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平成十年三月十二日提出
質問第一七号

日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在などに関する質問主意書

提出者  保坂展人




日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在などに関する質問主意書


 法務省が提出を準備している組織的な犯罪に対処するための三法案を検討する前提として、一九八六年の日本共産党国際部長・緒方靖夫氏(当時)宅盗聴事件について、事実の確認と責任の所在を明確にするため、以下質問する。また、逮捕状、捜索状などの令状請求手続きについても現状を把握した上で、現行制度の適否を問いたい。いずれも政府の統一的な見解を求める。国会法第七十五条第二項の期限内に回答されたい。

一 事実認定
 (1) 政府はそもそも、裁判所の確定判決が示した事実認定の持つ意味をどう考えるか。
 (2) 行政府が確定判決の内容と異なる見解を示し続けることは現行憲法下、可能と考えるか。例えば、死刑確定者の判決と異なる事実認定を主張し、刑を執行しないことはあり得るのか。
 (3) 前項のように行政府が司法の最終判断と異なる見解を示し、司法の場で問われた行政の責任を否定し続けた場合、裁判所が認定した権利の侵害はどのような形で改善、賠償されるのか。
 (4) 緒方氏宅盗聴事件の捜査経緯、被疑者の刑事処分、刑事処分を決めた理由をそれぞれ明らかにされたい。
 (5) 本件事件に関して、緒方氏が申し立てた付審判請求の決定、検察審査会の議決について政府が把握している内容を明らかにされたい。また、その後の捜査経過、刑事処分とその理由をそれぞれ明らかにされたい。
 (6) 前項の付審判請求に対する決定では、本件盗聴についてどのような事実認定がされたと認識しているか。
 (7) 緒方氏とその家族らが提起した損害賠償請求訴訟の判決結果、事実認定について政府として把握している内容を明らかにされたい。
 (8) 付審判請求に対する決定、損害賠償訴訟の判決で示された事実認定について、政府の見解を示されたい。
 (9) 今回の政府見解に先立ち、本件について政府が衆議院、参議院で答弁してきた内容をそれぞれ具体的に明らかにされたい。
二 責任の所在
 (1) 本件について、行政府の責任をどう考えるか。
 (2) 本件のような盗聴事件が再び起こることはないのか。
 (3) 前項で「ある」と答弁された場合、その可能性を小さくするためにどのような施策を取っているか。「ない」と答弁された場合、こうした盗聴事件が再発しない理由ならびに根拠をそれぞれ示されたい。
 (4) 本件以外に、過去警察、公安調査庁その他の機関で盗聴による情報収集が行われてきたか。行われてきたとすれば、適法な手続きによってなされたのか、それとも法的な根拠、権限なしに実施されたのか。行われていないとするならば、信頼に足る客観的な第三者機関などの調査にもとづいてそれが証明されるのか。あるいは、組織内で違法な盗聴がなされないようにチェックするための内部監察機関、調査機関などはあるのか。それとも単なる報告をもって「信用しなさい」ということか。
 (5) 組対法に関する与党三党の協議会で、自民・社民・さきがけの見解が「緒方靖夫氏宅盗聴事件は神奈川県警の組織的犯罪」との認定で一致したことを政府はどう考えるか。
三 令状請求手続き
 (1) 逮捕状や捜索状、差し押さえ状などを捜査当局が裁判所に請求する場合、添付する疎明資料はどの程度の証明力が必要と考えるか。
 (2) 令状請求手続きで、裁判所に提出した疎明資料は裁判所に残っているものと認識しているか。
 (3) 疎明資料が裁判所に残っていない場合、もし捜査当局が違法に令状を請求した疑いが生じたとしたら、何を令状請求の適否の判断材料にすればいいのか。また、担当裁判官が適法に判断しなかった疑いが生じた場合はどうか。
 (4) 昨年一年間、捜査機関が逮捕、捜索、差し押さえを裁判所に請求した件数、このうち却下された件数をそれぞれ明らかにされたい。
 (5) こうした令状請求手続きの現状をどう考えるか。組織的な犯罪に対処するための三法案にも令状請求手続きが盛り込まれているが、現在の要綱で十分か。

 右質問する。



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