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法律第三十四号(平元・六・二八)

  ◎水質汚濁防止法の一部を改正する法律

 水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第十四条」を「第十四条の二」に改める。

 第一条中「水の排出」の下に「及び地下に浸透する水の浸透」を、「によつて公共用水域」の下に「及び地下水」を加える。

 第二条に次の二項を加える。

4 この法律において「汚水等」とは、特定施設から排出される汚水又は廃液をいう。

5 この法律において「特定地下浸透水」とは、第二項第一号に規定する物質(以下「有害物質」という。)を、その施設において製造し、使用し、又は処理する特定施設(以下「有害物質使用特定施設」という。)を設置する特定事業場(以下「有害物質使用特定事業場」という。)から地下に浸透する水で有害物質使用特定施設に係る汚水等(これを処理したものを含む。)を含むものをいう。

 第三条第二項中「前条第二項第一号に規定する物質(以下「有害物質」という。)」を「有害物質」に改める。

 第五条第六号中「特定施設から排出される汚水又は廃液(以下「汚水等」という。)」を「汚水等」に改め、同条に次の一項を加える。

2 工場又は事業場から地下に有害物質使用特定施設に係る汚水等(これを処理したものを含む。)を含む水を浸透させる者は、有害物質使用特定施設を設置しようとするときは、総理府令で定めるところにより、次の事項を都道府県知事に届け出なければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 工場又は事業場の名称及び所在地

 三 有害物質使用特定施設の種類

 四 有害物質使用特定施設の構造

 五 有害物質使用特定施設の使用の方法

 六 汚水等の処理の方法

 七 特定地下浸透水の浸透の方法

 八 その他総理府令で定める事項

 第六条第一項中「排出するもの」を「排出し、又は特定地下浸透水を浸透させるもの」に改め、「三十日以内に」の下に「、それぞれ」を加え、「前条各号」を「前条第一項各号又は第二項各号」に改める。

 第七条中「第五条第四号」を「第五条第一項第四号」に改め、「事項」の下に「又は同条第二項第四号から第八号までに掲げる事項」を加える。

 第八条中「認めるとき」の下に「、又は特定地下浸透水が有害物質を含むものとして総理府令で定める要件に該当すると認めるとき」を加える。

 第十条中「第五条第一号」を「第五条第一項第一号」に改め、「第二号」の下に「若しくは同条第二項第一号若しくは第二号」を加える。

 第十二条の二の次に次の一条を加える。

 (特定地下浸透水の浸透の制限)

第十二条の三 有害物質使用特定事業場から水を排出する者(特定地下浸透水を浸透させる者を含む。)は、第八条の総理府令で定める要件に該当する特定地下浸透水を浸透させてはならない。

 第十三条の二を第十三条の三とし、第十三条の次に次の一条を加える。

第十三条の二 都道府県知事は、第十二条の三に規定する者が、第八条の総理府令で定める要件に該当する特定地下浸透水を浸透させるおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定めて特定施設の構造若しくは使用の方法若しくは汚水等の処理の方法の改善を命じ、又は特定施設の使用若しくは特定地下浸透水の浸透の一時停止を命ずることができる。

2 前項の規定は、一の施設が特定施設となつた際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)の当該施設を設置している工場又は事業場から地下に浸透する水で当該施設に係る汚水等(これを処理したものを含む。)を含むものについては、当該施設が特定施設となつた日から六月間(当該施設が政令で定める施設である場合にあつては、一年間)は、適用しない。ただし、当該施設が特定施設となつた際既にその水が特定地下浸透水であるとき、及びその者に適用されている地方公共団体の条例でその水について同項の規定に相当するものがあるとき(当該規定による命令に違反する行為に対する処罰規定がないときを除く。)は、この限りでない。

 第十四条第一項中「排出する者」を「排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者」に改め、「当該排出水」の下に「又は特定地下浸透水」を加え、同条第五項を削る。

 第二章中第十四条の次に次の一条を加える。

 (事故時の措置)

第十四条の二 特定事業場の設置者は、当該特定事業場において、特定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質を含む水が当該特定事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く有害物質を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を都道府県知事に届け出なければならない。

2 都道府県知事は、特定事業場の設置者が前項の応急の措置を講じていないと認めるときは、その者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

 第十五条中「公共用水域」の下に「及び地下水」を加える。

 第十六条第一項中「公共用水域」の下に「及び当該区域にある地下水」を加え、同条第二項中「行なう」を「行う」に改め、「公共用水域」の下に「及び地下水」を加え、同条第四項中「公共用水域」の下に「及び地下水」を加える。

 第十六条の次に次の一条を加える。

 (測定の協力)

第十六条の二 地方公共団体の長は、前条第四項の地下水の水質の測定を行うため必要があると認めるときは、井戸の設置者に対し、地下水の水質の測定の協力を求めることができる。

 第十七条中「公共用水域」の下に「及び当該区域にある地下水」を加える。

 第十九条第一項中「(地下へのしみ込みを含む。以下この章において同じ。)」を「又は地下への浸透」に改め、「当該排出」の下に「又は地下への浸透」を加え、同条第二項中「排出」を「汚水又は廃液に含まれた状態での排出又は地下への浸透」に改める。

 第二十条中「排出」の下に「又は地下への浸透」を加える。

 第二十一条第一項中「公共用水域」の下に「及び当該区域にある地下水」を加える。

 第二十二条第一項中「排出水を排出する者」の下に「又は第十二条の三に規定する者」を加える。

 第二十三条第二項中「排出する者」を「排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者」に、「並びに第十四条第三項」を「、第十三条の二第一項、第十四条第三項並びに第十四条の二」に改め、同条第四項中「排出水」の下に「又は特定地下浸透水」を、「公共用水域」の下に「又は地下水」を加え、「又は第十三条第一項若しくは第三項」を「、第十三条第一項若しくは第三項又は第十三条の二第一項」に改める。

 第二十四条第二項、第二十五条第一項及び第二十六条中「公共用水域」の下に「及び地下水」を加える。

 第二十九条を次のように改める。

 (条例との関係)

第二十九条 この法律の規定は、地方公共団体が、次に掲げる事項に関し条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。

 一 排出水について、第二条第二項第二号に規定する項目によつて示される水の汚染状態以外の水の汚染状態(有害物質によるものを除く。)に関する事項

 二 特定地下浸透水について、有害物質による汚染状態以外の水の汚染状態に関する事項

 三 特定事業場以外の工場又は事業場から公共用水域に排出される水について、有害物質及び第二条第二項第二号に規定する項目によつて示される水の汚染状態に関する事項

 四 特定事業場以外の工場又は事業場から地下に浸透する水について、有害物質による水の汚染状態に関する事項

 第三十条中「又は第十三条第一項若しくは第三項」を「、第十三条第一項若しくは第三項又は第十三条の二第一項」に改める。

 第三十一条第一項第二号中「第十八条」を「第十四条の二第二項又は第十八条」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に水質汚濁防止法第二条第二項に規定する特定施設(湖沼水質保全特別措置法(昭和五十九年法律第六十一号)第十四条の規定により特定施設とみなされる施設を除く。以下この項において同じ。)を設置している者(設置の工事をしている者及び改正前の水質汚濁防止法(以下「旧法」という。)第五条の規定による届出をした者であって設置の工事に着手していないものを含む。以下この項において、「特定施設設置者」という。)であって改正後の水質汚濁防止法(以下「新法」という。)第二条第五項に規定する特定地下浸透水(以下単に「特定地下浸透水」という。)を浸透させるものは、この法律の施行の日から三十日以内に、総理府令で定めるところにより、新法第五条第二項各号に掲げる事項(水質汚濁防止法第二条第二項に規定する特定施設を設置している者であって特定地下浸透水を浸透させるもののうち同法第二条第三項に規定する排出水を排出するものにあっては、新法第五条第二項第七号及び第八号に掲げる事項に限る。)を都道府県知事(水質汚濁防止法第二十八条第一項の政令で定める市の区域内の同法第二条第二項に規定する特定施設に係る場合にあっては当該市の長とする。)に届け出なければならない。この場合において、特定施設設置者がこの法律の施行の際現に瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)第五条第一項に規定する特定施設である水質汚濁防止法第二条第二項に規定する特定施設を設置している者(設置の工事をしている者及び瀬戸内海環境保全特別措置法第五条第一項の許可を受けた者であって設置の工事に着手していないものを含む。)であって特定地下浸透水を浸透させるものであるときは、当該特定施設についてのこの届出は、同法第五条第一項の許可を受けた府県知事(同法第二十二条第一項の政令で定める市の区域内の同法第五条第一項に規定する特定施設に係る場合にあっては当該市の長とする。)に対しするものとする。

2 前項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の罰金に処する。

3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

第三条 新法第十二条の三及び第十三条の二第一項の規定は、この法律の施行の際現に水質汚濁防止法第二条第二項に規定する特定施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)の特定事業場から浸透する特定地下浸透水については、この法律の施行の日から六月間は、適用しない。

2 前項の場合において、旧法第十四条第五項の規定は、なおその効力を有する。

 (特定工場における公害防止組織の整備に関する法律の一部改正)

第四条 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(昭和四十六年法律第百七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二号ロ中「(以下「排出水」という。)」の下に「又は特定工場から地下に浸透する水で同法第二条第五項に規定する有害物質使用特定施設から排出される汚水又は廃液(これを処理したものを含む。)を含むもの(以下「特定地下浸透水」という。)」を加える。

  第四条第二号中「排出水」の下に「又は特定地下浸透水」加える。

 (瀬戸内海環境保全特別措置法の一部改正)

第五条 瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を次のように改正する。

  第十二条第一項中「排出する者」の下に「で特定地下浸透水(水質汚濁防止法第二条第五項に規定する特定地下浸透水をいう。次項において同じ。)を浸透させない者」を加え、同条中第二項を第四項とし、第一項の次に次の二項を加える。

 2 水質汚濁防止法第五条第一項、第六条第二項及び第八条の二の規定は、第五条第一項に規定する区域において特定施設を設置する工場又は事業場から排出水を排出する者で特定地下浸透水を浸透させる者に係る当該特定施設については、適用しない。

 3 前項に規定する者及びこの者に係る当該特定施設についての水質汚濁防止法の規定の適用については、次項の規定によるほか、同法第五条第二項中「都道府県知事」とあるのは「府県知事(瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)第五条第二項の申請書を提出する府県知事をいう。以下同じ。)」と、同法第六条第一項中「排出水を排出し、又は特定地下浸透水」とあるのは「特定地下浸透水」と、「前条第一項各号又は第二項各号」とあるのは「前条第二項各号」と、「都道府県知事」とあるのは「府県知事」と、同法第七条中「第五条」とあるのは「第五条第二項」と、「第五条第一項第四号から第八号までに掲げる事項又は同条第二項第四号」とあるのは「第五条第二項第四号」と、「都道府県知事」とあるのは「府県知事」と、同法第八条中「都道府県知事」とあるのは「府県知事」と、「第五条」とあるのは「第五条第二項」と、「排出水の汚染状態が当該特定事業場の排水口(排出水を排出する場所をいう。以下同じ。)においてその排出水に係る排水基準(第三条第一項の排水基準(同条第三項の規定により排水基準が定められた場合にあつては、その排水基準を含む。)をいう。以下単に「排水基準」という。)に適合しないと認めるとき、又は特定地下浸透水」とあるのは「特定地下浸透水」と、同法第九条第一項中「第五条」とあるのは「第五条第二項」と、同条第二項中「都道府県知事」とあるのは「府県知事」と、「第五条」とあるのは「第五条第二項」と、同法第十条中「第五条」とあるのは「第五条第二項」と、「第五条第一項第一号若しくは第二号若しくは同条第二項第一号」とあるのは「第五条第二項第一号」と、「都道府県知事」とあるのは「府県知事」と、同法第十一条第一項及び第二項中「第五条」とあるのは「第五条第二項」と、同条第三項中「第五条」とあるのは「第五条第二項」と、「都道府県知事」とあるのは「府県知事」と、同法第十二条第一項中「排水口」とあるのは「排水口(排出水を排出する場所をいう。以下同じ。」と、「排水基準」とあるのは「排水基準(第三条第一項の排水基準(同条第三項の規定により排水基準が定められた場合にあつては、その排水基準を含む。)をいう。以下単に「排水基準」という。)」と、同法第二十三条第二項中「排出水を排出し、又は特定地下浸透水」とあるのは「特定地下浸透水」と、「第五条」とあるのは「第五条第二項、第六条」と、同条第三項中「第五条」とあるのは「第五条第二項」と、「当該特定施設を設置する工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県知事」とあるのは「府県知事(第十四条第三項の規定による届出事項に該当する事項の通知にあつては当該特定施設を設置する工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県知事)」と、同条第四項中「都道府県知事」とあるのは「都道府県知事(第八条の規定に相当する鉱山保安法、電気事業法又は海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の規定による措置の要請にあつては府県知事)」と、「第八条、第八条の二」とあるのは「第八条」と、「第八条又は第八条の二」とあるのは「第八条」と、同条第五項中「都道府県知事」とあるのは「都道府県知事(第八条の規定に相当する鉱山保安法、電気事業法又は海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の規定による措置の要請に対して講じた措置の通知にあつては府県知事)」とする。

 (湖沼水質保全特別措置法の一部改正)

第六条 湖沼水質保全特別措置法の一部を次のように改正する。

  第十四条を次のように改める。

  (みなし特定施設に係る排出水の排出の規制等)

 第十四条 指定地域においては、湖沼の水質にとつて水質汚濁防止法第二条第二項第二号に規定する程度の汚水又は廃液を排出する施設として政令で定める施設について、これを同項に規定する特定施設とみなし、同法の規定(第五条第二項、第十二条の三及び第十三条の二を除く。)を適用する。この場合において、同法第六条第一項中「なつた際」とあるのは「なつた際又は一の地域が湖沼水質保全特別措置法第三条第二項の指定地域となつた際」と、「排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる」とあるのは「排出する」と、「なった日」とあるのは「なつた日又は当該地域が同項の指定地域となつた日」と、「前条第一項各号又は第二項各号」とあるのは「前条第一項各号」と、同法第七条中「第五条」とあるのは「第五条第一項」と、「事項又は同条第二項第四号から第八号までに掲げる事項」とあるのは「事項」と、同法第八条中「第五条」とあるのは「第五条第一項」と、「認めるとき、又は特定地下浸透水が有害物質を含むものとして総理府令で定める要件に該当すると認めるとき」とあるのは「認めるとき」と、同法第九条中「第五条」とあるのは「第五条第一項」と、同法第十条中「第五条」とあるのは「第五条第一項」と、「第二号若しくは同条第二項第一号若しくは第二号」とあるのは「第二号」と、同法第十一条中「第五条」とあるのは「第五条第一項」と、同法第十二条第二項中「なつた際」とあるのは「なつた際又は一の地域が湖沼水質保全特別措置法第三条第二項の指定地域となつた際」と、「なつた日」とあるのは「なつた日又は当該地域が同項の指定地域となつた日」と、「六月間」とあるのは「一年間」と、「一年間」とあるのは「三年間」と、同法第十三条第四項中「第二条第二項」とあるのは「湖沼水質保全特別措置法第十四条」と、「政令又は」とあるのは「政令若しくは」と、「改正」とあるのは「改正又は同法第三条第二項の指定地域の指定若しくはその変更」と、同法第十四条第一項中「排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる」とあるのは「排出する」と、「排出水又は特定地下浸透水」とあるのは「排出水」と、同法第十四条の二第一項中「排出され、又は地下に浸透した」とあるのは「排出された」と、「排出又は浸透」とあるのは「排出」と、同法第二十二条第一項中「排出水を排出する者又は第十二条の三に規定する者」とあるのは「排出水を排出する者」と、同法第二十三条第二項中「排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる」とあるのは「排出する」と、「第五条」とあるのは「第五条第一項、第六条」と、「第三項、第十三条の二第一項」とあるのは「第三項」と、同条第三項中「第五条」とあるのは「第五条第一項」と、同条第四項中「排出水又は特定地下浸透水」とあるのは「排出水」と、「公共用水域又は地下水」とあるのは「公共用水域」と、「、第十三条第一項若しくは第三項又は第十三条の二第一項」とあるのは「又は第十三条第一項若しくは第三項」とする。

(内閣総理・通商産業大臣署名) 

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