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法律第百七号(昭五五・一二・八)

  ◎政治資金規正法の一部を改正する法律

 政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第三章 削除」を「第三章 特定公職の候補者に係る指定団体の届出等」に改める。

 第一条中「機能の重要性」の下に「及び公職の候補者の責務の重要性」を加え、「その政治活動」を「政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動」に、「政党その他の政治団体の届出、」を「政治団体の届出並びに政治団体及び公職の候補者に係る」に改める。

 第二条の見出しを「(基本理念等)」に改め、同条第二項中「政党その他の政治団体」を「政治団体及び公職の候補者」に改め、同条に次の一項を加える。

3 公職の候補者は、その政治資金をその他の資金と明確に区別するとともに、選挙運動に関するものを除き、その政治資金を政治団体に取り扱わせることとするよう努めなければならない。

 第三条第一項第二号中「(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第八十六条の規定により候補者として届出をし、又は推薦届出をされた者をいい、当該候補者となろうとする者及び同法第三条に規定する公職にある者を含む。以下同じ。)」を削り、同条第二項第一号中「公職選挙法」の下に「(昭和二十五年法律第百号)」を加え、同条に次の一項を加える。

4 この法律において「公職の候補者」とは、公職選挙法第八十六条の規定により候補者として届出をし、又は推薦届出をされた者(当該候補者となろうとする者及び同法第三条に規定する公職にある者を含む。)をいう。

 第九条第一項第一号ロ中「団体にあつては」を「寄附をした者が団体である場合には」に、「第十二条」を「第十九条の七」に改め、同号ハ中「職業」の下に「(あつせんをした者が団体である場合には、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名。以下第十九条の七までにおいて同じ。)」を加え、同項第二号中「氏名、住所及び職業」を「氏名及び住所(支出を受けた者が団体である場合には、その名称及び主たる事務所の所在地。以下第十九条の七までにおいて同じ。)」に改める。

 第十条第一項中「、住所及び職業」を「及び住所」に改める。

 第十一条第一項中「一万円」を「五万円」に、「以下」を「第十九条の六を除き、以下」に改め、同条第二項中「一万円」を「五万円」に改める。

 第十二条第一項第二号中「一万円」を「五万円」に、「、住所及び職業」を「及び住所」に改める。

 第十四条第一項中「以下同じ」を「第十九条の六を除き、以下同じ」に改める。

 第三章を次のように改める。

   第三章 特定公職の候補者に係る指定団体の届出等

 (指定団体の届出等)

第十九条 衆議院議員、参議院議員、都道府県の議会の議員若しくは長又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市の議会の議員若しくは長に係る公職の候補者(以下この章において「特定公職の候補者」という。)は、当該特定公職の候補者の政治資金を取り扱わせるため、専らその者を推薦し又は支持することを本来の目的とする政治団体のうちから、その者の政治資金を取り扱うべき政治団体を指定することができる。

2 特定公職の候補者は、前項の指定をしたときは、その指定の日から七日以内に、文書で、その旨、その者に係る公職の種類並びにその指定をした政治団体(以下この章において「指定団体」という。)の名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名を、当該政治団体の第六条第一項各号の区分に応じ、当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は自治大臣に届け出なければならない。

3 前項の規定による届出(以下この章において「指定団体の届出」という。)をした者は、第一項の指定を取り消したとき、又は前項の規定により届け出た事項に異動があつたときは、その取消しの日又はその異動の日から七日以内に、同項の規定の例により、その指定を取り消した旨又はその異動に係る事項を届け出なければならない。

4 前二項の規定による届出の様式は、自治省令で定める。

 (指定団体の名称等の公表)

第十九条の二 指定団体の届出があつたときは、当該指定団体の届出を受けた都道府県の選挙管理委員会又は自治大臣は、その指定団体の届出をした者の氏名、その者に係る公職の種類並びに指定団体の名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名を、遅滞なく、告示しなければならない。これらの事項につき前条第三項の規定による届出があつたときも、同様とする。

2 都道府県の選挙管理委員会又は自治大臣は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、当該告示の写しを、都道府県の選挙管理委員会にあつては自治大臣及び政令で定める都道府県の選挙管理委員会、自治大臣にあつては政令で定める都道府県の選挙管理委員会に送付しなければならない。

 (指定団体に対する寄附に係る通知)

第十九条の三 指定団体の届出をした者は、その者が特定公職の候補者である間に受けた政治活動に関する寄附(金銭その他政令で定める財産上の利益(以下この章において「金銭等」という。)による政治活動に関する寄附に限るものとし、選挙運動に関するものを除く。以下この章において「特定公職の候補者に対する寄附」という。)に係る金銭等の全部又は一部に相当する金銭等を当該指定団体に取り扱わせるため当該指定団体に寄附するときは、文章で、当該指定団体に寄附する金銭等に相当する金銭等に係る当該特定公職の候補者に対する寄附をした者ごとに、その指定団体に寄附する金銭等に関し、次に掲げる事項を、当該指定団体の会計責任者に通知しなければならない。

 一 当該特定公職の候補者に対する寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに当該特定公職の候補者に対する寄附の年月日

 二 当該特定公職の候補者に対する寄附のうちあつせんをされたものについては、そのあつせんをした者の氏名、住所及び職業並びに当該あつせんに係る特定公職の候補者に対する寄附を集めた期間及びこれが当該特定公職の候補者に提供された年月日

2 前項に定めるもののほか、指定団体の届出をした者は、同一の者からの特定公職の候補者に対する寄附の金額の合計額が当該特定公職の候補者に対する寄附を受けた年において百万円を超えることとなるとき、又は同一の者によつてあつせんをされた特定公職の候補者に対する寄附の金額の合計額が当該特定公職の候補者に対する寄附を受けた年において百万円を超えることとなるときは、遅滞なく、文書で、その旨並びにその寄附をした者又はそのあつせんをした者の氏名、住所及び職業を、指定団体の会計責任者に通知しなければならない。

3 指定団体の会計責任者は、前二項の規定による通知を受けたときは、当該通知に係る文書を、第二十条第一項の規定により当該通知に係る同項に規定する報告書の要旨が公表された日から三年を経過する日まで保存しなければならない。

 (指定団体の会計帳簿の記載)

第十九条の四 指定団体の会計責任者は、指定団体に対する寄附(指定団体の届出をした者が前条第一項の規定により当該指定団体に対してする寄附をいう。以下同じ。)について、政治団体の会計責任者として第九条第一項の規定による会計帳簿の記載をするときは、前条第一項に規定する特定公職の候補者に対する寄附をした者ごとの金額並びに同項及び同条第二項の規定により通知された事項を併せて記載しなければならない。

 (指定団体の報告書の記載)

第十九条の五 指定団体(第十二条第一項又は第十七条第一項の規定により報告書に記載すべき収入及び支出があつた年において指定団体であつたものを含む。)の会計責任者は、指定団体に対する寄附について、政治団体の会計責任者として第十二条第一項又は第十七条第一項の規定による報告書の記載をするときは、その総額及び次に掲げる事項を併せて記載しなければならない。

 一 同一の者からの特定公職の候補者に対する寄附で、その金額の合計額が年間百万円を超えるものに係る金銭等の全部又は一部に相当する金銭等の当該指定団体に対する寄附については、当該指定団体に対する寄附の金額、当該特定公職の候補者に対する寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに当該特定公職の候補者に対する寄附の年月日

 二 同一の者によつてあつせんをされた特定公職の候補者に対する寄附で、その金額の合計額が年間百万円を超えるものに係る金銭等の全部又は一部に相当する金銭等の当該指定団体に対する寄附については、当該指定団体に対する寄附の金額、そのあつせんをした者の氏名、住所及び職業並びに当該あつせんに係る特定公職の候補者に対する寄附を集めた期間及びこれが特定公職の候補者に提供された年月日

 (特定公職の候補者に係る会計帳簿の備付け等)

第十九条の六 特定公職の候補者は、会計帳簿を備え、これに特定公職の候補者に対する寄附(政党及び第十九条第二項の規定により当該特定公職の候補者が届け出た指定団体から受けたものを除く。)に係る金銭等で、当該特定公職の候補者に対する寄附を受けた年において当該指定団体に取り扱わせるため当該指定団体に寄附された金銭等以外のもの(以下この章において「保有金」という。)に係る次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 保有金に係る収入については、保有金に相当する金銭等に係る寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに当該寄附に係る金銭等のうち保有金に相当するものの金額及び当該寄附の年月日

 二 保有金に係る収入のうち、保有金に相当する金銭等に係る寄附であつせんをされたものについては、そのあつせんをした者の氏名、住所及び職業並びに当該あつせんをされた寄附に係る金銭等のうち保有金に相当するものの金額、当該あつせんに係る寄附を集めた期間及びこれが当該特定公職の候補者に提供された年月日

 三 保有金によりされた支出については、支出を受けた者の氏名及び住所並びにその支出の目的、金額及び年月日

2 前項の会計帳簿の種類、様式及び記載要領は、自治省令で定める。

3 特定公職の候補者に対する寄附(政党及び第十九条第二項の規定により当該特定公職の候補者が届け出た指定団体から受けたものを除く。)のあつせんをした者は、そのあつせんを終えた日から七日以内に、当該寄附をした者及びあつせんをした者の氏名、住所及び職業、当該寄附の金額及び年月日並びにあつせんに係る金額及びこれを集めた期間を記載した明細書を当該特定公職の候補者に提出しなければならない。

4 特定公職の候補者は、保有金によりされた支出で一件五万円以上のものについて、当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書その他の支出を証すべき書面を徴さなければならない。ただし、これを徴し難い事情があるときは、この限りでない。

5 特定公職の候補者は、会計帳簿、第三項の明細書及び前項の書面を、第二十条第一項の規定によりこれらに係る報告書の要旨が公表された日から三年を経過する日まで保存しなければならない。

 (特定公職の候補者に係る報告書の提出等)

第十九条の七 特定公職の候補者は、毎年十二月三十一日現在で、その年における保有金に係る収入及び保有金によりされた支出について、その総額及び自治省令で定める項目別の金額並びに次に掲げる事項(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を、その日の翌日から三月以内(その間に特定公職の候補者に係る選挙の公示又は告示の日から当該選挙の期日までの期間がかかる場合には、当該選挙に係る特定公職の候補者にあつては、四月以内)に、衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者にあつては自治大臣、都道府県の議会の議員若しくは長又は地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市の議会の議員若しくは長に係る公職の候補者にあつては都道府県の選挙管理委員会に提出しなければならない。

 一 保有金に係る収入のうち、同一の者からの特定公職の候補者に対する寄附でその金額の合計額が年間百万円を超えるものに係る金銭等の全部又は一部に相当する保有金に係る収入については、その寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに当該寄附に係る金銭等のうち保有金に相当するものの金額及び当該寄附の年月日並びにその寄附をした者のその年における当該特定公職の候補者に対する寄附の金額の合計額

 二 保有金に係る収入のうち、同一の者によつてあつせんをされた特定公職の候補者に対する寄附でその金額の合計額が年間百万円を超えるものに係る金銭等の全部又は一部に相当する保有金に係る収入については、そのあつせんをした者の氏名、住所及び職業並びに当該あつせんをされた寄附に係る金銭等のうち保有金に相当するものの金額、当該あつせんに係る寄附を集めた期間及びこれが当該指定公職の候補者に提供された年月日並びにそのあつせんをした者のその年における当該特定公職の候補者に対する寄附のあつせんに係る金額の合計額

 三 保有金によりされた支出については、人件費、光熱水費その他の自治省令で定める経費以外の経費の支出(一件当たりの金額(数回にわたつてされたときは、その合計金額)が五万円以上のものに限る。)について、その支出を受けた者の氏名及び住所並びに当該支出の目的、金額及び年月日

2 特定公職の候補者は、立候補の辞退、退職その他の事由により特定公職の候補者でなくなつたときは、その日から三十日以内に、前項の規定の例により、その日現在で、保有金に係る収入及び保有金によりされた支出に関する事項を記載した報告書を提出しなければならない。

3 第十二条第二項及び第三項の規定は、特定公職の候補者が前二項の報告書を提出する場合について準用する。この場合において、同条第二項中「同項第二号」とあるのは「第十九条の七第一項第三号」と、「領収書等」とあるのは「第十九条の六第四項の書面」と読み替えるものとする。

 (報告書の提出に関する特例)

第十九条の八 前条の規定は、特定公職の候補者が、特定公職の候補者に対する寄附(政党及び第十九条第二項の規定により当該特定公職の候補者が届け出た指定団体から受けたものを除く。)を受けた年において、その年において受けた当該特定公職の候補者に対する寄附に係る金銭等の全部を同項の規定により当該特定公職の候補者が届け出た指定団体に寄附した場合には、適用しない。ただし、当該特定公職の候補者に対する寄附を受けた年の前年以前の年における保有金に係る収入が繰り越された年については、この限りでない。

 (支部を有する政治団体に係るこの章の規定の適用)

第十九条の九 第十九条第一項に規定する政治団体が支部を有する場合には、当該政治団体の本部及び支部は、それぞれ一の政治団体とみなして、この章の規定(これに係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、この章の規定の当該政治団体の本部及び支部についての適用に関し必要な技術的読替えその他必要な事項は、政令で定める。

 第二十条第一項中「又は第十七条第一項」を「、第十七条第一項又は第十九条の七第一項若しくは第二項」に改める。

 第二十二条第三項及び第二十二条の二第二項中「政治団体がする寄附」の下に「、指定団体に対する寄附」を加える。

 第二十四条第一号中「又はこれに」を「又は同条若しくは第十九条の四の規定に違反して第九条第一項の会計帳簿に」に改める。

 第二十五条第一項中「又は第十七条」を「若しくは第十七条」に、「又はこれらに」を「又は第十二条、第十七条若しくは第十九条の五の規定に違反して第十二条第一項若しくは第十七条第一項の報告書若しくはこれらに併せて提出すべき書面に」に改める。

 第二十九条中「又は第十七条第一項」を「、第十七条第一項又は第十九条の七第一項若しくは第二項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和五十六年四月一日から施行する。

 (報告書の提出に係る事項等に関する経過措置)

第二条 改正後の政治資金規正法(以下「新法」という。)第十二条第一項(新法第十七条第一項の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の属する年以後の期間に係る新法第十二条第一項の規定による報告書及び施行日以後に新法第十七条第一項の規定により同項の報告書を提出すべき事由が生じた場合における当該報告書の提出について適用し、施行日の属する年の前年以前の期間に係る改正前の政治資金規正法(以下「旧法」という。)第十二条第一項の規定による報告書及び施行日前に旧法第十七条第一項の規定により同項の報告書を提出すべき事由が生じた場合における当該報告書の提出については、なお従前の例による。

第三条 新法第三章の規定並びに新法第二十二条第三項及び第二十二条の二第二項の規定(政治団体がする寄附及び個人が遺贈によつてする寄附に係る部分を除く。)は、新法第十九条第一項に規定する特定公職の候補者が施行日前に受けた寄附(新法第十九条の三第一項に規定する特定公職の候補者に対する寄附に相当するものをいう。)に係る金銭等の全部又は一部に相当する金銭等を新法第十九条第二項に規定する指定団体に取り扱わせるため施行日以後において当該指定団体に寄附する場合については、適用しない。

第四条 施行日の属する年における新法第十九条の三第一項に規定する特定公職の候補者に対する寄附に対する同条、新法第十九条の五、第十九条の七及び第十九条の八の規定の適用については、新法第十九条の三第二項中「当該特定公職の候補者に対する寄附を受けた年において」とあり、及び新法第十九条の五中「年間」とあるのは「昭和五十六年四月一日から同年十二月三十一日までの間において」と、新法十九条の七第一項第一号及び第二号中「年間」とあるのは「昭和五十六年四月一日から同年十二月三十一日までの間において」と、「その年における」とあるのは「昭和五十六年四月一日から同年十二月三十一日までの間における」と、新法第十九条の八中「その年において」とあるのは「昭和五十六年四月一日から同年十二月三十一日までの間において」とする。

 (罰則に関する経過措置)

第五条 施行日前にした行為並びに附則第二条の規定により従前の例によることとされる旧法第十二条第一項の規定による報告書及び旧法第十七条第一項の規定による報告書の提出に係る事項に係る施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (公職選挙法の一部改正)

第七条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第百九十九条の五第三項中「第四項各号」を「次項各号」に改め、「後援団体」の下に「(政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第十九条第二項の規定による届出がされた政治団体を除く。)」を加える。

(自治・内閣総理大臣署名) 

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