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平成十一年四月九日提出
質問第二三号

クマタカの保護に関する質問主意書

提出者  佐藤謙一郎




クマタカの保護に関する質問主意書


 公共事業による奥地山岳地帯の開発行為によりクマタカの繁殖が失敗にいたったと思われる事例があり、重要な問題が提示されている。そこで次の事項について質問をする。

一 農林水産省東北農政局会津農業水利事務所による新宮川ダム建設について
 1 建設工事現場周辺の一九九八年のクマタカの生息(繁殖)状況について報告を受けているか。
 2 報告を受けているとすれば、
  ア それはいつ、誰が、誰に対して行ったか。
  イ 工事現場とクマタカの営巣・営巣中心域・営巣期高利用域との距離は最短でいくらか。
  ウ 工事用道路とクマタカの営巣・営巣中心域・営巣期高利用域との距離は最短でいくらか。
  エ 工事用仮設備とクマタカの営巣・営巣中心域・営巣期高利用域との距離は最短でいくらか。
  オ 一九九八年の工事着手時期と終了時期、工事の時間帯はどのようになっているか。
 3 環境庁が一九九六年に策定した『猛禽類保護の進め方』に関し、
  ア それをこのクマタカの保護に該当させているか。
  イ 具体的にどのように保護策を講じているか。
  ウ 一九九八年、一九九九年も四月から工事が開始されているが、クマタカの繁殖地でそのような施工期日が可能な理由を記されたい。
 4 一九九八年の二組のクマタカの繁殖は失敗したと聞いているが、
  ア 事実か。
  イ 事実とすれば、繁殖失敗の原因を究明すべきであると考えるがどうか。
  ウ クマタカの死骸はどのようにしたか。
  エ 現地調査にあたったのは誰で、誰の指示で繁殖期に営巣に接近したか。
  オ 現地調査の結果は、いつ、どのような学識を有しているどの専門家が行い、それを事業者はどのように認識したか。
 5 一九九九年のクマタカの繁殖に関し、
  ア 現況はどのようになっているか。
  イ その現況と工事再開の整合性はどのようになっているか。
  ウ 四月以降のクマタカの追跡調査の日程はいつ誰がどのように行い、その結果はいつ誰がどのようにして事業者に報告するか。
  エ 事業者は得られた調査結果をどのようにして判断するか。
  オ 工事がクマタカに悪影響を与えていると判断する状況はどのような場合か。
  カ クマタカがどのような状態になれば、誰が工事の中断を決断するか。
  キ 工事の影響が具体的にクマタカに影響を与えた観察例がなかったか。
 6 クマタカの生息地で繁殖期間中の四月から工事を行うことは政府の保護の対応とは異なると考えられ、一九九九年の工事がクマタカの生息に与える影響を把握する追跡調査体制と調査結果を随時分析し、工事の手法や進度について地元保護団体等を交えた客観的な議論をすべき機関が存在していないと考えられるがどうか。
 7 工事、工事用仮設備の稼働及び工事用車両の通行が四月から開始されることは、クマタカの繁殖確保上問題ある行為と考えられ、かつ環境庁が一九九六年に策定した『猛禽類保護の進め方』にそった保護策となっていないと考えられるが、工事用仮設備稼働・通行車両及び工事が可能であるとした根拠を記されたい。
二 特殊法人電源開発株式会社による奥只見地域(福島県檜枝岐村・只見町)での開発行為について
 1 建設工事現場周辺の一九九八年のクマタカの生息(繁殖)状況について、報告を受けているか。
 2 報告を受けているとすれば、
  ア それはいつ、誰が、誰に対して行ったか。
  イ 工事現場とクマタカの営巣・営巣中心域・営巣期高利用域との距離は最短でいくらか。
  ウ 工事用道路とクマタカの営巣・営巣中心域・営巣期高利用域との距離は最短でいくらか。
  エ 工事用仮設備とクマタカの営巣・営巣中心域・営巣期高利用域との距離は最短でいくらか。
  オ 一九九八年の工事着手時期と終了時期、工事の時間帯はどのようになっているか。
 3 環境庁が一九九六年に策定した『猛禽類保護の進め方』に関し、
  ア それをこのクマタカの保護に該当させているか。
  イ 具体的にどのように保護策を講じているか。
  ウ 一九九八年は七月から着工されており、クマタカの繁殖地でそのような施工期日が可能な理由を記されたい。
  エ 営巣木が特定された時期はいつか。
  オ 営巣の状況から、いつごろからその営巣で繁殖活動を行っていたと考えられるか。
  カ 幼鳥の行動圏はいつ確認し、どのくらいの面積だったか。
  キ 一九九八年の奥只見放水口付近に営巣したクマタカの繁殖経過の状況について、造巣期、抱卵期、巣内育雛期の観察事例はどのようになっているか。また営巣木の確認調査で造巣活動は確認したか。
 4 一九九八年の奥只見放水口付近のクマタカの繁殖は失敗したと聞いているが、
  ア 事実か。
  イ 事実とすれば、繁殖失敗の原因を究明すべきであると考えるがどうか。
  ウ クマタカの巣はどのような状況で、いつ確認したのか。当該期に搬入した巣材が巣調査で確認できたのではないか。それは繁殖活動であると考えられるがどうか。また繁殖活動が中断した原因について調査を行ったか。
  エ 現地調査にあたったのは、誰で、誰の指示で営巣に接近したか。
  オ 現地調査の結果は、いつ、どのような学識を有しているどの専門家が行い、それを事業者はどのように認識したか。
  カ この営巣付近の道路の工事用車両の通行が開始されたのは七月か。
  キ この営巣付近で工事用仮設備予定地の土地に土砂運搬等を行ったのはいつか。
  ク この営巣付近で工事用仮設備の工事を開始した時期と終わった時期、工事期間中の施工時間帯はどのようになっていたか。
 5 一九九九年のクマタカの繁殖について、
  ア 現況はどのようになっているのか。
  イ 現況と工事再開の整合性はどのようになっているか。
  ウ 七月以降のクマタカの追跡調査の日程はいつ誰がどのように行い、その結果はいつ誰がどのようにして事業者に報告するか。
  エ 事業者は得られた調査結果をどのようにして判断するか。
  オ 工事がクマタカに悪影響を与えていると判断する状況はどのような場合か。
  カ クマタカがどのような状態になれば、誰が工事の中断を決断するか。
  キ これまで工事の影響が具体的にクマタカに影響を与えた観察例がなかったか。
 6 クマタカの生息地で繁殖期間中の七月から工事を行うことは政府の保護の対応とは異なると考えられ、本年の工事がクマタカの生息に与える影響を把握する追跡調査体制と調査結果を随時分析し、工事の手法や進度について地元保護団体等を交えた客観的な議論をすべき機関が存在していないと考えられるがどうか。
 7 奥只見放水口付近の工事用仮設備の稼働及び通称大鳥道路の工事用車両の通行が七月から開始されることは、クマタカの繁殖確保上問題ある行為と考えられ、かつ環境庁が一九九六年に策定した『猛禽類保護の進め方』にそった保護策となっていないと考えられるが、工事用仮設備稼働・通行車両及び工事が可能であるとした根拠を記されたい。

 右質問する。





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