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答弁本文情報

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平成十一年四月二十七日受領
答弁第二七号

  内閣衆質一四五第二七号
    平成十一年四月二十七日
内閣総理大臣 小渕恵三

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出東京高検検事長の行動と品格に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出東京高検検事長の行動と品格に関する再質問に対する答弁書



一の(1)について

 飲食店の女性従業員と不適切な交際をし、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招いたことは、遺憾であるが、則定氏の一連の行為は、私事にわたることでもあり、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)上、懲戒処分に付すべき事案であるとは認められず、悪質な犯罪と同等の反社会的行為とは考えられない。

一の(2)について

 則定氏の一連の行為は、私事にわたることでもあり、国家公務員法上、懲戒処分に付すべき事案であるとは認められなかった。しかしながら、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招来し、その地位、職責に照らし不適切であったので、同氏に対しては、検事総長が厳重注意したものであり、こうした措置については適切であったと考える。

一の(3)について

 本件については、則定氏本人及び関係者からの事情聴取を行うとともに必要な裏付け調査を行うなど、
 同氏に法令上又は服務上問題となるべき事実があるか否かを決定するために必要かつ十分な調査を行ったものである。
 同氏の一連の行為は、私事にわたることでもあり、国家公務員法上、懲戒処分に付すべき事案であるとは認められなかった。しかしながら、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招来し、その地位、職責に照らし不適切であったので、同氏に対しては、検事総長が厳重注意したものであり、こうした措置についても適切であったと考える。

一の(4)について

 私人の考え方に関する御質問であり、お答えする立場にない。

一の(5)について

 本件に関し、親や教師がどのような説明を行うべきであるかについては、お答えする立場にない。

一の(6)について

 検察においては、御指摘のような国民の期待と信頼にこたえるために、厳正公平、不偏不党の立場を堅持しながら、適正妥当に検察権を行使してきたものであるが、検察に対する期待等に関する数量的な統計については、世論調査を行ったこともないため、承知していない。

一の(7)について

 御指摘のとおりである。

一の(8)について

 飲食店の女性従業員と不適切な交際をし、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招いたことは、遺憾であるが、則定氏の一連の行為は、私事にわたることでもあり、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしたとして国家公務員法上の懲戒処分に付すべき事案であるとは認められなかった。

一の(9)について

 則定氏個人のコメントや認識に関する御質問であり、お答えする立場にない。

一の(10)について

 則定氏個人の認識に関する御質問については、お答えする立場にない。
 法務省及び最高検察庁においては、月刊誌の記事の内容が看過し得ないものであったことから、調査を開始したものであり、御指摘の新聞記事を契機として調査を開始したものではない。

一の(11)について

 一の(3)についてでお答えしたとおりである。

一の(12)について

 本件については、則定氏本人及び関係者からの事情聴取を行うとともに必要な裏付け調査を行うなど、同氏に法令上又は服務上問題となるべき事実があるか否かを決定するために必要かつ十分な調査を行ったものである。

一の(13)について

 国民の疑惑をいささかも招くことのないよう、法務省及び検察庁職員の綱紀の保持に改めて万全を期することとしている。

二の(1)について

 御指摘の法務省職員倫理規程(平成八年法務省人訓第二千九百八十三号大臣訓令)の趣旨にも照らすと、則定氏が、飲食店の女性従業員と不適切な交際をし、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招いたことは、遺憾である。
 また、堀口次長検事の発言は、不適切であったと考える。
 本件の調査については、則定氏本人及び関係者からの事情聴取を行うとともに必要な裏付け調査を行うなど、同氏に法令上又は服務上問題となるべき事実があるか否かを決定するために必要かつ十分な調査を行ったものである。

二の(2)について

 勤務時間外の私事にわたる行為であっても、公務の信用に影響を与えることもあり得るので、法務省及び検察庁職員としては、国民の疑いや批判を招くことのないよう身を持するべきであると考える。

二の(3)について

 法務省職員倫理規程は、検察庁職員に適用されている。
 刑事事件の被疑者は、同規程第三条の「関係業者等」に該当するが、御指摘の者のうちそれ以外の者が「関係業者等」に該当するか否かは、個々の事案における事実関係に基づき、利害関係の有無を具体的に判断して決せられることとなるので、「関係業者等」に該当するか否かについてはお答えすることは困難である。

二の(4)について

 法務省職員倫理規程の「関係業者等」に該当する者とともに、則定氏が御指摘の飲食店に行った事実はない。

二の(5)について

 私的な場で官職名の入った名刺を使用することは、職務とかかわりなく、自分が何者であるかを示すために使用するものである限り、一般にプライバシーにかかわる事項であると考えられる。

二の(6)について

 私的な場で官職名の入った名刺を使用する場合には、公私混同のそしりを受けること等もあるので、国民の疑いや批判を招くことのないよう注意する必要があると考える。

二の(7)について

 ホテル等に偽名を用いて宿泊する行為に関し、旅館業法違反の事実により起訴され、有罪判決が確定した事例はある(最高裁判所昭和四十二年十二月二十一日判決、最高裁判所刑事判例集第二十一巻第十号千四百四十一頁参照)。
 平成九年以降、調査により判明した範囲では、ホテル等に偽名を用いて宿泊した事案で六人が逮捕され、いずれも不起訴処分とされている。その処理年月及び罪名を列挙すると、次のとおりである。
 1 平成九年三月処理、私印偽造、同不正使用
 2 平成十年四月処理、私印偽造、同不正使用、旅館業法違反
 3 同年五月処理、私印偽造、同不正使用、旅館業法違反
 4 同年六月処理、私印偽造、同不正使用
 5 同年十月処理、私印偽造、同不正使用
 6 同年十二月処理、私印偽造、同不正使用

二の(8)について

 御指摘の小切手の振出しや現金の調達方法について調査したところ、則定氏は、平成六年十月ころ、交際相手の女性に対し、二回にわたり合計八十万円を渡すに当たり、最初の五十万円は、小切手を女性に対して振り出し、次の三十万円は、小切手を自己あてに振り出して自ら現金化した上、その現金を女性に交付しており、いずれも自己名義の当座預金口座を利用していることが判明した。

三の(1)について

 則定氏の一連の行為は、いずれも職務と無関係になされたものであるため、私事にわたることと判断した。

三の(2)について

 本件は私事にわたることでもあり、則定氏本人について、国家公務員法上の懲戒処分事由に該当する事実は認められなかったためである。

三の(3)について

 御指摘の山口氏の事案への対応は適切であったと考えるが、同種の事案が続いたことは、誠に遺憾である。
 なお、今回の則定氏の一連の行為は、山口氏の事案が明らかとなる前のものである。

三の(4)について

 本件については、則定氏本人及び関係者からの事情聴取を行うとともに必要な裏付け調査を行うなど、
 同氏に法令上又は服務上問題となるべき事実があるか否かを決定するために必要かつ十分な調査を行ったものである。
 同氏の一連の行為は、私事にわたることでもあり、国家公務員法上、懲戒処分に付すべき事案であるとは認められなかった。しかしながら、結果として、清廉であるべき検察への信頼を損ないかねない事態を招来し、その地位、職責に照らし不適切であったので、同氏に対しては、検事総長が厳重注意したものであり、こうした措置についても適切であったと考える。
 いずれにせよ、今後同様の問題が発生しないよう綱紀の保持に万全を尽くしてまいりたい。
 御指摘のその他の点については、仮定の議論であり、お答えを差し控えたい。





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