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法律第八十五号(昭四三・六・一)

  ◎中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律

 (相互銀行法の一部改正)

第一条 相互銀行法(昭和二十六年法律第百九十九号)の一部を次のように改正する。

  第二条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 前項第一号及び第三号に規定する業務は、中小企業者(常時使用する従業員の数が三百人以下又は資本の額若しくは出資の総額が政令で定める金額以下の事業者をいう。以下この項において同じ。)に対して営むものとする。ただし、次に掲げる場合には、中小企業者以外の者に対しても営むことができる。

  一 個人に対し事業資金以外の資金の貸付けをする場合

  二 地方公共団体に対し資金の貸付けをする場合その他の大蔵省令で定める場合

  第五条中「三千万円」を「三億円」に、「二千万円」を「二億円」に改める。

  第八条を次のように改める。

 第八条 削除

  第十三条中「他の銀行」を「他の金融機関」に改める。

  第二十条の次に次の一条を加える。

  (銀行との関係)

 第二十条の二 相互銀行は、銀行法にいう銀行ではない。ただし、銀行法及びこれに基づく命令以外の法令において「銀行」とあるのは、別段の定めがない限り、相互銀行を含むものとする。

  第二十五条第一号中「第二条第三項」を「第二条第四項」に改め、同条第三号を次のように改める。

  三 削除

 (信用金庫法の一部改正)

第二条 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。

  目次中「(第五十三条・第五十四条)」を「(第五十三条―第五十四条の二)」に改める。

  第五条第一項中「一千万円」を「一億円」に、「五百万円」を「五千万円」に改め、同条第二項中「一億円」を「十億円」に改める。

  第七条中「左の金庫」を「金庫」に改め、各号を削る。

  第十条第一項中「三百人」の下に「をこえ、かつ、法人についてはその資本の額又は出資の総額が一億円」を加える。

  第十一条第一項中「有しなければ」を「有し、かつ、その出資額は、次に掲げる金額以上で定款で定めるところによらなければ」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 第五条第一項第一号の信用金庫の会員にあつては一万円

  二 第五条第一項第二号の信用金庫の会員にあつては五千円

  三 信用金庫連合会の会員にあつては十万円

  第十六条中「期間内に」を「ところにより」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 信用金庫は、前項後段の場合において、その譲受けにより有することとなる持分が政令で定める限度をこえることができないことを定款で定めなければならない。

  第十七条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

 2 会員は、その出資額が金庫の出資一口の金額の減少その他やむを得ない理由により第十一条第一項に定める出資の最低限度額に満たないこととなり、かつ、その満たないこととなつた日から一年以内に当該最低限度額に達しない場合には、その期間を経過した日に脱退する。

  第十八条第一項中「第四号まで」の下に「又は第二項」を加える。

  第二十三条第二項第七号中「金額」の下に「及び会員の出資の最低限度額」を加え、「その払込」を「出資の払込み」に改める。

  第五十条第五項中「おいては、」を「おいて」に、「及び」を「又は」に、「について議決することができない」を「の議決をしたときは、金庫は、その議決の日から一週間以内に、会員に議決の内容を通知しなければならない」に改め、同項を同条第六項とし、同条中第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

 3 前項の定款には、総代の定数その他政令で定める事項を定めなければならない。

  第五十条の次に次の一条を加える。

  (総会と総代会の関係)

 第五十条の二 前条第六項の通知をした金庫にあつては、当該通知に係る事項を会議の目的として、第四十三条第二項又は第四十四条の規定により総会を招集することができる。この場合において、第四十三条第二項の規定による書面の提出又は第四十四条後段の場合における認可の申請は、当該通知に係る事項についての総代会の議決の日から一月以内にしなければならない。

 2 前項の総会において当該通知に係る事項を承認しなかつた場合には、総代会における当該事項の議決は、その効力を失う。

  第五十三条第一項第二号を次のように改め、同項第四号から第六号までの規定中「会員のためにする」を削る。

  二 会員に対する資金の貸付け

  第五十三条第二項を次のように改める。

 2 信用金庫は、前項第二号及び第三号に規定する業務の遂行を妨げない限度において、政令で定めるところにより、地方公共団体、金融機関その他会員以外の者に対して資金の貸付け(手形の割引を含む。以下同じ。)をすることができる。

  第五十四条第一項第二号中「貸付及び手形の割引」を「貸付け」に改め、同条第二項中「貸付」を「貸付け」に改め、第五章中同条の次に次の一条を加える。

  (一会員に対する貸付けの制限)

 第五十四条の二 信用金庫は、一会員に対する資金の貸付けの額の合計額が、その出資及び準備金(第五十六条の準備金その他の会員勘定に属する準備金をいう。)の額の合計額の百分の二十に相当する金額をこえることとなるときは、その者に対し資金の貸付けをしてはならない。

  第九十一条第三号中「第十七条第二項」を「第十七条第三項」に改める。

 (中小企業等協同組合法の一部改正)

第三条 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。

  第九条の八第二項第六号中「前号に掲げる者」を「前二号の法人又は個人」に改め、同号を同項第九号とし、同項第五号中「受入」を「受入れ」に改め、同号を同項第八号とし、同項第四号中「受入」を「受入れ」に改め、同項中同号を第七号とし、第一号から第三号までを三号ずつ繰り下げ、同項に第一号から第三号までとして次の三号を加える。

  一 組合員のためにする内国為替取引

  二 組合員のためにする有価証券の払込金の受入れ又はその元利金若しくは配当金の支払の取扱い

  三 組合員のためにする有価証券、貴金属その他の物品の保護預り

  第九条の八に次の一項を加える。

 3 信用協同組合は、前項第二号の事業を行なう場合には、商法第百七十五条第二項第十号及び第四項、第百七十八条並びに第百八十九条(払込取扱銀行)(これらの規定を同法第二百八十条ノ十四(新株発行についての準用規定)において準用する場合を含む。)並びに商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第八十条第十号及び第八十二条第四号(登記の添附書類)の規定の適用については、銀行とみなす。

  第九条の九第一項第二号中「会員に」を「会員(前号の事業を行なう協同組合連合会にあつては、会員である信用協同組合の組合員を含む。)に」に改め、同条第五項中「第一号から第四号まで」を「第一号、第三号から第七号まで及び第九号」に改める。

  第百三条中「(昭和三十八年法律第百二十五号)」を削る。

 (協同組合による金融事業に関する法律の一部改正)

第四条 協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)の一部を次のように改正する。

  第二条を削り、第三条第一項中「五百万円」を「二千万円」に、「二百万円」を「千万円」に改め、同条第二項中「出資の額」の下に「及び準備金(第六条において準用する銀行法(昭和二年法律第二十一号)第八条(法定準備金)の準備金その他の組合員勘定に属する準備金をいう。)の額の合計額(第四条の二において「自己資本の額」という。)」を加え、同条を第二条とし、同条の次に次の一条を加える。

  (特定の事業についての認可)

 第三条 信用協同組合等は、中小企業等協同組合法第九条の八第二項第一号(同法第九条の九第五項において準用する場合を含む。)の事業又は同法第九条の九第一項第二号の事業(会員である信用協同組合の組合員に対するものに限る。)を行なおうとするときは、行政庁の認可を受けなければならない。

  第四条第一号中「貯金」の下に「、貸付け」を加え、同条の次に次の一条を加える。

  (一組合員に対する貸付け等の制限)

 第四条の二 信用協同組合は、一組合員に対する資金の貸付け(手形の割引を含む。以下この条において同じ。)の額の合計額が、その自己資本の額の百分の二十に相当する金額をこえることとなるときは、その者に対し資金の貸付けをしてはならない。

  第六条第一項中「(昭和二年法律第二十一号)」を削る。

  第九条中第六号を第七号とし、第一号から第五号までを一号ずつ繰り下げ、同条に第一号として次の一号を加える。

  一 第三条の規定に違反したとき。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (最低資本の額等の改正に伴う経過措置)

2 改正後の相互銀行法第五条、信用金庫法第五条及び協同組合による金融事業に関する法律第二条第一項の規定は、この法律の施行の際現に存する相互銀行、信用金庫若しくは信用金庫連合会又は信用協同組合については、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して三年を経過した日から適用し、同日前におけるこれらの金融機関の資本の額又は出資の総額については、なお従前の例による。

3 相互銀行でその資本及び準備金(利益準備金、資本準備金その他株主勘定に属する準備金をいう。)の合計額(以下「自己資本の額」という。)がこの法律の施行の際に十億円に満たないものが、施行日から起算して三年を経過する日までに達すべき自己資本の額の目標額を定めた場合には、同日までは、当該相互銀行については、その目標額を自己資本の額とみなして相互銀行法第十条の規定を適用することができる。

4 前項の目標額は、自己資本の額の二倍に相当する額又は十億円のいずれか低い額の範囲内において大蔵大臣の承認を受けた額とする。

 (信用金庫の会員の出資の最低限度額等に関する経過措置)

5 改正後の信用金庫法第十一条第一項の規定(会員の出資の最低限度額に係る部分に限る。)は、この法律の施行の際信用金庫又は信用金庫連合会(次項において「金庫」という。)の会員である者については、施行日から起算して二年間は適用しない。

6 この法律の施行の際現に存する金庫は、施行日から一年以内に、信用金庫法第十一条第一項、第十六条、第二十三条第二項及び第五十条の規定の改正に伴い必要とされる定款の変更を行なわなければならない。

 (一会員又は一組合員に対する貸付け等の制限に関する経過措置)

7 この法律の施行の際現に信用金庫又は信用協同組合が行なつている貸付け(手形の割引を含む。)で改正後の信用金庫法第五十四条の二又は協同組合による金融事業に関する法律第四条の二の規定に反することとなるものについては、これらの規定は、適用しない。

 (罰則に関する経過措置)

8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(大蔵・通商産業・内閣総理大臣署名) 

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