政治資金規正法の一部を改正する法律案
政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)の一部を次のように改正する。
第二十一条第一項中「第三項並びに第二十一条の三第一項及び第二項において」を「以下」に改め、同条第四項中「一以上の市町村(特別区を含む。)の区域(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、その区又は総合区の区域)又は公職選挙法第十二条に規定する選挙区の区域を単位として設けられる支部」を「第六項の規定による届出がされている同項に規定する指定政党支部」に改め、同条に次の七項を加える。
5 政党は、会社、労働組合、職員団体その他の団体(政治団体を除く。)から政治活動に関する寄附を受けることができる支部として、一の都道府県の区域を単位として設けられる支部を、その区域につき一に限り、指定することができる。
6 政党は、前項の規定による指定をしたときは、直ちに、文書で、その旨並びにその指定をした政党の支部(次項及び第十項において「指定政党支部」という。)の名称及び主たる事務所の所在地を総務大臣に届け出なければならない。
7 前項の規定による届出をした政党は、第五項の規定による指定を取り消したとき若しくは指定政党支部が解散したとき又は前項の規定により届け出た事項に異動があつたときは、直ちに、文書で、その旨(同項の規定により届け出た事項に異動があつたときは、その異動に係る事項)を総務大臣に届け出なければならない。
8 前二項の規定による届出があつたときは、総務大臣は、当該届出に係る事項を、遅滞なく、官報への掲載、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。
9 政党の支部が第十七条第二項の規定に該当することとなつたときは、第五項及び第七項の規定の適用については、当該支部は、同条第二項に規定する提出期限を経過した日に解散したものとみなす。
10 都道府県の選挙管理委員会は、総務大臣の求めに応じ、指定政党支部に関し必要な事項を通知しなければならない。
11 第六項及び第七項の規定による届出の様式は、総務省令で定める。
第二十一条の三中第五項を第六項とし、第四項の次に次の一項を加える。
5 政党及び政治資金団体以外の政治団体のする政治活動に関する寄附は、各年中において、一億円を超えることができない。
第二十二条第一項中「政党及び政治資金団体以外の同一」を「同一」に、「五千万円」を「二千万円」に改め、同条に次の一項を加える。
4 会社、労働組合、職員団体その他の団体(政治団体を除く。)のする政治活動に関する寄附は、各年中において、同一の政党又は同一の政治資金団体に対しては、前条第一項及び第二項の規定による政治活動に関する寄附の限度額の五分の一に相当する額を超えることができない。
第二十二条の二及び第二十六条第一号中「若しくは第三項」を「、第三項若しくは第五項」に、「若しくは第二項」を「、第二項若しくは第四項」に改める。
第三十三条の二第一項第一号中「第二十条の二」の下に「、第二十一条第十項」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、令和九年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 次条から附則第四条までの規定 公布の日
二 第二十一条第一項の改正規定、同条に七項を加える改正規定及び第三十三条の二第一項第一号の改正規定並びに附則第五条の規定 令和八年十月一日
(個人のする政治活動に関する寄附に係る税制上の措置に関する検討)
第二条 個人のする政治活動に関する寄附を促進するため、個人が政治活動に関する寄附をした場合の租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)に定める所得税額の特別控除に係る次に掲げる事項については、速やかに、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられるものとする。
一 その控除率を百分の四十以下の範囲内において引き上げること。
二 その適用の対象に、衆議院議員、参議院議員、都道府県の議会の議員、都道府県知事又は指定都市の議会の議員若しくは市長に係る資金管理団体に対してする政治活動に関する寄附を追加すること。
(政党法制に関する検討等)
第三条 政党の政治活動の公明と公正の確保が図られるよう、政党の組織、管理運営等に関する法制度の在り方について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられるものとする。
2 前項の措置が講じられるに当たっては、当該措置に基づく法制度の適用を受けない政党が会社、労働組合、職員団体その他の団体(政治団体を除く。)から政治活動に関する寄附を受けることを禁止する措置が、併せて講じられるものとする。
(政令への委任)
第四条 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(地方自治法の一部改正)
第五条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
別表第一政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)の項第一号イ中「第二十条の二」の下に「、第二十一条第十項」を加える。
理 由
最近における政治資金をめぐる状況に鑑み、政治に対する国民の信頼の回復を図るため、会社、労働組合その他の団体及び政治団体のする政治活動に関する寄附の制限を強化する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

