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法律第七十二号(昭五六・六・九)

  ◎本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 一般旅客定期航路事業等の再編成(第三条―第九条)

 第三章 一般旅客定期航路事業を営む者に関する措置(第十条―第十五条)

 第四章 一般旅客定期航路事業等離職者に関する措置(第十六条―第二十二条)

 第五章 雑則(第二十三条―第二十五条)

 第六章 罰則(第二十六条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、本州四国連絡橋の建設に伴い影響を受ける一般旅客定期航路事業の再編成、当該事業を営む者に対する助成及び離職者の再就職の促進等に関する特別措置を講ずることにより、当該一般旅客定期航路事業等に係る影響の軽減を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 一 本州四国連絡橋 本州四国連絡橋公団(以下「公団」という。)が建設する本州と四国を連絡する一般国道又は鉄道施設の全部又は一部をいう。

 二 一般旅客定期航路事業 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第二条第五項に規定する一般旅客定期航路事業(同法第四十二条第一項、第四十二条の三及び第四十三条の規定により同法の適用を受けないものを除く。)をいう。

 三 関連事業 一般旅客定期航路事業に係る業務で運輸省令・労働省令で定めるものにつき、当該事業を営む者から委託を受けて行う事業をいう。

 四 規模縮小等航路 本州四国連絡橋の供用に伴い事業規模若しくは事業活動の縮小又は事業の廃止(以下「事業規模の縮小等」という。)を余儀なくされるおそれがある一般旅客定期航路事業に係る航路をいう。

 五 規模拡大等航路 本州四国連絡橋の供用に伴い事業規模若しくは事業活動の拡大又は事業の開始が見込まれる一般旅客定期航路事業に係る航路をいう。

 六 一般旅客定期航路事業等離職者 本州四国連絡橋の供用に伴い事業規模の縮小等を余儀なくされた一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者に雇用されていた労働者で、当該事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされたもののうち、現に失業しており、又はその職業が著しく不安定であるため失業と同様の状態にあると認められるものをいう。

   第二章 一般旅客定期航路事業等の再編成

 (再編成基本方針)

第三条 運輸大臣は、本州四国連絡橋の供用に伴い影響を受ける航路における円滑な輸送を確保し、並びに一般旅客定期航路事業及びその関連事業に係る影響の軽減を図るため、本州四国連絡橋の供用後の規模縮小等航路及び規模拡大等航路における一般旅客定期航路事業及びその関連事業の再編成についての基本方針(以下「再編成基本方針」という。)を定めなければならない。

2 再編成基本方針においては、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。

 一 規模縮小等航路及び規模拡大等航路における本州四国連絡橋の供用に伴う輸送需要の減少及び増大に対応するための一般旅客定期航路事業及びその関連事業の整備に関する事項

 二 規模縮小等航路において前号の整備により不要となる船舶その他の当該整備により不要となる事業の用に供する資産の利用を図るための措置に関する事項

 三 規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者に雇用されている労働者の雇用の安定を図るための措置に関する事項

 四 前二号の措置を円滑に実施するために必要な規模拡大等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者(これらの事業を営もうとする者を含む。)の協力に関する事項

3 運輸大臣は、再編成基本方針を定めようとするときは、前項第三号及び第四号に規定する事項について労働大臣の同意を得るとともに、当該再編成基本方針の内容について、建設大臣に協議し、かつ、海運造船合理化審議会の意見を聴かなければならない。

4 運輸大臣は、第一項の規定により再編成基本方針を定めたときは、これを公表するものとする。

5 前二項の規定は、再編成基本方針の変更について準用する。

 (航路指定)

第四条 運輸大臣は、本州四国連絡橋の供用に伴い影響を受ける航路について、当該供用が開始される一般国道又は鉄道施設の区間ごとに、これに係る規模縮小等航路及び規模拡大等航路を指定する。

2 運輸大臣は、前項の規定により指定された規模縮小等航路(以下「指定規模縮小等航路」という。)又は同項の規定により指定された規模拡大等航路(以下「指定規模拡大等航路」という。)が、それぞれ規模縮小等航路又は規模拡大等航路に該当しなくなつたと認めるときは、同項の規定による指定を取り消すものとする。

3 運輸大臣は、第一項の規定による指定及び前項の規定による取消しを行おうとするときは、建設大臣に協議しなければならない。

4 第一項の規定による指定及び第二項の規定による取消しは、告示によつて行う。

 (実施計画)

第五条 指定規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者が、本州四国連絡橋の供用に伴い余儀なくされることとなる事業規模の縮小等(離職者の発生を伴わないもので政令で定める軽微なものを除く。)を行おうとするときは、それぞれ当該事業について、その実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を作成し、指定日(当該航路ごとに、当該供用の開始の日のおおむね六月前の日で運輸大臣が告示で定める日をいう。)以降当該供用の開始の日から起算して二年を経過する日までの間にこれを運輸大臣に提出して、その認定を受けることができる。

2 実施計画には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 事業規模の縮小等の計画及びその実施により残存する事業の整備に関する事項

 二 事業規模の縮小等により不要となる船舶その他の当該事業の用に供する資産の利用又は廃棄に関する事項

 三 一般旅客定期航路事業等離職者の再就職の援助その他当該事業を営む者に雇用されている労働者の雇用の安定に関する事項

3 第一項の規定による認定を受けようとする一般旅客定期航路事業を営む者は、前項第一号に規定する事項について、あらかじめ、海上運送法の規定により必要とされる免許、許可又は認可の申請をしなければならない。

4 第一項の規定による認定を受けようとする者は、実施計画の作成に当たつては、第二項第三号に規定する事項について、その者に雇用されている労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

5 運輸大臣は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その実施計画が、再編成基本方針に照らし適切なものであると認めるときは、同項の規定による認定をするものとする。ただし、当該実施計画に係る指定規模縮小等航路の指定が取り消されたときは、この限りでない。

6 運輸大臣は、第一項の規定による認定をしようとするときは、第二項第三号に規定する事項について労働大臣の同意を得るとともに、当該認定に係る実施計画について建設大臣に協議しなければならない。

 (実施計画の変更及び取消し)

第六条 前条第一項の規定による認定を受けた者は、当該認定に係る実施計画の変更(運輸省令で定めるものを除く。)をしようとするときは、同項に規定する供用の開始の日から起算して二年を経過する日までに当該変更に係る実施計画を運輸大臣に提出して、その認定を受けなければならない。

2 前条第三項から第六項までの規定は、前項の規定による認定について準用する。

3 運輸大臣は、前条第一項の規定による認定を受けた実施計画(第一項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)に係る指定規模縮小等航路の指定が取り消されたとき、又は認定後に輸送需要が増大し、若しくは増大することが見込まれる場合において特に必要があると認めるときは、実施計画の認定を取り消すことができる。

 (省令への委任)

第七条 前三条に定めるもののほか、航路の指定若しくはその取消し又は実施計画の認定若しくはその取消しに関し必要な事項は、運輸省令で定める。

 (勧告)

第八条 運輸大臣は、指定規模縮小等航路及び指定規模拡大等航路における円滑な輸送を確保し、並びに指定規模縮小等航路における一般旅客定期航路事業に係る影響の経減を図るために必要があると認めるときは、指定規模縮小等航路又は指定規模拡大等航路において一般旅客定期航路事業を営む者(その事業を営もうとする者を含む。)に対し、輸送需要に対応した適正な輸送力の維持、輸送施設の利用の効率化及び事業規模の縮小等により不要となる船舶その他の当該事業の用に供する資産の処理の円滑化のための措置その他再編成基本方針に基づき一般旅客定期航路事業の再編成を適切に実施するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

2 運輸大臣又は労働大臣は、本州四国連絡橋の供用に伴う一般旅客定期航路事業又はその関連事業に係る影響の軽減を図るために必要があると認めるときは、指定規模縮小等航路又は指定規模拡大等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者(これらの事業を営もうとする者を含む。)に対し、一般旅客定期航路事業等離職者の再就職の援助その他これらの事業を営む者に雇用されている労働者の雇用の安定のために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

 (報告徴収)

第九条 運輸大臣又は労働大臣は、第五条第一項又は第六条第一項の規定による認定を受けた者に対し、実施計画の実施状況について必要な報告を求めることができる。

   第三章 一般旅客定期航路事業を営む者に関する措置

 (交付金の交付)

第十条 公団は、第五条第一項又は第六条第一項の規定による認定を受けた者(関連事業を営む者その他政令で定める者を除く。)で海上運送法の規定により必要とされる免許、許可又は認可を受けた上実施計画に従つて事業規模の縮小等を行つたものに対し、一般旅客定期航路事業廃止等交付金(以下「交付金」という。)を交付することができる。

 (交付金の額)

第十一条 前条の規定による交付金の額は、実施計画に従つて行われる事業規模の縮小等に伴い必要となる次の各号に掲げる費用に相当する額として政令で定めるところにより算定した金額の合計額とする。

 一 船舶その他の事業の用に供する資産で政令で定めるものの減価をうめるために要する費用

 二 事業の用に供する資産で政令で定めるものの撤去に要する費用

 三 事業の円滑な転換又は残存する事業の適正な経営を図るために必要な費用

 四 離職者に支払われる退職金の一部に充てるために要する費用

 (交付金の請求及び交付の手続)

第十二条 第十条の規定により交付金の交付を受けようとする者は、第五条第一項又は第六条第一項の規定による認定を受けた日から起算して六月を経過する日までに、運輸省令・建設省令で定めるところにより、公団に対し、交付の請求をしなければならない。

2 公団は、特にやむを得ない理由があると認めるときは、運輸省令・建設省令で定めるところにより、前項の請求の期限を延期することができる。

3 公団は、第一項の請求があつたときは、これを審査し、船舶の売却、事業の用に供する資産の撤去、運航回数の減少、退職金の支払等の交付金の額の算定の基礎となる事実があつたことを確認した上、その交付すべき交付金の額を決定し、これを当該交付の請求をした者に通知しなければならない。

4 公団は、前項の交付金の額の算定の基礎となる事実の一部があつたことを確認した場合において特に必要があると認めるときは、同項の規定により交付金の額を決定する前に、概算見積りにより、政令で定める金額の範囲内において、その一部を同項に規定する者に交付することができる。

 (交付金の返還)

第十三条 公団は、第六条第三項の規定により実施計画の認定が取り消された場合において特に必要があると認めるときは、交付した交付金の全部又は一部の返還を求めることができる。

 (省令への委任)

第十四条 第十条から前条までに定めるもののほか、交付金の交付及び返還に関し必要な事項は、運輸省令・建設省令で定める。

 (退職金支払確保契約)

第十五条 公団は、指定規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者(以下この条において「特定事業主」という。)に雇用されている労働者で本州四国連絡橋の供用に伴い離職することが見込まれるもの(以下この項において「離職見込者」という。)の退職金の支払に係る資金の確保を図るため、特定事業主と退職金支払確保契約(特定事業主が、離職見込者に係る退職金の支払に必要な資金を当該離職見込者の退職の日までに公団に掛金として納付することを約し、公団は、当該離職見込者の退職のときに、請求に応じこれを特定事業主に給付することを約する契約をいう。以下同じ。)を締結し、これに関する業務を行うことができる。

2 公団は、退職金支払確保契約の申込みがあつたときは、正当な理由がなければ、当該契約の締結を拒んではならない。

3 公団及び特定事業主は、第四条第二項の規定により指定規模縮小等航路が取り消された場合その他運輸省令・建設省令で定める場合には、退職金支払確保契約を解除しなければならない。

4 特定事業主について相続その他の一般承継があつたときは、当該特定事業主の相続人その他の一般承継人は、運輸省令・建設省令で定める期間内に公団に申出をした上、退職金支払確保契約に関し当該特定事業主の有していた地位を承継することができる。

5 前各項に定めるもののほか、退職金支払確保契約に関し必要な事項は、運輸省令・建設省令で定める。

   第四章 一般旅客定期航路事業等離職者に関する措置

 (一般旅客定期航路事業等離職者求職手帳の発給等)

第十六条 公共職業安定所長は、一般旅客定期航路事業等離職者で次の各号に該当すると認定したものに対して、その者の申請に基づき、一般旅客定期航路事業等離職者求職手帳(以下「手帳」という。)を発給する。

 一 当該離職が第五条第一項又は第六条第一項の規定により認定を受けた実施計画に含まれているものであること。

 二 指定規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者に当該離職の日まで一年以上引き続き雇用されていたこと。

 三 労働の意思及び能力を有すること。

 四 当該離職の日以後において新たに安定した職業に就いたことがないこと。

2 公共職業安定所長は、指定規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者がやむを得ない理由により実施計画について第五条第一項又は第六条第一項の規定による認定を受けることができなかつたと認めたときは、一般旅客定期航路事業等離職者で前項第二号から第四号までに該当すると認定したものに対しても、その者の申請に基づき、手帳を発給することができる。

3 手帳は、当該離職の日の翌日から起算して三年を経過したとき、又は公共職業安定所長が当該手帳の発給を受けた者が労働の意思若しくは能力を有しなくなつたことその他労働省令で定める事由に該当すると認めたときは、その効力を失う。

4 前三項に定めるもののほか、手帳の発給の申請その他手帳に関し必要な事項は、労働省令で定める。

 (就職指導の実施)

第十七条 公共職業安定所長は、手帳の発給を受けた者(以下「手帳所持者」という。)に対して、当該手帳がその効力を失うまでの間、労働省令で定めるところにより、その者の再就職を促進するために必要な職業指導(次項において「就職指導」という。)を行うものとする。

2 公共職業安定所長は、就職指導を受ける者に対して、公共職業訓練施設の行う職業訓練を受けることその他その者の再就職を促進するために必要な事項を指示することができる。

 (船員となろうとする者に関する特例)

第十八条 船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項に規定する船員(以下「船員」という。)となろうとする一般旅客定期航路事業等離職者に関しては、第十六条第一項中「公共職業安定所長」とあるのは「海運局長(海運監理部長を含む。以下同じ。)」と、同条第二項から第四項まで及び前条の規定中「公共職業安定所長」とあるのは「海運局長」と、「労働省令」とあるのは「運輸省令」と、「公共職業訓練施設の行う職業訓練」とあるのは「職業訓練」とする。

 (給付金の支給等)

第十九条 国及び都道府県は、手帳所持者(船員となろうとする者を除く。以下この条において同じ。)がその有する能力に適合する職業に就くことを容易にし、及び促進するため、手帳所持者又は事業主に対して、雇用対策法(昭和四十一年法律第百三十二号)の規定に基づき、給付金を支給するものとする。

第二十条 国は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、手帳所持者(船員となろうとする者に限る。以下この項において同じ。)がその有する能力に適合する職業に就くことを容易にし、及び促進するため、手帳所持者又は事業主に対して、次の各号に掲げる給付金(以下この条において「就職促進給付金」という。)を支給することができる。

 一 手帳所持者の求職活動の促進とその生活の安定とを図るための給付金

 二 手帳所持者の知識及び技能の習得を容易にするための給付金

 三 就職又は知識若しくは技能の習得をするための移転に要する費用に充てるための給付金

 四 前三号に掲げる給付金以外の給付金であつて、政令で定めるもの

2 就職促進給付金の支給に関し必要な基準は、運輸省令で定める。

3 船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第四条から第六条までの規定は、就職促進給付金について準用する。

 (手帳所持者に係る延長給付)

第二十一条 手帳所持者であつて、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第十五条第一項に規定する受給資格者(同法第二十二条第一項第一号に規定する基準日において四十歳以上である者に限る。)であるものに対する同法第二十三条の規定の適用については、同条第一項中「政令で定める基準」とあるのは「本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法第二十一条に規定する受給資格者の再就職の状況等を考慮して政令で定める基準」と、同項及び同条第二項中「政令で定める日数」とあるのは「政令で定める日数に三十日を加えた日数」とする。

第二十二条 手帳所持者であつて、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第三十三条ノ三第一項の規定に該当する者(同法第三十三条ノ十二第一項第一号に規定する基準日において四十歳以上である者に限る。)であるものに対する同法第三十三条ノ十二ノ二の規定の適用については、同条第一項中「政令ヲ以テ定ムル基準」とあるのは「本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法第二十二条ニ規定スル者ノ再就職ノ状況等ヲ考慮シ政令ヲ以テ定ムル基準」と、同項及び同条第二項中「政令ヲ以テ定ムル日数」とあるのは「政令ヲ以テ定ムル日数ニ三十日ヲ加へタル日数」とする。

   第五章 雑則

 (必要な措置への公団の寄与)

第二十三条 公団は、第三章に規定するもののほか、指定規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者の事業規模の縮小等に伴う事業の円滑な転換及び一般旅客定期航路事業等離職者の再就職の促進に必要な措置の推進に寄与するよう努めるものとする。

 (国等の施策)

第二十四条 国は、指定規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者が事業規模の縮小等に伴い事業の円滑な転換を行うのに必要な資金の確保又はその融通のあつせんに努めるとともに、一般旅客定期航路事業等離職者の速やかな再就職を容易にするため、職業指導、職業紹介、職業訓練等の実施に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 地方公共団体は、前項の国の施策に協力して、指定規模縮小等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者の事業規模の縮小等に伴う事業の円滑な転換及び一般旅客定期航路事業等離職者の再就職の促進に必要な施策を推進するよう努めるものとする。

 (権限の委任)

第二十五条 この法律に規定する運輸大臣及び労働大臣の権限は、運輸大臣の権限にあつては運輸省令で定めるところにより海運局長に、労働大臣の権限にあつては労働省令で定めるところにより公共職業安定所長に、それぞれその一部を委任することができる。

   第六章 罰則

第二十六条 第九条又は第二十条第三項において準用する船員の雇用の促進に関する特別措置法第六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、十万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (適用の特例)

2 この法律の施行前の本州四国連絡橋の供用に伴い既に一般旅客定期航路事業を休止した一般旅客定期航路事業を営む者が、運輸省令・建設省令で定めるところにより第五条第二項の規定の例による事業規模の縮小等に関する計画を公団に対し提出し、その承認を受けたときは、当該計画を同条第一項の規定による実施計画と、当該承認を同項の規定による認定とみなし、第十条から第十四条までの規定を適用する。

 (租税特別措置法の一部改正)

3 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十八条の二第一項中第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

  三 本州四国連絡橋公団が行う本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号)の規定による退職金支払確保契約に関する業務に係る基金に充てるための同法第十五条第一項に規定する退職金支払確保契約に係る掛金

  第二十八条の二に次の一項を加える。

 3 所得税法第五十四条第一項に規定する退職給与引当金勘定の金額を有する個人が第一項第三号に規定する退職金支払確保契約を締結している場合における同条第一項及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

  第六十六条の十二第一項中第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

  三 本州四国連絡橋公団が行う本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法の規定による退職金支払確保契約に関する業務に係る基金に充てるための同法第十五条第一項に規定する退職金支払確保契約に係る掛金

  第六十六条の十二に次の一項を加える。

 3 法人税法第五十五条第一項に規定する退職給与引当金勘定の金額を有する法人が第一項第三号に規定する退職金支払確保契約を締結している場合における同条第一項及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (社会保険労務士法の一部改正)

4 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

 別表第一第二十号の十一の次に次の一号を加える。

 二十の十二 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号。第十六条(第十八条の規定により読み替える場合を含む。)及び第二十条の規定に限る。)

 (本州四国連絡橋公団法の一部改正)

5 本州四国連絡橋公団法(昭和四十五年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

 第二十九条第一項中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号の次に次の一号を加える。

 七 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号)に規定する公団の業務を行うこと。

 第三十六条の次に次の一条を加える。

 (基金経理)

第三十六条の二 公団は、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法第十五条第一項に規定する退職金支払確保契約に関する業務(以下「退職金支払確保契約業務」という。)に係る給付のための資金を基金として管理し、当該基金に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。

2 公団は、次の方法による場合を除くほか、退職金支払確保契約業務に係る給付のための資金を運用してはならない。

 一 国債その他建設大臣の指定する有価証券の取得

 二 銀行への預金又は郵便貯金

 三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託で元本補てんの契約のあるもの

 第四十一条中「余裕金」の下に「(退職金支払確保契約業務に係る給付のための資金を除く。)」を加える。

 第五十三条中第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。

 四 第三十六条の二第二項の規定に違反して退職金支払確保契約業務に係る給付のための資金を運用したとき。

 (運輸省設置法の一部改正)

6 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項中第十五号の二の四を第十五号の二の五とし、第十五号の二の三の次に次の一号を加える。

  十五の二の四 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号)の規定に基づき、再編成基本方針を定め、規模縮小等航路及び規模拡大等航路を指定し、並びに実施計画を認定すること。

  第二十三条第一項中第三号の三を第三号の四とし、第三号の二を第三号の三とし、第三号の次に次の一号を加える。

  三の二 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法の施行に関すること(船員局の所掌に属するものを除く。)。

  第四十条第一項中第二号の二を第二号の三とし、第二号の次に次の一号を加える。

  二の二 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業及びその関連事業に係る実施計画の認定に関すること。

 (労働省設置法の一部改正)

7 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第十条第一項第八号中「及び特定不況地域離職者臨時措置法(昭和五十三年法律第百七号)(第五条の規定を除く。)」を「、特定不況地域離職者臨時措置法(昭和五十三年法律第百七号)(第五条の規定を除く。)及び本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号)(第二章、第四章及び第五章(職業訓練に関する部分を除く。)の規定に限る。)」に改める。

  第十条の二第六号中「及び特定不況地域離職者」を「、特定不況地域離職者及び一般旅客定期航路事業等離職者」に改める。

  第十八条第一項中「及び特定不況地域離職者臨時措置法(これに基づく命令を含む。)」を「、特定不況地域離職者臨時措置法(これに基づく命令を含む。)及び本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(第二章、第四章及び第五章の規定に限る。)(これに基づく命令を含む。)」に改める。

 (建設省設置法の一部改正)

8 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条第十三号の七の次に次の一号を加える。

  十三の八 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号)の施行に関する事務を管理すること。

  第四条第六項中「同条第十五号」を「同条第十三号の八に規定する事務、同条第十五号」に改める。

  第五条の四第一項中「及び第十三号の五」を「、第十三号の五及び第十三号の八」に、「行なわせる」を「行わせる」に改める。

(大蔵・厚生・運輸・労働・建設・内閣総理大臣署名) 

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