衆議院

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第二一七回

閣第一三号

   港湾法等の一部を改正する法律案

 (港湾法の一部改正)

第一条 港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の一部を次のように改正する。

  目次中「効果的な利用」の下に「及び保全」を加え、「第四節 港湾環境整備計画(第五十一条−第五十一条の五)」を

第四節 港湾環境整備計画(第五十一条−第五十一条の五)

 

 

第五節 協働防護計画(第五十一条の六−第五十一条の十四)

 に、「行政財産の貸付け」を「行政財産の貸付け等」に、「−第五十五条の二」を「−第五十五条の二の二」に、「第五十五条の二の二−第五十五条の四」を「第五十五条の二の三−第五十五条の四の四」に改める。

  第二条の四第一項中「第三十七条の三第一項」の下に「及び第三項」を加え、「及び第五十五条の二第一項」を「、第五十五条の二第一項及び第五十五条の二の二第二項」に改める。

  第三条の二第二項第六号中「利用」の下に「及び保全」を加える。

  第三条の三第十一項を削り、同条第十項を同条第十二項とし、同条第九項中「第七項」を「第九項」に、「第四項」を「第六項」に改め、同項を同条第十一項とし、同条第八項中「第四項」を「第六項」に改め、同項を同条第十項とし、同条第七項中「第四項」を「第六項」に改め、同項を同条第九項とし、同条第六項中「第四項」を「第六項」に、「第二項」を「第四項」に改め、同項を同条第八項とし、同条中第五項を第七項とし、第四項を第六項とし、同条第三項中「国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾の」を削り、同項を同条第五項とし、同条中第二項を第四項とし、第一項の次に次の二項を加える。

 2 地方港湾の港湾管理者は、港湾計画を定めることができる。

 3 港湾計画には、港湾の保全に関する事項として、地球温暖化その他の気候の変動に起因する港湾区域の水面の上昇その他の港湾区域の水象に係る高さの変化に対応するため、臨港地区内にある港湾施設であつて次に掲げるもの(第五十一条の六第一項から第三項まで及び第五十一条の九において「特定港湾施設」という。)の高さ及び機能の最適化に関する事項を記載することができる。

  一 防潮堤、護岸、堤防又は胸壁

  二 前号に掲げるもののほか、荷さばき地その他の港湾施設であつて港湾区域の水象に係る高さの変化によりその運営に著しい影響を受けるものとして国土交通省令で定めるもの

  第三十七条第二項中「第三条の三第九項若しくは第十項」を「第三条の三第十一項若しくは第十二項」に改める。

  第三十七条の三第一項中「。第三項」を「。第四項」に改め、同条中第七項を第八項とし、第四項から第六項までを一項ずつ繰り下げ、同条第三項中「前項第二号」を「第二項第二号」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 前項第一号に掲げる事項が再生可能エネルギー源の利用に資する施設又は工作物であつて国土交通省令で定めるもの(次条第三項において「再生可能エネルギー源利用施設等」という。)を含む場合における公募占用指針には、前項各号に掲げる事項のほか、当該公募対象施設等の設置及び維持管理に必要な人員及び物資の輸送に当たつて留意すべき港湾の利用に関する事項を定めなければならない。

  第三十七条の四中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

 3 設置しようとする公募対象施設等が再生可能エネルギー源利用施設等である場合における公募占用計画には、前項各号に掲げる事項のほか、当該公募対象施設等の設置及び維持管理に必要な人員及び物資の輸送に利用する港湾に関する事項を記載しなければならない。

  第三十七条の五第四項中「学識経験者」の下に「及び公募占用計画に他の港湾管理者が管理する港湾に係る前条第三項に規定する事項が記載されている場合にあつては、当該他の港湾管理者」を加える。

  第三十七条の六第二項中「の期間」の下に「並びに当該認定に係る公募占用計画に他の港湾管理者が管理する港湾に係る第三十七条の四第三項に規定する事項が記載されている場合にあつては、当該事項のうち国土交通省令で定めるもの」を加える。

  第三十七条の七中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

 3 港湾管理者は、第一項の変更の認定をする場合において、当該変更の認定に係る公募占用計画に他の港湾管理者が管理する港湾に係る第三十七条の四第三項に規定する事項が記載されているときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該他の港湾管理者の意見を聴かなければならない。

  第三十七条の八第四項中「同条第三項」を「同条第四項」に改める。

  第三十八条の二第七項第一号から第三号までの規定中「第三条の三第九項」を「第三条の三第十一項」に、「第十項」を「第十二項」に改める。

  第四十三条の七中「第五十五条の二の二」を「第五十五条の二の三」に改める。

  第四十三条の十四を次のように改める。

  (臨港地区内における行為の届出の特例)

 第四十三条の十四 第三十八条の二第一項及び第四項の規定は、第四十三条の十一第一項若しくは第六項の規定による指定又は前条第一項の認可を受けた港湾運営会社の当該指定又は認可に係る運営計画に記載された第四十三条の十二第一項第二号ロに掲げる事項に第三十八条の二第一項又は第四項の規定による届出を要する行為が記載されている場合において当該港湾運営会社が当該運営計画に従つて当該行為をするときについては、適用しない。

  第九章の章名中「利用」の下に「及び保全」を加える。

  第五十条の四第三項を次のように改める。

 3 第三十八条の二第一項及び第四項の規定は、第五十条の二第九項の規定により公表された港湾脱炭素化推進計画に定められた港湾脱炭素化促進事業の実施主体が同条第三項第三号に掲げる事項が定められた当該港湾脱炭素化推進計画に従つて同号に規定する行為をする場合については、適用しない。

  第五十条の六第一項中「港湾管理者(以下」の下に「この節において」を加え、同条第二項第三号中「第五十条の八第一項」を「第五十条の八」に改める。

  第五十条の八第二項を次のように改める。

 2 第三十八条の二第一項及び第四項の規定は、第五十条の六第九項の規定により公表された特定利用推進計画に定められた特定貨物取扱埠頭機能高度化事業の実施主体が同条第三項第二号に掲げる事項が定められた当該特定利用推進計画に従つて同号に規定する行為をする場合については、適用しない。

  第五十条の十六第二項第三号中「及び次条第二項」を「並びに次条第二項及び第三項」に改める。

  第五十条の十七第三項を次のように改める。

 3 第三十八条の二第一項及び第四項の規定は、前条第七項の規定により公表された国際旅客船拠点形成計画に定められた国際旅客船取扱埠頭機能高度化事業の実施主体が同条第三項第三号に掲げる事項が定められた当該国際旅客船拠点形成計画に従つて同号に規定する行為をする場合については、適用しない。

  第九章に次の一節を加える。

     第五節 協働防護計画

  (協働防護計画の作成)

 第五十一条の六 港湾管理者は、協働防護区域ごとに、第三条の三第十一項又は第十二項の規定によりその概要が公示された港湾計画に記載されている同条第三項に規定する事項を特定港湾施設の所有者又は管理者が連携し、又は協働して実施することにより特定港湾施設(同項第二号に掲げるものに限る。)並びに工場及び事業場(次項において「特定港湾施設等」という。)を防護するための計画(以下「協働防護計画」という。)を作成することができる。

 2 前項の「協働防護区域」とは、臨港地区内の区域であつて、港湾施設並びに工場及び事業場の規模及び配置からみて、特定港湾施設の所有者又は管理者が連携し、又は協働して行う特定港湾施設の整備又は管理によつて、特定港湾施設等が浸水することにより当該特定港湾施設等にあるコンテナ、木材その他の物資が散乱することを防止すべき一団の土地の区域をいう。

 3 協働防護計画には、協働防護区域(前項に規定する協働防護区域をいう。以下同じ。)の位置及び区域を記載するほか、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。

  一 当該協働防護区域における特定港湾施設の高さ及び機能の最適化に関する基本的な方針

  二 協働防護計画の目標

  三 前号の目標を達成するために行う特定港湾施設の高さ及び機能の最適化に資する事業(以下「最適化事業」という。)並びにその実施主体に関する事項

  四 協働防護計画の達成状況の評価に関する事項

  五 計画期間

  六 前各号に掲げるもののほか、協働防護計画の実施に関し当該港湾管理者が必要と認める事項

 4 前項第三号に掲げる事項には、最適化事業の実施に係る第三十七条第一項の許可を要する行為に関する事項を定めることができる。

 5 港湾管理者は、協働防護計画を作成しようとするときは、公聴会を開き、当該協働防護計画に係る協働防護区域に利害関係を有する者に、当該協働防護区域の位置及び区域に関する意見を述べる機会を与えなければならない。この場合においては、当該協働防護区域の位置及び区域並びに公聴会の期日及び場所をあらかじめ公告しなければならない。

 6 港湾管理者は、協働防護計画を作成しようとする場合において、次条第一項に規定する協議会が組織されているときは、当該協働防護計画に定める事項について当該協議会において協議を行わなければならない。

 7 港湾管理者は、協働防護計画に第三項第三号に掲げる事項を定めるときは、あらかじめ、同号の実施主体として定めようとする者(当該港湾管理者を除く。)の同意を得なければならない。

 8 港湾管理者は、協働防護計画を作成したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、国土交通大臣及び第三項第三号の実施主体に送付しなければならない。この場合においては、当該協働防護計画に係る協働防護区域の位置及び区域について、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によつて直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。第五十一条の十一第二項及び第五十五条の四の三第三項において同じ。)により公衆の縦覧に供するとともに、当該協働防護区域の区域内の見やすい場所に掲示しなければならない。

 9 国土交通大臣は、前項前段の規定により協働防護計画の送付を受けたときは、当該港湾管理者に対し、必要な助言をすることができる。

 10 第五項の規定は協働防護計画(協働防護区域の位置及び区域に係る部分に限る。)を変更する場合について、第六項から前項までの規定は協働防護計画を変更する場合について、それぞれ準用する。

  (協働防護協議会)

 第五十一条の七 港湾管理者は、協働防護計画の作成及び実施に関し必要な協議を行うため、協働防護協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。

 2 協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。

  一 協働防護計画を作成しようとする港湾管理者

  二 協働防護計画に定めようとする最適化事業を実施すると見込まれる者(前号に掲げる者を除く。)

  三 関係する地方公共団体

  四 当該港湾の利用者、学識経験者その他の当該港湾管理者が必要と認める者

 3 最適化事業を実施し、又は実施しようとする者は、協議会が組織されていない場合にあつては、当該最適化事業に係る港湾管理者に対して、協議会を組織するよう要請することができる。

 4 前項の規定による要請を受けた港湾管理者は、当該要請に基づき協議会を組織するか否かについて検討を加え、遅滞なく、その結果を当該要請をした者に通知しなければならない。

 5 港湾管理者は、第一項の規定により協議会を組織したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。

 6 第三項に規定する者であつて協議会の構成員でないものは、第一項の規定により協議会を組織する港湾管理者に対して、自己を協議会の構成員として加えるよう申し出ることができる。

 7 前項の規定による申出を受けた港湾管理者は、正当な理由がある場合を除き、当該申出に応じなければならない。

 8 第一項の規定により協議会を組織する港湾管理者は、協議会において協議を行うときは、あらかじめ、第二項第二号に掲げる者であつて協議会の構成員であるもの(前項の規定により協議会の構成員となつた者を含む。)に、当該協議を行う事項を通知しなければならない。

 9 前項の規定による通知を受けた者は、正当な理由がある場合を除き、当該通知に係る事項の協議に応じなければならない。

 10 国土交通大臣は、協働防護計画の作成が円滑に行われるように、協議会の構成員の求めに応じて、必要な助言をすることができる。

 11 協議会において協議が調つた事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。

 12 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

  (公表された協働防護計画に係る港湾隣接地域内の工事の許可の特例)

 第五十一条の八 第五十一条の六第四項に規定する事項が定められた協働防護計画が同条第八項前段(同条第十項において準用する場合を含む。次条第一項において同じ。)の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る最適化事業の実施主体に対する第三十七条第一項の許可があつたものとみなす。

  (協働防護協定の締結等)

 第五十一条の九 第五十一条の六第八項前段の規定により公表された協働防護計画(以下この項及び次項において「公表協働防護計画」という。)に定められた最適化事業の実施主体(当該実施主体と当該最適化事業に係る特定港湾施設の所有者、その敷地である土地の所有者又は当該土地の使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時的に使用する施設のため設定されたことが明らかなものを除く。第五十一条の十三において同じ。)を有する者(以下この項において「所有者等」という。)とが異なる場合にあつては、当該所有者等を含む。)は、その全員の合意により、かつ、公表協働防護計画に係る港湾管理者(以下この節において「特定港湾管理者」という。)の認可を受けて、当該最適化事業に係る特定港湾施設の整備又は管理に関する協定(以下「協働防護協定」という。)を締結することができる。

 2 前項の規定により協働防護協定を締結することができる者以外の者であつて、公表協働防護計画に係る協働防護区域において特定港湾施設を所有し、又は管理する者は、当該実施主体に申し出て、同項の規定により締結される協働防護協定に参加することができる。この場合において、同項の規定中「含む。)」とあるのは、「含む。)及び次項前段の規定によりこの項に規定する協定に参加することを希望する者」とする。

 3 協働防護協定は、次に掲げる事項を定めるものとする。

  一 協働防護協定の目的となる特定港湾施設(次号、第五十一条の十一及び第五十一条の十三において「協定特定港湾施設」という。)

  二 次に掲げる事項のうち必要なもの

   イ 協定特定港湾施設の港湾区域の水面からの高さ(協働防護協定の目的となる防潮堤、護岸、堤防及び胸壁にあつては、これらの天端の水面からの高さ)又は構造に関する基準

   ロ 協定特定港湾施設の定期的な点検、災害時における防潮堤の陸閘の操作又は荷さばき地にあるコンテナの固縛若しくは荷さばき地への移動式貨物流出防止柵の据付けその他の協定特定港湾施設の管理に関する基準

   ハ 協定特定港湾施設の整備又は管理に要する費用の負担の方法

   ニ その他協定特定港湾施設の整備又は管理に関する事項

  三 協働防護協定の有効期間

  四 協働防護協定に違反した場合の措置

  (認可の申請に係る協働防護協定の縦覧等)

 第五十一条の十 特定港湾管理者は、前条第一項の認可の申請があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該協働防護協定を当該公告の日から二週間利害関係人の縦覧に供さなければならない。

 2 前項の規定による公告があつたときは、利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該協働防護協定について、特定港湾管理者に意見書を提出することができる。

  (協働防護協定の認可)

 第五十一条の十一 特定港湾管理者は、第五十一条の九第一項の認可の申請が次の各号のいずれにも該当するときは、同項の認可をしなければならない。

  一 申請手続が法令に違反しないこと。

  二 協定特定港湾施設の利用を不当に制限するものでないこと。

  三 第五十一条の九第三項第二号から第四号までに掲げる事項について国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

 2 特定港湾管理者は、第五十一条の九第一項の認可をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を公示し、当該協働防護協定について、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の縦覧に供するとともに、協定特定港湾施設又はその敷地である土地の区域内の見やすい場所に、それぞれ協定特定港湾施設である旨又は協定特定港湾施設が当該区域内に存する旨を掲示しなければならない。

  (協働防護協定の変更)

 第五十一条の十二 協働防護協定を締結した者(次条に規定する公示後所有者等を含む。第五十一条の十四第一項において同じ。)は、当該協働防護協定において定めた事項を変更しようとする場合においては、その全員の合意をもつてその旨を定め、特定港湾管理者の認可を受けなければならない。

 2 前二条の規定は、前項の変更の認可について準用する。

  (協働防護協定の効力)

 第五十一条の十三 第五十一条の十一第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)の規定による認可の公示のあつた協働防護協定は、公示後所有者等(その公示のあつた後において協定特定港湾施設の所有者若しくは管理者、その敷地である土地の所有者又は当該土地の使用及び収益を目的とする権利を有する者となつた者をいう。)に対しても、その効力があるものとする。

  (協働防護協定の廃止)

 第五十一条の十四 協働防護協定を締結した者は、第五十一条の九第一項又は第五十一条の十二第一項の認可を受けた協働防護協定を廃止しようとする場合においては、その過半数の合意をもつてその旨を定め、特定港湾管理者の認可を受けなければならない。

 2 特定港湾管理者は、前項の認可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

  第五十二条第三項中「前項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 国土交通大臣は、第一項の規定により港湾工事をする場合において必要があると認めるときは、当該港湾工事に係る港湾の港湾管理者と協議の上、政令で定めるところにより、当該港湾工事の実施に必要な限度で、当該港湾管理者に代わつてその権限を行うものとする。

  第五十二条の次に次の一条を加える。

  (高度港湾工事の代行)

 第五十二条の二 国土交通大臣は、前条第一項に定めるところによるほか、港湾管理者から要請があり、かつ、当該港湾管理者における港湾施設の改良に関する工事の実施体制その他の地域の実情を勘案して、当該港湾管理者が管理する係留施設その他の政令で定める港湾施設(第一号において「特定係留施設等」という。)の改良に関する工事(次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものに限る。以下この条において「高度港湾工事」という。)を当該港湾管理者に代わつて自ら行うことが適当であると認められる場合においては、その事務の遂行に支障のない範囲内で、これを行うことができる。

  一 特定係留施設等の従前の機能を確保するために必要であること。

  二 高度の技術を要すること又は高度の機械力を使用して実施することが適当であると認められること。

 2 前項の規定により国土交通大臣が行う高度港湾工事に要する費用は、国が負担金等相当額(港湾管理者が自ら当該高度港湾工事を行うこととした場合に国が当該港湾管理者に交付する負担金又は補助金の額に相当する額をいう。以下この項において同じ。)を、当該港湾管理者が当該高度港湾工事に要する費用の額から負担金等相当額を控除した額をそれぞれ負担する。

 3 国土交通大臣は、第一項の規定により高度港湾工事を行う場合において必要があると認めるときは、当該港湾管理者と協議の上、政令で定めるところにより、当該高度港湾工事の実施に必要な限度で、当該港湾管理者に代わつてその権限を行うものとする。

 4 国土交通大臣は、第一項の規定により高度港湾工事を行おうとするときは、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

 5 国土交通大臣は、第一項の規定による高度港湾工事の全部又は一部を完了したときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

  第五十三条中「前条」を「第五十二条」に改める。

  第十章第二節の節名中「貸付け」を「貸付け等」に改める。

  第五十五条の二第一項中「行政財産である」を「行政財産(」に改め、「港湾施設」の下に「であるものに限る。)」を、「この条」の下に「及び次条」を加え、同条中第八項を第九項とし、第七項を第八項とし、第六項を第七項とし、同条第五項中「前項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。

 5 国土交通大臣又は海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の港湾管理者の長は、第一項又は前項の規定によりこれらの規定に規定する行政財産の貸付けをするときは、その貸付けの相手方である許可事業者との間で、次条第一項に規定する協議会において協議が調つた場合においてはその貸付けに係る当該行政財産について同項の規定による要請をした許可事業者に一時的に利用させる旨をその貸付けに係る貸付契約の契約条項として定めておかなければならない。

  第五十五条の二の二を第五十五条の二の三とする。

  第十章第二節に次の一条を加える。

  (利用調整協議会)

 第五十五条の二の二 前条第一項又は第四項の規定により貸付けを受けている許可事業者であつて当該貸付けの対象となつているこれらの規定に規定する行政財産とは別のこれらの規定に規定する行政財産について一時的な利用を希望するものは、これらの行政財産の双方が同一の港湾管理者の管理する港湾に所在する場合を除き、国土交通大臣に対し、当該一時的な利用に関し必要な協議を行うための協議会(以下この条において「利用調整協議会」という。)を組織するよう要請することができる。

 2 前項の規定による要請を受けた国土交通大臣は、当該要請に係る一時的な利用が海洋再生可能エネルギー発電設備等の設置及び維持管理の円滑な実施に資すると認めるときは、利用調整協議会を組織するものとする。

 3 利用調整協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。

  一 国土交通大臣

  二 海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の港湾管理者の長

  三 第一項の規定による要請をした許可事業者

  四 第一項の規定による要請に係る一時的な利用の対象となる行政財産について前条第一項又は第四項の規定により貸付けを受けている許可事業者

  五 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所の理事長

  六 関係行政機関の長その他の国土交通大臣が必要と認める者

 4 国土交通大臣は、利用調整協議会において協議を行うときは、あらかじめ、前項第四号に掲げる者に、当該協議を行う事項を通知しなければならない。

 5 前項の規定による通知を受けた者は、正当な理由がある場合を除き、当該通知に係る事項の協議に応じなければならない。

 6 利用調整協議会は、必要があると認めるときは、その構成員以外の関係行政機関及び事業者に対し、資料の提供、意見の表明、説明その他の必要な協力を求めることができる。

 7 利用調整協議会において協議が調つた事項については、利用調整協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。

 8 前各項に定めるもののほか、利用調整協議会の運営に関し必要な事項は、利用調整協議会が定める。

  第五十五条の三第一項中「居る」を「ある」に、「附近」を「付近」に、「防ぎよ」を「防御」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 港湾管理者は、その管理する荷さばき地その他の国土交通省令で定める港湾施設について非常災害による被害が発生した場合において、当該港湾施設を災害応急対策必要物資(災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第八十六条の十八第一項に規定する災害応急対策必要物資をいう。)の荷さばきその他の流通に係る業務に使用するためその応急の復旧を緊急に行う必要があり、他に手段がないと認めるときは、当該業務の現場において、他人の土地若しくは建物その他の工作物を一時使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、若しくは収用することができる。

  第五十五条の三の二第一項中「(昭和三十六年法律第二百二十三号)」を削り、「災害応急対策をいう」の下に「。第五十五条の四の二第一項において同じ」を加える。

  第五十五条の三の三第一項中「この項」の下に「及び次項」を加え、「、又は」を「、若しくは」に改め、「ある港湾」の下に「又は当該非常災害等に係る緊急輸送のために寄港する船舶の隻数が著しく増加することが見込まれる港湾」を加え、同条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「第二項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 国土交通大臣は、非常災害等が発生した場合において、当該非常災害等に係る緊急輸送の確保の状況に鑑み、必要があると認めるときは、当該緊急輸送のために寄港する船舶の隻数が著しく増加することが見込まれる港湾の港湾管理者に対し、当該港湾管理者が前項前段の要請を行うか否かの判断に資する情報を提供するものとする。

  第五十五条の四第一項中「第五十五条の二の二第一項」を「第五十五条の二の三第一項」に、「(第五十五条の三の三第五項」を「若しくは第二項(これらの規定を第五十五条の三の三第六項」に、「その」を「それらの行為がなかつたならば通常生じなかつた損失及び通常得られる利益が得られなかつたことによる」に改め、同条第二項中「第四十一条第三項及び第四項」を「第四十一条第四項」に、「あるのは」を「あるのは、」に改める。

  第十章第三節に次の三条を加える。

  (災害応急対策港湾施設使用協定の締結等)

 第五十五条の四の二 港湾管理者は、その管理する港湾施設について、災害時における緊急輸送の確保その他の災害応急対策の拠点としての機能の確保を図るため必要があると認めるときは、あらかじめ、荷さばき地、上屋その他災害応急対策に必要なものとして国土交通省令で定める港湾施設(港湾施設用地を除く。以下この項において「災害応急対策港湾施設」という。)を所有する者又は当該災害応急対策港湾施設の敷地である土地の所有者若しくは当該土地の使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時的に使用する施設のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者であつて港湾管理者以外の者(次項及び第五十五条の四の四において「民間災害応急対策港湾施設所有者等」という。)との間において、次に掲げる事項を定めた協定(以下この節において「災害応急対策港湾施設使用協定」という。)を締結して、災害時において当該災害応急対策港湾施設を使用することができる。

  一 災害応急対策港湾施設使用協定の目的となる災害応急対策港湾施設(以下この節において「協定災害応急対策港湾施設」という。)

  二 協定災害応急対策港湾施設の災害時における使用の方法

  三 災害応急対策港湾施設使用協定の有効期間

  四 災害応急対策港湾施設使用協定に違反した場合の措置

  五 その他協定災害応急対策港湾施設の災害時における使用に関し必要な事項

 2 災害応急対策港湾施設使用協定については、民間災害応急対策港湾施設所有者等の全員の合意がなければならない。

  (災害応急対策港湾施設使用協定の縦覧等)

 第五十五条の四の三 港湾管理者は、災害応急対策港湾施設使用協定を締結しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該災害応急対策港湾施設使用協定を当該公告の日から二週間利害関係人の縦覧に供さなければならない。

 2 前項の規定による公告があつたときは、利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該災害応急対策港湾施設使用協定について、港湾管理者に意見書を提出することができる。

 3 港湾管理者は、災害応急対策港湾施設使用協定を締結したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を公示し、当該災害応急対策港湾施設使用協定について、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の縦覧に供するとともに、協定災害応急対策港湾施設又はその敷地である土地の区域内の見やすい場所に、それぞれ協定災害応急対策港湾施設である旨又は協定災害応急対策港湾施設が当該区域内に存する旨を掲示しなければならない。

 4 前条第二項及び前三項の規定は、災害応急対策港湾施設使用協定において定めた事項の変更について準用する。

  (災害応急対策港湾施設使用協定の効力)

 第五十五条の四の四 前条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による公示のあつた災害応急対策港湾施設使用協定は、その公示のあつた後において協定災害応急対策港湾施設の民間災害応急対策港湾施設所有者等となつた者に対しても、その効力があるものとする。

  第五十五条の七第二項及び第五十五条の八第二項中「第三条の三第九項」を「第三条の三第十一項」に改める。

  第五十六条の二の二十一第一項中「外郭施設」の下に「、荷さばき施設」を加え、「損壊した」を「損壊し、又は倒壊した」に改め、「の交通」の下に「又は臨港交通施設の機能」を加える。

  第五十七条第一項中「第三条の三第六項」を「第三条の三第八項」に改める。

  第六十二条中「者」を「ときは、当該違反行為をした者」に改める。

  第六十三条第一項及び第二項中「者」を「ときは、当該違反行為をした者」に改め、同条第三項中「者は」を「場合には、当該違反行為をした者は」に改め、同項各号中「者」を「とき。」に改め、同条第四項中「者は」を「場合には、当該違反行為をした者は」に改め、同項各号中「者」を「とき。」に改め、同条第五項中「者は」を「場合には、当該違反行為をした者は」に改め、同項各号中「者」を「とき。」に改め、同条第六項中「者は」を「場合には、当該違反行為をした者は」に改め、同項各号中「者」を「とき。」に改め、同条第八項中「者は」を「場合には、当該違反行為をした者は」に改め、同項各号中「者」を「とき。」に改める。

 (北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部改正)

第二条 北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条に次の一項を加える。

 3 国土交通大臣は、第一項の規定により港湾工事をする場合において必要があると認めるときは、当該港湾工事に係る港湾の港湾管理者と協議の上、政令で定めるところにより、当該港湾工事の実施に必要な限度で、当該港湾管理者に代わつてその権限を行うものとする。

  本則に次の一条を加える。

  (海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する行政財産の貸付け等)

 第六条 港湾法第五十五条の二(第四項及び第八項を除く。)(海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠()頭を構成する行政財産の貸付け)の規定は、第三条第一項に規定する港湾工事によつて生じた港湾施設であつて、同法第二条の四第一項の海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の同項に規定する海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項に規定する行政財産について準用する。この場合において、港湾法第五十五条の二第一項中「第五十四条第一項」とあるのは、「北海道開発のためにする港湾工事に関する法律第四条第二項」と読み替えるものとする。

 2 前項の規定により読み替えて準用する港湾法第五十五条の二第一項の規定により国土交通大臣が前項に規定する行政財産の貸付けを行つている場合における同法第五十五条の二の二(利用調整協議会)の規定の適用については、同条第一項中「前条第一項」とあるのは、「前条第一項(北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)第六条第一項において準用する場合を含む。第三項第四号において同じ。)」とする。

 (沖縄振興特別措置法の一部改正)

第三条 沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)の一部を次のように改正する。

  第百条第十項を同条第十一項とし、同条第九項中「第五項」を「第六項」に改め、同項を同条第十項とし、同条第五項から第八項までを一項ずつ繰り下げ、同条第四項の次に次の一項を加える。

 5 国土交通大臣は、第一項の規定により港湾工事をする場合において必要があると認めるときは、当該港湾工事に係る港湾の港湾管理者と協議の上、政令で定めるところにより、当該港湾工事の実施に必要な限度で、当該港湾管理者に代わってその権限を行うものとする。

第四条 沖縄振興特別措置法の一部を次のように改正する。

  第百条第十一項中「及び「航行補助施設」を「、「航行補助施設」、「海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾」及び「海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭」に改め、同項を同条第十三項とし、同条第十項の次に次の二項を加える。

 11 港湾法第五十五条の二(第四項及び第八項を除く。)の規定は、第一項に規定する港湾工事によって生じた港湾施設であって、海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠()頭を構成する国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項に規定する行政財産について準用する。この場合において、港湾法第五十五条の二第一項中「第五十四条第一項」とあるのは、「沖縄振興特別措置法第百条第七項」と読み替えるものとする。

 12 前項の規定により読み替えて準用する港湾法第五十五条の二第一項の規定により国土交通大臣が前項に規定する行政財産の貸付けを行っている場合における同法第五十五条の二の二の規定の適用については、同条第一項中「前条第一項」とあるのは、「前条第一項(沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第百条第十一項において準用する場合を含む。第三項第四号において同じ。)」とする。

  第百一条中「(昭和二十三年法律第七十三号)」を削る。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 附則第三条の規定 公布の日

 二 第一条中港湾法第五十二条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、同法第五十三条及び第五十五条の三の改正規定、同法第五十五条の三の二の改正規定(「(昭和三十六年法律第二百二十三号)」を削る部分に限る。)、同法第五十五条の三の三の改正規定、同法第五十五条の四第一項の改正規定(「第五十五条の二の二第一項」を「第五十五条の二の三第一項」に改める部分を除く。)並びに同条第二項の改正規定、第二条中北海道開発のためにする港湾工事に関する法律第三条に一項を加える改正規定並びに第三条の規定 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日

 三 第一条中港湾法第五十六条の二の二十一第一項の改正規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日

 (港湾法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 この法律による改正後の港湾法(次項において「新港湾法」という。)第三十七条の三第三項の規定は、この法律の施行前にこの法律による改正前の港湾法第三十七条の三第七項の規定により公示された公募占用指針については、適用しない。

2 この法律の施行の際現に港湾法第三十七条の六第一項の認定を受けている者であって、その設置しようとする又は設置した同法第三十七条の三第一項に規定する公募対象施設等が新港湾法第三十七条の三第三項に規定する再生可能エネルギー源利用施設等であるものは、この法律の施行後遅滞なく、新港湾法第三十七条の四第三項に規定する事項(次項及び第四項において「特定事項」という。)を記載した書面を当該認定に係る港湾管理者に提出し、その認定を受けなければならない。

3 港湾管理者は、前項の認定をする場合において、同項の規定により提出された書面に他の港湾管理者が管理する港湾に係る特定事項が記載されているときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該他の港湾管理者の意見を聴かなければならない。

4 港湾管理者は、第二項の認定をした場合において、当該認定に係る書面に他の港湾管理者が管理する港湾に係る特定事項が記載されているときは、当該認定をした日及び当該認定を受けた者に係る国土交通省令で定める事項並びに当該特定事項のうち国土交通省令で定めるものを公示しなければならない。

5 第二項の認定を受けた書面は、当該認定を受けた者に係る港湾法第三十七条の八第一項に規定する認定公募占用計画の一部とみなす。

 (政令への委任)

第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (検討)

第四条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (特定外貿埠頭の管理運営に関する法律及び景観法の一部改正)

第五条 次に掲げる法律の規定中「第三条の三第九項」を「第三条の三第十一項」に改める。

 一 特定外貿埠頭の管理運営に関する法律(昭和五十六年法律第二十八号)第六条第一項

 二 景観法(平成十六年法律第百十号)第五十三条


     理 由

 近年の気候変動等に対応して港湾の保全及び円滑な利用の確保を図るため、港湾管理者による協働防護計画の作成及び同計画に定められた事業の実施に係る工事の許可の特例、非常災害時における他人の土石の収用等に係る措置の拡充、港湾管理者が管理する港湾施設の改良工事の国土交通大臣による代行制度の創設、海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾における港湾施設の利用を調整する制度の創設等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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