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法律第三百三号(昭二六・一二・八)

  ◎租税特別措置法の一部を改正する法律

 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)の一部を次のように改正する。

 第三条第一項中「又は利息の配当若しくは証券投資信託の収益の分配に因る配当所得に対する同法第十七条又は第十八条」を「又は配当所得に対する同法第十七条、第十八条又は所得税法の臨時特例に関する法律第十九条第一項」に改め、同条第二項中「利息の配当」を「利益若しくは利息の配当、剰余金の分配」に改める。

 第五条第一項中「又は退職所得」及び「又は第六号」を削り、同条第二項中「又は退職所得」を削る。

第五条の二第一項及び第五条の三第一項中「又は退職所得」及び「又は第六号」を削る。

 第五条の四第二項中「(退職所得については当該金額からその十分の一・五に相当する金額を控除した金額)」を「(昭和二十五年の同項に規定する期間中に支払を受ける退職所得については当該金額からその十分の一・五に相当する金額を控除した金額、昭和二十六年中に支払を受ける退職所得については当該金額からその十分の三に相当する金額を控除した金額)」に改め、同条第三項中「これを準用する。」を「これを準用する。この場合において、同項中「給与所得」とあるのは「給与所得又は退職所得」と読み替えるものとする。」に改める。

 第五条の五第一項中「所得税法第二十六条の四第一項の規定による青色申告書」を「青色申告書(所得税法第二十六条の三第一項に規定する青色申告書をいう。以下第五条の七において同じ。)」に改め、「本条中」を削り、同条第二項から第四項までを次のように改める。

  前項の規定は、所得税法第二十一条、第二十二条、第二十六条、第二十六条の二又は第二十九条の規定による申告書に同項の規定により必要な経費に算入される金額についてのその算入に関する申告の記載がない場合には、これを適用しない。

 第五条の六を第五条の九とし、第五条の七を第五条の十とし、第五条の八を第五条の十一とし、第五条の五の次に次の三条を加える。

第五条の六 青色申告書(法人税法第二十五条第一項に規定する青色申告書をいう。以下本条及び第五条の八において同じ。)を提出する法人が、昭和二十六年四月一日以後終了する事業年度開始の日以後、機械等でその製作後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は機械等を製作して、これを事業の用に供した場合においては、その事業の用に供された日以後三年内の日を含む各事業年度について同法及び同法に基く命令の規定により計算される当該機械等の償却範囲額は、同日以後三年間を限り、これらの規定により計算される当該機械等の償却範囲額(これらの規定に定める償却不足額があるときは、当該償却不足額に相当する金額を控除した金額)の百分の百五十に相当する金額(これらの規定に定める償却不足額があるときは、当該償却不足額に相当する金額を加算した金額)とする。

  前項の規定の適用については、法人税法及び同法に基く命令に定める償却不足額は、法人の各事業年度開始の日前三年以内に開始した事業年度(当該各事業年度まで連続して青色申告書を提出している場合に係る事業年度に限る。)においてなした当該機械等の償却額が同項の規定により計算した償却範囲額(本項の償却不足額があるときは、当該償却不足額を加算しない前の金額)に達しない場合のその差額の合計額のうちその償却不足を生じた事業年度後当該事業年度直前の事業年度までの所得の計算上総益金から控除されなかつた金額とする。

  第一項の規定は、法人税法第十八条から第二十一条までの規定による申告書に同項に規定する償却範囲額の計算に関する明細書の添付がない場合には、これを適用しない。

第五条の七 青色申告書を提出する個人が、各年において、所得税法第十条の三に規定するたな卸をなすべき資産(以下本条中たな卸資産という。)の価格の低落に因る損失に備えるため、その年十二月三十一日において当該個人の有価証券以外のたな卸資産に附した帳簿価額の合計額が同日における当該資産の価額の百分の九十に相当する金額の合計額をこえる場合のそのこえる金額に、同日において当該個人のたな卸資産たる証券取引法第二条第一項及び第二項に規定する有価証券(国債証券を除く。)に附した帳簿価額の合計額が同日における当該有価証券の価額(証券取引所に上場されているものについては、証券取引法第百二十二条第二項の規定により公表されたその年十二月中の毎日の最終価格の平均額)の百分の九十五(株式については、百分の九十)に相当する金額の合計額をこえる場合のそのこえる金額を加算した金額(以下本条中繰入限度額という。)以下の金額を価格変動準備金勘定に繰り入れたときは、当該繰入金額は、当該繰入をなした年の事業所得の計算上、これを必要な経費に算入する。

 前項の規定により事業所得の計算上必要な経費に算入された価格変動準備金勘定の金額は、その翌年の事業所得の計算上、これを総収入金額に算入する。

 第一項の規定は、所得税法第二十六条又は第二十六条の二の規定による申告書に同項の規定により必要な経費に算入される金額を必要な経費に算入することの記載があり、且つ、当該申告書に価格変動準備金勘定の記載がある貸借対照表及びその年分の繰入限度額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、これを適用する。

第五条の八 青色申告書を提出する法人が、各事業年度(解散又は合併に因り消滅した法人の解散又は合併の日を含む事業年度を除く。)において、法人税法第九条の七に規定するたな卸をなすべき資産(有価証券を除く。以下本条中たな卸資産という。)又は証券取引法第二条第一項及び第二項に規定する有価証券(国債証券を除く。以下本条中有価証券という。)の価格の低落に因る損失に備えるため、当該事業年度終了の日において当該法人のたな卸資産に附した帳簿価額の合計額が同日における当該たな卸資産の価額の百分の九十に相当する金額の合計額をこえる場合のそのこえる金額に、同日において当該法人の有価証券に附した帳簿価額の合計額が同日における当該有価証券の価額(証券取引所に上場されているものについては、証券取引法第百二十二条第二項の規定により公表された同日前一月間の毎日の最終価格の平均額)の百分の九十五(株式については、百分の九十)に相当する金額の合計額をこえる場合のそのこえる金額を加算した金額(以下本条中繰入限度額という。)以下の金額を価格変動準備金勘定に繰り入れたときは、当該繰入金額は、当該繰入をなした事業年度の法人税法による所得の計算上、これを損金に算入する。

 前項の規定により法人税法による所得の計算上損金に算入された価格変動準備金勘定の金額は、その翌事業年度の同法による所得の計算上、これを益金に算入する。

 第一項の規定は、法人税法第十八条から第二十一条までの申告書に、価格変動準備金勘定に繰り入れた金額の損金算入に関する申告の記載があり、且つ、当該申告書にその事業年度の繰入限度額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、これを適用する。

第九条に次の一項を加える。

 森林法により森林の立木の伐採制限を受けた者に対して農林漁業資金融通法第二条第二号の二の規定により資金の貸付をなす場合における抵当権の取得の登記については、命令の定めるところにより当該資金の貸付に係る旨を証明されたものに限り、その登記の登録税の額は、登録税法にかかわらず債権金額の千分の一とする。

 第十四条第一項中「収用された」を「収用され補償金を取得する」に改め、「土地等の収用に因り交付を受けるべき」を削り、同条第二項中「前項」を「第一項及び前項」に改め、同条第一項の次に次の二項を加える。

 前項の規定は、基準日において個人の有する土地又は土地の上に存する権利につき特別都市計画法若しくは都内計画法により土地区画整理が施行された場合又は土地改良法により土地改良事業が施行された場合において、当該土地又は土地の上に存する権利に係る換地処分又は交換に因り清算金を取得するときについて、これを準用する。この場合において、同項中「当該補償金の額(当該収用を受けた資産が所得税法第十条の六に規定する資産である場合には、資産再評価法第四十二条第四項本文に規定する減価の価額を加算した金額)」とあるのは「当該清算金の額」と読み替えるものとする。

 前二項の場合において、収用、換地処分又は交換に因り補償金又は清算金とともに土地又は土地の上に存する権利を取得するときは、命令の定めるところにより、当該収用、換地処分又は交換に係る従前の土地又は土地の上に存する権利のうち当該補償金の額又は清算金の額に対応する部分についてのみ収用、換地処分又は交換があつたものとみなしてこれらの規定を適用する。

第十五条第一項中「収用された」を「収用され補償金を取得する」に改め、同条第三項中「第二項」を「第四項」に、「前項第一号」を「第二項第一号及び前項」に改め、同条第二項の次に次の二項を加える。

 前二項の規定は、基準日において法人の有する土地又は土地の上に存する権利について前条第二項に規定する事由に因り清算金を取得する場合について、これを準用する。この場合において、第一項中「収用の日」とあるのは「換地処分又は交換があつた日」と、第二項第一号中「当該土地等の収用に因り交付を受けるべき補償金の額」とあるのは「当該換地処分又は交換に因り取得する清算金の額」と読み替えるものとする。

 第一項及び前項の場合において、収用、換地処分又は交換に因り補償金又は清算金とともに土地又は土地の上に存する権利を取得するときは、命令の定めるところにより、当該収用、換地処分又は交換に係る従前の土地又は土地の上に存する権利のうち当該補償金の額又は清算金の額に対応する部分についてのみ収用、換地処分又は交換があつたものとみなしてこれらの規定を適用する。

同条の次に次の三条を加える。

第十六条 個人の有する土地又は土地の上に存する権利につき土地収用法等により土地等の収用があつた場合又は特別都市計画法若しくは都市計画法により土地区画整理が施行され、若しくは土地改良法により土地改良事業が施行されたことに因り当該土地若しくは土地の上に存する権利について換地処分若しくは交換があつた場合において、当該土地又は土地の上に存する権利に換えて土地又は土地の上に存する権利を取得するとき(補償金又は清算金とともに土地又は土地の上に存する権利を取得するときを含む。)は、所得税法第九条第一項又は資産再評価法第九条第一項の規定の適用については、第十四条第一項又は第二項の規定の適用を受けるものを除き、当該土地又は土地の上に存する権利については、譲渡がなかつたものとみなす。

 前項の規定の適用を受けた土地又は土地の上に存する権利に係る収用、換地処分又は交換に因り取得した土地又は土地の上に存する権利につき当該収用、換地処分又は交換の時後譲渡、相続、遺贈又は贈与があつた場合において当該譲渡、相続、遺贈又は贈与に因り所得税法第九条第一項の規定により所得を計算するとき、又は資産再評価法第九条第一項の規定により再評価を行うときは、当該収用、換地処分又は交換に係る従前の土地又は土地の上に存する権利、その取得価額及び取得の時期を、それぞれ当該収用、換地処分又は交換に因り取得した土地又は土地の上に存する権利、その取得価額及び取得の時期とみなす。

第十七条 所得税法第五条の二第一項並びに資産再評価法第八条第二項及び第九条第一項の規定は、国又は地方公共団体に対する贈与若しくは遺贈については、これを適用しない。

第十八条 所得税法の臨時特例に関する法律第十九条第一項及び第二項の規定は、信託会社(信託業務を兼営する銀行を含む。以下同じ。)がその引き受けた証券投資信託の信託財産に属する株式又は出資について支払を受ける利益の配当又は剰余金の分配に因る所得については、これを適用しない。

 前項の規定は、信託会社が、当該株式又は出資がその引き受けた証券投資信託の信託財産に属する旨を示して、その利益の配当又は剰余金の分配の支払をなす者の備え付ける帳簿にその名称及び主たる事務所の所在地その他命令で定める事項の登載を受けた場合において、その登載を受けている期間内に当該株式又は出資について支払を受けるべき利益の配当又は剰余金の分配に因る所得についてのみ、これを適用する。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 改正後の租税特別措置法(以下「法」という。)第五条の四第二項の規定は、この

法律施行後支払を受ける退職所得につき適用する。

3 法第五条の六の規定は、法人の昭和二十六年四月一日以後終了する事業年度分の法人税から適用する。

4 法第五条の七の規定は、昭和二十七年分の所得税から適用する。但し、昭和二十七年分の所得の計算につき同条第一項の規定を適用する場合においては、同項中「百分の九十」とあるのは「百分の九十五」と、「百分の九十五」とあるのは「百分の九十七・五」と読み替えるものとする。

5 法第五条の八の規定は、法人の法人税法の一部を改正する法律(昭和二十六年法律第二百七十四号)により改正された法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第十七条第一項第一号の規定の適用を受ける事業年度分の法人税から適用する。但し、同号の規定がその日以後終了する事業年度分の法人税から適用されることとされたその日以後六月の期間内に終了する事業年度につき法第五条の八第一項の規定を適用する場合においては、同項中「百分の九十」とあるのは「百分の九十七・五」と、「百分の九十五」とあるのは「百分の九十八・五」と読み替え、その日以後六月を経過した日以後六月の期間内に終了する事業年度につき同項の規定を適用する場合においては、同項中「百分の九十」とあるのは「百分の九十五」と、「百分の九十五」とあるのは、「百分の九十七・五」と読み替え、その日以後一年を経過した日以後六月の期間内に終了する事業年度につき同項の規定を適用する場合においては、同項中「百分の九十」とあるのは「百分の九十二・五」と、「百分の九十五」とあるのは「百分の九十六」と読み替えるものとする。

6 法第十四条第二項及び第三項、第十五条第三項及び第四項並びに第十六条の規定は昭和二十六年一月一日以後収用、換地処分又は交換があつた場合、法第十七条の規定は同日以後遺贈又は贈与があつた場合について適用する。

7 法人が昭和二十六年一月一日からこの法律施行前に終了した事業年度の終了の日までの間において特別都市計画法、都市計画法又は土地改良法の規定により換地処分又は交換があつた土地又は土地の上に存する権利について法第十五条第三項の規定により再評価を行つた場合においては、当該法人が資産再評価法第四十五条の二第一項の規定により提出すべき申告書の提出期限は、法第十五条第三項において準用する同条第二項第四号の規定にかかわらず、この法律施行の日から二月以内とする。

8 当分の間、法第十四条第二項及び第十六条第一項中「土地改良法により土地改良事業」とあるのは「土地改良法により土地改良事業が施行され、若しくは土地改良法施行法第二条第一項の規定に基きなお効力を有する旧耕地整理法により耕地整理」と、前項中「土地改良法」とあるのは「土地改良法若しくは土地改良法施行法第二条第一項の規定に基きなお効力を有する旧耕地整理法」と読み替えるものとする。

9 法人税法の一部を次のように改正する。

  第十九条第二項中「その被合併法人の確定法人税額に六(当該合併法人の当該事業年度開始の日から六箇月の期間内に合併がなされたときは、当該期間のうちその合併後の期間の月数)を乗じて被合併法人の確定法人税額の計算の基礎となつた事業年度の月数で除して計算した金額」を「左に掲げる金額」に改め、同項に第一号及び第二号として次のように加える。

 一 当該合併法人の前事業年度中に合併がなされた場合においては、前事業年度の月数に対する前事業年度開始の日からその合併の日までの月数の割合に六を乗じた数を被合併法人の確定法人税額に乗じて当該確定法人税額の計算の基礎となつた事業年度の月数で除して計算した金額

 二 当該合併法人の当該事業年度開始の日から六箇月の期間内に合併がなされた場合においては、当該期間のうちその合併後の期間の月数を被合併法人の確定法人税額に乗じて当該確定法人税額の計算の基礎となつた事業年度の月数で除して計算した金額

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

 

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