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法律第百三十一号(昭四六・一二・三一)

  ◎沖縄振興開発特別措置法

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 振興開発計画及び振興開発事業(第三条―第十条)

 第三章 産業振興のための特別措置(第十一条―第二十二条)

 第四章 自由貿易地域(第二十三条―第二十八条)

 第五章 電気事業振興のための特別措置

  第一節 電気事業の助成(第二十九条・第三十条)

  第二節 沖縄電力株式会社(第三十一条―第三十七条)

 第六章 職業の安定のための特別措置(第三十八条―第四十七条)

 第七章 その他の特別措置(第四十八条―第五十一条)

 第八章 沖縄振興開発審議会(第五十二条・第五十三条)

 第九章 雑則(第五十四条―第五十六条)

 第十章 罰則(第五十七条―第六十二条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、沖縄の復帰に伴い、沖縄の特殊事情にかんがみ、総合的な沖縄振興開発計画を策定し、及びこれに基づく事業を推進する等特別の措置を講ずることにより、その基礎条件の改善並びに地理的及び自然的特性に即した沖縄の振興開発を図り、もつて住民の生活及び職業の安定並びに福祉の向上に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「沖縄」とは、沖縄県の区域をいう。

2 この法律において「離島」とは、沖縄にある島のうち、沖縄島以外の島で政令で定めるものをいう。

3 この法律において「中小企業者」とは、中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条各号に掲げる者(政令で定める業種に属する事実を主たる事業として営む場合にあつては、資本の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人)並びに企業組合及び協業組合をいう。

   第二章 振興開発計画及び振興開発事業

 (振興開発計画の内容)

第三条 沖縄振興開発計画(以下「振興開発計画」という。)は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 土地(公有水面を含む。)の利用に関する事項

 二 農林漁業、鉱工業等の産業の振興開発に関する事項

 三 中小企業の振興に関する事項

 四 道路、港湾、空港等の交通施設及び通信施設の整備に関する事項

 五 水資源及び電力その他のエネルギー資源の開発に関する事項

 六 都市の整備に関する事項

 七 住宅、生活環境施設、保健衛生施設及び社会福祉施設の整備並びに医療の確保に関する事項

 八 職業の安定に関する事項

 九 教育及び文化の振興に関する事項

 十 防災及び国土の保全に係る施設の整備に関する事項

 十一 観光の開発に関する事項

 十二 離島の振興に関する事項

 十三 自然環境の保護及び公害の防止に関する事項

 十四 前各号に定めるもののほか、沖縄の振興開発に関し必要な事項

2 振興開発計画は、昭和四十七年度を初年度として十箇年を目途として達成されるような内容のものでなければならない。

 (振興開発計画の決定及び変更)

第四条 沖縄県知事は、振興開発計画の案を作成し、内閣総理大臣に提出するものとする。

2 内閣総理大臣は、前項の振興開発計画の案に基づき、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、振興開発計画を決定する。

3 内閣総理大臣は、振興開発計画を決定したときは、これを沖縄県知事に通知するものとする。

4 前三項の規定は、振興開発計画が決定された後特別の必要が生じたことによりこれを変更する場合に準用する。

 (国の負担又は補助の割合の特例等)

第五条 振興開発計画に基づく事業のうち、別表に掲げるもので政令で定めるものに要する経費について国が負担し、又は補助する割合は、当該事業に関する法令の規定にかかわらず、同表に掲げる割合の範囲内で政令で定める割合とする。この場合において、当該事業に要する経費に係る地方公共団体その他の者の負担又は補助の割合については、他の法令の規定にかかわらず、政令で特別の定めをすることができる。

2 国は、前項に規定する事業のほか、振興開発計画に基づく事業で政令で定めるものに要する経費については、地方公共団体その他の者に対して、予算の範囲内で、その全部又は一部を補助することができる。

3 沖縄における災害復旧事業については、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)第三条の規定により地方公共団体に対して国がその費用の一部を負担する場合における当該災害復旧事業費に対する国の負担率は、同法第四条の規定によつて算出した率が五分の四に満たない場合においては、同条の規定にかかわらず、五分の四とし、公立学校施設災害復旧費国庫負担法(昭和二十八年法律第二百四十七号)第三条の規定により国がその経費の一部を負担する場合における当該公立学校の施設の災害復旧に要する経費に対する国の負担率は、同条の規定にかかわらず、五分の四とする。

4 沖縄における農地及び農業用施設の災害復旧事業につき農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和二十五年法律第百六十九号)第三条第一項及び第二項第一号又は第二号の規定により沖縄県に対して国がその費用の一部を補助する場合における国が行なう補助の比率は、同項第一号又は第二号の規定にかかわらず、十分の八とする。

5 国は、海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第二条第一項に規定する海岸保全施設の新設又は改良に関する工事で公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法第二条第二項に規定する災害復旧事業(同条第三項において災害復旧事業とみなされるものを含む。)と合併して施行する必要があるものに要する経費については、政令で定めるところにより、その十分の六以内を負担するものとする。

 (沖縄の道路に係る特例)

第六条 振興開発計画に基づいて行なう県道又は市町村道の新設又は改築で、沖縄の振興開発のため特に必要があるものとして建設大臣が沖縄開発庁長官に協議して指定した区間に係るものは、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第十五条及び第十六条の規定にかかわらず、建設大臣が行なうことができる。

2 前項の指定は、当該道路の道路管理者(道路法第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。以下同じ。)の申請に基づいて行なうものとする。

3 建設大臣は、第一項の規定により道路の新設又は改築を行なう場合においては、政令で定めるところにより、当該道路管理者に代わつてその権限を行なうものとする。

4 第一項の規定により建設大臣が行なう道路の新設又は改築に要する費用については、国は、政令で定めるところにより、その全額を負担し、又は道路法に規定する負担割合以上の負担を行なうことができる。

5 前項の規定により国がその費用の一部を負担することとなる場合においては、第一項の規定により建設大臣がその新設又は改築を行なう道路の道路管理者は、政令で定めるところにより、その残額を負担する。

 (沖縄の河川に係る特例)

第七条 振興開発計画に基づいて行なう二級河川の改良工事、維持又は修繕で、沖縄の振興開発のため特に必要があるものとして建設大臣が沖縄開発庁長官に協議して指定した区間に係るものは、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第十条の規定にかかわらず、建設大臣が行なうことができる。

2 前項の指定は、沖縄県知事の申請に基づいて行なうものとする。

3 建設大臣は、第一項の規定により二級河川の改良工事、維持又は修繕を行なう場合においては、政令で定めるところにより、沖縄県知事に代わつてその権限を行なうものとする。

4 第一項の規定により建設大臣が行なう河川の改良工事、維持又は修繕に要する費用については、国は、政令で定めるところにより、その全額を負担し、又は河川法に規定する負担割合以上の負担を行なうことができる。

5 前項の規定により国がその費用の一部を負担することとなる場合においては、沖縄県は、政令で定めるところにより、その残額を負担する。

6 第一項の規定により建設大臣が自ら新築するダムについては、特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)第二条第一項中「河川法第九条第一項」とあるのは「沖縄振興開発特別措置法第七条第一項」と、同法第八条中「河川法第六十条第一項」とあるのは「沖縄振興開発特別措置法第七条第五項」と、「同法第六十条第一項に定める都道府県の負担割合」とあるのは「一から同法第七条第四項の政令で定める国の負担割合を控除した割合」と読み替えて、同法を適用する。

7 建設大臣は、河川法第十条の規定にかかわらず、前項の規定により特定多目的ダム法の適用を受けるダムの管理を行なうことができる。

8 前項の規定により建設大臣が管理するダムの管理に要する費用のうち、河川法第五十九条の規定により沖縄県が負担すべきものについては、国は、同条の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その全部又は一部を負担することができる。

9 第五項の規定は、前項の場合に準用する。

 (沖縄の港湾に係る特例)

第八条 振興開発計画に基づいて行なう港湾工事(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第三条の規定により同法の適用を受けないこととなる港湾に係るものを除く。)で、沖縄の振興開発のため特に必要があるものとして運輸大臣が沖縄開発庁長官に協議して指定したものは、同法第五十二条第一項の規定にかかわらず、運輸大臣が行なうことができる。

2 前項の指定は、当該港湾の港湾管理者の申請に基づいて行なうものとする。

3 第一項の規定により運輸大臣が行なう港湾工事に要する費用のうち、水域施設、外かく施設、けい留施設、臨港交通施設又は公共の用に供する港湾施設用地の建設又は改良に係るものについては、国は、政令で定めるところにより、その全額を負担し、又は港湾法に規定する負担割合以上の負担を行なうことができる。

4 前項の規定により、国がその費用の一部を負担することとなる場合においては、第一項の規定により運輸大臣がその港湾工事を行なう港湾の港湾管理者は、政令で定めるところにより、その残額を負担する。

5 運輸大臣は、第一項に規定する港湾工事によつて生じた土地又は工作物(公用に供するため国が必要とするものを除く。)については、港湾管理者が負担した費用の額に相当する価額の範囲内の額を減額した価額で港湾管理者に譲渡することができる。

6 第一項に規定する港湾工事によつて生じた土地又は工作物(公用に供するため国が必要とするもの及び前項の規定により譲渡するものを除く。)のうち、港湾施設となるべきもの及び港湾の管理運営に必要なものは、港湾管理者に管理を委託しなければならない。

7 港湾法第五十四条第二項の規定は、前項の規定により港湾管理者が管理することとなる場合に準用する。

8 港湾管理者が設立された時において国の所有又は管理に属する港湾施設(航行補助施設及び公用に供するため国が必要とするものを除く。)は、港湾管理者に譲渡し、又は管理を委託しなければならない。

9 第五項及び港湾法第五十四条第二項の規定は、前項の規定により譲渡し、又は港湾管理者が管理することとなる場合に準用する。この場合において、第五項中「港湾管理者が」とあるのは、「港湾管理者としての地方公共団体(当該地方公共団体が地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百八十四条第一項の地方公共団体である場合には当該地方公共団体を組織する地方公共団体)又は港務局を組織する地方公共団体が」と読み替えるものとする。

10 この条における「港湾工事」、「港湾管理者」、「水域施設」、「外かく施設」、「けい留施設」、「臨港交通施設」、「港湾施設用地」、「港湾施設」及び「航行補助施設」の意義は、港湾法第二条に定めるところによる。

 (国有財産の譲与等)

第九条 国は、関係地方公共団体その他政令で定める公共の利益となる事業を行なう者(以下この条において「関係地方公共団体等」という。)が振興開発計画に基づく事業で公共の用に供する施設に関するものを実施するため必要があるときは、政令で定めるところにより、国有財産(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二条に規定する国有財産をいう。)を関係地方公共団体等に対して、無償又は時価より低い価額で譲渡し、又は貸し付けることができる。

 (地方債についての配慮)

第十条 地方公共団体が振興開発計画に基づいて行なう事業に要する経費に充てるため起こす地方債については、国は、地方公共団体の財政状況が許す限り起債ができるよう、及び資金事情が許す限り資金運用部資金又は簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもつて引き受けるよう特別の配慮をするものとする。

   第三章 産業振興のための特別措置

 (工業開発地区の指定)

第十一条 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、工業の開発を図るため必要とされる政令で定める要件をそなえている地区を工業開発地区として指定することができる。

2 沖縄開発庁長官は、前項の指定をするにあたつては、農林漁業構造の改善について配慮するとともに、同項の申請に係る地区について、すでに工場立地の調査等に関する法律(昭和三十四年法律第二十四号)第二条の規定による工場適地の調査等工業の開発に関する国の調査がされているときは、その調査の成果を参酌しなければならない。

3 沖縄県知事は、第一項の申請をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見をきかなければならない。

4 沖縄開発庁長官は、工業開発地区を指定するときは、当該工業開発地区の名称及び区域を官報で公示しなければならない。

5 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、工業開発地区の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。この場合においては、前各項の規定を準用する。

6 前項に定める場合のほか、沖縄開発庁長官は、工業開発地区の区域の全部又は一部が第一項の政令で定める要件を欠くに至つたと認めるときは、沖縄県知事の意見をきき、かつ、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、当該工業開発地区の指定を解除し、又はその区域を変更することができる。

7 第二項及び第四項の規定は、前項の規定により沖縄開発庁長官が工業開発地区の指定を解除し、又はその区域を変更する場合に準用する。

 (農用地等の譲渡に係る所得税の軽減)

第十二条 個人がその有する工業開発地区内の農用地等(農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第三条に規定する農用地等をいい、その上に存する権利を含む。)を工場用地の用に供するため譲渡した場合には、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、その譲渡に係る所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第三十三条第一項に規定する譲渡所得についての所得税を軽減する。

 (事業用資産の買換えの場合の課税の特例)

第十三条 工業開発地区以外の地域にある事業用資産を譲渡して工業開発地区内において製造の事業の用に供する事業用資産を取得した場合には、租税特別措置法で定めるところにより、特定の事業用資産の買換えの場合の課税の特例の適用があるものとする。

 (減価償却の特例)

第十四条 工業開発地区内において製造の事業の用に供する設備を新設し、又は増設した者がある場合には、当該新設又は増設に伴い新たに取得し、又は製作し、若しくは建設した機械及び装置並びに工場用の建物及びその附属設備については、租税特別措置法で定めるところにより、特別償却を行なうことができる。

 (地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置)

第十五条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条の規定により、地方公共団体が、工業開発地区内において製造の事業の用に供する設備を新設し、又は増設した者について、その事業に対する事業税、その事業に係る工場用の建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくはその事業に係る機械及び装置若しくはその事業に係る工場用の建物若しくはその敷地である土地に対する固定資産税を課さなかつた場合又はこれらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が政令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の規定にかかわらず、自治省令で定める方法によつて算定した当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあつては、これらの措置がされた最初の年度以降五箇年度におけるものに限る。)について同条の規定により当該地方公共団体の当該各年度における基準財政収入額に算入される額に相当する額を同条の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が自治省令で定める日以後において行なわれたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。

 (特定事業所の認定等)

第十六条 関係行政機関の長は、工業開発地区内において製造の事業を営む事業所で沖縄の工業開発に著しく寄与するものとして政令で定める要件に該当するものを設置する者に対し、沖縄開発庁長官に協議して、当該事業所が当該要件に該当するものである旨の認定をすることができる。

2 関係行政機関の長は、前項の認定を受けた事業所(以下「特定事業所」という。)が同項の要件を欠くに至つたと認めるときは、沖縄開発庁長官に協議して、その認定を取り消すことができる。

3 第一項の認定に必要な申請その他の手続は、政令で定める。

4 この法律の施行の際沖縄以外の本邦の地域に本店又は主たる事務所を有する内国法人が、特定事業所を有する法人で工業開発地区内に本店又は主たる事務所を有するものの株式又は出資を当該法人に係る第一項の認定後五年以内に取得した場合には、政令で定めるところにより、当該法人を租税特別措置法第五十五条第二項に規定する新開発地域内に本店又は主たる事務所を有する法人とみなして、同条の規定を適用することができる。

 (施設の整備等)

第十七条 国及び地方公共団体は、工業開発地区内の工業の開発を促進するために必要な工場用地、道路、港湾施設、工業用水道、通信運輸施設及び工業開発地区内の工場に使用される者に対してその就業上必要な教育又は職業訓練を行なうための施設の整備の促進に努めるものとする。

 (農地法等による処分についての配慮)

第十八条 国の行政機関の長又は沖縄県知事は、工業開発地区内の土地を前条に規定する施設の用に供するため農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該工業開発地区内の工業の開発が促進されるよう配慮するものとする。

 (中小企業の業種別の振興)

第十九条 関係行政機関の長は、沖縄振興開発審議会及び中小企業近代化審議会の意見をきいて、次の各号に該当する業種であつて政令で定めるもの(以下第二十一条までにおいて「指定業種」という。)に属する沖縄の中小企業について、近代化基本計画を定めなければならない。

 一 沖縄における当該業種の事業活動の相当部分が中小企業者によつて行なわれていること。

 二 当該業種に属する沖縄の中小企業の生産性の向上を図ることが沖縄の経済の振興に資するため特に必要であると認められること。

 三 中小企業近代化促進法(昭和三十八年法律第六十四号)第三条第一項の政令で定める業種に該当しないものであること。

2 中小企業近代化促進法第三条第二項から第四項まで、第四条及び第五条の規定は前項の近代化基本計画について、同法第七条、第八条第一項及び第三項並びに第十七条第一項、第二項及び第四項の規定は指定業種に属する事業を行なう沖縄の中小企業者について準用する。この場合において、同法第四条第一項、第五条第一項及び第七条第三項中「中小企業近代化審議会」とあり、同法第十七条第四項中「審議会」とあるのは、「沖縄振興開発審議会及び中小企業近代化審議会」と読み替えるものとする。

3 前二項及び次条の規定に係る関係行政機関の長は、当該指定業種に属する事業を所管する大臣とする。ただし、前項において準用する中小企業近代化促進法第七条第二項又は第十七条第二項の勧告又は報告の徴収に関しては、当該勧告又は報告の徴収の対象となる者の行なう事業を所管する大臣(その対象となる者が特別の法律によつて設立された組合又はその連合会であるときは、その対象となる者の行なう事業を所管する大臣及びその組合又は連合会を所管する大臣)とする。

第二十条 指定業種のうちその業種に属する沖縄の中小企業の構造改善を図ることが緊急に必要であると認められるものであつて政令で定めるもの(以下この条において「特定業種」という。)に属する事業を行なう沖縄の中小企業者を構成員とする商工組合その他の政令で定める法人(以下この条において「商工組合等」という。)は、その構成員たる中小企業者が行なう特定業種に属する事業に係る生産又は経営の規模又は方式の適正化、取引関係の改善その他の構造改善に関する事業について構造改善計画を作成し、これを関係行政機関の長に提出して、その構造改善計画が適当である旨の承認を受けることができる。

2 中小企業近代化促進法第五条の二第二項の規定は前項の構造改善計画について、同法第八条第二項及び第三項の規定は前項の承認を受けた商工組合等の構成員たる沖縄の中小企業者であつて特定業種に属する事業を行なうものについて、同法第十七条第三項及び第四項の規定は前項の承認を受けた商工組合等について準用する。この場合において、同法第十七条第四項中「審議会」とあるのは、「沖縄振興開発審議会及び中小企業近代化審議会」と読み替えるものとする。

 (課税の特例等)

第二十一条 次の各号に掲げる者については、その者を中小企業近代化促進法第八条第四項に規定する中小企業者又は法人とみなし、政令で定めるところにより、租税特別措置法第六十六条の二、第六十六条の四及び第八十一条の規定を適用する。

 一 第十九条第二項において準用する中小企業近代化促進法第八条第一項若しくは第三項又は前条第二項において準用する同法第八条第二項若しくは第三項の承認を受けた中小企業者

 二 第十九条第二項において準用する中小企業近代化促進法第八条第一項若しくは前条第二項において準用する同法第八条第二項の承認に係る合併後存続する法人若しくは当該合併により設立した法人又は当該承認に係る出資を受けた法人若しくは当該出資に基づいて設立された法人

2 指定業種に属する事業を行なう沖縄の中小企業者については、その者を中小企業近代化促進法第九条に規定する中小企業者とみなし、政令で定めるところにより、租税特別措置法第十三条、第十三条の二、第四十五条の二及び第四十六条の規定を適用する。

3 指定業種に属する事業を行なう沖縄の中小企業者(中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第二条第一項第二号に掲げるもの(企業組合を除く。)及び同項第四号から第七号までに掲げるものを含む。)については、その者を同条第三項に規定する近代化関係中小企業者とみなし、政令で定めるところにより、同法第三条の五から第十一条までの規定を適用する。

 (資金の確保等)

第二十二条 国及び地方公共団体は、事業者が行なう工業開発地区内の製造の事業の用に供する施設の整備並びに中小企業及び農林漁業の振興のために必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。

   第四章 自由貿易地域

 (自由貿易地域の指定)

第二十三条 沖縄開発庁長官は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議して、沖縄における企業の立地を促進するとともに貿易の振興に資するために必要な地域を自由貿易地域として指定することができる。

2 沖縄県知事は、前項の申請をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見をきかなければならない。

 (自由貿易地域内における事業の認定)

第二十四条 自由貿易地域内において事業を行なおうとする者は、当該事業を当該地域内で行なうことが適当である旨の沖縄開発庁長官の認定を受けることができる。

2 沖縄開発庁長官は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ関係行政機関の長に協議しなければならない。

3 第一項の認定を受けることができる者の要件その他同項の認定に関し必要な事項は、政令で定める。

 (指定保税地域等)

第二十五条 自由貿易地域内の土地又は建設物その他の施設(政令で定めるものを除く。)で国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものは、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第三十七条第一項に規定する指定保税地域とみなす。

2 税関長は、関税法の実施を確保する上に支障がないと認めるときは、前条第一項の認定を受けた者に対し、当該認定に係る事業の用に供する施設のうち必要と認められる部分につき、同法第四十二条第一項、第五十条、第五十六条第一項又は第六十二条の二第一項に規定する保税上屋、保税倉庫、保税工場又は保税展示場の許可をするものとする。

 (自由貿易地域投資損失準備金)

第二十六条 内国法人は、第二十四条第一項の認定を受けた法人で自由貿易地域内に本店若しくは主たる事務所を有するものの株式又は出資を当該認定後五年以内に取得した場合には、当該株式又は出資については、租税特別措置法で定める自由貿易地域投資損失準備金を設けることができる。

 (準用)

第二十七条 第十四条及び第十五条の規定は、自由貿易地域について準用する。

 (特別の法人の設置)

第二十八条 国は、必要があると認めるときは、自由貿易地域となるべき地域の土地の造成、自由貿易地域内の施設の整備その他自由貿易地域内の土地及び施設に関する事業を行なうことを目的とする特別の法人を設けるものとする。

2 前項の特別の法人に関し必要な事項は、別に法律で定める。

   第五章 電気事業振興のための特別措置

    第一節 電気事業の助成

 (資金の確保等)

第二十九条 国及び地方公共団体は、電気事業(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第五項に規定する電気事業をいう。以下同じ。)の用に供する設備であつて沖縄における電気の安定的かつ適正な供給の確保に特に寄与すると認められるものの整備につき、必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。

第三十条 第十四条の規定は、電気事業者(電気事業法第二条第六項に規定する電気事業者をいう。)が電気事業の用に供する設備であつて沖縄における電気の安定的かつ適正な供給の確保に特に寄与すると認められるものを新設し、又は増設した場合における当該設備について準用する。

    第二節 沖縄電力株式会社

 (会社の目的)

第三十一条 沖縄電力株式会社は、沖縄における電気の安定的かつ適正な供給を確保するため、電気事業及びこれに附帯する事業を営むことを目的とする株式会社とする。

 (株式)

第三十二条 沖縄電力株式会社(以下「会社」という。)の株式は、額面株式とする。

2 政府は、予算の範囲内において、会社に対して出資することができる。

 (商号の使用制限)

第三十三条 会社以外の者は、その商号中に沖縄電力株式会社という文字を使用してはならない。

 (取締役及び監査役)

第三十四条 会社の取締役は、四人以内、監査役は、一人とする。

2 会社の取締役、代表取締役及び監査役の選任、選定及び解任の決議は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3 会社の取締役は、他の報酬のある職務又は営業に従事してはならない。ただし、通商産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 (政府所有の株式の後配)

第三十五条 会社は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第一条の規定にかかわらず、毎営業年度における配当することができる利益金額が政府以外の者の所有する株式に対し年百分の十の割合に達するまでは、政府の所有する株式に対し利益を配当することを要しない。

2 会社は、政府以外の者の所有する株式に対し年百分の十の割合で配当をした後、なお配当することができる利益金があるときは、政府の所有する株式に対して年百分の十の割合に達するまで政府の所有する株式に対する配当にあてなければならない。

 (準用)

第三十六条 電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)第十五条第五項、第二十九条から第三十三条まで、第三十五条及び第三十五条の三の規定は、会社について準用する。この場合において、同法第三十一条中「所有権及び貸借権」とあるのは「譲り渡し、又は所有権」と、同法第三十五条の三中「第十四条第二項及び第二十二条第一項」とあるのは「及び第十四条第二項」と読み替えるものとする。

 (協議)

第三十七条 通商産業大臣は、第三十四条第二項又は前条において準用する電源開発促進法第三十二条(会社の定款の変更、合併及び解散の決議に係るものに限る。)若しくは第三十三条の認可をしようとするときは、沖縄開発庁長官に協議しなければならない。

2 通商産業大臣は、前条において準用する電源開発促進法第十五条第五項、第三十条、第三十一条、第三十二条(会社の定款の変更の決議に係るものについては、会社が発行する株式の総数を変更するものに限る。)又は第三十三条の認可をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。

   第六章 職業の安定のための特別措置

 (職業の安定のための計画の作成等)

第三十八条 労働大臣は、沖縄の労働者の雇用を促進し、その職業の安定を図るため、沖縄県知事の意見をきいて、職業指導、職業紹介及び職業訓練の実施、就業の機会の増大を図るための事業の実施その他必要な事項に関する計画を作成し、その計画に基づき必要な措置を講ずるものとする。

 (振興開発計画に基づく事業等への就労)

第三十九条 労働大臣は、沖縄における雇用及び失業の状況からみて必要があると認めるときは、沖縄県知事の意見をきき、沖縄開発庁長官に協議して、振興開発計画に基づく事業その他の事業であつて国自ら又は国の負担金の交付を受け、若しくは国庫の補助により地方公共団体等が計画実施する公共的な建設又は復旧の事業について、その事業種別に従い、職種別又は地域別に、当該事業に使用される労働者の数とそのうちの失業者の数との比率(以下この条において「吸収率」という。)を定めることができる。

2 吸収率の定められている事業を計画実施する国又は地方公共団体等(これらのものとの請負契約その他の契約に基づいて、その事業を施行する者を含む。次項において同じ。)は、公共職業安定所の紹介により、つねに吸収率に該当する数の失業者を雇い入れていなければならない。

3 吸収率の定められている事業を計画実施する国又は地方公共団体等は、前項の規定により雇入れを必要とする数の失業者を公共職業安定所の紹介により雇い入れることが困難な場合には、その困難な数の労働者を、公共職業安定所の書面による承諾を得て、直接雇い入れることができる。

4 前三項に定めるもののほか、吸収率の定められている事業への失業者の吸収に関し必要な事項は、労働省令で定める。

 (転業等のための資金の確保等)

第四十条 国及び地方公共団体は、沖縄における事業者で沖縄の復帰若しくはアメリカ合衆国の軍隊の撤退、縮小等に伴い転業を余儀なくされるもの又は沖縄の失業者で自立のため事業を開始しようとするものに対し、必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。

 (沖縄失業者求職手帳の発給等)

第四十一条 公共職業安定所長は、次のいずれにも該当し、かつ、労働省令で定める要件に該当する者に対して、その者の申請に基づき、沖縄失業者求職手帳(以下「手帳」という。)を発給する。

 一 次のいずれかに該当する者であること。

  イ 沖縄の復帰に伴い、一定の事業を行なうことについての制限又は禁止を定めている本邦の法令の規定が新たに沖縄に適用されることとなつたため、従前行なつていた事業が行なえなくなり、若しくは当該事業を行なうことにつき著しい支障を生じたことにより、又は従前の沖縄と本邦との間の輸出若しくは輸入に関する通関手続の代理事務が消滅したことにより、やむなく失業するに至つた者であること。

  ロ 沖縄の復帰に伴い、沖縄において適用されていた輸入の制限又は禁止に関する法令が失効したことその他これに準ずる政令で定める事由が発生したためその事業を行なうことにつき著しい支障を生じたことにより、政令で定める期間内にやむなく失業するに至つた者であること。

  ハ 琉球列島米国民政府の廃止、昭和四十六年六月十七日以後における沖縄にあるアメリカ合衆国の軍隊の撤退、部隊の縮小又は予算の削減その他これらに準ずる政令で定める事由の発生に伴い、やむなく失業するに至つた者であつて政令で定める要件に該当するものであること。

 二 前号の規定に該当することとなつた日まで、一年以上引き続き、同号イの事業若しくは事務に従事し、同号ロの事業に従事し、又は同号ハの政令で定める要件に該当していた者であること。

2 手帳は、当該手帳の発給を受けた者が前項第一号の規定に該当することとなつた日(その日がこの法律の施行の日前であるときは、この法律の施行の日の前日)の翌日から起算して三年を経過したとき、又は公共職業安定所長が当該手帳の発給を受けた者が労働の意思若しくは能力を有しなくなつたことその他労働省令で定める事由に該当すると認めたときは、その効力を失う。

3 前二項に定めるもののほか、手帳の発給の申請その他手帳に関し必要な事項は、労働省令で定める。

 (就職指導の実施)

第四十二条 公共職業安定所は、手帳の発給を受けた者(以下「手帳所持者」という。)に対して、当該手帳がその効力を失うまでの間、労働省令で定めるところにより、その者の再就職を促進するために必要な職業指導(以下「就職指導」という。)を行なうものとする。

2 公共職業安定所長は、就職指導を受ける者に対して、公共職業訓練施設の行なう職業訓練を受けることその他その者の再就職を促進するために必要な事項を指示することができる。

 (就職促進手当の支給)

第四十三条 国は、手帳所持者に対して、その就職活動を容易にし、かつ、生活の安定を図るため、政令で定めるところにより、就職促進手当を支給する。

 (雇用促進事業団による援護業務)

第四十四条 雇用促進事業団は、雇用促進事業団法(昭和三十六年法律第百十六号)第十九条に規定する業務のほか、沖縄の労働者の雇用を促進し、その職業の安定を図るため、次の業務を行なう。

 一 職業訓練(手帳所持者を作業環境に適応させる訓練を含む。)を受ける手帳所持者に対して職業訓練手当その他の手当を支給すること。

 二 就職又は知識若しくは技能の習得をするために移転する手帳所持者に対して移転資金を支給すること。

 三 手帳所持者が事業を開始する場合において、自営支度金を支給し、及び必要な資金の借入れに係る債務の保証を行なうこと。

 四 手帳所持者が公共職業安定所の紹介により移転して就職することを容易にするため宿舎の貸与その他宿舎の確保に関し必要な援助を行なうこと。

 五 公共職業安定所の紹介により手帳所持者を雇い入れる沖縄の事業主に対して雇用奨励金を支給すること。

 六 手帳所持者を作業環境に適応させる訓練を行なう事業主に対して職場適応訓練費を支給すること。

 七 沖縄の失業者に対して求職のための公共職業安定所との連絡その他求職活動に関し必要な協力を行なうこと。

 八 沖縄の失業者に対して再就職を容易にするため必要な知識及び技能を習得させるための講習を行なうこと。

 九 沖縄の失業者に対して生活の指導を行なうこと。

 十 前各号に附帯する業務を行なうこと。

 十一 前各号に掲げるもののほか、沖縄の失業者の再就職の促進及びその生活の安定に関し必要な業務を行なうこと。

2 国は、雇用促進事業団に対して前項に規定する業務に要する費用に相当する金額を交付する。

3 第一項第三号に規定する債務の保証に関する業務は、雇用促進事業団法第十九条の二及び第三十七条第一項の規定の適用については、同法第十九条第三項に規定する業務とみなし、当該業務の委託を受けた金融機関は、同法第三十三条及び第三十九条の規定の適用については、同法第十九条の二第三項に規定する業務の委託を受けた受託金融機関とみなす。

4 雇用促進事業団法第二十条及び第三十七条第一項(同法第十九条の二第一項並びに第二十条第一項及び第二項に係る部分に限る。)の規定は、第一項に規定する業務について準用する。この場合において、同法第三十七条第一項(同法第二十条第一項に係る部分に限る。)中「大蔵大臣」とあるのは、「沖縄開発庁長官及び大蔵大臣」と読み替えるものとする。

5 雇用促進事業団法第二十二条第二項及び第二十四条第三項の規定は、第一項に規定する業務については、適用しない。

6 第一項に規定する業務は、雇用促進事業団法第四十条第三号の規定の適用については、同法第十九条に規定する業務とみなす。

 (譲渡等の禁止)

第四十五条 第四十三条の就職促進手当又は前条第一項の規定に基づいて雇用促進事業団が支給する給付金の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、事業主に係る当該権利については、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。

 (公課の禁止)

第四十六条 租税その他の公課は、第四十三条の就職促進手当、第四十四条第一項第一号の手当、同項第二号の移転資金又は同項第三号の自営支度金(同項第十一号の規定に基づいて再就職する沖縄の失業者に対して支給する給付金であつて、自営支度金に相当するものを含む。)を標準として、課することができない。

 (中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の適用除外)

第四十七条 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法(昭和四十六年法律第六十八号)第三章の規定は、手帳所持者及び手帳の発給を受けることができる者については、適用しない。

2 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法第二十一条及び第二十二条の規定は、沖縄については、適用しない。

   第七章 その他の特別措置

 (市町村における基幹道路の整備)

第四十八条 過疎地域対策緊急措置法(昭和四十五年法律第三十一号)第二条及び第二十三条の規定の例に準じ政令で定める基準に従い沖縄開発庁長官が関係行政機関の長に協議して指定した地域内の基幹的な市町村道並びに市町村が管理する基幹的な農道、林道及び漁港関連道(以下この条において「市町村道等」という。)の新設又は改築で振興開発計画に基づいて行なうもののうち、当該市町村の区域の振興開発のため特に必要があるものとして関係行政機関の長が沖縄開発庁長官に協議して指定した市町村道等に係るものについては、他の法令の規定にかかわらず、沖縄県が行なうことができる。

2 前項の市町村道等の指定は、沖縄県知事が、関係市町村長との協議がととのつた場合において提出する申請に基づいて行なうものとする。

3 沖縄県は、第一項の規定により市町村道の新設又は改築を行なう場合においては、政令で定めるところにより、当該道路管理者に代わつて、その権限を行なうものとする。この場合において、沖縄県が代わつて行なう権限のうち政令で定めるものは、沖縄県知事が行なう。

4 第一項の規定により沖縄県が行なう市町村道等の新設又は改築に要する費用は、沖縄県が負担する。

5 前項に規定する費用に係る国の負担又は補助については、第一項の規定により指定された市町村道等の新設又は改築を県道又は県が管理する農道、林道若しくは漁港関連道の新設又は改築とみなす。

 (無医地区における医療の確保)

第四十九条 沖縄県知事は、振興開発計画に基づいて、無医地区に関し、次に掲げる事業を実施しなければならない。

 一 診療所の設置

 二 患者輸送車(患者輸送船を含む。)の整備

 三 定期的な巡回診療

 四 保健婦の配置

 五 公的医療機関の協力体制の整備

 六 その他無医地区の医療の確保に必要な事業

2 沖縄県知事は、前項に規定する事業を実施する場合において特に必要があると認められるときは、病院又は診療所の開設者又は管理者に対し、次に掲げる事業につき、協力を要請することができる。

 一 医師又は歯科医師の派遣

 二 巡回診療車(巡回診療船を含む。)による巡回診療

3 国及び沖縄県は、無医地区における診療に従事する医師又は歯科医師の確保その他当該無医地区における医療の確保(当該診療に従事する医師又は歯科医師を派遣する病院に対する助成を含む。)に努めなければならない。

4 沖縄県知事は、国に対し、無医地区における診療に従事する医師又は歯科医師の確保について協力を求めることができる。

5 第一項及び第二項に規定する事業の実施に要する費用は、沖縄県が負担する。

6 国は、前項の費用のうち第一項第一号に掲げる事業に係るものについては四分の三を、同項第二号から第四号までに掲げる事業及び第二項に規定する事業に係るものについては二分の一を、それぞれ政令で定めるところにより、補助するものとする。

 (交通の確保)

第五十条 国の行政機関の長は、沖縄県の市町村が、その区域内で他に一般乗合旅客自動車運送事業を経営する者がない地域について、一般乗合旅客自動車運送事業を経営し、又は自家用自動車を共同で使用し、若しくは有償で運送の用に供するときは、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)に基づく免許、許可又は認可について適切な配慮をするものとする。

 (地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置)

第五十一条 第十五条の規定は、地方税法第六条の規定により、沖縄県が、離島の地区及びその他の地域のうち過疎地域対策緊急措置法第二条及び第二十三条の規定の例に準じ政令で定める基準に従い沖縄開発庁長官が自治大臣に協議して指定した地域内において畜産業、水産業又は薪炭製造業を行なう個人について、その事業に対する事業税を課さなかつた場合又は事業税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が政令で定める場合に該当するものと認められるときに準用する。この場合において、第十五条中「当該地方公共団体」とあるのは「沖縄県」と、「事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあつては、これらの措置」とあるのは「これらの措置」と読み替えるものとする。

   第八章 沖縄振興開発審議会

 (沖縄振興開発審議会の設置及び権限)

第五十二条 この法律の規定によりその権限に属せしめられた事項その他沖縄の振興開発に関する重要事項を調査審議するために、沖縄開発庁に沖縄振興開発審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、沖縄の振興開発に関する重要事項につき、内閣総理大臣に対し意見を申し出ることができる。

 (審議会の組織等)

第五十三条 審議会は、次に掲げる者につき、内閣総理大臣が任命する委員三十人以内で組織する。

 一 関係行政機関の職員           十三人以内

 二 沖縄県知事

 三 沖縄県議会議長

 四 沖縄県の市町村長を代表する者         二人

 五 沖縄県の市町村の議会の議長を代表する者    二人

 六 学識経験のある者            十一人以内

2 前項第四号から第六号までに掲げる者につき任命された委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 前項の委員は、再任されることができる。

4 委員の互選により審議会の会長として定められた者は、会務を総理する。

5 委員は、非常勤とする。

6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

   第九章 雑則

 (土地の利用についての配慮)

第五十四条 国及び地方公共団体は、沖縄において土地(公有水面を含む。)をその用に供する必要がある事業を実施するときは、当該土地の利用方法が振興開発計画において定める土地の利用に適合することとなるように当該事業を実施しなければならない。

 (他の法律の適用除外)

第五十五条 離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律(昭和三十六年法律第百十二号)、低開発地域工業開発促進法(昭和三十六年法律第二百十六号)、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律(昭和三十七年法律第八十八号)、新産業都市建設促進法(昭和三十七年法律第百十七号)、奥地等産業開発道路整備臨時措置法(昭和三十九年法律第百十五号)、山村振興法(昭和四十年法律第六十四号)、過疎地域対策緊急措置法及び農村地域工業導入促進法(昭和四十六年法律第百十二号)は、沖縄については、適用しない。

2 国土総合開発法(昭和二十五年法律第二百五号)中都府県総合開発計画、地方総合開発計画及び特定地域総合開発計画に係る部分は、沖縄については、適用しない。

 (政令への委任)

第五十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

   第十章 罰則

第五十七条 第十九条第二項及び第二十条第二項において準用する中小企業近代化促進法第十七条第一項から第三項までの規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

第五十八条 会社の役員又は職員が、その職務に関して、わいろを収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。

2 前項の場合において、犯人が収受したわいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第五十九条 前条第一項のわいろを供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

第六十条 第三十六条において準用する電源開発促進法第三十五条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の役員又は職員は、五万円以下の罰金に処する。

第六十一条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした会社の役員は、三十万円以下の過料に処する。

 一 第三十六条において準用する電源開発促進法第十五条第五項、第三十条、第三十一条又は第三十三条の規定に違反したとき。

 二 第三十六条において準用する電源開発促進法第二十九条第二項の規定による命令に違反したとき。

第六十二条 第三十三条の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(附則第十九条第五項及び第十二項において「協定」という。)の効力発生の日から施行する。ただし、第五章第二節、第五十八条から第六十二条まで、次条、附則第八条、附則第十条及び附則第十九条の規定は、公布の日から施行する。

 (琉球政府行政主席への通知)

第二条 内閣総理大臣は、この法律の内容を琉球政府行政主席に通知しなければならない。

 (この法律の失効)

第三条 この法律は、昭和五十七年三月三十一日限り、その効力を失う。

2 次の表の上欄に掲げる事項については、同表の下欄に掲げる規定は、前項の規定にかかわらず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。

振興開発計画に基づく事業で、昭和五十七年度以後に繰り越される国の負担金又は補助金に係るもの

第五条から第八条まで、第四十八条及び第四十九条

第七条第六項の規定により特定多目的ダム法が適用されることとなるダム

第七条第六項

この法律の失効前に手帳の発給を受けた者に係る当該発給を受けた手帳

第四十一条第二項及び第三項、第四十二条、第四十三条、第四十五条、第四十六条並びに第四十七条第一項

昭和五十七年三月三十一日以前に開始された第四十四条第一項に規定する雇用促進事業団の業務(当該業務が終了するまでの間に行なわれるものに限る。)

第四十四条

3 この法律の失効前にした行為に対する罰則の適用については、この法律は、第一項の規定にかかわらず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。

 (経過措置)

第四条 昭和四十七年度の予算に係る国の負担金又は補助金に係る事業で、振興開発計画が決定されるまでの間に、沖縄の振興開発のため緊急に実施する必要があるものとして沖縄開発庁長官が関係行政機関の長に協議して決定したものについては、当該事業を振興開発計画に基づく事業とみなして、この法律を適用する。

第五条 この法律の施行の際琉球水道公社が建設している政令で定めるダム(政令で定める施設又は工作物を含む。)の存する河川について、当該ダムの建設を行なう河川の部分として建設大臣が指定する区間は、第七条第一項及び第二項の規定にかかわらず、同条第一項の規定により指定された区間とする。

2 前項のダムは、同項の指定があつた時において第七条第六項の規定により特定多目的ダム法が適用される多目的ダムとなるものとする。この場合において必要な事項は、政令で定める。

3 第一項のダムの建設に要する政令で定める費用は、第七条第五項及び特定多目的ダム法第七条第一項の規定にかかわらず、国が支弁するものとする。

 (労働省設置法の一部改正)

第六条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第十三号の三中「又は勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)」を「、勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)又は沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)」に改め、同条第四十一号の二の次に次の一号を加える。

  四十一の三 沖縄振興開発特別措置法に基づいて、沖縄の労働者の職業の安定を図るため必要な措置に関する計画を作成すること。

  第十条第一項第七号の二の次に次の一号を加える。

  七の三 沖縄振興開発特別措置法の規定に基づいて行なう就職指導及び就職促進手当の支給に関すること。

  第十条第一項第八号中「及び中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法(職業訓練に関する部分を除く。)」を「、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法(職業訓練に関する部分を除く。)及び沖縄振興開発特別措置法(第六章(職業訓練に関する部分を除く。)の規定に限る。)」に改め、同条第二項中「及び中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法(第二十二条の規定に限る。)」を「、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法(第二十二条の規定に限る。)及び沖縄振興開発特別措置法(第三十九条の規定に限る。)」に改める。

 (国土総合開発法の一部改正)

第七条 国土総合開発法の一部を次のように改正する。

  第十四条第一項中「又は首都圏整備計画」を「、首都圏整備計画又は沖縄振興開発計画」に、「又は首都圏整備委員会」を「、首都圏整備委員会又は沖縄開発庁長官」に改める。

 (地方税法の一部改正)

第八条 地方税法の一部を次のように改正する。

  附則第九条の次に次の一条を加える。

  (法人の事業税の税率の特例)

 第九条の二 沖縄電力株式会社が行なう電気供給業に対する事業税の標準税率については、沖縄県の区域にこの法律が施行されることとなる日以後五年以内に終了する各事業年度分の事業税に限り、第七十二条の二十二第一項第一号中「百分の一・五」とあるのは、同日以後二年以内に終了する各事業年度分の事業税にあつては「百分の〇・五」と、当該二年以内に終了する各事業年度のうち最後の事業年度終了の日後三年以内に終了する各事業年度分の事業税にあつては「百分の一・〇」とする。

  附則第十条に次の一項を加える。

 4 道府県は、沖縄電力株式会社が沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)附則第十九条第五項の規定による政府の出資に係る不動産を取得した場合においては、第七十三条の二第一項の規定にかかわらず、当該不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。

 (企業合理化促進法の一部改正)

第九条 企業合理化促進法(昭和二十七年法律第五号)の一部を次のように改正する。

  第八条第三項中「又は漁港法」を「、漁港法又は沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)」に改め、同条第四項中「又は漁港法」を「、漁港法又は沖縄振興開発特別措置法」に改める。

 (租税特別措置法の一部改正)

第十条 租税特別措置法の一部を次のように改正する。

  第八十四条中「及び日本自動車ターミナル株式会社」を「、日本自動車ターミナル株式会社及び沖縄電力株式会社」に改める。

 (道路整備特別会計法の一部改正)

第十一条 道路整備特別会計法(昭和三十三年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。

  第三条中「又は交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法(昭和四十一年法律第四十五号)第十条第一項」を「、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法(昭和四十一年法律第四十五号)第十条第一項又は沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)第六条第五項」に改める。

 (特定港湾施設整備特別措置法の一部改正)

第十二条 特定港湾施設整備特別措置法(昭和三十四年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条中「又は北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)第三条第一項」を「、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)第三条第一項又は沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)第八条第一項」に改める。

  第四条第一項中「北海道」の下に「及び沖縄県」を加え、同条第二項中「又は北海道開発のためにする港湾工事に関する法律第三条第二項において準用する同法第二条第一項」を「、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律第三条第二項において準用する同法第二条第一項又は沖縄振興開発特別措置法第八条第三項」に改め、同項第三号の次に次の一号を加える。

  四 沖縄県の港湾の水域施設、外郭施設又は係留施設に係る工事 十分の一

  第六条中「北海道」の下に「及び沖縄県」を加える。

 (治山治水緊急措置法の一部改正)

第十三条 治山治水緊急措置法(昭和三十五年法律第二十一号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項第四号中「特定多目的ダム法(昭和三十二年法律第三十五号)第二条第一項」の下に「(沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)第七条第六項の規定により適用する場合を含む。)」を加える。

 (治水特別会計法の一部改正)

第十四条 治水特別会計法(昭和三十五年法律第四十号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第二号中「又は地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第二十八条」を「、地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第二十八条又は沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)第七条第五項(同条第九項において準用する場合を含む。)」に改める。

  第五条第一項第二号中「又は第六十三条第一項」を「若しくは第六十三条第一項又は沖縄振興開発特別措置法第七条第五項」に改める。

 (港湾整備特別会計法の一部改正)

第十五条 港湾整備特別会計法(昭和三十六年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第二号中「又は北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)第三条第二項において準用する同法第二条第一項」を「、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)第三条第二項において準用する同法第二条第一項又は沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号)第八条第四項」に改める。

  第五条第一項第二号中「同法第二条第一項」の下に「、沖縄振興開発特別措置法第八条第四項」を加える。

 (社会保険労務士法の一部改正)

第十六条 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第二十号の四の次に次の一号を加える。

  二十の五 沖縄振興開発特別措置法(昭和四十六年法律第百三十一号。第四十一条、第四十三条及び第四十四条の規定に限る。)

 (都市計画法の一部改正)

第十七条 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の一部を次のように改正する。

 第十三条第一項中「北海道総合開発計画」の下に「、沖縄振興開発計画」を加える。

 (農業振興地域の整備に関する法律の一部改正)

第十八条 農業振興地域の整備に関する法律の一部を次のように改正する。

 第四条第三項中「北海道総合開発計画」の下に「、沖縄振興開発計画」を加える。

 (会社の設立等)

第十九条 通商産業大臣は、設立委員を命じ、会社の設立に関して発起人の職務を行なわせる。

2 設立委員は、定款を作成して、通商産業大臣の認可を受けなければならない。

3 通商産業大臣は、設立委員を命じようとするとき及び前項の認可をしようとするときは、内閣総理大臣に協議しなければならない。

4 通商産業大臣は、第二項の認可をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。

5 政府は、会社の設立に際し、会社に対して協定第六条第一項の規定により政府に移転される琉球電力公社の財産の全部を出資するものとする。

6 前項の規定により政府が出資する財産の価額は、評価委員が評価した価額とする。

7 設立委員は、第二項の認可を受けたときは、遅滞なく、会社の設立に際し発行する株式の総数のうち、政府が引き受けない株式につき、株主を募集しなければならない。

8 設立委員は、前項の規定により株主を募集する場合において、琉球政府から株式の申込みがあつたときは、琉球政府に対して株式を割り当てるものとする。

9 商法(明治三十二年法律第四十八号)第百六十七条、第百八十一条、第百八十五条及び第百八十七条第一項(設立の廃止の決議に係る場合に限る。)の規定は、会社の設立については適用せず、同法第百七十七条第三項の規定は、第五項の規定により政府が行なう現物出資については適用しない。

10 設立委員は、この法律の施行の日の前日までに、その処理すべき会社の設立に関する事務を完了しなければならない。

11 第五項の規定により政府が行なう現物出資の給付は、この法律の施行の時に行なわれるものとし、会社は、商法第五十七条の規定にかかわらず、その時に成立する。

12 協定第六条第一項の規定により政府が引き継ぐ琉球電力公社の権利及び義務は、会社の成立の時に、会社が承継する。

13 会社は、会社の成立後遅滞なく、その設立の登記をしなければならない。

14 前各項に規定するもののほか、会社の設立に関し必要な事項は、政令で定める。

15 会社は、この法律の施行の時に、通商産業省令で定めるところにより、電気事業を営むことについて電気事業法第三条第一項の許可を受けたものとみなす。

16 前項に規定するもののほか、会社に対する電気事業法の適用に関する経過措置は、政令で定める。

17 第三十三条の規定は、次の各号に掲げる者については、それぞれ当該各号に掲げる期間は、適用しない。

 一 第三十三条の規定の施行の際その商号中に沖縄電力株式会社という文字を使用している者 同条の規定の施行の日から起算して六月間

 二 この法律の施行の際沖縄においてその商号中に沖縄電力株式会社という文字を使用している者 この法律の施行の日から起算して六月間

18 沖縄開発庁設置法(昭和四十六年法律第二十九号)の施行の日前における第三十七条第一項の規定の適用については、同項中「沖縄開発庁長官」とあるのは、「内閣総理大臣」と読み替えるものとする。

19 会社が次の各号に掲げる事項について登記を受ける場合には、その登記に係る登録免許税は、免除する。ただし、第一号に掲げる事項の登記に係る登録免許税にあつては、資本の金額のうち政府及び琉球政府の出資に係る部分以外の部分について、第二号に掲げる事項の登記に係る登録免許税にあつては、この法律の施行の日から起算して一年を経過した日以後に受ける登記に係るものについては、この限りでない。

 一 会社の設立

 二 第五項の規定により政府が出資した財産に係る権利の保存、設定又は移転

20 政府は、沖縄における合理的な電気の供給体制を実現するうえでの会社の役割について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。

別表

事業の区分

国庫の負担又は補助の割合の範囲

農業試験研究施設

農業改良助長法(昭和二十三年法律第百六十五号)第二条第三号に規定する試験研究施設の設置

十分の十以内

土地改良

土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業で国が行なうもの

十分の十以内

家畜保健衛生所

家畜保健衛生所法(昭和二十五年法律第十二号)第一条第一項に規定する家畜保健衛生所の設置

十分の十以内

林業施設

森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四十一条第二項に規定する保安施設事業

十分の十以内

漁港

漁港法(昭和二十五年法律第百三十七号)第三条第一号に規定する基本施設及び同条第二号に規定する機能施設のうち輸送施設又は漁港施設用地(公共施設用地に限る。)の修築事業

十分の十以内

道路

道路法第二条第一項に規定する道路の新設、改築及び修繕並びに同法第十三条に規定する指定区間内の国道の維持その他の管理

十分の十以内

港湾

港湾法第二条第五項に規定する港湾施設のうち水域施設、外かく施設、けい留施設、臨港交通施設又は公共の用に供する港湾施設用地(同条第八項に規定する避難港にあつては、水域施設又は外かく施設に限る。)の建設又は改良の工事

十分の十以内

空港

空港整備法(昭和三十一年法律第八十号)第二条第一項第二号及び第三号に規定する空港に係る同法第六条第一項及び第八条第四項に規定する工事

十分の十以内

公営住宅

公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅の建設工事

十分の七・五以内

住宅地区改良

住宅地区改良法(昭和三十五年法律第八十四号)第二条第六項に規定する改良住宅の建設(当該建設のため必要な土地の取得及びその土地を宅地に造成することを含む。)

十分の七・五以内

水道

水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第三項に規定する簡易水道事業に係る水道の新設

三分の二以内

し尿処理施設及びごみ処理施設

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第八条第一項に規定するし尿処理施設及びごみ処理施設の設置

十分の五以内

都市公園

都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項に規定する都市公園の用地の取得及び同条第二項に規定する公園施設の新設又は改築

十分の五以内

下水道

下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第四号に規定する流域下水道の設置又は改築

三分の二以内

消防施設

消防施設強化促進法(昭和二十八年法律第八十七号)第三条に規定する消防の用に供する機械器具及び設備の購入又は設置

三分の二以内

伝染病院等

伝染病予防法(明治三十年法律第三十六号)第十七条第一項に規定する施設の整備

十分の七・五以内

保健所

保健所法(昭和二十二年法律第百一号)第一条に規定する保健所の整備

十分の七・五以内

精神病院

精神衛生法(昭和二十五年法律第百二十三号)第六条及び第六条の二に規定する精神病院(精神病院以外の病院に設ける精神病室を含む。)の設置

十分の七・五以内

結核療養所

結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)第五十七条第一号及び第五十九条に規定する結核療養所の整備

十分の七・五以内

児童福祉施設

児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条に規定する児童福祉施設の整備

十分の八以内

身体障害者更生援護施設

身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第五条第一項に規定する身体障害者更生援護施設の設置

三分の二以内

生活保護施設

生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第三十八条第一項に規定する保護施設の整備

十分の七・五以内

婦人相談所等

売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第三十四条第一項に規定する婦人相談所及び同法第三十六条に規定する婦人保護施設の整備

三分の二以内

精神薄弱者援護施設

精神薄弱者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第十八条第一項に規定する精神薄弱者援護施設の整備

三分の二以内

老人福祉施設

老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十四条第一項第一号及び第二号に規定する老人福祉施設の整備

十分の七・五以内

義務教育施設等

義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和三十三年法律第八十一号)第二条第二項に規定する建物、義務教育費国庫負担法(昭和二十七年法律第三百三号)第三条に規定する教材、公立養護学校整備特別措置法(昭和三十一年法律第百五十二号)第二条第一項及び第六条に規定する小学部及び中学部に係る建物及び教材、産業教育振興法(昭和二十六年法律第二百二十八号)第二条に規定する公立の中学校(盲学校、聾学校及び養護学校の中学部を含む。以下同じ。)に係る産業教育のための設備、理科教育振興法(昭和二十八年法律第百八十六号)第二条に規定する公立の小学校(盲学校、聾学校及び養護学校の小学部を含む。以下同じ。)及び公立の中学校に係る理科教育のための設備、へき地教育振興法(昭和二十九年法律第百四十三号)第三条第二号及び第三号に規定する住宅及び施設、学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第三条第一項に規定する公立の小学校及び中学校に係る学校給食の開設に必要な施設並びにスポーツ振興法(昭和三十六年法律第百四十一号)第二十条第一項第一号に規定する小学校及び中学校に係る施設の整備

十分の九以内

高等学校教育施設等

公立高等学校危険建物改築促進臨時措置法(昭和二十八年法律第二百四十八号)第二条第二項に規定する建物、産業教育振興法第二条に規定する公立の高等学枚(盲学校、聾学校及び養護学校の高等部を含む。以下同じ。)に係る産業教育のための施設又は設備及び理科教育振興法第二条に規定する公立の高等学校に係る理科教育のための設備の整備

十分の七・五以内

砂防設備

砂防法(明治三十年法律第二十九号)第一条に規定する砂防工事

十分の十以内

海岸

海岸法第二条第一項に規定する海岸保全施設の新設又は改良

十分の十以内

地すべり防止施設

地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第二条第四項に規定する地すべり防止工事

十分の八以内

河川

河川法第五条第一項に規定する二級河川の改良工事

十分の十以内

(内閣総理・法務・大蔵・文部・厚生・農林・通商産業・運輸・郵政・労働・建設・自治大臣署名)

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