独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律案要綱
第一 題名及び総則関係
一 題名の改正 (題名関係)
法律の題名を「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法」に改めること。
二 機構の名称の改正 (第二条関係)
機構の名称を「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に改めること。
三 機構の目的の改正 (第三条関係)
独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「機構」という。)の目的に、郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与することを加えること。
第二 役員及び職員関係
一 役員の定数の増加 (第六条第二項関係)
機構に置くことができる理事を二人とすること。
二 役員の欠格条項の追加 (第九条関係)
役員となることができない者として、日本郵便株式会社の役員を明記するとともに、関連銀行及び関連保険会社の役員を規定すること。
第三 業務関係
一 郵便局ネットワーク支援業務の追加 (第十三条第一項関係)
第一の三の機構の目的を達成するための業務に、郵便局ネットワークの維持の支援に関する次に掲げる業務を加えること。
@ 郵便局ネットワークの維持に要する費用の一部に充てるための交付金を交付すること。
A 拠出金を徴収すること。
二 交付金の交付 (第十八条の二関係)
1 機構は、年度ごとに、日本郵便株式会社に対し、一の@の交付金(以下単に「交付金」という。)を交付すること。
2 1により日本郵便株式会社に対して交付される交付金の額は、@に掲げる額からAに掲げる額を控除して得た額とすること。
@ 郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、あまねく全国において郵便局(日本郵便株式会社の営業所であって郵便窓口業務を行うもののうち銀行窓口業務又は保険窓口業務を行わないもの及び簡易郵便局を含む。)で郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用できるようにすることを確保するために不可欠な費用の額として総務省令で定める方法により算定した額
A 三の2の按(あん)分して得た額のうち日本郵便株式会社に係る額
3 機構は、年度ごとに、総務省令で定めるところにより、交付金の額を算定し、当該交付金の額及び交付方法について総務大臣の認可を受けなければならないこと。
4 機構は、3の認可を受けたときは、日本郵便株式会社に対し、その認可を受けた事項を記載した書面を添付して、交付すべき交付金の額(2の@及びAに掲げる額を含む。)及び交付方法を通知しなければならないこと。
三 拠出金の徴収 (第十八条の三関係)
1 機構は、年度ごとに、一の業務及びこれに附帯する業務(以下「郵便局ネットワーク支援業務」という。)に要する費用に充てるため、関連銀行及び関連保険会社から、拠出金を徴収すること。
2 1により関連銀行及び関連保険会社から徴収する拠出金の額は、二の2の@に掲げる額及び郵便局ネットワーク支援業務に関する事務の処理に要する費用に相当する額の合計額を、総務省令で定める方法により、次に掲げる者の次に定める業務において見込まれる郵便局ネットワークの利用の度合に応じて按(あん)分して得た額のうち、関連銀行及び関連保険会社に係る額とすること。
@ 日本郵便株式会社 郵便窓口業務
A 関連銀行 銀行窓口業務
B 関連保険会社 保険窓口業務
3 機構は、年度ごとに、総務省令で定めるところにより、1の拠出金(以下単に「拠出金」という。)の額を算定し、当該拠出金の額及び徴収方法について総務大臣の認可を受けなければならないこと。
4 機構は、3の認可を受けたときは、関連銀行及び関連保険会社に対し、その認可を受けた事項を記載した書面を添付して、納付すべき拠出金の額、納付期限及び納付方法を通知しなければならないこと。
5 関連銀行及び関連保険会社は、4による通知に従い、機構に対し、拠出金を納付する義務を負うこと。
四 資料の提出の請求等 (第十八条の四関係)
1 機構は、二の3又は三の3により交付金又は拠出金の額を算定するため必要があると認めるときは、日本郵便株式会社、関連銀行又は関連保険会社に対し、資料の提出を求めることができること。
2 総務大臣は、二の3又は三の3による認可をするため必要があると認めるときは、日本郵便株式会社、関連銀行又は関連保険会社に対し、資料の提出を求めることができること。
3 1又は2により資料の提出を求められた者は、遅滞なく、これを提出しなければならないこと。
五 督促及び滞納処分 (第十八条の五関係)
1 機構は、拠出金の納付義務者が納付期限までに拠出金を納付しないときは、期限を指定して、これを督促しなければならないこと。
2 機構は、1により督促をするときは、納付義務者に対し、督促状を発すること。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならないこと。
3 機構は、1による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までにその督促に係る拠出金及び5による延滞金を納付しないときは、国税の滞納処分の例により、総務大臣の認可を受けて、滞納処分をすることができること。
4 3による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例によること。
5 機構は、1により督促をしたときは、その督促に係る拠出金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその拠出金の完納の日又は財産の差押えの日の前日までの日数により計算した額の延滞金を徴収することができること。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでないこと。
六 提出及び公表 (第十八条の六関係)
日本郵便株式会社は、年度ごとに、総務省令で定めるところにより、当該年度の前年度において郵便局ネットワークの維持に要した費用の額、二の4により通知された二の2の@に掲げる額及び二の1により交付された交付金の額を記載した書類を機構に提出するとともに、これを公表しなければならないこと。
第四 財務及び会計等関係
一 区分経理 (第十九条関係)
機構は、郵便局ネットワーク支援業務について、他の業務と経理を区分し、新たに郵便局ネットワーク支援勘定を設けて整理しなければならないこと。
二 利益及び損失の処理の特例等 (第二十五条第三項関係)
機構は、郵便局ネットワーク支援勘定において、中期目標の期間の最後の事業年度に係る整理を行った後、積立金があるときは、その額に相当する金額を当該中期目標の期間の次の中期目標の期間における積立金として整理しなければならないこと。
三 長期借入金 (第二十六条関係)
機構は、郵便局ネットワーク支援業務に必要な費用に充てるため、総務大臣の認可を受けて、長期借入金をすることができること。
四 審議会等への諮問 (第三十二条の二関係)
総務大臣は、次に掲げる場合には、審議会等で政令で定めるものに諮問しなければならないこと。
@ 第三の二の2の@又は第三の三の2の総務省令を定めようとするとき。
A 第三の二の3又は第三の三の3による認可をしようとするとき。
第五 罰則関係 (第三十八条及び第三十八条の二関係)
所要の罰則を整備すること。
第六 施行期日等
一 施行期日 (改正法附則第一条関係)
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、次に掲げるものは、次に定める日から施行すること。
@ 第一の三、第二、第三の一及び第四 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日
A 第一の一及び二並びに第六の三 平成三十一年四月一日
二 交付金の交付等に関する経過措置 (改正法附則第二条関係)
第三の二の1及び第三の三の1は平成三十一年四月一日の属する年度から、第三の六は当該年度の翌年度から適用すること。
三 検討 (改正法附則第四条関係)
交付金の交付に関する規定その他の新法の規定については、新法の施行の状況等を勘案し、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が将来にわたりあまねく全国において公平に利用できるようにすることを確保するために郵便局ネットワークを維持する観点から検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて速やかに所要の措置が講ぜられるものとすること。
四 その他
この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の改正その他所要の規定の整備を行うこと。