ただいま、マルコス大統領閣下から、両国の関係、そして現下の諸情勢を踏まえた大変示唆に富むお話を賜りました。議員一同を代表して謝意を表します。
貴国と我が国は、海でつながる隣国であり、基本的価値を共有する重要な戦略的パートナーです。本年、国交正常化七十周年という節目を迎え、両国間の文化・人的交流は一層盛んになっておりますが、この道のりは、隣人としての友情と信頼に支えられてきました。
先ほど閣下からお話のありましたキリノ大統領は、戦争の傷が未だ癒えない中、「友となり得る日本人への憎悪の念を国民に残さないため」として、モンテンルパ刑務所に収容されていた日本人捕虜に恩赦を与えました。この寛大な措置に対し、我が国の国会は、ここ参議院議場と衆議院議場において、全会一致で感謝決議を行ったのであります。また、閣下の御尊父であるマルコス大統領は、海外初の日本人戦没者の慰霊碑である「比島戦没者の碑」の建立に理解を示され、「この碑を日比両国が尊敬しあう、永遠のシンボルとしたい」と述べられました。私たちは、貴国の皆様の高潔な精神と温かい人間性に、感銘を受けております。
貴国は、今や高い経済成長率と豊富な人材を背景に存在感を発揮され、本年はASEAN議長国としても活躍されています。閣下は、「すべての友となり、誰の敵にもならない」との方針を掲げ、国際法重視の立場を明確にし、地域の平和と安定に尽力されています。国際社会は分断と対立が深刻化しておりますが、貴国と我が国とを結ぶ強固な絆をもとに、世界の平和と安定、そして「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、共に未来を織りなしてまいりたいと考えております。
結びに、フィリピン共和国のますますの御繁栄と、大統領閣下御夫妻の御健勝、そして両国の友好関係の一層の進展を祈念いたしまして、御挨拶といたします。