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法律第七十九号(昭二九・四・三〇)

  ◎町村合併促進法の一部を改正する法律

 町村合併促進法(昭和二十八年法律第二百五十八号)の一部を次のように改正する。

 第六条第三項第九号を第十号とし、以下一号ずつ繰り下げ、第八号の次に次の一号を加える。

 九 開田、開畑、干拓、かんがい排水施設の整備、その他の土地改良に関する事項

 第九条の次に次の二条を加える。

(教育委員会の委員の任期、定数に関する特例)

第九条の二 町村合併の際合併関係町村の教育委員会の選挙による委員で当該合併町村の教育委員会の委員の被選挙権を有することとなるものは、合併関係町村の協議により、新たに設置された合併町村にあつては合併関係町村の数に相当する数をこえず四を下らない範囲で定めた数(合併関係町村の数が四以下の場合においては四)、他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村にあつては編入される合併関係町村の数に相当する数の範囲で定めた数の者に限り、左の各号に掲げる期間、引き続き合併町村の教育委員会の選挙による委員として在任することができる。この場合において町村合併の際に合併関係町村の教育委員会の選挙による委員で合併町村の教育委員会の委員の被選挙権を有することとなるものの数がその定められた数をこえるときは、これらの者の互選により、合併町村の教育委員会の選挙による委員として引き続き在任する者を定めるものとする。

 一 新たに設置された合併町村にあつては、町村合併後一箇年をこえない範囲で当該協議で定める期間

 二 他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村にあつては、その編入をする合併関係町村の教育委員会の選挙による委員のうち残任期間の短いものの残任期間に相当する期間

2 前項の規定により在任する委員がある場合において当該合併町村の教育委員会の選挙による委員である者の数が四をこえるときは、教育委員会法(昭和二十三年法律第百七十号)第七条の規定にかかわらず、当該数をもつて当該合併町村の教育委員会の選挙による委員の定数とし、選挙による委員に欠員が生じ、又はこれらの委員がすべてなくなつたときは、これに応じて、その定数は、同条の規定による定数に至るまで減少するものとする。

3 前条第四項の規定は、第一項の協議につき準用する。

(農業委員会の委員の任期、定数に関する特例)

第九条の三 町村合併の際合併関係町村の農業委員会の選挙による委員で当該合併町村の農業委員会の委員の被選挙権を有することとなるものは、合併関係町村の協議により、新たに新設された合併町村にあつては三十をこえず十五を下らない範囲で定めた数、他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村にあつては十五をこえない範囲で定めた数の者に限り、左の各号に掲げる期間、引き続き合併町村の農業委員会の選挙による委員として在任することができる。この場合において町村合併の際に合併関係町村の農業委員会の選挙による委員で当該合併町村の農業委員会の委員の被選挙権を有することとなるものの数がその定められた数をこえるときは、これらの者の互選により、合併町村の農業委員会の選挙による委員として在任する者を定めるものとする。

 一 新たに設置された合併町村にあつては、町村合併後一箇年をこえない範囲で当該協議で定める期間

 二 他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村にあつては、その編入をする合併関係町村の農業委員会の委員の残任期間

2 前項の場合において当該合併町村の農業委員会の選挙による委員である者の数が十五をこえるときは、農業委員会法(昭和二十六年法律第八十八号)第七条の規定にかかわらず、当該数をもつて当該合併町村の農業委員会の選挙による委員の定数とし、選挙による委員に欠員が生じ、又はこれらの委員がすべてなくなつたときは、これに応じて、その定数は、同条の規定による定数に至るまで減少するものとする。

3 合併町村の区域を二以上に分けてその各区域に農業委員会を置く場合においては、農業委員会法第五十条第二項又は第三項の規定の適用がある場合を除いて、前二項の規定を当該各農業委員会ごとに適用する。この場合においては、他の町村の区域の全部又は一部を編入した合併町村の区域の一部を区域として新たに置かれる農業委員会に関しては、当該合併町村は、新たに設置された合併町村とみなす。

4 第九条第四項の規定は、第一項の協議につき準用する。

 第十条第二項中『(以下「代表者」という。)』を『(以下第十一条の二までにおいて単に「代表者」という。)』に改め、「意見を提出することができる。」の下に次のように加える。

  当該町村が他の都道府県内の町村に隣接するときは、当該隣接町村の議会の議員及び長の選挙権を有する者も、また同様の手続により、当該町村と当該隣接町村とに係る境界変更に関する意見をその属する町村の長に対し提出することができる。

 第十一条第二項中「前項の告示があつたときは、」を「前項の告示があつたとき、又は同項の勧告がされた後四箇月以内に当該町村の議会が当該勧告に係る市町村の境界変更に関し議決をしないときは、」に改め、「告示のあつた日」の下に「又は当該四箇月を経過した日」を加える。

 第十一条の三を第十一条の五とし、第十一条の二の次に次の二条を加える。

第十一条の三 都道府県知事は、町村合併が行われた後、特に必要があると認めるときは、町村合併促進審議会の意見を聴いて、合併町村の一部の地域に係る市町村の境界変更に関し、地方自治法第八条の二第一項の規定により、当該合併町村その他の関係市町村に対し勧告をすることができる。

2 前項の勧告があつた場合において合併町村の議会が当該地域に係る市町村の境界変更に関し当該勧告と異なる議決をしたときは、合併町村の長は、直ちにその要旨を告示し、且つ、公衆の見やすい方法により公表しなければならない。

3 前項の告示があつたとき、又は第一項の勧告がされた後四箇月以内に合併町村の議会が当該地域に係る市町村の境界変更に関し議決をしないときは、合併町村の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、当該勧告に係る地域に属するその総数の五分の三以上の者の連署をもつて、その代表者によつて、合併町村の選挙管理委員会に対し、告示のあつた日又は当該四箇月を経過した日から三十日以内に、当該地域に係る市町村の境界変更に関し、これを当該地域内の選挙人の投票に付することを請求することができる。

4 地方自治法第七十四条第四項の規定は前項の議会の議員及び長の選挙権を有する者につき、第十一条第三項から第七項までの規定は前項の投票につき準用する。

第十一条の四 第十一条第一項、第十一条の二第四項又は前条第一項の勧告に基く市町村の境界変更による町村の区域の変動は、町村合併に伴う町村の区域の変動とみなす。

 第十二条の前に次の一条を加える。

(一部事務組合等に関する特例)

第十一条の六 町村合併の際これにより廃止される合併関係町村のうちに地方自治法第二百八十四条第一項の規定により他の市町村と市町村の一部事務組合を組織し、又は同法第二百五十二条の十四第一項の規定により他の市町村に事務を委託し、若しくは他の市町村から事務の委託を受けているものがある場合においては、合併関係町村及び当該他の市町村の協議により別段の定をした場合を除いて、当該一部事務組合又は当該事務の委託関係は、町村合併後においても従前の地域に係る事務についてなお存続するものとする。この場合において当該一部事務組合又は当該事務の委託関係に関しては、合併町村は、その廃止される町村と同一の町村とみなす。

 第十三条中「第十一号」を「第十二号」に改める。

 第十八条第六項中「その地区に包含する普通国民健康保険組合」の下に「又は国民健康保険を行う社団法人」を、「当該普通国民健康保険組合」の下に「又は当該社団法人」を、「同法第五十四条第一項及び第二項」の下に「又は第四項」を加え、同項を第七項とし、第五項の次に次の一項を加える。

6 第一項の規定により合併町村が国民健康保険を行う場合において、当該合併町村は、国民健康保険法第八条ノ十五第一項本文の規定にかかわらず、国民健康保険を行つていない区域の一部の区域内の世帯主及びその世帯に属する者を被保険者として、同法の規定による国民健康保険を行うことができる。

 第二十九条第一項中第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。

 六 開田、開畑、干拓、かんがい排水施設の整備その他の土地改良

 第三十四条中「第十一号」を「第十二号」に改める。

 第三十五条に次の一項を加える。

2 前項の場合において第九条第一項の規定により在任した当該合併町村の議会の議員が引き続き当該市の議会の議員となるときは、当該合併町村が市となる際引き続き当該市の議会の議員となる者は、日本国有鉄道法(昭和二十三年法律第二百五十六号)第二十六条第二項の規定の適用については、その引き続き当該市の議会の議員である間、なお町村の議会の議員である者とみなす。

 第三十六条中「第十一条の三」を「第十一条の五」に改める。

 第三十七条第一項各号列記以外の部分中「第十一条の三」を「第十一条の五」に改め、同条第三項を第五項とし、同条第二項を次のように改める。

2 第三十五条第一項但書の規定は前項の場合において、同条第二項の規定は前項第一号及び第二号の場合において準用する。

3 第一項第三号又は第四号に該当する編入が行われる場合において、当該編入をする市の議会の現に在任する議員のうちに第九条第一項の規定に基き在任するものがあるときは同項及び同条第四項の規定を、当該市の議会の議員の定数が同条第二項の規定に基き増加されているときは同項及び同条第四項の規定を当該編入について準用する。

4 第三十五条第二項の規定は、前項の規定により引き続き市の議会の議員として在任する者について準用する。

 第三十七条の次に次の二条を加える。

(境界変更に関する特例の準用)

第三十七条の二 第十条第二項後段及び第三項から第七項まで、第十一条並びに第十一条の二の規定は、第十条第一項の告示をした町村が他の都道府県内の市に隣接する場合において当該隣接市に関し準用する。

(選挙区の特例の準用)

第三十七条の三 第十一条の五の規定は、この法律の適用若しくは準用を受けない市町村の廃置分合若しくは境界変更又は町村を市とし若しくは市を町村とする処分により郡市の区域の変更を生ずる場合につき準用する。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。但し、第九条の三を加える部分の改正規定及び附則第十一項の規定は、公布の日から起算して一箇月を経過した日から施行する。

2 この法律施行前に行われた町村合併により新たに設置された合併町村で当該町村合併後最初の教育委員会の委員の選挙の告示がこの法律施行の際まだ行われていないものにあつては、教育委員会法(昭和二十三年法律第百七十号)第七条の規定にかかわらず、当該合併町村の議会の議決により、当該町村合併の際合併関係町村の教育委員会の選挙による委員であつた者で当該合併町村の教育委員会の委員の被選挙権を有するものが、合併関係町村の数に相当する数をこえず四を下らない範囲で定めた数(合併関係町村の数が四以下の場合においては四)の者に限り、当該合併町村の教育委員会の選挙による委員となるものとすることができる。この場合においてはその委員は、当該町村合併後一箇年をこえない範囲で当該議決で定める日まで在任するものとする。

3 改正後の町村合併促進法(以下「法」という。)第九条の二第一項後段及び第二項の規定は、前項の場合において準用する。

4 改正後の法第十一条の五の規定は、この法律施行前に行われた法の適用若しくは準用を受けない市町村の廃置分合若しくは境界変更又は町村を市とし若しくは市を町村とする処分により郡市の区域の変更を生ずる場合につき準用する。但し、当該変更があつた後、当該変更に係る区域において都道府県の議会の議員の選挙の告示があつたときは、これらの区域の変更については、この限りでない。

5 この法律施行前に行われた町村合併の際これにより廃止される合併関係町村のうちに地方自治法(昭和二十三年法律第六十七号)第二百八十四条第一項の規定により他の市町村と市町村の一部事務組合を組織し、又は同法第二百五十二条の十四第一項の規定により他の市町村に事務を委託し、若しくは他の市町村から事務の委託を受けていたものがある場合において、当該一部事務組合で処理していた事務の引継又は当該事務の委託関係の引継に関しこの法律施行の際なお関係市町村の間に協議がととのわないときは、都道府県知事は、関係市町村の申請に基き、当該事務の引継又は当該事務の委託関係の引継に関し関係市町村及び町村合併促進審議会の意見をきいて裁定することができる。

6 都道府県知事は、前項の規定による裁定に際し必要と認めるときは、当該町村合併の行われた日以後引き続き当該一部事務組合又は当該事務の委託関係が従前の地域に係る事務について存続していたものとみなす旨の決定をすることができるものとし、この決定がされた場合においては、当該一部事務組合又は当該事務の委託関係に関して改正後の法第十一条の六後段の規定を準用する。

7 附則第五項の関係市町村の申請又は意見については、当該市町村の議会の議決を経なければならない。

8 附則第二項、第三項及び第五項から前項までの規定は、合併町村が市となつた場合においても当該市に関して適用し、法第三十六条又は第三十七条第一項の規定により町村合併とみなされるものに関して準用する。

9 この法律施行前に合併町村が市となつた場合において法第九条第一項の規定により在任した当該合併町村の議会の議員が引き続き当該市の議会の議員となつたときは、当該合併町村が市となつた際引き続き当該市の議会の議員となりこの法律施行の際まで引き続いて在任する者は、日本国有鉄道法(昭和二十三年法律第二百五十六号)第二十六条第二項の規定の適用については、その在任する間、なお町村の議会の議員である者とみなす。

10 前項の規定は、この法律施行前に法第三十七条第一号又は第二号に該当する処分により市が置かれた場合において準用する。

11 農業委員会法(昭和二十六年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。

 第五十条第三項を削り、同条第二項を第三項とし、同条第一項中「新たに設置された市町村」の下に「に置かれる市町村農業委員会」を加え、同項を第二項とし、同項の前に次の一項を加える。

  市町村の廃置分合又は境界変更により新たに設置され、又は他の市町村の区域の全部若しくは一部を新たにその区域に包含することとなる市町村に対する当該廃置分合又は境界変更の場合における第二条第二項の規定の適用については、同項中「都道府県知事の承認を受けた場合に限り、当該市町村の区域を二以上に分けてその各区域に」とあるのは「廃置分合又は境界変更の関係市町村の長が政令の定めるところにより、当該廃置分合又は境界変更の日までに都道府県知事の承認を受けた場合に限り、当該承認に係る区域及びその他の区域に」と読み替えるものとする。

12 改正後の農業委員会法第五十条第一項の規定による同法第二条第二項の都道府県知事の承認は、前項の規定の施行前においてもすることができる。

(内閣総理・農林大臣署名) 

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