廃棄物の集積又は貯蔵等に起因する周辺の生活環境の保全上の支障の除去等に関する法律案要綱
第一 目的 (第一条関係)
この法律は、廃棄物の集積若しくは貯蔵(事業活動に伴うものを除く。以下同じ。)又は多数の動物に対する給餌若しくは給水(動物の飼養又は保管に伴うものを除く。以下同じ。)に起因する周辺の環境衛生上の支障その他の生活環境の保全上の支障の除去のための措置、当該支障を生じさせている者等に対する支援等について定めることにより、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、動物の愛護及び管理に関する法律その他生活環境の保全に関する法律と相まって、周辺地域における住民の生活環境の保全に資することを目的とすること。
第二 責務 (第二条関係)
一 土地又は建物の占有者は、その占有し、又は管理する土地又は建物における廃棄物の集積又は貯蔵に起因する悪臭等によって周辺の生活環境の保全上の支障を生じさせてはならないこと。
二 何人も、多数の動物に対して給餌又は給水を行う場合には、当該給餌又は給水に起因する悪臭等によって周辺の生活環境の保全上の支障を生じさせてはならないこと。
第三 勧告等
一 勧告 (第三条関係)
1 市町村長は、廃棄物の集積又は貯蔵に起因した悪臭の発生、多数の昆虫の発生等によって周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該廃棄物が集積され、又は貯蔵されている土地又は建物の占有者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができること。
2 都道府県知事(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、その長とする。四を除き、以下同じ。)は、多数の動物に対する給餌又は給水に起因した騒音又は悪臭の発生、動物の毛の飛散、多数の昆虫の発生等によって周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができること。
二 公表 (第四条関係)
市町村長又は都道府県知事は、一による勧告をした場合において、その勧告を受けた者が、一の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができること。
三 命令 (第五条関係)
市町村長又は都道府県知事は、一による勧告をした場合において、その勧告を受けた者が、一の期限内にこれに従わなかったときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができること。
四 審議会等の意見の聴取 (第六条関係)
市町村長又は都道府県知事は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、環境省令で定めるところにより、審議会等の意見を聴くことができること。
イ 三による命令をしようとするとき。
ロ 三による命令をされた者がその命令に係る期限までにその命令に係る措置をとらない場合において、行政代執行法の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせようとするとき。
第四 廃棄物の集積又は貯蔵等に起因する周辺の生活環境の保全上の支障を生じさせている者等に対する支援等
一 廃棄物の集積又は貯蔵等に起因する周辺の生活環境の保全上の支障を生じさせている者等に対する支援 (第八条関係)
都道府県及び市町村は、廃棄物の集積若しくは貯蔵又は多数の動物に対する給餌若しくは給水に起因する周辺の生活環境の保全上の支障を生じさせている者又は生じさせるおそれがある者に対し、周辺の生活環境の保全に関し必要な指導を行うとともに、必要があると認めるときは、その住居の清掃に要する費用の補助、廃棄物の適正な処理に関する助言その他の支援を行うよう努めるものとすること。
二 財政上の措置 (第九条関係)
国は、都道府県及び市町村が一の支援を行うために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとすること。
第五 罰則 (第十三条関係)
第三の三による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処すること。
第六 その他
一 施行期日 (附則関係)
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
二 その他所要の規定を設けること。