衆議院

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第二〇八回

衆第五二号

   国家賠償法の一部を改正する法律案

 国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。

 第一条第二項に後段として次のように加える。

  この場合において、国の公権力の行使に当たる公務員に故意があつたときは、国は、他の法律に別段の定めがある場合を除き、その公務員に対して当該求償権を行使しなければならない。

 第一条に次の一項を加える。

  国は、第一項の規定によつて損害を賠償する責めに任ずるときは、遅滞なく、その損害に係る求償権について、その有無についての判断の結果及びその具体的な理由(求償権を有する場合であつて当該求償権を行使しないときにあつては、その旨及びその具体的な理由を含む。)並びに予防司法支援制度(国の利害に関係のある争訟に関する法律問題について、法務省が、国の行政機関からの照会に応じ、法的見地から必要な助言その他の協力を行う制度をいう。以下この項において同じ。)の利用の有無(予防司法支援制度を利用しなかつた場合にあつては、その具体的な理由を含む。)を公表しなければならない。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

2 この法律による改正後の国家賠償法第一条第二項後段及び第三項の規定は、この法律の施行の日以後の行為に基づく損害に係る求償権について適用する。

 (検討)

3 政府は、国が国家賠償法の規定により求償権を有する場合において当該求償権に係る損害を受けた者が当該求償権を行使することを国に対して求める訴訟制度の創設その他の同法に基づく求償権の適正かつ厳格な行使の一層の徹底を図るための措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


     理 由

 国家賠償法に基づく求償権の適正かつ厳格な行使の徹底を図るとともに、国家賠償請求訴訟の事案に係る国の説明責任を確保するため、国家公務員が故意によって違法に他人に損害を加えた場合における国による求償権の行使の義務化、国が損害を賠償する責めに任ずる場合における求償権の有無についての判断の結果等の公表等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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