活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案要綱
第一 円滑な警戒避難の確保に関する規定の充実
一 避難確保計画の作成等に係る市町村長による援助等 (第八条関係)
1 市町村長は、避難促進施設の所有者又は管理者に対し、避難確保計画の作成及び変更並びに実施に関し必要な情報の提供、助言その他の援助をすることができること。
2 市町村長は、1の援助又は避難確保計画の作成等に係る報告を行った避難促進施設の所有者若しくは管理者に対する助言若しくは勧告を行うに際し必要と認めるときは、火山防災協議会に対し、意見を求めることができること。
二 立入りの日、火山における移動の経路等の情報の提供を容易にするための配慮等 (第十一条関係)
1 地方公共団体が把握に努めなければならない登山者等に関する情報の例示として、立入りの日、火山における移動の経路を挙げるとともに、地方公共団体が登山者等に対して当該情報の提供を求めるに当たっては、登山者等がその提供を容易に行うことができるよう必要な配慮をするものとすること。
2 1の情報が火山現象の発生時における救助活動にとって重要であることに鑑み登山者等がその提供に努めることを明記するとともに、火山現象の発生時における円滑かつ迅速な避難のために必要な手段を講ずるべき登山者等に対する努力義務を強化するものとすること。
三 迅速かつ的確な情報の伝達等 (第十二条関係)
情報の伝達等をするに当たっては、情報通信技術の活用等を通じて火山現象の発生時における円滑かつ迅速な避難のために必要な情報が住民等に迅速かつ的確に伝えられるようにすることを旨とするものとすること。
第二 調査及び研究に関する規定の充実
一 火山に関する調査研究体制の整備等 (第三十条関係)
1 国及び地方公共団体は、火山に関する観測、測量、調査及び研究のための施設及び組織の整備並びに大学その他の研究機関相互間の連携の強化に努めるとともに、国及び地方公共団体の相互の連携の下に、火山に関し専門的な知識又は技術を習得させるための教育の充実を図り、及びその知識又は技術を有する人材の能力の発揮の機会を確保すること等を通じた当該人材の育成及び継続的な確保に努めなければならないこと。
2 国は、火山に関する観測、測量、調査及び研究を推進するため、必要な予算等の確保に努めるとともに、地方公共団体に対する必要な技術上及び財政上の援助に努めなければならないこと。
二 火山調査研究推進本部 (第三十一条から第三十六条まで関係)
1 文部科学省に、火山調査研究推進本部(2及び3において「本部」という。)を置くこと。
2 本部は、次に掲げる事務をつかさどること。
火山に関する観測、測量、調査及び研究の推進について総合的かつ基本的な施策を立案すること。
関係行政機関の火山に関する調査研究予算等の事務の調整を行うこと。
火山に関する総合的な調査観測計画を策定すること。
火山に関する観測、測量、調査又は研究を行う関係行政機関、大学等の調査結果等を収集し、整理し、及び分析し、並びにこれに基づき総合的な評価を行うこと。
の評価に基づき、広報を行うこと。
3 その他本部の組織、政策委員会、火山調査委員会、地域に係る火山に関する情報の収集等及び関係行政機関等の協力に関する規定を設けること。
第三 その他
一 火山防災の日 (第三十七条関係)
1 国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めるようにするため、火山防災の日を設けること。
2 火山防災の日は、八月二十六日とすること。
3 国及び地方公共団体は、火山防災の日には、防災訓練その他のその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとすること。
二 検討 (附則第七項関係)
政府は、火山に関する最新の科学的知見等を勘案し、活動火山対策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
三 施行期日等
1 この法律は、令和六年四月一日から施行すること。 (改正法附則第一項関係)
2 その他所要の規定の整備を行うこと。