棚田地域振興法の一部を改正する法律案要綱
第一 都道府県棚田地域振興計画に係る改正
都道府県棚田地域振興計画は、広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律に規定する特定居住促進計画と調和したものでなければならないことを明記すること。 (第六条第三項関係)
第二 農地法等による処分に係る規定の追加
国の行政機関の長又は地方公共団体の長は、指定棚田地域内の土地を認定棚田地域振興活動計画に定める用途に供するため農地法その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該指定棚田地域の持続的発展に資するため、当該処分が迅速に行われるよう適切な配慮をするものとすること。
(新第十三条の二関係)
第三 指定棚田地域の振興に資する事業に関する情報提供に係る規定の追加
国及び地方公共団体は、指定棚田地域の振興に資する事業を活用した棚田地域振興活動を促進するため、農業者、農業者の組織する団体、地域住民、特定非営利活動法人その他の棚田地域振興活動に参加する者に対し、当該事業に関する情報の提供に努めるものとすること。 (第十五条新第二項関係)
第四 配慮規定の追加等
一 農業の振興等に関する配慮規定の追加等
1 農業の振興を図るための生産基盤の強化等
国及び地方公共団体は、棚田地域の特性に即した農業の振興を図るため、生産基盤の強化(災害復旧及び災害からの復興に係るものを含む。)、地域特産物の開発並びに生産、流通及び消費の増進、先端的な技術の導入並びに観光業その他の産業との連携の推進について適切な配慮をするものとすること。 (新第十五条の二関係)
2 鳥獣被害の防止等
国及び地方公共団体は、棚田地域における生活環境の保全、農業の振興等を図るため、鳥獣の捕獲、防護柵の設置等による鳥獣による被害の防止並びにこれらに寄与する人材の育成及び確保について適切な配慮をするものとすること。 (新第十五条の三関係)
3 人材の育成及び確保
棚田地域振興活動を担うべき人材の例示として、棚田地域の農業の振興に寄与する人材を追加すること。 (第十六条関係)
二 棚田地域への移住、棚田地域における定住及び棚田地域における特定居住の促進に関する配慮規定の追加
1 生活環境等の整備
国及び地方公共団体は、棚田地域への移住、棚田地域における定住及び棚田地域における特定居住並びに棚田地域における持続可能な地域社会の維持及び形成の促進に資するため、住宅等の整備(空家の活用によるものを含む。)、棚田地域において住民が日常生活を営むために必要な環境の持続的な確保に資する地域的な共同活動への支援その他の快適な生活環境の確保を図るための施策の充実について適切な配慮をするものとすること。 (新第十六条の二関係)
2 移住等をしようとする者の来訪及び滞在の促進
国及び地方公共団体は、棚田地域への移住及び棚田地域における特定居住の促進を図るため、棚田地域への移住又は棚田地域における特定居住をしようとする者への情報の提供、便宜の供与その他の棚田地域への移住又は棚田地域における特定居住をしようとする者の来訪及び滞在の促進について適切な配慮をするものとすること。 (新第十六条の三関係)
三 都市等と棚田地域の交流の促進等に関する配慮規定の追加
国及び地方公共団体は、棚田地域における農業、棚田地域の有する多面的機能等を含め棚田地域に対する国民の理解と関心を深めるとともに、健康的でゆとりのある生活に資するため余暇を利用した棚田地域への滞在の機会を提供する事業活動の促進その他の都市等と棚田地域との間の交流の促進等について適切な配慮をするものとすること。 (新第十六条の四関係)
四 棚田地域との関わりを持つ者の間における連携及び協力の確保に関する配慮規定の追加
国及び地方公共団体は、地域における創意工夫を生かしつつ棚田地域の持続的な発展が図られるよう、年齢、性別等にかかわりなく、農業者、農業者の組織する団体、地域住民、特定非営利活動法人、特定地域づくり事業協同組合、学校、事業者その他の棚田地域との関わりを持つ者の間における緊密な連携及び協力を確保することについて適切な配慮をするものとすること。 (新第十六条の五関係)
第五 期限の延長
棚田地域振興法の有効期限を令和十二年三月三十一日まで五年間延長すること。 (附則第二項関係)
第六 施行期日等
一 施行期日
この法律は、令和七年四月一日から施行すること。ただし、第五は、公布の日から施行すること。
(改正法附則関係)
二 その他
その他所要の規定の整理を行うこと。