衆議院

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第一八六回

衆第三二号

   国会法の一部を改正する法律案

 国会法(昭和二十二年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。

 第五十四条の四第一項中「、第百五条」を「から第百五条まで」に改める。

 第百四条の次に次の一条を加える。

第百四条の二 各議院又は各議院の委員会から、審査又は調査のため、各議院又は各議院の委員会に提出される報告又は記録に含まれる情報の保護に関し必要なものとして各議院の議決により定める措置を講じた上で、内閣又は官公署に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、前条の規定及び他の法令の規定にかかわらず、内閣又は官公署は、報告又は記録の内容に事前に同意を得ることなく第三者に提供しないことを条件に提供された情報であつて現にその提供に同意が得られていないもの又は人的情報源に関する情報が含まれる場合を除き、その求めに応じなければならない。

  内閣又は官公署が前項の求めに応じないときは、その理由を議長に疎明しなければならない。この場合において、議長は、その理由を受諾し得るか否かについて、副議長等(副議長及び議長が必要と認める場合にあつては議長が指名する者をいう。以下この条において同じ。)の意見を聴くものとする。

  議長が前項の理由を受諾し得る場合には、内閣又は官公署は、その報告又は記録をその議院又は委員会に提出する必要がない。

  第二項の理由において第一項の規定により提出を求めた報告又は記録の内容に同項に規定する情報が含まれる旨が示されたときは、議長は、副議長等の意見を聴いて、更にその報告又は記録の内容に同項に規定する情報が含まれる旨の内閣の声明を要求することができる。その声明があつた場合は、内閣又は官公署は、その報告又は記録の提出をする必要がない。

  前項の要求後十日以内に内閣がその声明を出さないとき又は第二項の理由において第一項の規定により提出を求めた報告若しくは記録の内容に同項に規定する情報が含まれる旨が示されず、かつ、議長がその理由を受諾することができないときは、内閣又は官公署は、先に求められた報告又は記録を議長に提示しなければならない。この場合において、議長は、副議長等とともにその報告又は記録を閲覧するものとする。

  議長が、副議長等の意見を聴いて、前項の規定により提示された報告又は記録に含まれる情報が既に公になつているものと認めたときは、内閣又は官公署は、第一項の措置が講ぜられなくとも、当該報告又は記録を同項の規定により当該報告又は記録の提出を求めた議院又は委員会に提出しなければならない。

  前項に定めるもののほか、議長が、副議長等の意見を聴いて、第五項の規定により提示された報告又は記録が第一項の措置を講じた議院又は委員会に提出された場合には国家の極めて重大な利益に回復しがたい悪影響を及ぼすこととなると認めたときを除き、内閣又は官公署は、当該報告又は記録を同項の措置を講じた議院又は委員会に提出しなければならない。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において両議院の議長が協議して定める日から施行する。

2 両議院の議長は、前項の日を定めたときは、これを官報に公示する。


     理 由

 各議院又は各議院の委員会から、審査又は調査のため、各議院の議決により定める情報の保護措置を講じた上で、内閣又は官公署に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、内閣又は官公署は、原則としてその求めに応じなければならないものとする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

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