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法律第百十五号(昭四二・八・一)

  ◎宅地建物取引業法の一部を改正する法律

 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)の一部を次のように改正する。

 第十五条を削り、第十四条を第十五条とし、第十三条の次に次の四条を加える。

 (誇大広告等の禁止)

第十四条 宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の所在、規模、形質、利用の制限、環境、交通の利便又は代金、借賃等の対価の額若しくはその支払方法について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

 (取引態様の明示)

第十四条の二 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、自己がその相手方となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買、交換若しくは貸借を成立させるか、又は媒介して当該売買、交換若しくは貸借を成立させるかの別を明らかにしなければならない。

 (重要事項の説明等)

第十四条の三 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方又は依頼者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、少なくとも次の各号に掲げる事項について説明をしなければならない。この場合において、第一号から第四号までに掲げる事項についての説明は、これらの事項を記載した書面を交付してしなければならない。

 一 当該宅地又は建物の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに登記名義人又は登記簿の表題部に記載された所有者の氏名(法人にあつては、その名称)

 二 都市計画法(大正八年法律第三十六号)、建築基準法その他の法令に基づく制限で政令で定めるものに関する事項の概要

 三 私道に関する負担に関する事項

 四 飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)

 五 代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的

 六 契約の解除に関する事項

 七 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項

 八 代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置

 (書面の交付)

第十四条の四 宅地建物取引業者は、みずから当事者として、若しくは当事者を代理して宅地若しくは建物の売買若しくは交換の契約を締結したとき、又はその媒介により宅地若しくは建物の売買若しくは交換の契約が成立したときは、遅滞なく、次の各号に掲げる事項を記載した書面をその相手方又は依頼者(当事者を代理したときは、その相手方及び依頼者)に交付しなければならない。

 一 当事者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所

 二 当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示

 三 代金又は交換差金の額並びにその支払の時期及び方法

 四 宅地又は建物の引渡しの時期

 五 移転登記の申請の時期

 六 代金及び交換差金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的

 七 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容

 八 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容

 九 代金又は交換差金についての金銭の貸借のあつせんに関する定めがある場合においては、当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置

 十 天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容

 十一 当該宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容

2 宅地建物取引業者は、当事者を代理して宅地若しくは建物の貸借の契約を締結したとき、又はその媒介により宅地若しくは建物の貸借の契約が成立したときは、遅滞なく、次の各号に掲げる事項を記載した書面をその相手方及び依頼者又は依頼者に交付しなければならない。

 一 前項第一号、第二号、第四号、第七号、第八号及び第十号に掲げる事項

 二 借賃の額並びにその支払の時期及び方法

 三 借貸以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的

第十八条に次の一号を加える。

 三 手附について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為

 第二十条第二項第三号中「第二十条の二」を「次条第一項又は第二項」に改め、同条第六項中「第三項」を「第四項」に、「第四項」を「第五項」に、「第一項又は第二項」を「第一項から第三項まで」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項中「第三項」を「第四項」に、「第一項又は第二項」を「第一項から第三項まで」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 都道府県知事は、建設大臣又は他の都道府県知事の免許を受けた宅地建物取引業者で当該都道府県の区域内において業務を行なうものが、当該都道府県の区域内における業務に関し、次の各号の一に該当する場合においては、当該宅地建物取引業者に対し、六月以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

 一 第十四条から第十六条まで、第十七条第二項、第十八条、第十八条の二又は前条の規定に違反したとき。

 二 次条第一項又は第二項の規定による建設大臣又は都道府県知事の指示に従わなかつたとき。

 三 この法律の規定に基づく建設大臣又は都道府県知事の処分に違反したとき。

 四 前三号に規定する場合のほか、不正又は著しく不当な行為をしたとき。

 第二十条に次の一項を加える。

8 都道府県知事は、第三項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、当該宅地建物取引業者が建設大臣の免許を受けたものであるときは建設大臣に報告し、当該宅地建物取引業者が他の都道府県知事の免許を受けたものであるときは当該他の都道府県知事に通知しなければならない。

 第二十条の二に次の二項を加える。

2 都道府県知事は、建設大臣又は他の都道府県知事の免許を受けた宅地建物取引業者で当該都道府県の区域内において業務を行なうものが前項各号の一に該当する場合においては、当該宅地建物取引業者に対して、当該都道府県の区域内における業務に関し、必要な指示をすることができる。

3 前条第八項の規定は、都道府県知事が前項の規定による指示をした場合に準用する。

 第二十一条中「建設大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者に対して」を「建設大臣はすべての宅地建物取引業者に対して、都道府県知事は当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者に対して」に改める。

 第二十二条の五を削り、第二十二条の六を第二十二条の五とする。

 第二十四条第三号中「第二項」の下に「又は第三項」を加える。

 第二十五条中「第十八条の規定に違反した者」を「第十八条の規定に違反して同条第一号又は第二号に掲げる行為をした者」に改める。

 第二十六条中「又は第十七条第二項の規定に違反した者」を「、第十五条若しくは第十七条第二項の規定に違反した者又は第十八条の規定に違反して同条第三号に掲げる行為をした者」に改める。

 第二十七条第一項第一号中「第二十二条の六」を「第二十二条の五」に改め、同項第二号中「第十五条」を「第十四条の四」に改める。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。

 (経過規定)

2 この法律の施行前に宅地建物取引業者が依頼者から委託を受けて契約を締結した場合における契約書の送付については、なお従前の例による。

3 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(建設・内閣総理大臣署名)

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