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答弁本文情報

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平成十年一月二十三日受領
答弁第一八号

  内閣衆質一四一第一八号
    平成十年一月二十三日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員太田昭宏君提出公共事業における評価基準、及び撤退システムの確立に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員太田昭宏君提出公共事業における評価基準、及び撤退システムの確立に関する質問に対する答弁書



一について

 公共事業における事業の評価については、これまでも道路事業、治水事業等において新規採択の優先度を決定するための事業の評価基準を公表する等の取組を行ってきているところであり、今後とも、公共事業に係る費用対効果分析の手法の開発等の取組を進めることにより、公共事業の実施過程の透明性の一層の向上を図っていくこととしているところである。

二及び三について

 政府においては、公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るため、従来から公共事業の実施によって生じる効果を定量的に評価する費用対効果分析の手法の活用を図ってきたところであり、既に道路事業等については費用対効果分析の結果を事業の採択等に反映させているほか、その他の事業についても、事業の評価を行う際の基準の一つとして活用するための費用対効果分析の具体的な手法の開発を進めているところである。
 また、事業の実施によって生じる効果を異なる種類の事業間で比較するためには、事業間で統一的に用いることができる費用対効果分析の手法を開発することが前提となるが、事業の実施によって生じる様々な効果を包括的に計測することが理論上は可能とされているヘドニック法等の分析手法については、分析結果の信頼性等に関し課題を有する事業が多いことから、各種の公共事業に一律に適用することは現段階では困難であると考えている。
 政府としては、費用対効果分析の手法の開発等を引き続き進めること、事業ごとに異なる手法を用いて費用対効果分析を実施する場合においても、関係省庁間での情報交換等を通じて分析に係る手続き等の整合性を可能な限り保つこと等、公共事業の実施過程の透明性を一層向上させるための取組を進めていくこととしているところである。

四について

 建設省河川局が平成九年八月に公表した「ダム事業総点検結果について」(以下「総点検」という。)においては、中止ダム等事業、休止ダム等事業及び一時休止ダム等事業を次のような判断に基づいて決定したものである。
 すなわち、中止ダム等事業とされた各事業については、これまでに得られた調査の結果等から、当該事業に係る水需要の見通しが変化したこと、治水計画上のより優れた代替案の存在が確認されたこと等を踏まえ、建設省及び総点検の対象とした事業の事業者(以下「建設省等」という。)において平成十年度以降は事業を行わないことが妥当であると判断したものである。
 一方、休止ダム等事業とされた各事業については、これまでに得られた調査の結果等からは事業を行わないことが妥当であるとは判断できないが、当該事業が計画されている河川等における治水計画上のより優れた代替案の存在の可能性、関係する地域の意向、事業の緊急性等を総合的に勘案して、建設省等において平成十年度予算概算要求では要求を行わないことが妥当であると判断したものである。
 また、一時休止ダム等事業とされた事業については、当該事業に係るダム等事業審議委員会の審議の結果を待って事業の進め方を判断する必要があると考えて、建設省において平成十年度予算概算要求では要求を行わないことが妥当であると判断したものである。

五について

 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第十条第一項においては、各省各庁の長は、補助金等の交付の決定をした場合において、その後の事情の変更により特別の必要が生じたときは、当該交付の決定に係る事業等の執行が済んでいない部分に限って補助金等の交付の決定を取り消すことができるとする趣旨を定めており、同項の適用がある場合には、既に事業等の執行が済んだ部分について補助金等の返還を求められることはないものである。
 なお、補助金等の交付の決定の取消しに当たって各省各庁の長の判断が必要であるとする原則については、補助金等が国民から徴収された税金等の貴重な財源で賄われるものであることにかんがみ、合理的なものと考える。

六及び七について

 政府においては、公共事業の実施に当たっては、従来から社会経済情勢の変化に伴って事業の在り方を不断に見直し、真に必要な事業の推進を図ってきているところであるが、公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上が重要な課題となっていることにかんがみ、平成九年十二月に公共事業全体について新たな再評価システムを導入することとしたところである。
 この再評価システムは、採択後一定期間を経過した後も未着工である事業、採択後既に長期間が経過している事業等の再評価を行い、必要に応じその見直しを行うほか、事業の継続が適当と認められない場合には事業を中止又は休止することとするものであるが、同システムにおける事業の再評価の手続き等については、公共事業の評価の透明性の確保に十分配慮して早急に検討していくこととしているところである。





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