第二一三回
衆第一八号
障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律の一部を改正する法律案
障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律(平成二十年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。
附則第三条を次のように改める。
(第五条第二項の規定による電磁的記録の提供の特例)
第三条 第五条第二項の規定により電磁的記録の提供を行うことができることとされた教科用特定図書等の発行には、当分の間、障害のある児童及び生徒並びに日本語に通じない児童及び生徒の双方の学習の用に供するために行う教科用特定図書等の発行を含むものとする。
附則第五条を附則第六条とする。
附則第四条中「(昭和四十五年法律第四十八号)」を削り、同条を附則第五条とし、附則第三条の次に次の一条を加える。
(著作権法の特例)
第四条 前条に規定する障害のある児童及び生徒並びに日本語に通じない児童及び生徒の双方の学習の用に供するために行う教科用特定図書等の発行並びに当該発行に係る教科用特定図書等についての著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第三十三条の三第一項及び第二項、第八十六条第三項並びに第百二条第三項の規定の適用については、同法第三十三条の三第一項中「できる」とあるのは「できる。この場合において、複製された著作物は、当該著作物が掲載された教材を当該障害又は日本語に通じないことにより教科用図書に掲載された著作物を使用することが困難な児童又は生徒の学習の用に供するために増製し、又は提供し、若しくは提示するために必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる」と、同条第二項中「当該教科用拡大図書等を頒布する」とあるのは「、当該教科用拡大図書等を頒布し、又は当該教科用拡大図書等によつて当該著作物の公衆送信を行う」と、同法第八十六条第三項中「第三十三条の三第四項」とあるのは「第三十三条の三第一項及び第四項」と、同法第百二条第三項中「レコードを」とあるのは「レコードについて、」と、「その複製物」とあるのは「、送信可能化を行い、若しくはその複製物」とする。
附 則
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
理 由
障害のある児童及び生徒のために作成されている教科用特定図書等が、教科用図書の使用に困難を有する日本語に通じない児童及び生徒にとっても有用であること等に鑑み、これらの者が教科用特定図書等を使用して学習することができることとなるよう、当分の間、文部科学大臣等が検定教科用図書等に係る電磁的記録の提供を行うことができることとされた教科用特定図書等の発行には、障害のある児童及び生徒並びに日本語に通じない児童及び生徒の双方の学習の用に供するために行う教科用特定図書等の発行を含むものとするとともに、教科用特定図書等の発行のための著作物の利用に係る権利制限規定の対象者の範囲を拡大する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。