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答弁本文情報

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昭和四十一年二月十八日受領
答弁第三号
(質問の 三)

  内閣衆質五一第三号
    昭和四十一年二月十八日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 山口喜久一郎 殿

衆議院議員鈴木一君提出電気銅販売価格の安定並びに黒鉱の精錬技術確立に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鈴木一君提出電気銅販売価格の安定並びに黒鉱の精錬技術確立に関する質問に対する答弁書



一 最近における銅価格の高騰は、著しいものがあるがこれはわが国のみでなく世界的な傾向である。
  昨年来、世界の銅需給は、ベトナム戦争による需要の増加、世界最大の産銅国であるチリーにおける大手銅鉱山のストライキに加え、ローデシア独立宣言問題に関連したザンビア産銅の生産、出荷の停止懸念もあり、きわめてひつ迫している。このため、各国は、現在、銅確保に懸命の努力を払つており、アメリカ、カナダ、イギリスなど多くの国が銅の輸出規制を強化しているが、これがさらに世界の銅需給のひつ迫に拍車をかけている。
  わが国は銅供給の相当部分を海外に依存しているため、この世界的な銅不足の影響を強く受け、需給のひつ迫、価格の高騰を惹起しているわけである。
  御指摘のとおり、このような事態は、関連産業に大きい影響を与えるので、政府としてはこれまで銅の輸出規制の強化を図るとともに、アメリカ、カナダに対しては輸出規制の緩和を、イギリス、ザンビアに対してはザンビア産銅の供給の確保を要請してきた。また、銅関連業界に対しても、一致協力のうえ銅の低廉、かつ、安定的な確保に万全の努力をするよう要請してきたところであるが、今後とも鉱業審議会の意見等も参考にして対策を検討し、実施して参りたい。

二 秋田県を中心とする黒鉱の探鉱は、国および金属鉱物探鉱促進事業団による地質構造の調査の推進ならびに関係各企業の努力により著しく進展しており、埋蔵鉱量はすでに六千万トンに達するものと推定されている。しかし、黒鉱は銅、鉛、亜鉛および鉄の硫化鉱や金、銀などが微細に入り混じつた複雑鉱であるため、その開発には各成分を分離、回収する技術につき、特段の研究が必要であることは御指摘のとおりである。
  したがつて、現在、民間においては選鉱、精錬の新技術開発に努めているが、政府としても国の研究機関における研究をすすめるとともに、民間における研究を促進するため共同研究に対し補助金を交付する等積極的な対策を講じてきているところであり、さらにこれらの研究の一体化を図るため科学技術庁の資源調査会において、学識経験者を集め、研究成果を総合的に検討し、黒鉱の高度利用技術の開発方策の樹立に努めている。
  したがつて、今後ともこれらの対策を一層推進し、黒鉱の高度利用の早期実現を図つていく所存である。

 右答弁する。




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