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法律第二百五十七号(昭二五・一二・一二)

  ◎塩田等災害復旧事業費補助法

 (目的)

第一条 この法律は、塩田、濃縮施設又は塩田防災施設(以下「塩田等」という。)の災害復旧事業を施行する者に対し、その災害復旧事業に要する費用につき、日本専売公社(以下「公社」という。)に補助を行わせ、もつて国内における塩の生産を確保し、公社の行う塩に関する国の専売事業の健全な運営に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「塩田」とは、塩又はかん水(塩専売法(昭和二十四年法律第百十二号)第一条第一項又は第三項に規定する塩又はかん水をいう。以下同じ。)採取の目的に供される土地をいい、この目的に供される当該土地の附属施設で濃縮施設及び塩田防災施設以外のものを含むものとする。

2 この法律において「濃縮施設」とは、通常枝じよう架又は濃縮台と称されるものその他自然力(地熱を除く。)を利用して、塩若しくはかん水を採取し、又はかん水の濃度を高める目的に供される施設をいう。

3 この法律において「塩田防災施設」とは、塩田又は濃縮施設の附属の堤防でこれらのものの災害を防止するために必要なものをいい、当該堤防の附属施設を含むものとする。

4 この法律において「災害」とは、暴風、こう水、高潮、地震その他の異常な天然現象に因り生じた災害をいう。

5 この法律において「災害復旧事業」とは、災害に因つて必要を生じた事業で、災害にかかつた塩田等を原形に復旧することを目的とするもののうち、一箇所の工事の費用が十五万円以上のものをいう。

6 災害に因つて必要を生じた事業で、災害にかかつた塩田等を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合においてこれに代るべき必要な施設をすることを目的とするもののうち、一箇所の工事の費用が十五万円以上のものは、この法律の適用については、災害復旧事業とみなす。

7 前二項の場合において、塩田等の災害にかかつた箇所が五十メートル以内の間隔で連続しているものに係る工事及び塩田等の災害にかかつた箇所が五十メートルをこえる間隔で連続しているものに係る工事で当該工事を分離して施行することが当該塩田等の効用上困難又は不適当であるものは、一箇所の工事とみなす。但し、当該工事に係る事業を施行する者が二以上あるものについては、この限りでない。

 (補助金の交付)

第三条 公社は、災害復旧事業を施行する者に対し、予算の範囲内で、当該事業の事業費(前条第六項に規定する事業については、当該事業の事業費が災害にかかつた塩田等を原形に復旧するものとした場合に要する金額をこえる場合には、当該塩田等を原形に復旧するものとした場合に要する金額に相当する金額。以下同じ。)の一部に相当する金額を補助金として交付することができる。

2 前項の規定による補助金の金額は、左の各号の区分により当該各号に掲げる比率によつて算出した金額の範囲内の金額とする。

 一 塩田及び濃縮施設に係るもの 当該災害復旧事業の事業費の十分の五

 二 塩田防災施設に係るもの 当該災害復旧事業の事業費の十分の六・五

3 第一項の規定による補助金を交付する災害復旧事業の事業費は、当該事業に係る工事のため直接必要な材料費、労務費、敷地の買収費及びその他の諸役務費の合計額に雑費を加えたものとする。

4 第一項の規定による補助金は、日本専売公社法(昭和二十三年法律第二百五十五号)第四十三条の十三第一項の規定による専売納付金の計算上当該補助金を支出した事業年度の損失に算入する。

 (補助の申請)

第四条 前条第一項の規定による補助金の交付を受けようとする者は、災害が発生した日から二月以内に、補助金交付申請書に補助金の交付を受けようとする事業に係る事業計画書を添えて、これを公社に提出しなければならない。

 (補助の決定)

第五条 公社は、前条の規定による補助金交付申請書の提出があつた場合においては、その補助金の交付を受けようとする事業の内容を審査し、当該事業が災害復旧事業に該当し、且つ、第一条に規定する目的に照らし必要なものであると認めた上で、災害復旧事業に係る工事に関する技術的事項及び当該事業に要する標準的費用についてあらかじめ公社が定めた基準に従い、第三条の規定により交付することができる補助金の範囲内で、その交付すべき補助金の金額を決定しなければならない。

2 公社は、前項の規定により決定した金額の補助金を交付する場合においては、その補助金を交付する事業が同項に規定する公社が定めた基準に適合したものとなるように、前条の規定により提出された事業計画書の内容に必要な変更を加えるべき旨の条件その他必要な条件を附することができる。

 (変更の承認)

第六条 第三条第一項の規定による補助金の交付を受けた者は、災害復旧事業に係る事業計画書の内容(前条第二項の規定により附された条件に従つてその内容を変更した場合には、その変更された内容)に変更を加えようとするときは、あらかじめ公社の承認を受けなければならない。

2 公社は、前項の規定による承認の申請があつた場合においては、その変更を加えようとする内容を審査し、前条第一項に規定する公社が定めた基準に従い、その申請に係る変更を承認するかどうかを決定しなければならない。

3 公社は、前項の規定による変更の承認をした場合において、その変更に応じて補助金の金額を変更する必要があるときは、第三条の規定により交付することができる補助金の範囲内で、その変更をしなければならない。

 (公社の調査等)

第七条 公社は、第三条第一項の規定による補助金の交付を受けた者に対し、当該補助の目的である災害復旧事業を適正に実施させるため、必要な調査を行い、報告を求め、又は当該事業の施行に関し必要な指示をすることができる。

 (補助金の返還)

第八条 第三条第一項の規定による補助金の交付を受けた者は、左の各号の一に該当する場合においては、当該各号に規定する金額を遅滞なく公社に返還しなければならない。

 一 当該補助の目的である災害復旧事業が終了した場合において、当該事業に要した事業費の金額が当該補助金の金額の決定の基礎となつた事業費の見積額に満たなかつたときは、その満たなかつた部分の金額に当該補助金の金額の当該見積額に対する比率を乗じて得た金額

 二 第六条第三項の規定による補助金の変更を受けた場合において、当該変更に因り既に交付を受けた補助金の金額が変更後の補助金の金額をこえることとなつたときは、そのこえることとなつた金額

2 公社は、第三条第一項の規定による補助金の交付を受けた者が、当該補助金を、当該補助金の交付の基礎となつた事業計画書の内容又は当該補助金の交付について公社の附した条件に従つて使用していないと認められるときは、その者に対し、その使用していないと認められる部分の補助金に相当する金額を返還することを命ずることができる。

3 公社は、前項の規定により補助金の返還を命じようとするときは、あらかじめ本人にその旨を通知し、その者又はその代理人の出頭を求め、釈明の機会を与えるため、公社の指定する職員をして聴聞をさせなければならない。

4 第二項の規定により補助金の返還を命ぜられた者は、遅滞なくその返還を命ぜられた金額を公社に返還しなければならない。

 (適用除外)

第九条 この法律は、左に掲げる災害復旧事業については適用しない。

 一 経済効果の小さいもの

 二 維持工事とみるべきもの

 三 明らかに設計の不備又は工事の施行の粗漏に基因して生じたものと認められる災害に係るもの

 四 甚しく維持管理を怠つたことに基因して生じたものと認められる災害に係るもの

 (実施規定)

第十条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、大蔵省令で定める。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行し、昭和二十五年四月一日以後発生した災害に因つて必要を生じた災害復旧事業から適用する。

2 この法律施行の日前一月までに発生した災害に因つて必要を生じた災害復旧事業について、第三条第一項の規定による補助金の交付を受けようとする者は、第四条の規定にかかわらず、この法律施行の日から一月以内に、同条の規定による補助金交付申請書に補助金の交付を受けようとする事業に係る事業計画書を添えて、これを公社に提出しなければならない。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

 

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