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平成十年五月六日提出
質問第三〇号

日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在などに関する再質問主意書

提出者  保坂展人




日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在などに関する再質問主意書


 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案の上程に当たり、三月十二日提出の「日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在などに関する質問主意書」(以下、「前回質問主意書」とする)に対する三月二十七日付答弁書(以下、「答弁書」とする)には、一部不十分な答弁があり、同事件の事実認定と責任の所在を明確にすることが同法案の適否に大きく影響することについて、理解を欠いているとみられる部分もあるので、以下再質問する。また、同法案が死刑を最高刑としていることに鑑み、死刑をめぐる最近の状況についても質問する。

一 共産党幹部宅盗聴事件の事実認定
 (1) 答弁書「一の(4)について」には「被疑者両名は個人的利欲に基づいて本件を犯したものではない」とあるが、被疑者両名は単に上官の命令に従っただけだったのか。被疑者両名に、命令を忠実、確実に実行することで、将来の昇進などが有利に取り計られるという意味での「利欲」が全くなかったと判断したのは、どういう証拠に基づくのか。最近では、前大蔵省金融検査官室長らの接待汚職事件で、検察官が冒頭陳述で指摘しているように、組織の一担当者が違法行為(この事件の場合は贈賄)に及ぶケースでの「利欲」は、自己の「出世」とされることが多いと承知しているが、警察官による盗聴事件の場合、何が動機となっているのか。「利欲」はあり得ないのか。
 (2) 答弁書「一の(4)について」には「被疑者両名が本件の首謀者ないし責任者的立場にあるとは認め難い」とあるが、共産党幹部宅盗聴事件の「首謀者」や「責任者的立場にある」人物は誰か。
 (3) 答弁書「一の(4)について」には「警察において、本件につき深く遺憾の意を表するとともに、かかる事態の再発防止に努めることを誓約するなどしており」とあるが、いったい誰がどの時点で、誰に対して再発防止に努めることを誓約したのか。また、警察は検察官に「再発防止に努めます」と口頭で伝えたのか、それとも誓約の書面を記したのか。組織的に再発防止のための具体的な施策を提示したか。
 (4) 答弁書「一の(5)について」には「警察の自浄作用により、同種事犯の再発防止が十分期待できる」とあるが、「警察の自浄作用」について、具体的に過去のどのような事例で示されたものがあるのか、明らかにされたい。また、「再発防止が十分期待できる」と考えた根拠は何か。どのような証拠に基づくのか。
二 責任の所在
 (1) 答弁書「二の(3)について」には「警察においては、国民の信頼を裏切ることのないよう、適正な職務執行に努めているところであり、違法な傍受が行われることはないと確信している」とあるが、確信した根拠は何か。事件後、警察組織内で、違法な通信傍受をしないと明確な内規などが作成されたのであれば、明らかにされたい。作成されていなければ、その理由を述べられたい。
 (2) 答弁書「二の(4)について」では「我が国の行政機関においては、違法な傍受は行われていない」と断言しているが、根拠は何か。具体的に職員にどのような指導、研修がなされているのか、その全容を明らかにされたい。
三 令状請求手続き
 (1) 答弁書「三の(3)について」によると、令状請求、発付に違法があるとして、不服申し立てを受けた裁判所は令状請求時の資料の提出を受けることができるが、裁判所の取り調べに提出される資料が令状請求時の資料と同一かどうかは、どのような証拠で立証されるのか。捜査機関の公正を担保するため、仮に令状を請求した際の資料に誤りがあった場合などに担当者がそれを恣意的に修正するなどしないように、部内で請求時の資料は請求者以外の係官が保管するなどの措置が当然取られていると考えるが、どうか。
 (2) 答弁書「三の(4)について」には「取り下げ」の件数が記載されているが、一九九六年に令状請求を取り下げた二千二百八十三件(逮捕状三百六十七件、差押・捜索許可状又は検証許可状千九百十六件)の理由は何か。裁判官から認められないから取り下げたのか、あるいは請求後に誤りが発見されるなどしたのか。事件の内容に踏み込む必要はなく、概括的にそれぞれ件数を明らかにされたい。
四 死刑の執行
 死刑廃止条約の批准を求めるNGOなどによると、法務省刑事局は五月の連休明けに死刑を執行する方針を固め、法務大臣の決裁を仰ごうとしているというが、事実か。一方で、新たに死刑を盛り込んだ戦後二例目の法案が国会に上程され、審議された場合には死刑の是非、執行方法の適法性、死刑に関する情報公開の適否、死刑確定者の処遇などについても論議が予想されることを十分に認識しているか。また、過去数年のように国会会期外の金曜日ではなく、会期中のほかの曜日に執行を予定しているといわれるが、どうか。

 右質問する。



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