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答弁本文情報

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平成七年十二月五日受領
答弁第一二号

  内閣衆質一三四第一二号
    平成七年十二月五日
内閣総理大臣 村山富市

         衆議院議長 土井たか子 殿

衆議院議員岩佐恵美君提出国立公衆衛生院、人口問題研究所、国立多摩研究所の統廃合案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員岩佐恵美君提出国立公衆衛生院、人口問題研究所、国立多摩研究所の統廃合案に関する質問に対する答弁書



一の1の(1)及び(2)について

 憲法第二十五条の規定は、全体として、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるように国政を運営すべきことを国の責務として宣明したものであり、同条第二項の「公衆衛生」という語のみによってこれに対する国の公的責任が表されているものではないと考える。

一の1の(3)から(6)までについて

 厚生省は、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進を図ることを任務とし、これを遂行するために必要な試験、研究等を行うための機関(以下「試験研究機関」という。)を設置しているところである。厚生省においては、人口構造の高齢化、科学技術の進展等を踏まえ、国立公衆衛生院等七つの試験研究機関及び特殊法人社会保障研究所について試験研究及び人材の養成訓練の体制を充実するため、再構築を行うこととしている。国立公衆衛生院は、公衆衛生技術者の養成訓練及びこれに対する公衆衛生に関する学理の応用の調査研究をつかさどる機関であるが、この再構築において、国立医療・病院管理研究所等の機能を統合して、地域の保健医療福祉に関する総合的、実践的な調査研究及び保健医療福祉サービスを担う人材の育成等を行う国立保健医療福祉政策研究所(仮称)に発展的に改組することとしており、御指摘の公衆衛生の研究・教育及び国際協力等の現在の国立公衆衛生院の機能は、再構築後の試験研究機関において承継することとしている。

一の2の(1)について

 国の行政機関等の移転は、東京都区部における人口及び行政、経済、文化等に関する機能の過度の集中の是正に資するため、多極分散型国土形成促進法(昭和六十三年法律第八十三号)に基づき、「国の行政機関等の移転について」(昭和六十三年七月十九日閣議決定。以下「昭和六十三年閣議決定」という。)において定めた基本方針に基づいて、業務上東京都区部内に立地することが適当なものを除く地方支分部局、施設等機関等を東京都区部から移転するものである。国の行政機関等の移転については、依然として諸機能等が高い東京集中をみせている状況にあることから、景気の動向に左右されることなく引き続き推進していく必要があるものと考えている。
 なお、首都機能の移転は、国会等の移転に関する法律(平成四年法律第百九号)に基づき、国会並びに行政及び司法に関する機能のうち中枢的なものを東京圏以外の地域に移転するものである。現在、その具体化に向けて積極的に検討を進めているところであり、国の行政機関等の移転とあいまって東京一極集甲の是正を図るものである。

一の2の(2)及び(6)について

 国立公衆衛生院の移転場所及び移転時期については、昭和六十三年閣議決定及び国の機関等移転推進連絡会議において取りまとめられたものであり、適切なものであると考えている。

一の2の(3)について

 現在の国立公衆衛生院の建物については、重要文化財の指定等その保存について検討する予定はない。

一の2の(4)について

 厚生省の試験研究機関の再構築においては、国立公衆衛生院の業務の大部分を国立保健医療福祉政策研究所(仮称)が承継することとしていることから、その場合には、当該機関が昭和六十三年閣議決定に基づく移転対象となるものである。

一の2の(5)について

 国立公衆衛生院の移転及び試験研究機関の再構築を進めるに当たっては、職員の理解と協力が得られるよう今後とも十分努力してまいりたい。

二の1及び3について

 人口問題研究所については、試験研究機関の再構築の一環として、特殊法人社会保障研究所等の機能を承継し、国立社会保障・人口問題研究所(仮称)に発展的に改組することを検討しており、関連分野の研究との連携を強化する等研究体制の充実を図ることとしている。

二の2について

 国立社会保障・人口問題研究所(仮称)において社会保障研究所の機能を承継することとするのは、行政改革の一環として特殊法人の整理合理化を推進するだけでなく、二十一世紀の少子・高齢社会の到来を控えて人口問題に関する研究と社会保障に関する研究の連携が重要となってきていること等にかんがみ、これらの研究を総合的に実施することが必要とされるからである。
 なお、社会保障研究所の研究機能を承継するために必要な定員については、厚生省の他の試験研究機関の組織及び業務の効率化により、既存の定員の枠内で対応することとしている。これは行政改革の趣旨に沿うものであるが、必要な定員は確保されるので厚生省における調査研究体制の後退にはつながらないものと考えている。

三の1について

 ハンセン病については、ハンセン病に関する免疫機構等未解明の研究分野もあり、今後ともハンセン病に関する研究を推進する必要があると考えている。

三の2について

 国立多摩研究所については、組織の規模が小さく新規分野への対応及び先進技術の導入に限界があること、また、分子生物学及び免疫学等の進展に伴いハンセン病のみを対象とするよりも感染症全般を対象とした研究体制の中で他の分野の研究成果及び研究設備を活用することが研究の進展に資することから、感染症に関し総合的、先端的な研究を行っている国立予防衛生研究所と統合することを検討している。

三の3について

 厚生省の試験研究機関の再構築においては、ハンセン病治療研究センター(仮称)を設置して、ハンセン病に関する研究の充実強化を検討しているが、御指摘の研究については、結核菌がらい菌と同じ抗酸菌属に分類されることから、当該センターにおいて実施することにより、研究成果の相互の活用が可能になる等研究の一層の進展が期待できるものと考えている。





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