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法律第四十八号(平四・五・二〇)

  ◎金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律

 金属鉱業等鉱害対策特別措置法(昭和四十八年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

 題名の次に次の目次及び章名を付する。

目次

 第一章 総則(第一条―第三条)

 第二章 基本方針及び鉱害防止事業計画(第四条―第六条)

 第三章 鉱害防止積立金(第七条―第十一条)

 第四章 鉱害防止事業基金等

  第一節 鉱害防止事業基金(第十二条―第十五条)

  第二節 指定鉱害防止事業機関(第十六条―第三十二条)

 第五章 監督(第三十三条・第三十四条)

 第六章 雑則(第三十五条―第三十九条)

 第七章 罰則(第四十条―第四十五条)

 附則

   第一章 総則

 第一条中「確実な」を「確実かつ永続的な」に、「鉱害防止積立金」を「使用中のこれらの施設について鉱害防止積立金」に改め、「について」の下に「鉱害防止事業基金及び指定鉱害防止事業機関の制度を設けて」を加える。

 第二条に次の二項を加える。

5 この法律において「使用済特定施設」とは、特定施設のうち、その使用を終了したものをいう。

6 この法律において「指定特定施設」とは、採掘権者又は租鉱権者(鉱山保安法第二十六条第二項の規定により採掘権者又は租鉱権者とみなされる者を含む。第七条第一項、第十条第一項、第三十三条第一項及び第三十四条を除き、以下同じ。)が同法第四条の規定により措置を講じなければならないものとされる使用済特定施設のうち、次に掲げるものとして、通商産業省令で定めるところにより、通商産業大臣が指定するものをいう。

 一 当該使用済特定施設について、第五条第一項に規定する鉱害防止事業計画(同項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。)に基づいて鉱害防止事業を実施した後においても、当該使用済特定施設に係る坑水又は廃水の汚染の状態、量その他の状況が通商産業省令で定める基準に適合せず、当該使用済特定施設に係る鉱害防止事業を確実かつ永続的に実施することが必要であると見込まれること。

 二 前号に掲げるもののほか、自然的及び社会的条件に照らし、当該使用済特定施設に係る鉱害防止事業を確実かつ永続的に実施することが特に必要であると認められること。

 第三条の次に次の章名を付する。

   第二章 基本方針及び鉱害防止事業計画

 第四条の見出し中「使用済特定施設に係る鉱害防止事業」を「鉱害防止事業の実施」に改め、同条第一項中「この法律の施行前に使用を終了している特定施設(以下「使用済特定施設」という。)」を「特定施設」に改め、同条第二項中「使用済特定施設」を「特定施設」に改め、同条第五項中「であつて当該鉱物が金属鉱物等となつた日前に使用を終了しているもの」を削る。

 第五条の見出しを「(鉱害防止事業計画の届出等)」に改め、同条第一項中「(前条第五項に規定する特定施設を含む。以下同じ。)」を削り、「使用済特定施設鉱害防止事業計画(以下「事業計画」という。)」を「鉱害防止事業計画」に改め、同条第二項中「事業計画」を「鉱害防止事業計画」に、「添附し」を「添付し」に改め、同条第三項中「事業計画」を「鉱害防止事業計画」に、「九十日」を「六月」に改め、同条第四項中「事業計画」を「鉱害防止事業計画」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項の次に次の二項を加える。

4 鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長は、第二条第六項の規定による指定が行われた場合において、当該指定特定施設に係る鉱害防止事業を確実かつ永続的に実施するため必要があると認めるときは、その指定の日から一年以内に限り、当該採掘権者又は租鉱権者に対し、当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画の変更を命ずることができる。

5 鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長は、天災その他通商産業省令で定めるやむを得ない事由により当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画に基づいて鉱害防止事業を実施することができなくなつたときは、その事由が生じたことを知つた日から一年以内に限り、当該採掘権者又は租鉱権者に対し、当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画の変更を命ずることができる。

 第六条中「前条第一項の規定による届出に係る事業計画に従つて」を「採掘権者又は租鉱権者が鉱害防止事業計画に基づいて」に改め、同条の次に次の章名を付する。

   第三章 鉱害防止積立金

 第七条第一項中「第十四条第一項を除き、以下同じ」を「以下この条において同じ」に改める。

 第十九条中「前三条」を「第四十条、第四十一条又は第四十三条」に改め、同条を第四十五条とする。

 第十八条中「第十四条第一項」を「第三十六条第一項」に、「五万円」を「三十万円」に改め、同条を第四十三条とし、同条の次に次の一条を加える。

 第四十四条 次の各号の一に該当するときは、その違反行為をした指定鉱害防止事業機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十二条の許可を受けないで鉱害防止業務の全部を廃止したとき。

 二 第二十九条第一項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は同条第二項の規定に違反して帳簿を保存しなかつたとき。

 三 第三十六条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

 第十七条中「二十万円」を「百万円」に改め、同条第二号中「第五条第三項」の下に「から第五項まで」を加え、同条を第四十一条とし、同条の次に次の一条を加える。

第四十二条 次の各号の一に該当するときは、その違反行為をした指定鉱害防止事業機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 一 第十四条第三項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 二 第十四条第四項において準用する第五条第五項の規定による命令に違反したとき。

 三 第二十八条の規定による鉱害防止業務の停止の命令に違反したとき。

 第十六条の前の見出しを削り、同条中「第十二条第一項」を「第三十三条第一項」に、「三十万円」を「三百万円」に改め、同条を第四十条とする。

 第十五条を削る。

 第十四条第一項中「租鉱権者」の下に「(鉱山保安法第二十六条第二項の規定により採掘権者若しくは租鉱権者とみなされる者を含む。)」を加え、同条第三項中「第一項」の下に「又は第二項」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定鉱害防止事業機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告を求め、又はその職員に、指定鉱害防止事業機関の事務所若しくは事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

 第十四条を第三十六条とし、同条の次に次の三条及び章名を加える。

 (聴聞)

第三十七条 通商産業大臣又は通商産業局長は、第二十五条、第二十八条又は第三十四条の規定による処分をする場合においては、当該処分に係る者に対し、相当な期間を置いて予告をした上、公開による聴聞を行わなければならない。

2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。

3 聴聞に際しては、当該処分に係る者及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。

 (経過措置)

第三十八条 この法律の規定に基づき通商産業省令を制定し、又は改廃する場合においては、その通商産業省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

 (権限の委任)

第三十九条 この法律に規定する通商産業大臣の権限は、通商産業省令で定めるところにより、鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長に委任することができる。

   第七章 罰則

 第十三条第二項を削り、同条を第三十四条とし、同条の次に次の章名及び一条を加える。

   第六章 雑則

 (準用)

第三十五条 金属鉱業事業団法(昭和三十八年法律第七十八号)第二十条の九の規定は、第十二条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により鉱害防止事業基金に拠出しなければならない金銭について準用する。この場合において、同法第二十条の九第一項中「前条」とあるのは「金属鉱業等鉱害対策特別措置法第十二条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)」と、同条第一項から第三項までの規定中「納付義務者」とあるのは「採掘権者又は租鉱権者(鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)第二十六条第二項の規定により採掘権者又は租鉱権者とみなされる者を含む。)」と読み替えるものとする。

2 鉱業法第百七十一条から第百七十七条までの規定は前条の規定による通商産業局長の処分についての審査請求について、同法第百八十条の規定はその処分の取消しの訴えについて準用する。

 第十二条第一項第二号中「第五条第三項」の下に「から第五項まで」を加え、同条を第三十三条とする。

 第十一条の次に次の一章及び章名を加える。

   第四章 鉱害防止事業基金等

    第一節 鉱害防止事業基金

 (鉱害防止事業基金)

第十二条 採掘権者又は租鉱権者は、第二条第六項の規定による指定の日の属する年度(その指定が当該年度の初日の属する年の十月一日から翌年の三月三十一日までの間に行われた場合にあつては、その指定の日の属する年度の翌年度)の初日から起算して六年を超えない範囲内で次項に規定する必要な費用の額を勘案して通商産業省令で定める期間が終了する日の属する年度までの毎年度、その指定特定施設ごとに、鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長が同項の規定により通知する額の金銭を、金属鉱業事業団に設けられた鉱害防止事業基金に拠出しなければならない。

2 鉱害防止事業基金に拠出する金銭の額は、当該指定特定施設に係る次条第一項に規定する鉱害防止業務を永続的に実施するために必要な費用の財源をその運用によつて得ることができる額及びその拠出する期間を基礎とし、通商産業省令で定める算定基準に従い、鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長が算定して通知する額とする。

3 第一項の規定は、天災その他通商産業省令で定めるやむを得ない事由により当該指定特定施設に係る次条第一項に規定する鉱害防止業務を永続的に実施するために必要な費用の財源をその運用によつて得ることができなくなつた場合について準用する。この場合において、第一項中「第二条第六項の規定による指定の日の属する年度(その指定が当該年度の初日の属する年の十月一日から翌年の三月三十一日までの間に行われた場合にあつては、その指定の日の属する年度の翌年度)の初日から起算して六年」とあるのは、「その事由が生じた日の属する年度の初日から起算して三年」と読み替えるものとする。

4 第十条第一項の規定は、鉱害防止事業基金について準用する。この場合において、同項中「採掘権者又は租鉱権者」とあるのは「採掘権者又は租鉱権者(鉱山保安法第二十六条第二項の規定により採掘権者又は租鉱権者とみなされる者を含む。)」と、「積み立てた」とあるのは「拠出した」と読み替えるものとする。

 (鉱害防止業務の実施)

第十三条 前条第一項の規定による鉱害防止事業基金への拠出を終了した採掘権者又は租鉱権者がその鉱害防止事業計画に基づいて実施する当該指定特定施設に係る鉱害防止事業その他当該指定特定施設について鉱山保安法の規定により講じなければならない措置(以下「鉱害防止業務」という。)は、通商産業大臣が指定する者(以下「指定鉱害防止事業機関」という。)が行う。

2 鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第百四条及び第百六条から第百八条まで並びに鉱山保安法第三十一条の二の規定は、前項の規定により鉱害防止業務を実施する指定鉱害防止事業機関について準用する。

3 金属鉱業事業団は、第一項の規定により鉱害防止業務を実施する指定鉱害防止事業機関から支払の請求を受けたときは、通商産業省令で定めるところにより、当該指定特定施設に係る鉱害防止事業基金の運用により生ずる収入の範囲内で、当該鉱害防止業務を実施するために必要な費用を支払うものとする。

4 鉱山保安法の規定は、第一項に規定する採掘権者又は租鉱権者の指定特定施設について同項の規定により指定鉱害防止事業機関が鉱害防止業務を実施しているときは、その実施している鉱害防止業務の範囲において、その指定特定施設については、適用しない。

 (採掘権者又は租鉱権者の不存在)

第十四条 前条第一項に規定する採掘権者又は租鉱権者が存しなくなつたときは、当該指定特定施設に係る鉱害防止業務は、その鉱害防止業務を実施していた指定鉱害防止事業機関が当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画に基づいて行うものとする。

2 前条第二項及び第三項の規定は、前項に規定する場合における鉱害防止事業の実施について準用する。

3 第一項の規定により鉱害防止事業を実施する指定鉱害防止事業機関は、第五条第五項に規定する事由により当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画に基づいて鉱害防止事業を実施することができなくなつたとき、その他特に必要があると認めるときは、当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画を変更することができる。この場合において、当該指定鉱害防止事業機関は、通商産業省令で定めるところにより、これを鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長に届け出なければならない。

4 第五条第二項の規定は前項の規定による届出について、同条第五項の規定は当該届出に係る鉱害防止事業計画について準用する。

5 採掘権者又は租鉱権者が存しなくなつた場合であつて、当該採掘権者又は租鉱権者が第十二条第一項の規定による鉱害防止事業基金への拠出を終了していないときは、当該採掘権者又は租鉱権者の鉱害防止事業基金への拠出は、当該採掘権者又は租鉱権者が存しなくなつたときに終了したものとみなして、前条第一項から第三項まで及び前各項の規定を適用する。この場合において、第一項中「その鉱害防止業務を実施していた指定鉱害防止事業機関」とあるのは、「通商産業省令で定めるところにより、指定鉱害防止事業機関」とする。

 (通商産業省令への委任)

第十五条 この節に規定するもののほか、鉱害防止事業基金への拠出並びに鉱害防止業務及び鉱害防止事業の実施に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。

    第二節 指定鉱害防止事業機関

 (指定)

第十六条 第十三条第一項の指定は、通商産業省令で定めるところにより、鉱害防止業務を行おうとする者の申請により行う。

 (欠格条項)

第十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、第十三条第一項の指定を受けることができない。

 一 この法律、鉱山保安法若しくは鉱業法又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

 二 第二十八条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

 三 その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者

  イ 第一号に該当する者

  ロ 第二十五条の規定による命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者

 (指定の基準)

第十八条 通商産業大臣は、第十六条の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。

 一 鉱害防止業務を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。

 二 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であつて、その役員又は職員の構成が鉱害防止業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること。

 三 鉱害防止業務以外の業務を行つているときは、その業務を行うことによつて鉱害防止業務が不公正になるおそれがないものであること。

 四 その指定をすることによつて鉱害防止業務の適確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。

 (鉱害防止業務の実施義務)

第十九条 指定鉱害防止事業機関は、通商産業大臣から鉱害防止業務を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、その鉱害防止業務を行わなければならない。

 (変更の届出)

第二十条 指定鉱害防止事業機関は、その名称又は鉱害防止業務を行う事務所若しくは事業場の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、通商産業大臣に届け出なければならない。

 (業務規程)

第二十一条 指定鉱害防止事業機関は、鉱害防止業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 業務規程で定めるべき事項は、通商産業省令で定める。

3 通商産業大臣は、第一項の認可をした業務規程が鉱害防止業務の公正な遂行上不適当となつたと認めるときは、指定鉱害防止事業機関に対し、業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

 (業務の休廃止)

第二十二条 指定鉱害防止事業機関は、通商産業大臣の許可を受けなければ、鉱害防止業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

 (事業計画等)

第二十三条 指定鉱害防止事業機関は、毎事業年度開始前に(第十三条第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 指定鉱害防止事業機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、通商産業大臣に提出しなければならない。

 (役員の選任及び解任)

第二十四条 指定鉱害防止事業機関の役員の選任及び解任は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (解任命令)

第二十五条 通商産業大臣は、指定鉱害防止事業機関の役員が、この法律、鉱山保安法若しくは鉱業法若しくはこれらの法律に基づく命令の規定又は業務規程に違反したときは、その指定鉱害防止事業機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

 (役員及び職員の地位)

第二十六条 鉱害防止業務に従事する指定鉱害防止事業機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

 (適合命令等)

第二十七条 通商産業大臣は、指定鉱害防止事業機関が第十八条第一号から第三号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定鉱害防止事業機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 通商産業大臣は、前項に定めるもののほか、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定鉱害防止事業機関に対し、鉱害防止業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (指定の取消し等)

第二十八条 通商産業大臣は、指定鉱害防止事業機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて鉱害防止業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 この節の規定に違反したとき。

 二 第十七条第一号又は第三号に該当するに至つたとき。

 三 第二十一条第一項の認可を受けた業務規程によらないで鉱害防止業務を行つたとき。

 四 第二十一条第三項、第二十五条又は前条の規定による命令に違反したとき。

 五 不正の手段により指定を受けたとき。

 (帳簿の記載)

第二十九条 指定鉱害防止事業機関は、帳簿を備え、鉱害防止業務に関し通商産業省令で定める事項を記載しなければならない。

2 前項の帳簿は、通商産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。

 (金属鉱業事業団等による鉱害防止業務)

第三十条 通商産業大臣は、指定鉱害防止事業機関が第二十二条の許可を受けて鉱害防止業務の全部若しくは一部を休止し、若しくは廃止したとき、第二十八条の規定により指定鉱害防止事業機関の指定を取り消したとき、同条の規定により指定鉱害防止事業機関に対し鉱害防止業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定鉱害防止事業機関が天災その他の事由により鉱害防止業務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該鉱害防止業務の全部又は一部を金属鉱業事業団、他の指定鉱害防止事業機関その他の通商産業省令で定める者のうち、その指定するもの(以下「金属鉱業事業団等」という。)に行わせるものとする。

2 第十三条第二項から第四項まで及び第十四条第一項から第四項までの規定は、前項の規定により鉱害防止業務を実施する金属鉱業事業団等について準用する。

3 金属鉱業事業団等が第一項の規定により鉱害防止業務の全部又は一部を行う場合における鉱害防止業務の引継ぎその他の必要な事項については、通商産業省令で定める。

 (公示)

第三十一条 通商産業大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

 一 第十三条第一項又は前条第一項の指定をしたとき。

 二 第二十条の規定による届出があつたとき。

 三 第二十二条の許可をしたとき。

 四 第二十八条の規定により指定を取り消し、又は鉱害防止業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。

 五 前条第一項の規定により金属鉱業事業団等が鉱害防止業務の全部若しくは一部を行うこととするとき、又は金属鉱業事業団等が行つていた鉱害防止業務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。

 (通商産業省令への委任)

第三十二条 この節に規定するもののほか、指定鉱害防止事業機関及び金属鉱業事業団等の行う鉱害防止業務に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。

   第五章 監督

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行前に改正前の金属鉱業等鉱害対策特別措置法(以下「旧法」という。)第五条第一項の規定による届出をした者は、改正後の金属鉱業等鉱害対策特別措置法(以下「新法」という。)第五条第一項の規定による届出をしたものとみなす。

第三条 この法律の施行の際現にその使用を終了している特定施設(旧法の施行前にその使用を終了しているものを除く。)に係る採掘権者若しくは租鉱権者又は採掘権者若しくは租鉱権者であった者は、旧法第七条第一項の規定により積み立てなければならない金銭であってこの法律の施行の日の前日までに積み立てていないものがあるときは、通商産業省令で定めるところにより、その額に相当する額の金銭を新法第七条第一項の鉱害防止積立金として積み立てなければならない。

2 新法第三十三条、第三十四条及び第三十七条の規定は、前項の規定により金銭を積み立てなければならない者について準用する。

3 前項において準用する新法第三十三条第一項の規定による命令に違反した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、同項の罰金刑を科する。

第四条 この法律の施行前に行われた旧法第十二条の規定による命令及び旧法第十三条の規定による取消しについては、なお従前の例による。

第五条 この法律の施行前にした行為及び前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (金属鉱業事業団法の一部改正)

第六条 金属鉱業事業団法(昭和三十八年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。

  第十八条第一項中第十七号を第十八号とし、第十六号を第十七号とし、第十五号を第十六号とし、第十四号の次に次の一号を加える。

  十五 金属鉱業等鉱害対策特別措置法第十二条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により拠出される金銭の徴収及びその運用並びに同法第十三条第三項(同法第十四条第二項及び第三十条第二項において準用する場合を含む。)の規定による必要な費用の支払

  第十八条第三項中「第一項第十七号」を「第一項第十八号」に改める。

  第二十三条の二中「に係る経理」の下に「、第十八条第一項第十四号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)に係る経理及び同項第十五号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。以下「第十五号業務」という。)に係る経理」を加え、「特別の勘定」を「それぞれ、特別の勘定(以下「特別勘定」という。)」に改める。

  第二十四条第一項及び第二項中「事業団は」の下に「、特別勘定以外の一般の勘定において」を加え、同条に次の三項を加える。

 4 前三項の規定は、精密調査に係る特別勘定に準用する。

 5 第一項及び第二項の規定は、精密調査に係る特別勘定以外の特別勘定に準用する。この場合において、第一項中「その残余の額を国庫に納付しなければならない」とあるのは「その残余の額(第十五号業務に係る特別勘定にあつては、その残余の額に通商産業省令で定める率を乗じて得た額以上の額)を積立金として積み立てなければならない」と、第二項中「これを」とあるのは「前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は」と読み替えるものとする。

 6 事業団は、第十五号業務に係る特別勘定において、前項において準用する第一項の規定による積立てを行つた後、なお残余があるときは、通商産業大臣の認可を受けて、その残余の額を第二十六条の二第一項の鉱害防止事業基金に組み入れることができる。

  第二十六条の次に次の一条を加える。

  (鉱害防止事業基金)

 第二十六条の二 事業団は、第十五号業務に関して、鉱害防止事業基金を設け、金属鉱業等鉱害対策特別措置法第十二条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により拠出された金額と第二十四条第六項の規定により組み入れられた金額の合計額に相当する金額をもつてこれに充てるものとする。

 2 前条の規定は、鉱害防止事業基金を運用する場合に準用する。この場合において、同条第四号中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補てんの契約のあるもの」と読み替えるものとする。

  第三十四条第四号中「余裕金」の下に「を運用し、又は第二十六条の二第二項において準用する第二十六条の規定に違反して鉱害防止事業基金」を加える。

 (通商産業大臣臨時代理・内閣総理大臣署名) 

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