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法律第五十四号(昭六〇・六・七)

  ◎登記特別会計法

 (設置)

第一条 登記に関する事務その他の登記所に係る事務の遂行に資するとともに、その経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。

 (管理)

第二条 この会計は、法務大臣が、法令で定めるところに従い、管理する。

 (歳入及び歳出)

第三条 この会計においては、郵政事業特別会計法(昭和二十四年法律第百九号)第四十条の規定による郵政事業特別会計からの登記印紙に係る受入金、一般会計からの繰入金、第十条第一項の規定による借入金、第十一条第三項ただし書の規定による一時借入金の借換えによる収入金及び附属雑収入をもつてその歳入とし、事務取扱費、施設費、第十条第一項の規定による借入金の償還金及び利子、第十一条第一項の規定による一時借入金の利子、同条第三項ただし書の規定により借り換えた一時借入金の償還金及び利子その他の諸費をもつてその歳出とする。

2 前項に規定する一般会計からの繰入金は、予算で定めるところにより、繰り入れるものとする。

 (歳入歳出予定計算書の作成及び送付)

第四条 法務大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。

 (歳入歳出予算の区分)

第五条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。

 (予算の作成及び提出)

第六条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。

2 前項の予算には、第四条に規定する歳入歳出予定計算書を添付しなければならない。

 (剰余金の繰入れ)

第七条 この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れるものとする。ただし、当該剰余金から政令で定める金額を控除した金額は、予算で定めるところにより、一般会計の歳入に繰り入れることができる。

 (歳入歳出決定計算書の作成及び送付)

第八条 法務大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。

 (歳入歳出決算の作成及び提出)

第九条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。

2 前項の歳入歳出決算には、前条に規定する歳入歳出決定計算書を添付しなければならない。

 (借入金)

第十条 この会計において、施設費を支弁するため必要があるときは、この会計の負担において、借入金をすることができる。

2 前項の規定による借入金の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。

 (一時借入金等)

第十一条 この会計において、支払上現金に不足があるときは、この会計の負担において、一時借入金をし、又は国庫余裕金を繰り替えて使用することができる。

2 前項の規定による一時借入金及び繰替金の限度額については、予算をもつて、国会の議決を経なければならない。

3 第一項の規定による一時借入金及び繰替金は、当該年度の歳入をもつて償還しなければならない。ただし、歳入不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額を限り、一時借入金の借換えをすることができる。

4 前項ただし書の規定により借り換えた一時借入金は、その借換えをしたときから一年内に償還しなければならない。

 (借入金及び一時借入金の借入れ及び償還の事務)

第十二条 第十条の規定による借入金及び前条の規定による一時借入金の借入れ及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行う。

 (国債整理基金特別会計への繰入れ)

第十三条 第十条第一項の規定による借入金の償還金及び利子、第十一条第一項の規定による一時借入金の利子並びに同条第三項ただし書の規定により借り換えた一時借入金の償還金及び利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。

 (余裕金の預託)

第十四条 この会計において、支払上現金に余裕があるときは、これを資金運用部に預託することができる。

 (実施規定)

第十五条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和六十年七月一日から施行する。

 (権利義務の帰属等に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の際一般会計に所属する権利義務で第一条に規定する事務に係るものは、政令で定めるところにより、この会計に帰属するものとする。

2 次に掲げる場合には、当分の間、この会計と一般会計との間において無償として整理することができる。

 一 前項の規定によりこの会計に帰属することとなつた国有財産でこの会計において使用する必要がなくなつたものについて、政令で定めるところにより、一般会計に所管換又は所属替をする場合

 二 一般会計に所属する国有財産のうち、この会計の事務の用に供するため必要があるものについて、政令で定めるところにより、この会計に所管換又は所属替をする場合

 三 法務局若しくは地方法務局又はその支局若しくは出張所の事務(第一条に規定する事務を除く。)のために使用する場合その他政令で定める場合において、この会計に所属する国有財産を一般会計において使用させるとき。

 四 この会計の事務のために使用する必要がある場合において、一般会計に所属する国有財産を、政令で定めるところにより、この会計において使用させるとき。

 (民法施行法の一部改正)

第三条 民法施行法(明治三十一年法律第十一号)の一部を次のように改正する。

  第八条に次の一項を加える。

  前項ノ規定ニ依リ登記所ニ為ス請求ニ係ル手数料ノ納付ハ登記印紙ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス

 (不動産登記法の一部改正)

第四条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。

  第二十一条に次の一項を加える。

  第一項ノ手数料ノ納付ハ登記印紙ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス

 (抵当証券法の一部改正)

第五条 抵当証券法(昭和六年法律第十五号)の一部を次のように改正する。

  第三条に次の一項を加える。

  前項ノ手数料ノ納付ハ登記印紙ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス

 (商業登記法の一部改正)

第六条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。

  第十三条に次の一項を加える。

2 前二条の手数料の納付は、登記印紙をもつてしなければならない。

 (電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律の一部改正)

第七条 電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律(昭和六十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条に次の一項を加える。

 4 第一項の手数料の納付は、法務省令で定めるところにより、登記印紙をもつてしなければならない。

 (登記印紙による納付の開始に伴う経過措置)

第八条 附則第三条の規定による改正後の民法施行法第八条第二項、附則第四条の規定による改正後の不動産登記法第二十一条第四項(同法第二十四条ノ二第三項及び他の法令の規定において準用する場合を含む。)、附則第五条の規定による改正後の抵当証券法第三条第五項(同法第二十二条において準用する場合を含む。)、附則第六条の規定による改正後の商業登記法第十三条第二項(他の法令の規定において準用する場合を含む。)又は附則第七条の規定による改正後の電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律第三条第四項の規定にかかわらず、この法律の施行の日から二週間以内に手数料を納付するときは、収入印紙又は登記印紙をもつてすることができる。

 (印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正)

第九条 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和二十三年法律第百四十二号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項に次の一号を加える。

  八 民法施行法(明治三十一年法律第十一号)第八条第一項の規定により登記所にする請求につき手数料を、不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)第二十一条第一項(同法第二十四条ノ二第三項及び他の法律の規定において準用する場合を含む。)、抵当証券法(昭和六年法律第十五号)第三条第四項(同法第二十二条において準用する場合を含む。)、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十一条第一項若しくは第十二条第一項(これらの規定を他の法律の規定において準用する場合を含む。)若しくは電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律(昭和六十年法律第三十三号)第三条第一項の規定により手数料を又はその他登記所における事務に係る手数料を納付するとき。

  第二条第二項中「並びに特許法」を「、特許法」に改め、「特許印紙」の下に「並びに民法施行法、不動産登記法、抵当証券法、商業登記法及び電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律に規定する登記印紙」を加える。

  第三条第一項に次の一号を加える。

  九 登記印紙 郵便局のうち郵政大臣が法務大臣に協議して指定するもの又は郵便切手類売りさばき所若しくは印紙売りさばき所

  第三条第二項中「及び第八号」を「、第八号及び第九号」に改める。

 (郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部改正)

第十条 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律(昭和二十四年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「及び特許印紙」を「、特許印紙及び登記印紙」に改める。

 (郵政事業特別会計法の一部改正)

第十一条 郵政事業特別会計法(昭和二十四年法律第百九号)の一部を次のように改正する。

  第四十条中「特許特別会計に」の下に「、登記印紙に係るものは登記特別会計に」を加える。

 (退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律の一部改正)

第十二条 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「電源開発促進対策特別会計」の下に「、登記特別会計」を加える。

(法務・大蔵・内閣総理大臣署名) 

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