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法律第百六十七号(昭三三・七・一〇)

  ◎繭糸価格の安定に関する臨時措置法

 (趣旨)

第一条 この法律は、昭和三十三年産の繭及びこれを原料とする生糸につき、その価格の安定を図るための臨時措置を定めるものとする。

 (日本輸出生糸保管株式会社による生糸及び乾繭の買入等)

第二条 日本輸出生糸保管株式会社(以下「会社」という。)は、繭糸価格安定法(昭和二十六年法律第三百十号)第十四条の八の規定にかかわらず、次の事業を営むことができる。

 一 農林大臣の定めるところに従い、生糸製造業者又は政令で定めるその他の者から繭糸価格安定法第七条に規定する生糸の買入を行うこと。

 二 農林大臣の定めるところに従い、農業協同組合連合会からその保管する乾繭(くず繭及び農林省令で定めるその他の繭を除く。以下同じ。)の買入を行うこと。

 三 農林大臣の定めるところに従い、前号の買入に係る乾繭の生糸への加工又はその乾繭と生糸との交換を行うこと。

 四 第五条第一項の規定により政府に生糸又は乾繭の売渡を行うほか、あらかじめ農林大臣の承認を受けて、第一号の買入若しくは前号の加工若しくは交換に係る生糸又は第二号の買入に係る乾繭の売渡を行うこと。

2 会社が前項の規定により同項第一号又は第二号の買入を行うことができるのは、昭和三十四年五月三十一日までとする。

第三条 前条第一項の規定により会社が同項第一号又は第二号の買入を行う場合における生糸又は乾繭の買入価格は、次に掲げる額とする。

 一 前条第一項第一号の買入に係る生糸にあつては、繭糸価格安定法第二条の最低価格

 二 前条第一項第二号の買入に係る乾繭にあつては、繭糸価格安定法第十一条第一項の規定により農林大臣の定める額を基準として繭の品位別に農林大臣の定める額に、生繭を乾繭とするのに要する費用、乾繭の保管に要する費用及びその他の諸掛の額の合計額として農林大臣の定める額を加えて得た額

 (会社による生糸及び乾繭の売渡)

第四条 第二条第一項の規定により会社が同項第四号の承認を受けて同号の売渡を行う場合(新規の用途に向けるため売渡を行う場合を除く。)における生糸又は乾繭の売渡価格は、時価によるものとする。ただし、整理のために売渡を行う場合を除き、生糸にあつては繭糸価格安定法第二条の最低価格、乾繭にあつては同法第十一条第一項の規定により農林大臣の定める額を下つてはならない。

 (政府による生糸及び乾繭の買入)

第五条 政府は、会社が第二条第一項の規定により同項第一号若しくは第二号の買入又は同項第三号の加工若しくは交換を行つて取得した生糸又は乾繭のうち、昭和三十四年五月三十一日(政令で数量を定めた場合において、その政令で定める数量の範囲内のものについては、同年四月一日から五月三十日までの範囲内において政令で定める期日)を経過してなお保管するものを、会社の申出により、買い入れるものとする。

2 前項の規定により政府が買入を行う場合における生糸又は乾繭の買入価格は、会社による当該生糸又は乾繭の買入の価格に、その保管に要する費用及びその他の諸掛の額の合計額として農林大臣の定める額を加えて得た額(会社が第二条第一項第三号の加工又は交換を行つて取得した生糸にあつては、会社による当該乾繭の買入の価格に、乾繭の保管に要する費用、乾繭の加工又は交換に要する費用(交換に要する費用については、会社が補足する交換差額に相当する額を含む。)、生糸の保管に要する費用及びその他の諸掛の額の合計額として農林大臣の定める額を加えて得た額)とする。

3 第一項の規定により政府が生糸又は乾繭を買い入れる場合における当該買入に係る生糸及び乾繭の買入金額の限度は、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に掲げる額とする。

 一 会社が第二条第一項の規定により同項第一号の買入を行つて取得した生糸の買入金額の限度

百億円 

 二 会社が第二条第一項の規定により同項第二号の買入を行つて取得した乾繭及び同項第三号の加工又は交換を行つて取得した生糸の買入金額の限度

五十億円 

4 会社が第一項の申出をすることができるのは、昭和三十四年六月三十日までとする。

 (政府による生糸及び乾繭の売渡等)

第六条 政府は、前条第一項の規定により買い入れた生糸(次項の規定による加工又は交換を行つて取得した生糸を含む。)を、繭糸価格安定法によらないで売り渡し、貯蔵し、又は加工することができる。

2 政府は、前条第一項の規定により買い入れた乾繭を加工し、若しくは売り渡し、又は生糸と交換することができる。

 (補助金の交付)

第七条 政府は、会社が第二条第一項の規定による事業を行うことにより損失を受けたときは、当該損失をうめるため、予算の範囲内において、会社に補助金を交付することができる。

 (経過措置)

第八条 会社が昭和三十三年六月十日に繭糸価格安定法第十四条の八第二項の規定による認可を受け、同条第一項第三号の事業として行つていた生糸の買入は、この法律の規定の適用については、第二条第一項の規定による同項第一号の買入とみなす。

第九条 政府は、昭和三十四年五月三十一日までは、繭糸価格安定法第二条の規定による生糸の買入を行わないものとする。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 糸価安定特別会計法(昭和二十六年法律第三百十一号)の一部を次のように改正する。

  附則中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 繭糸価格の安定に関する臨時措置法(昭和三十三年法律第百六十七号)に基いて行う生糸の買入、売渡、貯蔵及び加工、繭の買入、加工、売渡及び交換並びに日本輸出生糸保管株式会社の損失をうめるための補助金の交付に関する一切の歳入歳出は、この会計の所属とする。この場合において、第四条第一項中「助成に要する経費」とあるのは、「助成に要する経費、繭糸価格の安定に関する臨時措置法第七条の規定による補助に要する経費」とする。

(大蔵・農林・内閣総理大臣署名) 

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