第二二一回
閣第二六号
産業技術力強化法の一部を改正する法律案
産業技術力強化法(平成十二年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
題名の次に次の目次及び章名を付する。
目次
第一章 総則(第一条−第十四条)
第二章 産業技術力の強化を支援するための措置
第一節 通則(第十五条−第十九条)
第二節 重点産業技術に関する措置(第二十条−第三十二条)
第三章 雑則(第三十三条−第三十五条)
附則
第一章 総則
第一条中「大学」の下に「、大学共同利用機関」を加える。
第二条第三項中「及び地方独立行政法人」を「、地方独立行政法人」に、「)であって」を「第二十一条第二項第三号において同じ。)及び特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第一項第八号の規定の適用を受けるものをいう。)であって」に改め、同条に次の一項を加える。
4 この法律において「大学共同利用機関」とは、国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第四項に規定する大学共同利用機関をいう。
第三条第一項中「かんがみ」を「鑑み」に改め、「大学」の下に「、大学共同利用機関」を加え、同条第二項中「かんがみ」を「鑑み」に改める。
第十七条を第十九条とし、第十六条の二を第十八条とし、第十四条から第十六条までを一条ずつ繰り下げる。
第十三条中「かんがみ」を「鑑み」に改め、同条を第十四条とし、同条の次に次の章名及び節名を付する。
第二章 産業技術力の強化を支援するための措置
第一節 通則
第十二条中「並びに大学」を「、大学並びに大学共同利用機関」に、「かんがみ」を「鑑み」に改め、同条を第十三条とする。
第十一条中「大学」の下に「、大学共同利用機関」を加え、「かんがみ」を「鑑み」に改め、同条を第十二条とし、第十条を第十一条とし、第九条を第十条とする。
第八条中「かんがみ」を「鑑み」に改め、同条を第九条とし、第七条を第八条とする。
第六条の見出し中「大学」の下に「及び大学共同利用機関」を加え、同条第一項中「大学」の下に「及び大学共同利用機関」を加え、「かんがみ」を「鑑み」に改め、同条第二項中「大学」の下に「及び大学共同利用機関」を加え、「、及び」を「、並びに」に改め、同条を第七条とし、第五条の二を第六条とする。
本則に次の一節及び一章を加える。
第二節 重点産業技術に関する措置
(重点産業技術の指定)
第二十条 産業技術について、当該産業技術に関する研究及び開発の成果が多様な事業活動において利用される見込み並びに当該産業技術の革新性を勘案し、我が国の産業技術力の強化のため当該産業技術に関する研究及び開発を重点的に推進することが必要と認められるときは、政令で、当該産業技術を重点産業技術として指定するものとする。
(指針)
第二十一条 主務大臣は、重点産業技術に関する研究及び開発の推進に関する指針(以下「指針」という。)を定めるものとする。
2 指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 重点産業技術に関する研究及び開発の意義及び基本的な方向に関する事項
二 重点産業技術に関する研究及び開発に関して重点産業技術ごとに定める次に掲げる事項
イ 研究及び開発の目標に関する事項
ロ 研究及び開発の内容及び実施体制に関する事項(次号に掲げるものを除く。)
ハ 研究及び開発に当たって配慮すべき事項
ニ 研究及び開発の推進のための方策に関する事項
三 産業技術研究法人(地方独立行政法人であるものを除く。)、大学又は大学共同利用機関(以下「研究開発機関」という。)が事業者と共同して重点産業技術に関する研究及び開発(大学又は大学共同利用機関にあっては、研究に限る。以下同じ。)を行うために確保する人材、設備その他の体制に関する事項
四 その他重点産業技術に関する研究及び開発に関する重要事項
3 主務大臣は、技術の進歩その他の情勢の推移により必要が生じたときは、指針を変更するものとする。
4 主務大臣は、指針を定め、又はこれを変更するときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するものとする。
5 主務大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
(重点研究開発計画の認定)
第二十二条 重点産業技術に関する研究及び開発を行おうとする事業者は、単独で又は他の事業者若しくは研究開発機関(大学又は大学共同利用機関にあっては、これらの設置者。次条第一項及び第二十六条において同じ。)と共同して、その実施しようとする重点産業技術に関する研究及び開発に関する計画(以下「重点研究開発計画」という。)を作成し、主務省令で定めるところにより、主務大臣に提出して、その認定を受けることができる。
2 重点研究開発計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 研究及び開発を実施しようとする重点産業技術
二 当該研究及び開発の目標
三 当該研究及び開発の内容及び実施時期
四 当該研究及び開発の実施体制
五 当該研究及び開発を行うために必要な資金の額及びその調達方法
六 前各号に掲げるもののほか、当該研究及び開発に関し必要な事項
3 重点研究開発計画には、前項各号に掲げる事項のほか、重点産業技術に関する研究及び開発の実施に当たっての補助金等交付財産の活用(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号。以下この項及び第二十六条において「補助金等適正化法」という。)第二十二条に規定する財産を当該財産に充てられた補助金等(補助金等適正化法第二条第一項に規定する補助金等をいう。)の交付の目的以外の目的に使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供することをいう。以下この項及び第二十六条において同じ。)に関する事項(当該補助金等交付財産の活用をする者を含む。)を記載することができる。
4 主務大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、当該申請に係る重点研究開発計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、当該認定をするものとする。
一 当該重点研究開発計画の内容が指針に照らし適切なものであること。
二 当該重点研究開発計画に係る重点産業技術に関する研究及び開発が円滑かつ確実に実施され、一定の有用な成果が得られると見込まれるものであること。
5 主務大臣は、第一項の認定に当たり必要があると認めるときは、あらかじめ、当該認定の申請に係る事業者の事業を所管する大臣に協議しなければならない。
6 主務大臣は、第一項の認定の申請に係る重点研究開発計画に第三項に規定する事項が記載されている場合において、当該認定をするときは、あらかじめ、当該事項に係る関係行政機関の長に協議し、その同意を得なければならない。
7 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、主務省令で定めるところにより、当該認定に係る重点研究開発計画の概要を公表するものとする。
(重点研究開発計画の変更等)
第二十三条 前条第一項の認定を受けた事業者又は研究開発機関(以下「認定事業者等」という。)は、当該認定に係る重点研究開発計画を変更するときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認定を受けなければならない。ただし、主務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 主務大臣は、前条第一項の認定に係る重点研究開発計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定重点研究開発計画」という。)に従って重点産業技術に関する研究及び開発が行われていないと認めるとき、又は認定事業者等が第三十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたときは、当該認定を取り消すことができる。
3 主務大臣は、認定重点研究開発計画が前条第四項各号のいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、認定事業者等に対して、当該認定重点研究開発計画の変更を指示し、又はその認定を取り消すことができる。
4 主務大臣は、前二項の規定により前条第一項の認定を取り消したときは、その旨を公表するものとする。
5 前条第四項から第七項までの規定は、第一項の規定による変更の認定について準用する。
(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の行う助言業務)
第二十四条 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構は、認定事業者等の依頼に応じて、認定重点研究開発計画に従って行われる研究及び開発に関し必要な助言を行うことができる。
(国立研究開発法人科学技術振興機構による情報提供)
第二十五条 国立研究開発法人科学技術振興機構は、認定事業者等の依頼に応じて、認定重点研究開発計画に従って行われる研究及び開発に必要な情報の提供を行うよう努めなければならない。
(財産の処分の制限に係る承認の手続の特例)
第二十六条 事業者又は研究開発機関が、第二十二条第三項に規定する事項が記載されている重点研究開発計画について、同条第一項の認定又は第二十三条第一項の規定による変更の認定を受けたときは、当該認定又は当該変更の認定の日において、当該重点研究開発計画に記載された補助金等交付財産の活用をする者に対する補助金等適正化法第二十二条に規定する各省各庁の長の承認があったものとみなす。
(課税の特例)
第二十七条 第二十二条第一項の認定を受けた事業者が認定重点研究開発計画に従って実施した研究及び開発(その成果について特に早期の企業化が期待されるものとして主務大臣が定める基準に適合することについて主務省令で定めるところにより主務大臣の確認を受けたものに限る。)に係る試験研究費の額については、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
2 主務大臣は、前項の基準を定め、又は変更するときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するものとする。
(新技術等実証に係る意見聴取)
第二十八条 第二十二条第一項の認定を受けた事業者が、その認定重点研究開発計画に係る重点産業技術について産業競争力強化法(平成二十五年法律第九十八号)第二条第三項第一号に規定する新技術等としてその実用化に関する同項に規定する新技術等実証を実施する場合であって、当該認定をした主務大臣が同法第六条第四項、第八条の二第四項又は第八条の四第三項に規定する主務大臣でないときにおけるこれらの規定の適用については、同法第六条第四項中「の意見」とあるのは「及び当該求めに係る新技術等である重点産業技術(産業技術力強化法(平成十二年法律第四十四号)第二十条の規定による指定を受けた産業技術をいう。第八条の二第四項及び第八条の四第三項において同じ。)について同法第二十二条第一項の認定をした同項の主務大臣の意見」と、同法第八条の二第四項中「の意見」とあるのは「及び当該申請に係る新技術等である重点産業技術について産業技術力強化法第二十二条第一項の認定をした同項の主務大臣の意見」と、同法第八条の四第三項中「の意見」とあるのは「及び当該認定新技術等実証計画に係る新技術等である重点産業技術について産業技術力強化法第二十二条第一項の認定をした同項の主務大臣の意見」とする。
(重点産業技術共同研究開発機関の認定)
第二十九条 研究開発機関(大学又は大学共同利用機関にあっては、これらの設置者)は、申請により、研究開発機関が事業者と共同して重点産業技術に関する研究及び開発を行うための人材、設備その他の体制を確保していることの主務大臣の認定を受けることができる。
2 前項の認定を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を、主務大臣に提出しなければならない。
一 認定を受けようとする研究開発機関の名称及び所在地(大学又は大学共同利用機関にあっては、これらの設置者の名称及び主たる事務所の所在地を含む。)
二 その申請に係る重点産業技術
三 事業者と共同して重点産業技術に関する研究及び開発を行うための体制に関する次に掲げる事項
イ 当該研究及び開発に従事する研究者及び技術者、当該研究及び開発に関して知り得た情報の管理責任者その他の当該研究及び開発を行うために必要な人材に関する事項
ロ 当該研究及び開発を行うための設備等(施設、設備、機器、装置又は情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)第二条第二項に規定するプログラムをいう。)に関する事項
ハ その他主務省令で定める事項
3 主務大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その申請に係る研究開発機関が事業者と共同して重点産業技術に関する研究及び開発を行うため指針に照らし適切な体制を確保していると認めるときは、当該認定をするものとする。
4 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、遅滞なく、当該認定を受けた研究開発機関(以下「重点産業技術共同研究開発機関」という。)の名称その他主務省令で定める事項を公表しなければならない。
5 重点産業技術共同研究開発機関(大学又は大学共同利用機関にあっては、これらの設置者)は、第一項の認定に係る事業者と共同して重点産業技術に関する研究及び開発を行うための人材、設備その他の体制に関する基本的な情報として主務省令で定める事項を、インターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。
6 主務大臣は、重点産業技術共同研究開発機関について、事業者と共同して重点産業技術に関する研究及び開発を行うための体制が適切に確保されていないと認めるとき、又は重点産業技術共同研究開発機関(大学又は大学共同利用機関にあっては、これらの設置者)が第三十三条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたときは、第一項の認定を取り消すことができる。
7 第四項の規定は、前項の規定による認定の取消しについて準用する。
(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の行う助言業務)
第三十条 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構は、重点産業技術共同研究開発機関(大学又は大学共同利用機関にあっては、これらの設置者)の依頼に応じて、重点産業技術共同研究開発機関の前条第一項の認定に係る人材、設備その他の体制の強化並びに重点産業技術共同研究開発機関が当該体制を活用して事業者と共同して行う重点産業技術に関する研究及び開発に関し必要な助言を行うことができる。
(国立研究開発法人科学技術振興機構による情報提供)
第三十一条 国立研究開発法人科学技術振興機構は、重点産業技術共同研究開発機関(大学又は大学共同利用機関にあっては、これらの設置者)の依頼に応じて、重点産業技術共同研究開発機関の第二十九条第一項の認定に係る人材、設備その他の体制の強化並びに重点産業技術共同研究開発機関が当該体制を活用して事業者と共同して行う重点産業技術に関する研究及び開発に必要な情報の提供を行うよう努めなければならない。
(国が委託した研究及び開発の成果に係る特許権等の取扱いの特例)
第三十二条 国が委託した重点産業技術に関する研究及び開発の成果についての第十九条の規定の適用については、同条第一項第三号(同条第二項において準用する場合を含む。)中「当該特許権等の活用を促進するために特に必要があるとしてその理由を明らかにして」とあるのは、「当該特許権等が重点産業技術に関するものであることからその活用を促進するために特に必要がある旨を示して」とする。
第三章 雑則
(報告の徴収)
第三十三条 主務大臣は、認定事業者等に対し、認定重点研究開発計画の実施状況について報告を求めることができる。
2 主務大臣は、重点産業技術共同研究開発機関(大学又は大学共同利用機関にあっては、これらの設置者)に対し、その認定に係る人材、設備その他の体制について報告を求めることができる。
(主務大臣等)
第三十四条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。
一 指針(第二十一条第二項第三号に掲げる事項に係る部分を除く。)、重点研究開発計画並びに第二十七条第一項の基準及び確認に関する事項 経済産業大臣
二 指針(産業技術研究法人に係る第二十一条第二項第三号に掲げる事項に係る部分に限る。)及び重点産業技術共同研究開発機関(産業技術研究法人であるものに限る。)に関する事項 経済産業大臣及び当該産業技術研究法人に係る政令で定める大臣
三 指針(大学又は大学共同利用機関に係る第二十一条第二項第三号に掲げる事項に係る部分に限る。)及び重点産業技術共同研究開発機関(大学又は大学共同利用機関であるものに限る。)に関する事項 経済産業大臣及び文部科学大臣
2 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。
(経過措置)
第三十五条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。
附則第二条第一項中「(平成十五年法律第百十二号)」を削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、技術の進歩及び経済社会情勢の変化を勘案しつつ、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部改正)
第三条 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法(平成十四年法律第百四十五号)の一部を次のように改正する。
第十五条第八号中「助言」の下に「並びに同法第二十四条及び第三十条の規定による助言」を加える。
(科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部改正)
第四条 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成二十年法律第六十三号)の一部を次のように改正する。
第二十二条中「第十七条第一項」を「第十九条第一項(同法第三十二条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」に改める。
理 由
産業技術に関する研究及び開発を推進するため、産業技術研究法人の対象の拡大等を行うとともに、重点的に研究及び開発を推進することが必要な産業技術を重点産業技術として指定し、事業者によるその研究及び開発に関する計画の認定並びに事業者と共同してその研究及び開発を行うための体制が確保されている大学等の認定に係る手続、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構によるこれらの認定を受けた者に対する助言、補助金等交付財産の転用に係る承認手続の特例等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

