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法律第百四十八号(昭三〇・八・八)

  ◎日本学校給食会法

目次

 第一章 総則(第一条―第八条)

 第二章 役員及び職員(第九条―第十四条)

 第三章 評議員会(第十五条―第十七条)

 第四章 業務(第十八条―第二十一条)

 第五章 会計(第二十二条―第二十五条)

 第六章 監督及び助成(第二十六条―第三十二条)

 第七章 雑則(第三十三条)

 第八章 罰則(第三十四条―第三十六条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 学校給食用物資を適正円滑に供給し、あわせて学校給食の普及充実とその健全な発達を図ることを目的として、日本学校給食会を設立する。

 (法人格)

第二条 日本学校給食会(以下「給食会」という。)は、法人とする。

 (定義)

第三条 この法律において「学校給食」とは、学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第三条に規定する学校給食をいう。

2 この法律において「学校給食用物資」とは、学校給食の用に供する食品その他の物資で文部大臣の指定するものをいう。

 (事務所)

第四条 給食会は、主たる事務所を東京都に置く。

2 給食会は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

 (定款)

第五条 給食会は、定款で次の各号に掲げる事項を規定しなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 事務所の所在地

 四 役員に関する事項

 五 評議員会及び評議員に関する事項

 六 業務及びその執行に関する事項

 七 資産に関する事項

 八 会計に関する事項

 九 その他給食会の業務に関する重要事項

2 定款の変更は、文部大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (登記)

第六条 給食会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

3 登記した事項は、登記所において、遅滞なく公告しなければならない。

 (名称使用の制限)

第七条 給食会でない者は、日本学校給食会という名称又はこれに類似する名称を用いてはならない。

 (民法の準用)

第八条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条、第五十条及び第五十四条の規定は、給食会に準用する。

   第二章 役員及び職員

 (役員)

第九条 給食会に役員として、理事長一人、理事三人以上五人以内及び監事二人を置く。

 (役員の職務)

第十条 理事長は、給食会を代表し、その業務を総理する。

2 理事は、定款で定めるところにより、給食会を代表し、理事長を補佐して給食会の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。

3 監事は、給食会の業務を監査する。

 (役員の任命及び任期)

第十一条 役員は、給食会の目的を達成するために必要な学識経験を有する者のうちから、文部大臣が任命する。

2 役員の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 役員は、再任されることができる。

 (代表権の制限)

第十二条 給食会と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合においては、監事が給食会を代表する。

 (兼職の禁止)

第十三条 理事長及び理事は、他の職業に従事してはならない。ただし、文部大臣がこれらの役員としての職務の執行に支障がないものと認めて許可した場合は、この限りでない。

 (役員及び職員の地位)

第十四条 給食会の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 評議員会

 (評議員会)

第十五条 給食会に評議員会を置く。

2 評議員会は、十人以上十五人以内の評議員で組織する。

 (評議員会の職務)

第十六条 次の各号に掲げる事項については、理事長において、あらかじめ、評議員会の意見を聞かなければならない。

 一 定款の変更

 二 業務方法書の変更

 三 毎事業年度の予算

 四 重要な財産の処分又は重大な義務の負担

 五 訴訟又は訴願の提起及び和解

 六 その他給食会の業務に関する重要事項で、定款で定める事項

2 前項に規定する事項のほか、評議員会は、理事長の諮問に応じ、又は必要と認める事項について、理事長に建議することができる。

 (評議員の任命及び任期)

第十七条 評議員は給食会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、文部大臣が任命する。

2 第十一条第二項及び第三項の規定は、評議員について準用する。

   第四章 業務

 (業務)

第十八条 給食会は、第一条に規定する目的を達成するため、次の各号に掲げる業務を行う。

 一 学校給食用物資の買入れ、売渡しその他供給に関する業務

 二 学校給食の普及充実に関する業務

 三 前各号に掲げる業務に附帯する業務

2 給食会は、前項の業務の遂行に支障のない限り、あらかじめ文部大臣の承認を受けて、同項の業務に準ずる業務を行うことができる。

 (学校給食用物資の供給の相手方の制限)

第十九条 給食会は、学校給食用物資を文部大臣が指定する者以外の者に供給してはならない。

 (学校給食用物資の売渡価格)

第二十条 給食会が、学校給食用物資を学校給食用として売り渡す場合における売渡価格は、学校給食用物資の買入れ、輸送、保管、加工、売渡し等に要する経費の適正な原価を償うものであり、かつ、営利の目的の介入がないものでなければならない。

2 給食会は、前項の売渡価格について、文部大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (業務方法書)

第二十一条 給食会は、業務方法書を定め、これに次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 学校給食用物資の買入れ、売渡しその他供給の契約に関する事項

 二 学校給食用物資の輸送、保管、加工等に関する事項

 三 学校給食の普及充実に関する業務の実施方法に関する事項

 四 その他給食会の業務の執行に関して必要な事項

2 給食会は、業務方法書を変更しようとするときは、文部大臣の認可を受けなければならない。

   第五章 会計

 (事業年度)

第二十二条 給食会の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。

2 給食会は、毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日までに完結しなければならない。

 (事業計画、予算及び決算)

第二十三条 給食会は、毎事業年度、事業計画並びに収入及び支出の予算を作成し、事業年度開始前に文部大臣の認可を受けなければならない。これに重要な変更を加えようとするときも、同様とする。

2 給食会は、毎事業年度、財産日録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに予算の区分に従って作成した当該事業年度の決算報告書を添付し、監事の意見をつけて、決算完結後二月以内に文部大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

3 理事長は、前項の財務諸表及び決算報告書に、監事の意見をつけて、決算完結後一月以内に、これを評議員会に提出しなければならない。

4 給食会は、第二項の規定による文部大臣の承認を受けたときは、遅滞なく同項の財務諸表を官報に公告し、かつ、各事務所に備えて置かなければならない。

 (借入金)

第二十四条 給食会は、文部大臣の定める場合を除くほか、借入金をするについては、文部大臣の認可を受けなければならない。

 (政令ヘの委任)

第二十五条 前三条に規定するもののほか、業務上の余裕金の運用その他給食会の会計について必要な事項は、政令で定める。

   第六章 監督及び助成

 (監督)

第二十六条 給食会は、文部大臣が監督する。

 (監督命令)

第二十七条 文部大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、給食会に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

 (報告及び検査)

第二十八条 文部大臣は、必要があると認めるときは、給食会に対して業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又は当該職員をして給食会の事務所若しくは給食会が学校給食用物資を保管する場所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させることができる。

2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (役員の解任)

第二十九条 文部大臣は、役員が次の各号の一に該当するに至つたときは、これを解任することができる。

 一 この法律、この法律に基く命令、第二十七条の規定に基く文部大臣の監督上の命令又は定款に違反したとき。

 二 刑事事件により有罪の宣告を受けたとき。

 三 禁治産、準禁治産又は破産の宣告を受けたとき。

 四 心身の故障により職務を執ることができないとき、その他前各号に掲げるもののほか、役員として不適当と認められるとき。

 (農林大臣の同意)

第三十条 文部大臣は、学校給食用物資のうち文部大臣と農林大臣が協議して定めるものに関して、第二十条第二項、第二十一条第二項又は第二十三条第一項(事業計画に係る場合に限る。)の規定による認可をするには、農林大臣の同意を得てしなければならない。

 (農林大臣の権限)

第三十一条 農林大臣は、給食会に対して、随時、その業務及び資産の状況に関し、報告をさせることができる。

2 農林大臣は、必要があると認めるときは、文部大臣に対して、第二十七条の規定に基く監督上の命令を発することを求めることができる。

 (国の補助)

第三十二条 国は、予算の範囲内において、給食会の事務に要する経費を補助することができる。

   第七章 雑則

 (政令への委任)

第三十三条 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

   第八章 罰則

第三十四条 第二十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。

2 給食会の代表者又は代理人、使用人その他の従業者が、給食会の業務又は財産に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、給食会に対しても同項の刑を科する。

第三十五条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした給食会の役員を二万円以下の過料に処する。

 一 この法律又はこの法律に基く政令に違反して登記をすることを怠つたとき。

 二 この法律又は定款に規定する業務以外の業務を営んだとき。

 三 第二十三条第四項の規定に違反して、公告をすることを怠り、又は不実の公告をしたとき。

 四 第二十七条の規定に基く文部大臣の監督上の命令に違反したとき。

第三十六条 第七条の規定に違反して、日本学校給食会という名称又はこれに類似する名称を用いた者は、五千円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、昭和三十年十月一日から施行する。ただし、附則第二項から第七項までの規定は、公布の日から施行する。

 (給食会の設立)

2 文部大臣は、給食会の設立前に、第十一条第一項の例により、理事長、理事又は監事となるべき者を指名する。

3 前項の規定により指名された者は、給食会成立の日において、この法律の規定により、それぞれ、理事長、理事又は監事に任命されたものとする。

4 文部大臣は、設立委員を命じ、給食会の設立に関する事務を処理させる。

5 設立委員は、定款、業務方法書並びに最初の事業年度の事業計画並びに収入及び支出の予算を作成し、文部大臣の認可を受けなければならない。

6 文部大臣は、業務方法書又は事業計画に関して、前項の規定による認可をするには農林大臣の同意を得てしなければならない。

7 第五項の認可があつたときは、設立委員は、遅滞なく、その事務を第二項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。

8 第二項の規定により指名された理事長となるべき者は、前項の事務の引継を受けたときは、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

9 給食会は、設立の登記をすることによつて成立する。

 (給食会の最初の事業年度)

10 給食会の最初の事業年度は、第二十二条第一項の規定にかかわらず、昭和三十年十月一日に始まり、昭和三十一年三月三十一日に終るものとする。

 (財団法人日本学校給食会の解散等)

11 財団法人日本学校給食会は、給食会成立の日に解散し、その権利義務は、給食会が承認する。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。

12 前項の財団法人の解散の登記に関して必要な事項は、政令で定める。

13 給食会が第十一項の規定により財団法人日本学校給食会から不動産を承継した場合における当該不動産の所有権の取得の登記については登録税を、当該不動産の取得については不動産取得税を課さない。

 (他の法律の一部改正)

14 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第七号中「私立学校教職員共済組合」の下に「、日本学校給食会」を、「私立学校教職員共済組合法」の下に「、日本学校給食会法」を加える。

15 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  第五条第六号ノ十ノ四の次に次の一号を加える。

  六ノ十ノ五 日本学校給食会ガ其ノ業務ニ関シテ発スル証書、帳簿

16 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第十号中「損害保険料率算出団体」の下に「、日本学校給食会」を加える。

17 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第五条第一項第六号を次のように改める。

  六 損害保険料率算出団体及び日本学校給食会

18 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第六号を次のように改める。

  六 損害保険料率算出団体及び日本学校給食会

(法務・大蔵・文部・農林・内閣総理大臣署名) 

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