうか。
 (3) 同右の確認企業と今回の西太平洋戦域防衛構想研究落札に伴う秘密保護確認企業とが重複する企業については、通産省・防衛庁のどちらの政府機関が、どのような確認行為を行うのか。当該企業は通産省の秘密保護に関する訓令による戦略防衛構想研究参加に伴う独自の「規則」を作成することとなると思うがどうか。

 右質問する。





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