衆議院

メインへスキップ



第二〇七回

衆第九号

   自衛隊法及び海上保安庁法の一部を改正する法律案

 (自衛隊法の一部改正)

第一条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

  第八十四条の四の次に次の一条を加える。

  (警戒監視の措置)

 第八十四条の四の二 防衛大臣は、公共の秩序の維持を図るため、自衛隊の部隊に対し、必要な情報の収集その他の警戒監視の措置を講じさせることができる。

  第九十四条の六の次に次の一条を加える。

  (警戒監視の措置の際の権限)

 第九十四条の六の二 第八十四条の四の二の規定による措置の職務に従事する自衛官は、当該職務を行うに際し、自己又は自己と共に当該職務に従事する隊員の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

 (海上保安庁法の一部改正)

第二条 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中「維持」の下に「、領海の警備」を加える。

  第五条第十二号の次に次の一号を加える。

  十二の二 外国船舶の無害通航(海洋法に関する国際連合条約第十九条に定めるところによる無害通航をいう。第二十条第二項第一号において同じ。)でない航行への対処その他領海の警備に関すること。

  第二十条第二項第一号中「海洋法に関する国際連合条約第十九条に定めるところによる」を削り、同項第二号中「蓋然性」を「蓋然性」に改め、同項第三号中「禁錮」を「禁錮」に、「払拭」を「払拭」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。

 (検討等)

第二条 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、我が国を取り巻く国際情勢の変化を勘案しつつ、この法律による改正後の自衛隊法及び海上保安庁法の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

2 政府は、海上保安庁が領海の警備に関する任務を十全に果たすことができるようにするため、財源を確保しつつ、海上保安庁の人的又は物的な体制の拡充その他の所要の措置を講ずるものとする。


     理 由

 近年における我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、領海等における公共の秩序の維持を図るため、自衛隊の部隊による警戒監視の措置及びその際の権限について定めるとともに、海上保安庁の任務として領海の警備が含まれることを明記する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.