第二〇八回
衆第六号
新型コロナウイルス感染症等の影響を受けている観光関連事業者に対する緊急の支援に関する法律案
(趣旨)
第一条 この法律は、新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)である感染症をいう。第三条において同じ。)及びそのまん延防止のための措置が長期間にわたり観光産業に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、観光関連事業者に対する緊急の支援に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「観光関連事業者」とは、地域の観光の振興に資すると認められる旅行業、宿泊業、観光施設事業、道路旅客運送業、飲食店業、小売業等の事業を営む者及びこれらの者と継続的な取引関係を有する事業者をいう。
(観光産業事業継続支援金の支給のための財政上の措置等)
第三条 政府は、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置が長期間にわたり観光産業に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、観光関連事業者に対する事業の継続への支援の観点から支給される給付金であって次に掲げる方針に従い措置されたもの(以下「観光産業事業継続支援金」という。)が速やかに支給されるよう、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。
一 支給額については、観光関連事業者の令和三年売上減少額(令和三年における売上金額のその前々年(事業を開始した日の属する年が令和二年である観光関連事業者にあっては、同年)における売上金額からの減少額をいう。)の百分の十に相当する額を基本とし、事業の規模、事業の開始の時期その他の事情を勘案して必要な調整を行い、算定するものとすること。
二 支給要件については、観光関連事業者が長期間にわたり置かれている深刻な状況に応じて適切なものとなるよう配慮すること。
(体制の整備等)
第四条 政府は、観光産業事業継続支援金の支給に当たっては、これを適正かつ迅速に行えるよう必要な体制を整備するものとし、これに関する業務を委託する場合には、その適正な遂行を確保するために必要な措置を講ずるものとする。
(適正な申請の促進及び不正な受給の防止)
第五条 政府は、観光産業事業継続支援金の支給に当たっては、その適正な申請の促進及び不正な受給の防止を図るために必要な措置を講ずるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
理 由
新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置が長期間にわたり観光産業に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、観光関連事業者に対する緊急の支援に関し必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。