衆議院議員の定数削減等に関する法律案
(趣旨)
第一条 この法律は、衆議院議員の定数削減並びにその具体的な方法等に関する法制上の措置の検討の在り方及び当該措置を講ずべき期限について定め、あわせて当該措置が当該期限内に講じられない場合の措置について定めるものとする。
(衆議院議員の定数削減)
第二条 衆議院議員の定数については、四百二十人を超えない範囲で、かつ、現行の定数四百六十五人の一割を目標として、削減する。
(衆議院議員の定数削減の具体的な方法等に関する法制上の措置)
第三条 衆議院議員の定数削減については、現行の衆議院議員の選挙制度の維持若しくは見直し又はその抜本的な改正のいずれを行うかについての検討と併せてその具体的な方法について検討が加えられ、これらに係る結論を得るものとする。
2 前項の検討は、衆議院議長の下に設置され、各会派の衆議院議員により構成される協議会において行われるものとする。協議会の組織及び運営に関する事項は、衆議院議院運営委員会に諮って衆議院議長が定める。
3 第一項の結論に基づく法制上の措置については、この法律の施行の日から一年以内に講ずるものとする。この場合において、衆議院議員の選挙区を改定する必要があるときは、衆議院議員選挙区画定審議会設置法(平成六年法律第三号)第四条の規定にかかわらず、同法第二条の規定による勧告の期限を延長する等の措置を講ずるものとする。
4 前項の法制上の措置として制定する法律においては、その旨を明記するものとする。
(公職選挙法の一部改正)
第四条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項中「四百六十五人」を「四百二十人」に、「二百八十九人」を「二百六十四人」に、「百七十六人」を「百五十六人」に改める。
第十三条第一項中「別表第一」を「別に法律」に改め、同条第三項中「別表第一に掲げる」を削り、同条第五項中「別表第一」を「第一項に規定する法律(第百四十九条第二項及び別表第二において「改定法」という。)で定める選挙区」に改める。
第百四十九条第二項中「二十八人を」を「改定法で定める数を」に、「二十八人と」を「その数と」に改める。
別表第一を次のように改める。
別表第一 削除
別表第二北海道の項中「八人」を「改定法で定める数」に改め、同表東北の項中「十二人」を「改定法で定める数」に改め、同表北関東の項中「十九人」を「改定法で定める数」に改め、同表南関東の項中「二十三人」を「改定法で定める数」に改め、同表東京都の項中「十九人」を「改定法で定める数」に改め、同表北陸信越の項中「十人」を「改定法で定める数」に改め、同表東海の項中「二十一人」を「改定法で定める数」に改め、同表近畿の項中「二十八人」を「改定法で定める数」に改め、同表中国の項中「十人」を「改定法で定める数」に改め、同表四国の項中「六人」を「改定法で定める数」に改め、同表九州の項中「二十人」を「改定法で定める数」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三条第四項の規定により同条第三項の法制上の措置として制定することが明記された法律が成立することなくこの法律の公布の日から起算して一年を経過した場合において、次条から附則第四条までの規定は当該一年を経過した日(次条において「一年経過日」という。)から施行し、第四条の規定は同条の規定による改正後の公職選挙法(附則第三条及び第四条において「新公職選挙法」という。)第十三条第一項に規定する法律の施行の日(附則第四条において「改定法施行日」という。)から施行する。
(令和七年の国勢調査の結果に基づく改定案の作成及び勧告並びに法制上の措置)
第二条 衆議院議員選挙区画定審議会は、衆議院議員選挙区画定審議会設置法第四条の規定にかかわらず、令和七年の国勢調査の結果に基づく同法第二条の規定による改定案(以下この条において「令和七年の国勢調査の結果に基づく改定案」という。)の作成及び勧告を行うものとする。
2 前項の規定による令和七年の国勢調査の結果に基づく改定案の作成に当たっては、衆議院議員選挙区画定審議会設置法第三条第二項及び第三項の規定にかかわらず、各都道府県の区域内の衆議院小選挙区選出議員の選挙区(以下この項において「小選挙区」という。)の数は、二百六十四人を衆議院小選挙区選出議員の定数と、令和七年の国勢調査を同法第四条第一項の国勢調査とみなして同法第三条第二項の規定の例により得られる小選挙区の数とする。
3 衆議院議員選挙区画定審議会設置法第二条の規定による令和七年の国勢調査の結果に基づく改定案の勧告は、同法第四条の規定にかかわらず、一年経過日から一年以内に行うものとする。
4 政府は、令和七年の国勢調査の結果に基づく改定案に係る衆議院議員選挙区画定審議会設置法第二条の規定による勧告があったときは、当該勧告に基づき、速やかに、必要な法制上の措置を講ずるものとする。
(新公職選挙法別表第二に規定する各選挙区の議員数)
第三条 新公職選挙法第十三条第一項に規定する法律で定める新公職選挙法別表第二に規定する各選挙区の議員数は、百五十六人を衆議院比例代表選出議員の定数と、令和七年の国勢調査を新公職選挙法第十三条第七項の国勢調査とみなして同項後段の規定の例により得られる議員数とする。
(適用区分)
第四条 新公職選挙法の規定は、改定法施行日以後初めてその期日を公示される衆議院議員の総選挙(以下「改定法施行日以後の初回の総選挙」という。)から適用し、改定法施行日の前日までにその期日を公示された衆議院議員の総選挙及び改定法施行日以後の初回の総選挙の期日の公示の日の前日までにその期日を告示される衆議院議員の選挙については、なお従前の例による。
理 由
衆議院議員の定数削減並びにその具体的な方法等に関する法制上の措置の検討の在り方及び当該措置を講ずべき期限について定め、あわせて当該措置が当該期限内に講じられない場合の措置について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

