令和6年3月23日(土)から27日(水)まで、第148回IPU(列国議会同盟)会議が、ジュネーブ(スイス)において開催されました。日本国会代表団として、衆議院からは野田聖子議員(団長)、伊藤達也議員(団長代行)、伴野豊議員及び青柳仁士議員が参加しました。
野田議員は、団長として本会議の「議会外交:平和及び理解への架け橋」をテーマとした一般討議において演説を行い、議会外交では、必ずしも自国の政府の立場にとらわれることなく、様々な民意を背景として、地に足のついた忌憚のない議論を行うことができること、また、本音のやりとりを通じて互いを理解し、信頼を醸成し、長期的視野に立った関係を構築できることが利点である旨述べました。その上で、この長期的な議員間の繋がりは、いかなる時も国家間の「接着剤」として機能し、特に、平和が脅かされ、政府間での対話が困難な状況においては安全装置として作用し得るものであることから、国民の代表たる議員は、平和を実現するための国際社会の努力において、中心的役割を担うべきである旨発言しました。
民主主義及び人権に関する委員会(第3委員会)に参加した伊藤議員は、「AIによる民主主義、人権及び法の支配への影響」に関する討議が行われる中、AIは適切に活用されれば、社会課題解決の鍵となりうるものであることから、リスクを適切に管理しつつ、AI技術の発展がもたらす恩恵を促進するようなアジャイルな国際的ガバナンスを確立する必要がある旨述べました。加えて、偽情報による悪影響を防ぐためには、市民や地域社会のリテラシー向上を目的とした教育・訓練も重要である旨発言しました。
平和及び安全保障に関する委員会(第1委員会)に参加した伴野議員は、「自律型兵器システム及びAIによる社会的及び人道的影響への取組」に関する討議が行われる中、自律型兵器システムの定義や規制の在り方等について依然として各国間で意見の相違があることから、実効的な規制の構築のためには、粘り強く議論を続けていく必要がある旨述べました。その上で、同委員会の決議が、議会の立場から現状に警鐘を鳴らし、国際的なコンセンサス形成の促進に当たっての建設的な指針となることを期待する旨発言しました。
青柳議員は、国連に関する委員会(第4委員会)理事として同委員会に出席し、国連安保理改革に関する動議案の討議が行われる中、参加議員に対し、自国政府や国連常駐代表と連携し、安保理改革に関する提案及びその進捗状況について定期的に最新情報を入手し、将来の安保理改革案の批准に向けた準備を進めるよう述べるとともに、IPUに対しては、改革の口火を切る行動を起こすとともに、改革の進捗をモニタリングする仕組みを構築するよう提案しました。
日本代表団は会議期間中、様々な国々の代表団や国際機関の要人と会談を行い、交流を深めました。
![]() ミャンマー連邦議会代表委員会(CRPH) との会談 |
![]() IPUによる野田聖子団長インタビュー |
![]() イスラエルとの二国間会談 |
![]() 世界経済フォーラム(WEF)訪問 |
![]() イタリアとの二国間会談 |
![]() 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)訪問 |
![]() 国際電気通信連合(ITU)訪問 |
![]() 国連児童基金(UNICEF)訪問 |
![]() 中国との二国間会談 |
![]() ドイツとの二国間会談 |
![]() 軍縮会議オランダ政府代表部訪問 |
![]() 欧州原子核研究機構(CERN)視察 |
会議の成果として、本会議において、「自律型兵器システム及びAIによる社会的及び人道的影響への取組」に関する決議を含む2本の決議が採択されるとともに、一般討議の成果文書が承認されました。
団長 | 野田 聖子 | 衆議院議員 | (自由民主党・無所属の会) |
団長代行 | 伊藤 達也 | 衆議院議員 | (自由民主党・無所属の会) |
伴野 豊 | 衆議院議員 | (立憲民主党・無所属) | |
青柳 仁士 | 衆議院議員 | (日本維新の会・教育無償化を実現する会) | |
副団長 | 吉川 ゆうみ | 参議院議員 | (自由民主党) |
小西 洋之 | 参議院議員 | (立憲民主・社民) |