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法律第百十三号(平六・一二・一四)

  ◎主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律

目次

 第一章 総則(第一条―第三条)

 第二章 米穀の需給及び価格の安定を図るための措置

  第一節 基本計画(第四条)

  第二節 計画的な流通の確保に関する措置

   第一款 生産者(第五条)

   第二款 出荷取扱業(第六条―第二十七条)

   第三款 自主流通法人(第二十八条―第三十四条)

   第四款 販売業(第三十五条―第四十七条)

   第五款 自主流通米価格形成センター(第四十八条―第五十八条)

  第三節 政府の買入れ及び売渡し等(第五十九条―第六十五条)

 第三章 麦その他主要食糧の需給及び価格の安定を図るための措置(第六十六条―第七十一条)

 第四章 雑則(第七十二条―第八十三条)

 第五章 罰則(第八十四条―第九十二条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、主要な食糧である米穀及び麦が主食としての役割を果たし、かつ、重要な農産物としての地位を占めていることにかんがみ、米穀の生産者から消費者までの計画的な流通を確保するための措置並びに政府による主要食糧の買入れ、輸入及び売渡しの措置を総合的に講ずることにより、主要食糧の需給及び価格の安定を図り、もって国民生活と国民経済の安定に資することを目的とする。

 (主要食糧の需給及び価格の安定を図るための基本方針)

第二条 政府は、米穀の需給及び価格の安定を図るため、米穀の需給の適確な見通しを策定し、これに基づき、計画的にかつ整合性をもって、米穀の需給の均衡を図るための生産調整の円滑な推進、米穀の供給が不足する事態に備えた備蓄の機動的な運営及び消費者が必要とする米穀の適正かつ円滑な流通の確保を図るとともに、米穀の適切な買入れ、輸入及び売渡しを行うものとする。

2 政府は、麦の需給及び価格の安定を図るため、その適切な買入れ、輸入及び売渡しを行うものとする。

 (定義)

第三条 この法律において「主要食糧」とは、米穀、麦(小麦、大麦及びはだか麦をいう。以下同じ。)その他政令で定める食糧(これらを加工し、又は調製したものであって政令で定めるものを含む。)をいう。

2 この法律において「米穀の生産調整」とは、農林水産大臣が定めた米穀の生産の目標を基礎として政令で定めるところにより農業者ごとに定められた面積の水田(災害により稲の作付けが著しく困難となった土地その他農林水産省令で定める土地を含む。)で農林水産省令で定める要件に該当するものについて、政令で定めるところにより、稲以外の作物の作付けその他の農林水産省令で定める方法による米穀(飼料の用その他農林水産大臣が定める用途に供するものを除く。)の生産活動の調整を行うことをいい、「生産調整実施者」とは、当該生産活動の調整を実施した者をいう。

3 この法律において「米穀の備蓄」とは、米穀の生産量の減少によりその供給が不足する事態に備え、必要な数量の米穀を在庫として保有することをいう。

4 この法律において「計画流通数量」とは、消費者に対し計画的な供給を図るものとして、農林水産大臣が定める米穀の数量をいう。

5 この法律において「計画出荷数量」とは、生産者からの計画的な出荷がなされるものとして、農林水産大臣が計画流通数量を勘案して定める米穀の数量をいう。

6 この法律において「自主流通米」とは、計画出荷数量に係る米穀のうち生産者から登録出荷取扱業者に売り渡され、又は売渡しが委託されるものであって、第三十条第一項の認可を受けた自主流通計画に従い、流通するものをいう。

7 この法律において「政府米」とは、計画出荷数量に係る米穀のうち生産調整実施者から政府が買い入れ、売り渡すもの及び輸入に係る米穀であって政府が取得し、売り渡すものをいう。

8 この法律において「計画流通米」とは、自主流通米及び政府米をいう。

9 この法律において「第一種出荷取扱業」とは、米穀の生産者から第五条第一項の計画出荷米の売渡し又は売渡しの委託を受けることによりその出荷を取り扱う業務をいい、「第一種登録出荷取扱業者」とは、第一種出荷取扱業を行うことについて第六条第一項又は第十条第二項の登録を受けた者をいう。

10 この法律において「第二種出荷取扱業」とは、第一種登録出荷取扱業者から第五条第一項の計画出荷米の売渡し又は売渡しの委託を受けることによりその出荷を取り扱う業務をいい、「第二種登録出荷取扱業者」とは、第二種出荷取扱業を行うことについて第六条第一項又は第二十七条第一項において準用する第十条第二項の登録を受けた者をいう。

11 この法律において「出荷取扱業」とは、第一種出荷取扱業及び第二種出荷取扱業をいい、「登録出荷取扱業者」とは、第一種登録出荷取扱業者及び第二種登録出荷取扱業者をいう。

12 この法律において「卸売業」とは、計画流通米の卸売の業務をいい、「登録卸売業者」とは、卸売業を行うことについて第三十五条第一項又は第四十一条第一項において準用する第十条第二項の登録を受けた者をいう。

13 この法律において「小売業」とは、計画流通米の小売の業務をいい、「登録小売業者」とは、小売業を行うことについて第三十五条第一項又は第四十七条第一項において準用する第十条第二項の登録を受けた者をいう。

14 この法律において「販売業」とは、卸売業及び小売業をいう。

   第二章 米穀の需給及び価格の安定を図るための措置

    第一節 基本計画

 (基本計画)

第四条 農林水産大臣は、米穀の需給及び価格の安定を図るため、政令で定めるところにより、毎年、米穀の需給及び価格の安定に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。

2 基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 米穀の需給及び価格の安定に関する基本方針

 二 米穀の需給の見通しに関する事項

 三 米穀の生産の目標その他米穀の生産調整に関する事項

 四 米穀の備蓄の目標数量その他米穀の備蓄の運営に関する事項

 五 計画出荷数量及び計画出荷数量のうち米穀の備蓄の運営のために政府が買い入れる米穀の種類別の数量に関する事項

 六 計画流通数量並びにその国内産又は外国産の別、自主流通米又は政府米の別及びその種類別の数量に関する事項

 七 前号に掲げる数量について、政令で定めるところにより、地域別又は期間別に定める数量に関する事項

 八 米穀の輸入数量及びその種類別の数量に関する事項

 九 その他米穀の需給及び価格の安定に関する重要事項

3 農林水産大臣は、基本計画を作成するに当たっては、当該基本計画が米穀の生産者の適確な営農活動に資するものとなるよう、政令で定めるところにより、あらかじめ、前項第二号、第三号及び第五号に掲げる事項につき、その計画的な生産及び出荷の指針となるべきものを定め、これを公表するものとする。

4 農林水産大臣は、基本計画(第二項第七号に掲げる事項を除く。第六項において同じ。)を定めようとするときは、米穀の需給事情等に関し学識経験を有する者及び関係者の意見を聴くものとする。

5 農林水産大臣は、第二項第七号に掲げる地域別の数量を定めようとするときは、あらかじめ、その関係部分について関係都道府県知事の意見を聴くものとし、当該数量を定めたときは、遅滞なく、当該関係部分について関係都道府県知事に通知するものとする。

6 農林水産大臣は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

7 農林水産大臣は、米穀の需給事情その他の経済事情に変動が生じた場合において、特に必要があると認めるときは、基本計画を変更することができる。

8 第四項から第六項までの規定は、前項の規定による基本計画の変更について準用する。

    第二節 計画的な流通の確保に関する措置

     第一款 生産者

 (米穀の売渡先等)

第五条 米穀の生産者は、その生産した米穀のうち、基本計画において定められた計画出荷数量を基礎として、政令で定めるところにより、農林水産大臣が米穀の生産者ごとに定める数量(以下「計画出荷基準数量」という。)に係る米穀(以下「計画出荷米」という。)について、政令で定めるところにより、自主流通米として第一種登録出荷取扱業者に売り渡し、若しくは売渡しを委託し、又は政府米として政府に売り渡し、若しくは第一種登録出荷取扱業者に売渡しを委託しなければならない。この場合において、当該売渡し(委託による売渡しを含む。)に係る米穀は、農林水産省令で定めるところにより計画出荷米である旨の表示が付された米穀でなければならない。

2 前項の規定による政府米としての売渡し(委託による売渡しを含む。)は、米穀の生産者が生産調整実施者である場合において、基本計画において定められた政府が買い入れる米穀の数量を基礎として、政令で定めるところにより、農林水産大臣が当該生産調整実施者ごとに定める数量に係る米穀について、行うことができる。

3 米穀の生産者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣に計画出荷基準数量の変更を申請することができる。この場合において、農林水産大臣は、米穀の計画的な流通の確保に支障を及ぼすおそれがあるとして政令で定める場合を除き、その変更を承認するものとする。

4 米穀の生産者(政令で定める者に限る。)は、第一項の規定により計画出荷米について第一種登録出荷取扱業者に売り渡し、又は売渡しを委託しようとする場合には、農林水産省令で定めるところにより、第一種登録出荷取扱業者と米穀の出荷に係る契約(以下「出荷契約」という。)をして、するものとする。

5 米穀の生産者は、その生産した米穀で計画出荷米以外のものを売り渡す場合には、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、当該売渡しに係る数量を農林水産大臣に届け出なければならない。

     第二款 出荷取扱業

 (出荷取扱業の登録)

第六条 出荷取扱業を行おうとする者は、農林水産大臣の登録を受けなければならない。

2 前項の登録は、第一種出荷取扱業及び第二種出荷取扱業の区分により、都道府県の区域ごとに行う。

 (第一種出荷取扱業の登録の申請)

第七条 第一種出荷取扱業の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を農林水産大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 二 営業所の所在地

 三 法人にあっては、第一種出荷取扱業を行う役員の氏名

 四 第一種出荷取扱業を行う都道府県の区域

 五 第一種出荷取扱業に必要な施設の状況

2 前項の申請書には、第一種出荷取扱業について農林水産省令で定める事項を記載した事業計画書及び第九条第一項第五号から第七号までに該当しないことを誓約する書面その他の農林水産省令で定める書類を添付しなければならない。

 (第一種出荷取扱業の登録の実施)

第八条 農林水産大臣は、前条の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項を第一種登録出荷取扱業者登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第一項第一号から第四号までに掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 農林水産大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (第一種出荷取扱業の登録の拒否)

第九条 農林水産大臣は、第一種出荷取扱業の登録の申請者が次の各号の一に該当するとき、又は第七条第一項の申請書若しくは同条第二項の事業計画書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 第一種出荷取扱業を適確に遂行するに足りる資力信用を有しない者

 二 第一種出荷取扱業に通常必要と認められる施設で農林水産省令で定めるものを権原に基づいて利用できない者

 三 申請者と出荷契約を締結しているその申請に係る都道府県の区域内の米穀の生産者の数が政令で定める数以上であり、かつ、当該申請者と出荷契約を締結している当該区域内の米穀の生産者が農林水産省令で定めるところにより当該申請者に売渡し又は売渡しの委託(以下「売渡し等」という。)をしようとする当該生産の計画出荷米の数量が政令で定める数量以上であると認められない者

 四 申請に係る都道府県の区域内の第二種登録出荷取扱業者若しくは第二種出荷取扱業の登録を受けようとする者又は第二十八条第三項の自主流通法人若しくは同項の自主流通法人の指定を受けようとする者と、農林水産省令で定めるところにより、第三十条第一項の自主流通計画に係る売渡し等についての契約(以下「自主流通契約」という。)を締結している者でない者

 五 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

 六 第十九条(第二十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定により出荷取扱業の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

 七 法人であって、第一種出荷取扱業を行う役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの

 八 第一種登録出荷取扱業者で第一種出荷取扱業を当該登録の有効期間の満了前に廃止しようとするものから当該第一種出荷取扱業を譲り受けて引き続き当該第一種出荷取扱業を行おうとする者である場合にあっては、当該第一種登録出荷取扱業者から当該第一種出荷取扱業に係る債権債務のすべてを承継する者でない者

2 農林水産大臣は、前項の規定により第一種出荷取扱業の登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (第一種出荷取扱業の登録の有効期間等)

第十条 第一種出荷取扱業の登録は、毎年、農林水産省令で定める期日に行うものとし、その有効期間は、当該期日から起算して三年とする。ただし、第一種登録出荷取扱業者の行う第一種出荷取扱業を譲り受けて当該第一種出荷取扱業を行おうとする者に係る登録の有効期間は、三年を超えない範囲内において農林水産省令で定めるところによる。

2 前項の有効期間の満了後引き続き第一種出荷取扱業を行おうとする者は、更新の登録を受けなければならない。

3 第七条から前条まで及び第一項前段の規定は、前項の更新の登録について準用する。

 (第一種出荷取扱業の承継)

第十一条 第一種登録出荷取扱業者について相続又は合併があったときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の協議により第一種出荷取扱業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この項において同じ。)又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、その第一種登録出荷取扱業者の地位を承継する。ただし、当該相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人が第九条第一項第五号から第七号までの一に該当するときはこの限りでない。

2 前項の規定により第一種登録出荷取扱業者の地位を承継した者は、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

 (第一種出荷取扱業の登録事項の変更の届出)

第十二条 第一種登録出荷取扱業者は、第七条第一項第一号から第三号までに掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

 (第一種出荷取扱業の廃止の届出)

第十三条 第一種登録出荷取扱業者は、第一種出荷取扱業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

 (第一種登録出荷取扱業者が売渡し等を受ける者の特定)

第十四条 第一種登録出荷取扱業者は、出荷契約を締結しているその登録に係る都道府県の区域内の米穀の生産者以外の者から自主流通米の売渡し等を受けてはならない。

2 第一種登録出荷取扱業者は、出荷契約を締結しているその登録に係る都道府県の区域内の生産調整実施者以外の者から政府米の売渡しの委託を受けてはならない。

 (第一種登録出荷取扱業者が売渡し等を行う者の特定)

第十五条 第一種登録出荷取扱業者は、第三十条第一項の認可を受けた自主流通計画に従い、自主流通契約を締結しているその登録に係る都道府県の区域内の第二種登録出荷取扱業者若しくは第二十八条第三項の自主流通法人に自主流通米の売渡し等をし、又は登録卸売業者その他政令で定める者に自主流通米を売り渡さなければならない。

2 第一種登録出荷取扱業者は、売渡しの委託を受けた政府米を政府に売り渡さなければならない。この場合において、当該第一種登録出荷取扱業者は、自主流通契約を締結しているその登録に係る都道府県の区域内の第二種登録出荷取扱業者又は第二十八条第三項の自主流通法人に委託をして当該政府米を売り渡すことができる。

 (遵守事項)

第十六条 第一種登録出荷取扱業者は、農林水産省令で定める場合を除き、第五条第一項後段の表示が付された米穀でなければ、計画出荷米として売渡し等をしてはならない。

2 前項に規定するもののほか、計画出荷米の出荷の取扱いに当たり第一種登録出荷取扱業者の遵守すべき事項は、農林水産省令で定める。

 (報告等)

第十七条 第一種登録出荷取扱業者は、農林水産省令で定めるところにより、帳簿を備え、その業務に関し農林水産省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

2 第一種登録出荷取扱業者は、農林水産省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書を作成し、農林水産大臣に提出しなければならない。

 (改善命令)

第十八条 農林水産大臣は、第一種登録出荷取扱業者の業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、当該第一種登録出荷取扱業者に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (第一種出荷取扱業の登録の取消し等)

第十九条 農林水産大臣は、第一種登録出荷取扱業者が次の各号の一に該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第九条第一項第五号又は第七号に該当することとなったとき。

 二 第十二条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 三 前条又はこの条の規定による命令に違反したとき。

 四 不正の手段により第一種出荷取扱業の登録を受けたとき。

 (第一種出荷取扱業の登録の抹消)

第二十条 農林水産大臣は、第十三条の規定による届出があったとき、又は前条の規定により第一種出荷取扱業の登録を取り消したときは、その登録を抹消しなければならない。

 (聴聞の特例)

第二十一条 農林水産大臣は、第十九条の規定による命令をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

2 第十九条の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

3 前項の聴聞の主宰者は、行政手続法第十七条第一項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。

 (第二種出荷取扱業の登録の申請)

第二十二条 第二種出荷取扱業の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を農林水産大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 二 営業所の所在地

 三 法人にあっては、第二種出荷取扱業を行う役員の氏名

 四 第二種出荷取扱業を行う都道府県の区域

2 前項の申請書には、第二種出荷取扱業について農林水産省令で定める事項を記載した事業計画書及び第二十四条第一項第三号から第五号までに該当しないことを誓約する書面その他の農林水産省令で定める書類を添付しなければならない。

 (第二種出荷取扱業の登録の実施)

第二十三条 農林水産大臣は、前条の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項を第二種登録出荷取扱業者登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第一項各号に掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 農林水産大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (第二種出荷取扱業の登録の拒否)

第二十四条 農林水産大臣は、第二種出荷取扱業の登録の申請者が次の各号の一に該当するとき、又は第二十二条第一項の申請書若しくは同条第二項の事業計画書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 第二種出荷取扱業を適確に遂行するに足りる資力信用を有しない者

 二 申請に係る都道府県の区域内の第一種登録出荷取扱業者又は第一種出荷取扱業の登録を受けようとする者及び第二十八条第三項の自主流通法人又は同項の自主流通法人の指定を受けようとする者と自主流通契約を締結している者でない者

 三 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

 四 第十九条(第二十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定により出荷取扱業の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

 五 法人であって、第二種出荷取扱業を行う役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの

 六 第二種登録出荷取扱業者で第二種出荷取扱業を当該登録の有効期間の満了前に廃止しようとするものから当該第二種出荷取扱業を譲り受けて引き続き当該第二種出荷取扱業を行おうとする者である場合にあっては、当該第二種登録出荷取扱業者から当該第二種出荷取扱業に係る債権債務のすべてを承継する者でない者

2 農林水産大臣は、前項の規定により第二種出荷取扱業の登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (第二種登録出荷取扱業者が売渡し等を受ける者の特定)

第二十五条 第二種登録出荷取扱業者は、自主流通契約を締結しているその登録に係る都道府県の区域内の第一種登録出荷取扱業者以外の者から自主流通米の売渡し等を受け、又は政府米の売渡しの委託を受けてはならない。

 (第二種登録出荷取扱業者が売渡し等を行う者の特定)

第二十六条 第二種登録出荷取扱業者は、第三十条第一項の認可を受けた自主流通計画に従い、自主流通契約を締結している第二十八条第三項の自主流通法人に自主流通米の売渡し等をし、又は登録卸売業者その他政令で定める者に自主流通米を売り渡さなければならない。

2 第二種登録出荷取扱業者は、売渡しの委託を受けた政府米を政府に売り渡さなければならない。この場合において、当該第二種登録出荷取扱業者は、自主流通契約を締結している第二十八条第三項の自主流通法人に委託をして当該政府米を売り渡すことができる。

 (準用)

第二十七条 第十条の規定は第二種出荷取扱業について、第十一条から第十三条まで及び第十六条から第二十条までの規定は第二種登録出荷取扱業者について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

第十条第一項

第一種登録出荷取扱業者

第二種登録出荷取扱業者

第十条第三項

第七条から前条まで

第二十二条から第二十四条まで

第十一条第一項、第十三条、第十九条第四号及び第二十条

第一種出荷取扱業

第二種出荷取扱業

第十一条第一項

第九条第一項第五号から第七号まで

第二十四条第一項第三号から第五号まで

第十二条

第七条第一項第一号から第三号まで

第二十二条第一項第一号から第三号まで

第十九条第一号

第九条第一項第五号又は第七号

第二十四条第一項第三号又は第五号

2 第二十一条の規定は、前項において準用する第十九条の規定による命令及び処分について準用する。

     第三款 自主流通法人

 (指定)

第二十八条 農林水産大臣は、次条に規定する業務及び第三十条第一項の自主流通計画の作成に関し次に掲げる基準に適合すると認められる法人を、その申請により、当該業務及び当該自主流通計画の作成を行う者として指定することができる。

 一 次条に規定する業務及び第三十条第一項の自主流通計画の作成を適正かつ確実に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有すること。

 二 政令で定める区域において政令で定める数量以上の自主流通米の売渡し等を受けることができると認められること。

 三 登録出荷取扱業者又は第一種出荷取扱業若しくは第二種出荷取扱業の登録を受けようとする者と自主流通契約を締結していること。

 四 自主流通契約の締結及び次条第一項第一号に掲げる業務に関し、不当に差別的な取扱いを行わないと認められること。

2 農林水産大臣は、前項の申請をした者が次の各号の一に該当する場合には、その指定をしてはならない。

 一 農業協同組合連合会、協同組合連合会その他の営利を目的としない法人以外の者であること。

 二 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者であること。

 三 第三十四条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。

 四 その役員のうちに、第二号に該当する者があること。

3 農林水産大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、同項の規定による指定を受けた者(以下「自主流通法人」という。)の名称、住所及び事務所の所在地を官報で公示しなければならない。

4 自主流通法人は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

5 農林水産大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。

 (業務)

第二十九条 自主流通法人は、次条第一項の認可を受けた自主流通計画に従い、次に掲げる業務を行うものとする。

 一 自主流通契約を締結している登録出荷取扱業者から自主流通米の売渡し等を受け、当該自主流通米を登録卸売業者その他政令で定める者に売り渡すこと。

 二 前号の規定により売渡し等を受けた自主流通米の一部について、備蓄及び調整保管(米穀の生産量の増大による供給の過剰に対応して必要な数量の米穀を在庫として保有することをいう。)を行うこと。

 三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

2 自主流通法人は、前項各号に掲げる業務を行うほか、自主流通契約を締結している登録出荷取扱業者から売渡しの委託を受けた政府米を政府に売り渡すことができる。

 (自主流通計画の認可)

第三十条 自主流通法人は、自主流通米の計画的な流通を確保するため、農林水産省令で定めるところにより、当該自主流通法人、自主流通契約を締結している第二種登録出荷取扱業者その他政令で定める者が行う登録卸売業者その他政令で定める者に対する自主流通米の売渡しに関する計画(以下「自主流通計画」という。)を作成し、農林水産大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 自主流通計画においては、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。

 一 用途別及び種類別の自主流通米の買入れ又は売渡しの受託に係る数量に関する事項

 二 用途別、種類別及び都道府県別の自主流通米の売渡しに係る数量に関する事項

 三 第四十九条第一号の価格形成施設において売り渡すべき自主流通米の数量に関する事項

 四 自主流通米の備蓄の数量に関する事項

 五 その他農林水産省令で定める事項

3 農林水産大臣は、第一項の認可の申請があった場合において、その自主流通計画が基本計画に即したものであることその他農林水産省令で定める基準に適合するものであると認めるときは、その認可をするものとする。

4 農林水産大臣は、第一項の認可をした自主流通計画が前条第一項各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その自主流通計画を変更すべきことを命ずることができる。

 (報告等)

第三十一条 自主流通法人は、農林水産省令で定めるところにより、自主流通米の売渡しに係る数量その他農林水産省令で定める事項を農林水産大臣に報告するとともに、毎事業年度終了後、事業報告書及び収支決算書を作成し、農林水産大臣に提出しなければならない。

 (区分経理)

第三十二条 自主流通法人は、第二十九条第一項に規定する業務に係る経理と同条第二項に規定する業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。

 (改善命令)

第三十三条 農林水産大臣は、第二十九条に規定する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、自主流通法人に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (指定の取消し等)

第三十四条 農林水産大臣は、自主流通法人が次の各号の一に該当するときは、第二十八条第一項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)を取り消し、又は期間を定めて当該自主流通法人の第二十九条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第二十九条に規定する業務又は自主流通計画の作成を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

 二 指定に関し不正の行為があったとき。

 三 この款の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

 四 第三十条第一項の認可を受けた自主流通計画に従わないで第二十九条第一項各号に掲げる業務を行ったとき。

2 農林水産大臣は、前項の規定により、指定を取り消し、又は第二十九条に規定する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示しなければならない。

     第四款 販売業

 (販売業の登録)

第三十五条 販売業を行おうとする者は、都道府県知事の登録を受けなければならない。

2 前項の登録は、卸売業及び小売業の区分により行う。

 (卸売業の登録の申請)

第三十六条 卸売業の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 二 営業所の所在地

 三 法人にあっては、卸売業を行う役員の氏名

 四 申請に係る都道府県の区域における計画流通米の年間販売見込数量

 五 卸売業に必要な施設の状況

2 前項の申請書には、卸売業について農林水産省令で定める事項を記載した事業計画書及び第三十八条第一項第四号から第六号までに該当しないことを誓約する書面その他の農林水産省令で定める書類を添付しなければならない。

 (卸売業の登録の実施)

第三十七条 都道府県知事は、前条の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項を登録卸売業者登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第一項第一号から第三号までに掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 都道府県知事は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (卸売業の登録の拒否)

第三十八条 都道府県知事は、卸売業の登録の申請者が次の各号の一に該当するとき、又は第三十六条第一項の申請書若しくは同条第二項の事業計画書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 卸売業を適確に遂行するに足りる資力信用を有しない者

 二 卸売業に通常必要と認められる施設で農林水産省令で定めるものを権原に基づいて利用できない者

 三 申請に係る都道府県の区域における計画流通米の年間販売見込数量が政令で定める数量以上であると認められない者

 四 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

 五 第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する第十九条の規定により販売業の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

 六 法人であって、卸売業を行う役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの

 七 登録卸売業者で卸売業を当該登録の有効期間の満了前に廃止しようとするものから当該卸売業を譲り受けて引き続き当該卸売業を行おうとする者である場合にあっては、当該登録卸売業者から当該卸売業に係る債権債務のすべてを承継する者でない者

2 都道府県知事は、前項の規定により卸売業の登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (登録卸売業者の買受先の特定)

第三十九条 登録卸売業者は、自主流通法人、登録出荷取扱業者その他政令で定める者以外の者から自主流通米を買い受けてはならない。

2 登録卸売業者は、政府その他政令で定める者以外の者から政府米を買い受けてはならない。

 (登録卸売業者の販売先の特定)

第四十条 登録卸売業者は、登録小売業者その他政令で定める者以外の者に計画流通米を販売してはならない。

 (準用)

第四十一条 第十条の規定は卸売業について、第十一条から第十三条まで及び第十六条から第二十条までの規定は登録卸売業者について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

第十条第一項

第一種登録出荷取扱業者

登録卸売業者

第十条第三項

第七条から前条まで

第三十六条から第三十八条まで

第十一条第一項、第十三条、第十九条第四号及び第二十条

第一種出荷取扱業

卸売業

第十一条第一項

第九条第一項第五号から第七号まで

第三十八条第一項第四号から第六号まで

第十一条第二項、第十二条、第十三条、第十七条第二項及び第十八条から第二十条まで

農林水産大臣

都道府県知事

第十二条

第七条第一項第一号から第三号まで

第三十六条第一項第一号から第三号まで

第十六条第一項

計画出荷米として売渡し等をしてはならない

計画流通米(輸入に係る米穀を除く。)として販売してはならない

第十六条第二項

計画出荷米の出荷の取扱い

計画流通米の販売

第十九条第一号

第九条第一項第五号又は第七号

第三十八条第一項第四号又は第六号

2 第二十一条の規定は、前項において準用する第十九条の規定による命令及び処分について準用する。この場合において、第二十一条第一項中「農林水産大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。

 (小売業の登録の申請)

第四十二条 小売業の登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 二 販売所の所在地

 三 法人にあっては、小売業を行う役員の氏名

 四 小売業に必要な施設の状況

2 前項の申請書には、小売業について農林水産省令で定める事項を記載した事業計画書及び第四十四条第一項第三号から第五号までに該当しないことを誓約する書面その他の農林水産省令で定める書類を添付しなければならない。

 (小売業の登録の実施)

第四十三条 都道府県知事は、前条の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項を登録小売業者登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第一項第一号から第三号までに掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 都道府県知事は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (小売業の登録の拒否)

第四十四条 都道府県知事は、小売業の登録の申請者が次の各号の一に該当するとき、又は第四十二条第一項の申請書若しくは同条第二項の事業計画書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 小売業を適確に遂行するに足りる資力信用を有しない者

 二 小売業に通常必要と認められる施設で農林水産省令で定めるものを権原に基づいて利用できない者

 三 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

 四 第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する第十九条の規定により販売業の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

 五 法人であって、小売業を行う役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの

 六 登録小売業者で小売業を当該登録の有効期間の満了前に廃止しようとするものから当該小売業を譲り受けて引き続き当該小売業を行おうとする者である場合にあっては、当該登録小売業者から当該小売業に係る債権債務のすべてを承継する者でない者

2 都道府県知事は、前項の規定により小売業の登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (小売業の変更登録)

第四十五条 登録小売業者は、第四十二条第一項第二号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更登録を受けなければならない。

2 前項の変更登録を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

3 第四十二条第二項、第四十三条及び前条の規定は、第一項の変更登録について準用する。この場合において、第四十二条第二項中「事業計画書及び」とあるのは「事業計画書、」と、第四十三条第一項中「次に掲げる事項」とあるのは「変更に係る事項」と、前条第一項中「第四十二条第一項の申請書若しくは同条第二項の事業計画書若しくは添付書類」とあるのは「変更登録に係る申請書若しくはその添付書類」と読み替えるものとする。

 (登録小売業者の買受先の特定)

第四十六条 登録小売業者は、登録卸売業者その他政令で定める者以外の者から計画流通米を買い受けてはならない。

 (準用)

第四十七条 第十条の規定は小売業について、第十一条から第十三条まで、第十六条、第十七条第一項及び第十八条から第二十条までの規定は登録小売業者について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

第十条第一項

第一種登録出荷取扱業者

登録小売業者

第十条第三項

第七条から前条まで

第四十二条から第四十四条まで

第十一条第一項、第十三条、第十九条第四号及び第二十条

第一種出荷取扱業

小売業

第十一条第一項

第九条第一項第五号から第七号まで

第四十四条第一項第三号から第五号まで

第十一条第二項、第十二条、第十三条及び第十八条から第二十条まで

農林水産大臣

都道府県知事

第十二条

第七条第一項第一号から第三号まで

第四十二条第一項第一号又は第三号

第十六条第一項

計画出荷米として売渡し等をしてはならない

計画流通米(輸入に係る米穀を除く。)として販売してはならない

第十六条第二項

計画出荷米の出荷の取扱い

計画流通米の販売

第十九条第一号

第九条第一項第五号又は第七号

第四十四条第一項第三号又は第五号

第十九条第二号

又は虚偽の届出をしたとき

若しくは虚偽の届出をしたとき、又は第四十五条第一項の変更登録を受けなかったとき

2 第二十一条の規定は、前項において準用する第十九条の規定による命令及び処分について準用する。この場合において、第二十一条第一項中「農林水産大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。

     第五款 自主流通米価格形成センター

 (指定)

第四十八条 農林水産大臣は、自主流通米の取引の指標とすべき適正な価格の形成を図り、もってその円滑な取引に資することを目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、自主流通米価格形成センター(以下「センター」という。)として指定することができる。

2 農林水産大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該センターの名称、住所及び事務所の所在地を官報で公示しなければならない。

3 センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。

4 農林水産大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示しなければならない。

 (業務)

第四十九条 センターは、次に掲げる業務を行うものとする。

 一 自主流通米の取引の指標とすべき価格の形成に必要なその売買取引きを行うための施設(以下「価格形成施設」という。)を開設すること。

 二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

 (業務規程の認可)

第五十条 センターは、前条第一号に掲げる業務を行うときは、当該業務の開始前に、当該業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)を作成し、農林水産大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 農林水産大臣は、前項の認可をした業務規程が前条第一号に掲げる業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

3 業務規程に記載すべき事項及び第一項の認可の基準について、農林水産省令で定める。

 (売買取引を行うことができる者)

第五十一条 価格形成施設において自主流通米の売渡しを行うことができる者は、自主流通法人、第二種登録出荷取扱業者その他政令で定める者とする。

2 価格形成施設において自主流通米の買受けを行うことができる者は、登録卸売業者その他政令で定める者とする。

 (売買取引)

第五十二条 価格形成施設における自主流通米の売買取引(以下「売買取引」という。)は、入札の方法によらなければならない。

2 価格形成施設においては、商品取引所法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第二条第六項各号に掲げる取引及びこれに類似した取引を行ってはならない。

3 センターは、売買取引において、不正な行為が行われ、又は不当な価格が形成されていると認めるときは、業務規程で定めるところにより、売買取引を行う者に対し、売買取引の制限をすることができる。

4 センターは、前項の規定により売買取引の制限をしたときは、速やかに、その旨を農林水産大臣に報告しなければならない。

 (売買取引数量等の公表)

第五十三条 センターは、売買取引が行われたときは、売買取引の数量及び価格その他農林水産省令で定める事項を公表しなければならない。

 (事業計画等)

第五十四条 センターは、毎事業年度、農林水産省令で定めるところにより、事業計画及び収支予算を作成し、農林水産大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 センターは、農林水産省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、事業報告書及び収支決算書を作成し、農林水産大臣に提出しなければならない。

 (役員の選任及び解任)

第五十五条 センターの役員の選任及び解任は、農林水産大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 センターの役員が、この款の規定(当該規定に基づく命令及び処分を含む。)若しくは第五十条第一項の認可を受けた業務規程に違反する行為をしたとき、又は第四十九条第一号に掲げる業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、農林水産大臣は、センターに対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

 (秘密保持義務)

第五十六条 センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、第四十九条第一号に掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

 (改善命令)

第五十七条 農林水産大臣は、第四十九条各号に掲げる業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、センターに対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (指定の取消し)

第五十八条 農林水産大臣は、センターが次の各号の一に該当するときは、第四十八条第一項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。

 一 第四十九条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

 二 指定に関し不正の行為があったとき。

 三 この款の規定又は当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

 四 第五十条第一項の認可を受けた業務規程によらないで第四十九条第一号に掲げる業務を行ったとき。

2 農林水産大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。

    第三節 政府の買入れ及び売渡し等

 (米穀の政府買入れ)

第五十九条 政府は、米穀の備蓄の円滑な運営を図るため、政令で定めるところにより、生産調整実施者又は生産調整実施者から直接若しくは間接に委託を受けた者の売渡しの申込みに応じて、その生産した米穀を買い入れるものとする。

2 前項の規定による政府の買入れの価格(以下この条において「政府買入価格」という。)は、政令で定めるところにより、農林水産大臣が、自主流通米の価格の動向その他の米穀の需要及び供給の動向を反映させるほか、生産条件及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として定めるものとする。

3 農林水産大臣は、前項の規定により政府買入価格を定めようとするときは、政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。

4 農林水産大臣は、第二項の規定により政府買入価格を定めたときは、遅滞なく、これを告示するものとする。

5 農林水産大臣は、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、政府買入価格を改定することができる。

6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による政府買入価格の改定について準用する。

 (米穀等の輸入を目的とする買入れ)

第六十条 政府は、米穀等(米穀及び米穀を加工し、又は調製したものであって政令で定めるものをいう。次項、第六十二条及び第六十三条において同じ。)の輸入を目的とする買入れを行うことができる。

2 政府は、必要があると認める場合には、前項の米穀等の買入れを他に委託することができる。

 (米穀の政府売渡し)

第六十一条 政府は、政府米を、登録卸売業者その他政令で定める者に対し随意契約により売り渡すものとする。ただし、農林水産大臣が随意契約によることを不適当と認める場合には、入札の方法による一般競争契約又は指名競争契約のうち農林水産大臣が選択する競争契約により売り渡すものとする。

2 前項の規定により売渡しを行う場合における予定価格は、政令で定めるところにより、標準売渡価格を基準として定める。

3 前項の標準売渡価格は、政令で定めるところにより、農林水産大臣が、米穀の需要及び供給の動向、家計費並びに物価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として定める。

4 農林水産大臣は、前項の規定により標準売渡価格を定めようとするときは、政令で定める審議会の意見を聴かなければならない。

5 農林水産大臣は、第三項の規定により標準売渡価格を定めたときは、遅滞なく、農林水産省令で定める米穀についてこれを告示するものとする。

6 農林水産大臣は、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、標準売渡価格を改定することができる。

7 第四項及び第五項の規定は、前項の規定による標準売渡価格の改定について準用する。

8 前条第一項の輸入を目的とする買入れ又は第六十五条第二項の場合における買入れに係る米穀を第一項の規定により売り渡す場合の価格は、国際約束に従って農林水産大臣が定めて告示する額を、当該米穀の買入れの価格に加えて得た額を超えてはならない。

 (輸入に係る米穀等の特別な方式による買入れ及び売渡し)

第六十二条 政府は、米穀等の輸入を行おうとする者及び当該輸入に係る米穀等の買受けを行おうとする登録卸売業者その他政令で定める者(次項において「買受資格者」という。)の連名による申込みに応じて、当該輸入に係る米穀等を買い入れることができる。

2 政府は、前項の規定により買い入れた米穀等を同項の申込みを行った買受資格者に対し、当該申込みに応じて売り渡すものとする。

3 前項の規定による売渡しには、前条第一項から第七項まで(第一項本文を除く。)の規定は適用せず、同条第一項本文中「政府米を、登録卸売業者その他政令で定める者」とあるのは、「次条第一項の規定により買い入れた米穀等を、同項の申込みを行った買受資格者」とする。

4 第一項の規定により買い入れた米穀等を第二項の規定により売り渡す場合の価格は、国際約束に従って農林水産大臣が定めて告示する額を、当該米穀等の買入れの価格に加えて得た額を超えてはならない。

 (米穀等の輸出を目的とする売渡し)

第六十三条 政府は、特に必要があると認めるときは、米穀等の輸出を目的とする売渡しを行うことができる。

2 第六十条第二項の規定は、前項の米穀等の売渡しについて準用する。

 (政府売渡しの附帯条件等)

第六十四条 農林水産大臣は、前三条の規定により米穀を売り渡す場合には、売渡しに係る米穀の譲渡又は使用に関し、その時期、相手方等の制限その他必要な条件を付することができる。

2 農林水産大臣は、前項の規定により条件を付されて米穀の売渡しを受けた者が、その条件に違反したときは、当該違反に係る米穀の売渡価格に農林水産大臣が定める割合を乗じて得られる金額に相当する額の違約金を徴収することができる。

 (米穀の輸入又は輸出の許可)

第六十五条 米穀の輸入又は輸出を行おうとする者は、次に掲げる場合を除き、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けなければならない。

 一 第六十条第二項(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による政府の委託を受けた場合

 二 第六十二条の規定による連名による申込みに応じて行う政府の買入れ及び売渡しに係る米穀を輸入する場合

 三 その他政令で定める場合

2 前項の許可を受けて米穀を輸入した者は、国内の需給及び価格の安定に悪影響を及ぼすおそれのないものとして政令で定める場合を除き、農林水産省令で定めるところにより、その輸入した米穀を政府に売り渡さなければならない。

3 前項の場合における政府の買入れの価格は、当該米穀の輸入価格を基準として農林水産大臣が定める。

4 前三項に規定するもののほか、第一項の許可に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。

   第三章 麦その他主要食糧の需給及び価格の安定を図るための措置

 (麦の政府買入れ)

第六十六条 政府は、政令で定めるところにより、麦をその生産者又はその生産者から委託を受けた者の売渡しの申込みに応じて、無制限に買い入れなければならない。

2 前項の規定による政府の買入れの価格(次項において「政府買入価格」という。)は、政令で定めるところにより、農林水産大臣が、麦の生産費その他の生産条件、麦の需要及び供給の動向並びに物価その他の経済事情を参酌し、麦の再生産を確保することを旨として定める。この場合においては、国内における麦作の生産性の向上及び国内産麦の品質の改善に資するよう配慮するものとする。

3 第五十九条第三項から第六項までの規定は、麦の政府買入価格について準用する。

 (麦等の輸入を目的とする買入れ)

第六十七条 政府は、麦等(麦その他政令で定めるもの及びこれらを加工し、又は調製したものであって政令で定めるものをいう。次項、第六十九条及び第七十条において同じ。)の輸入を目的とする買入れを行うことができる。

2 第六十条第二項の規定は、前項の麦等の買入れについて準用する。

 (麦の政府売渡し)

第六十八条 政府は、その保有する麦を、随意契約により売り渡すものとする。ただし、農林水産大臣が随意契約によることを不適当と認める場合には、入札の方法による一般競争契約又は指名競争契約のうち農林水産大臣が選択する競争契約により売り渡すものとする。

2 第六十一条第二項から第八項までの規定は、前項の規定による麦の売渡しについて準用する。この場合において、同条第三項中「米穀の需要及び供給の動向、家計費並びに物価その他の経済事情」とあるのは、「家計費及び米価その他の経済事情」と読み替えるものとする。

 (準用)

第六十九条 第六十三条の規定は麦等の売渡しについて、第六十四条の規定は麦の売渡しについて準用する。この場合において、同条第一項中「前三条」とあるのは、「前条及び第六十八条」と読み替えるものとする。

 (麦等の輸入)

第七十条 麦等の輸入(関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二条に定める輸入をいう。以下この項において同じ。)を行おうとする者は、国際約束に従って農林水産大臣が定めて告示する額に、当該輸入に係る麦等の数量を乗じて得た額を、政府に納付しなければならない。ただし、第六十七条第二項において準用する第六十条第二項の規定による政府の委託を受けて輸入する場合並びに国内の需給及び価格の安定に悪影響を及ぼすおそれのないものとして政令で定める麦等を輸入する場合は、この限りでない。

2 前項の納付金の受領は、関税法第七十条第一項の許可、承認等とみなす。

3 第一項の納付金の納付手続その他納付金に関し必要な事項は、政令で定める。

 (米穀及び麦以外の主要食糧の買入れ及び売渡し)

第七十一条 政府は、第六十条、第六十二条及び第六十七条の規定によるほか、米穀及び麦以外の主要食糧の買入れを行うことができる。

2 政府は、第六十二条の規定によるほか、その保有する米穀及び麦以外の主要食糧の売渡しを行うことができる。

3 第六十条第一項又は第六十七条第一項の規定により買い入れた米穀及び麦以外の主要食糧について前項の売渡しを行う場合の価格は、国際約束に従って農林水産大臣が定めて告示する額を、当該米穀及び麦以外の主要食糧の買入れの価格に加えて得た額を超えてはならない。

   第四章 雑則

 (主要食糧の交付等)

第七十二条 政府は、政令で定めるところにより、主要食糧の交付又は貸付けを行うことができる。

2 政府は、必要があると認める場合には、主要食糧の貯蔵、交換、加工又は製造を行うことができる。

 (情報の提供)

第七十三条 政府は、主要食糧の適正かつ円滑な流通の確保に資するため、次条の調査の結果その他主要食糧の需給及び価格に関し必要な情報の提供に努めなければならない。

 (調査)

第七十四条 農林水産大臣は、主要食糧の需給及び価格の安定を図るため、農林水産省令で定めるところにより、主要食糧の生産、流通及び消費の状況に関する調査を行うことができる。

 (報告及び立入検査)

第七十五条 農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、自主流通法人、登録出荷取扱業者、登録卸売業者、登録小売業者若しくはセンターその他業として主要食糧の販売、輸入、加工若しくは製造を行う者に対し、その業務若しくは資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所、営業所、販売所、事業所、倉庫若しくは工場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、登録卸売業者若しくは登録小売業者その他業として主要食糧の販売、加工若しくは製造を行う者に対し、その業務若しくは資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所、営業所、販売所、事業所、倉庫若しくは工場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

3 前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 (権限の委任)

第七十六条 農林水産大臣は、政令で定めるところにより、この法律に基づく権限の一部を地方公共団体又は地方公共団体の長に委任することができる。

 (異議申立て)

第七十七条 第五条第一項の規定による計画出荷基準数量の決定に関する処分については、政令で定めるところにより、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第四十五条の期間についての特例を設けることができる。

2 前条の規定による委任に基づいてされる処分については、政令で定めるところにより、行政不服審査法に基づく異議申立てをすることができる。

 (不服申立てと訴訟との関係)

第七十八条 第五条第一項の規定による計画出荷基準数量の決定に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定を経た後でなければ、提起することができない。

 (経過措置)

第七十九条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

 (緊急時における対応)

第八十条 政府は、米穀の供給が大幅に不足し、又は不足するおそれがあるため、基本計画に即した米穀の適正かつ円滑な供給が相当の期間極めて困難となることにより、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じ、又は生ずるおそれがある場合において、その事態に対処するため次条から第八十三条までに規定する措置を講ずる必要があると認めるときは、閣議の決定を経て、その旨を告示するものとする。

2 政府は、前項に規定する事態が消滅したと認めるときは、直ちに、閣議の決定を経て、その旨を告示するものとする。

 (自主流通法人等に対する命令)

第八十一条 農林水産大臣は、前条第一項に規定する事態に対処するため、自主流通法人、登録出荷取扱業者、登録卸売業者又は登録小売業者に対し、その保有する米穀の譲渡、移動又は保管に関し、地域又は時期の指定、数量又は価格の制限に服すべきことを命ずることができる。

2 前項の規定による命令に基づいて行われた米穀の譲渡、移動又は保管については、その範囲内において、自主流通計画の変更の認可を受けたものとみなす。

 (米穀の生産者に対する指示等)

第八十二条 農林水産大臣は、前条に規定する措置を講じてもなお米穀の適正かつ円滑な供給を確保することが困難であると認められるときは、米穀の生産者に対し、売渡しをすべき期限及び数量を定めて、その生産した米穀であって当該米穀の生産者に係る計画出荷基準数量の範囲内のものを、農林水産大臣が指定する第一種登録出荷取扱業者に売り渡すべきことを指示することができる。

2 農林水産大臣は、前項の規定による指示を受けた米穀の生産者が、正当な理由なく、その指示に従わなかったときは、当該米穀の生産者に対し、売渡しをすべき期限及び数量を定めて、その生産した米穀であって当該米穀の生産者に係る計画出荷基準数量の範囲内のものを、政府に売り渡すべきことを命ずることができる。

3 前項の場合における政府の買入れの価格は、第五十九条第二項の政府買入価格に準拠して農林水産大臣が定める。

4 第一項の規定による指示又は第二項の規定による命令に基づいて行われた米穀の売渡しについては、前条第二項の規定を準用する。

5 第一項の規定による指示又は第二項の規定による命令に基づいて行われた売渡しに係る米穀については、第五条第四項及び第十四条の規定は適用しない。この場合において、当該売渡しに係る米穀についてすでに締結されている出荷契約は、当事者の責めに帰すべからざる事由により解除されたものとみなす。

6 第二項の規定により生産調整実施者以外の米穀の生産者から政府が買い入れた米穀の売渡しについては、第六十一条第一項から第七項までの規定を準用する。

 (米穀の割当て又は配給等)

第八十三条 前二条に規定する措置をもってしては、第八十条第一項に規定する事態を克服することが著しく困難であると認められる場合においては、政令で、米穀の割当て若しくは配給又は米穀の使用、譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる。

2 前項の政令で定める事項は、その事態を克服するため必要な限度を超えるものであってはならない。

   第五章 罰則

第八十四条 第八十二条第二項の規定による命令に違反した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

第八十五条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 一 自主流通法人が第三十四条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した場合におけるその違反行為をした自主流通法人の役員又は職員

 二 第六十五条第一項の規定に違反して農林水産大臣の許可を受けずに米穀の輸入若しくは輸出を行った者又は同条第二項の規定に違反した者

 三 第八十一条第一項の規定による命令に違反した者

第八十六条 第五十六条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第八十七条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 農林水産大臣の出荷取扱業の登録を受けないで出荷取扱業を行った者

 二 第十九条(第二十七条第一項、第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者

 三 都道府県知事の販売業の登録を受けないで販売業を行った者

第八十八条 第十八条(第二十七条第一項、第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

第八十九条 第七十五条第一項若しくは第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、二十万円以下の罰金に処する。

第九十条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第八十四条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第九十一条 第八十三条第一項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、当該違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。

第九十二条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の過料に処する。

 一 第五条第一項前段の規定に違反した者

 二 第五条第五項、第十一条第二項(第二十七条第一項、第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する場合を含む。)、第十二条(第二十七条第一項、第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する場合を含む。)又は第十三条(第二十七条第一項、第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 三 第十六条第一項(第二十七条第一項、第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。

 一 第六十条、第六十一条第八項、第六十二条、第六十三条、第六十五条、第六十七条、第六十八条第二項中第六十一条第八項の準用に係る部分、第六十九条中第六十三条の準用に係る部分、第七十条、第七十一条第三項、第八十五条(第二号に係る部分に限る。)及び第九十条中第八十五条第二号に係る部分の規定並びに附則第六条第一項及び第二項、附則第十条、附則第十三条(食糧管理特別会計法(大正十年法律第三十七号)第一条の改正規定中「食糧管理」を「食糧ノ需給及価格ノ安定」に改める部分を除く。)並びに附則第十六条の規定 平成七年四月一日(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定が日本国について効力を生ずる日が平成七年四月一日後となる場合には、当該協定が日本国について効力を生ずる日以後の政令で定める日)

 二 附則第二条、附則第四条、附則第十一条(附則第二条に係る部分に限る。)及び附則第十二条の規定 平成七年四月一日(世界貿易機関を設立するマラケシュ協定が日本国について効力を生ずる日が平成七年四月一日後となる場合には、政令で定める日)

 (食糧管理法の一部改正)

第二条 食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)の一部を次のように改正する。

 第六条を次のように改める。

第六条 削除

 第十一条を次のように改める。

第十一条 削除

 第三十二条第一項第一号中「又ハ第十一条第二項」を削り、同条第一項第四号及び同条第二項を削る。

 (食糧管理法の廃止)

第三条 食糧管理法は、廃止する。

 (政府の売渡しに関する経過措置)

第四条 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日がこの法律の施行の日前である場合には、この法律の施行の日までの間における同号に掲げる規定の適用については、第六十一条第八項中「第一項の規定」とあるのは「食糧管理法第四条第一項の規定」と、第六十二条第一項中「登録卸売業者その他政令で定める者」とあるのは「食糧管理法第八条ノ三第一項の許可を受けて米穀の卸売の業務を行う者又は政府が指定する者」と、同条第三項中「前条第一項から第七項まで(第一項本文を除く。)」とあるのは「食糧管理法第四条(第一項本文を除く。)及び第五条」と、「同条第一項本文中「政府米を、登録卸売業者その他政令で定める者」とあるのは「次条第一項の規定により買い入れた米穀等を、同項の申込みを行った買受資格者」」とあるのは「「同法第四条第一項中「其ノ買入レタル米穀」とあるのは「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律第六十二条第一項ノ規定ニ依リ買入レタル米穀等」と、「第八条ノ三第一項ノ許可ヲ受ケテ米穀ノ卸売ノ業務ヲ行フ者又ハ政府ノ指定スル者」とあるのは「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律第六十二条第一項ノ申込ヲ為シタル買受資格者」」と、第六十八条第二項において準用する第六十一条第八項中「第一項の規定」とあるのは「食糧管理法第四条ノ三第一項の規定」と、第七十一条第三項中「前項」とあるのは「食糧管理法第五条第一項」とする。

 (旧法の暫定的効力)

第五条 世界貿易機関を設立するマラケシュ協定が日本国について効力を生ずる日がこの法律の施行の日後となる場合には、この法律による廃止前の食糧管理法(以下「旧法」という。)の附則第二条による改正前の第六条、第十一条及び第三十二条中第十一条に係る部分の規定並びに旧法第三十七条の規定は、附則第一条第一号の政令で定める日までの間は、なおその効力を有する。

 (基本計画に関する経過措置)

第六条 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日以後第四条の規定に基づき最初に基本計画が定められるまでの間について、農林水産大臣は、政令で定めるところにより、米穀の輸入の実施に関する計画(次項において「輸入計画」という。)を定めるものとする。

2 この法律の施行の日(附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日がこの法律の施行の日後である場合には、同号に掲げる規定の施行の日)以後においては、輸入計画を、第四条の規定に基づき定められた基本計画の一部とみなす。

3 この法律の施行の日以後第四条の規定に基づき最初に基本計画が定められるまでの間においては、旧法第二条ノ二の規定に基づき定められた米穀の管理に関する基本計画及び旧法第八条の規定に基づき定められた米穀の供給に関する実施計画を、第四条の規定に基づき定められた基本計画とみなす。

 (出荷取扱業の登録等に関する経過措置)

第七条 この法律の施行の際現に旧法第八条ノ二第一項の規定を受けている者は、この法律の施行の日から八月間は、第六条第一項の登録を受けたものとみなす。その者がその期間内に当該登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請に基づく登録又は登録の拒否の処分がある日まで、同様とする。

2 この法律の施行の際現に旧法第八条ノ三第一項の許可を受けている者は、この法律の施行の日から八月間は、第三十五条第一項の登録を受けたものとみなす。その者がその期間内に当該登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請に基づく登録又は登録の拒否の処分がある日まで、同様とする。

 (出荷取扱業の登録の取消し等に関する経過措置)

第八条 旧法第八条ノ二第五項の規定による指定の取消しは、第九条第一項又は第二十四条第一項の規定の適用については、第十九条(第二十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による登録の取消しとみなす。

2 旧法の規定に基づく食糧管理法施行令(昭和二十二年政令第三百三十号)第一条の四第三項の規定による指定の取消しは、第二十八条第二項の規定の適用については、第三十四条第一項の規定による指定の取消しとみなす。

3 旧法第八条ノ三第三項において準用する旧法第八条ノ二第五項の規定による許可の取消しは、第三十八条第一項又は第四十四条第一項の規定の適用については、第四十一条第一項又は第四十七条第一項において準用する第十九条の規定による登録の取消しとみなす。

4 旧法又はこれに基づく命令の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられた者は、第九条第一項、第二十四条第一項、第二十八条第二項、第三十八条第一項又は第四十四条第一項の規定の適用については、この法律の規定により罰金以上の刑に処せられたものとみなす。

 (自主流通法人の指定の申請等に関する経過措置)

第九条 第二十八条第一項の規定による指定を受けようとする法人は、この法律の施行の日前においても、その申請を行うことができる。第三十条第一項の自主流通計画の認可の申請についても、同様とする。

2 第四十八条第一項の規定による指定を受けようとする法人は、この法律の施行の日前においても、その申請を行うことができる。第五十条第一項の業務規程の認可の申請についても、同様とする。

 (麦の輸入に関する経過措置)

第十条 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日前に旧法第十一条第一項の規定により輸入の許可を受けた麦であって、同条第二項の規定により政府に売り渡すための契約をしているものは、第六十七条の規定により輸入されるものとみなす。

 (罰則の適用に関する経過措置)

第十一条 この法律(附則第二条については同条、附則第五条の規定によりなお効力を有することとされる規定については附則第一条第一号に掲げる規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第十二条 第四条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

 (食糧管理特別会計法の一部改正)

第十三条 食糧管理特別会計法の一部を次のように改正する。

 第一条中「食糧管理」を「食糧ノ需給及価格ノ安定」に改め、「貯蔵」の下に「並麦等ノ輸入ニ係ル納付金ノ受入」を加える。

 第六条中「売渡代金」の下に「、麦等(飼料用ヲ除ク)ノ輸入ニ係ル納付金」を加え、同条に次の二項を加える。

前項ニ定ムルモノノ外国内米管理勘定ニ於テハ輸入食糧管理勘定ヨリノ受入金ヲ以テ其ノ歳入トシ輸入食糧管理勘定ニ於テハ国内米管理勘定ヘノ繰入金ヲ以テ其ノ歳出トス

前項ノ国内米管理勘定へノ繰入金ハ同勘定ニ於ケル備蓄ニ係ル損失ヲ補填スル為輸入食糧管理勘定ニ於ケル輸入ニ係ル米穀等ノ売買ニ因リ生ズル利益ノ額ヲ国内米管理勘定ニ於ケル備蓄ニ係ル損失ノ額ヲ限度トシテ予算ノ定ムル所ニ依リ輸入食糧管理勘定ヨリ之ヲ繰入ルルモノトス

 第六条ノ二ノ二中「売渡代金」の下に「、麦等(飼料用ニ限ル)ノ輸入ニ係ル納付金」を加える。

 (食糧緊急措置令の廃止)

第十四条 食糧緊急措置令(昭和二十一年勅令第八十六号)は、廃止する。

 (米穀の政府買入価格の特例に関する法律の一部改正)

第十五条 米穀の政府買入価格の特例に関する法律(昭和二十七年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「食糧管理法(昭和十七条年律第四十号)第三条第二項」を「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成六年法律第百十三号)第五十九条第二項」に改める。

 (飼料需給安定法の一部改正)

第十六条 飼料需給安定法(昭和二十七年法律第三百五十六号)の一部を次のように改正する。

 第四条第一項中「基き、食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)第十一条第二項」を「基づき、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成六年法律第百十三号)第六十七条第一項」に、「を買い入れるの外」を「の輸入を目的とする買入れを行うほか、」に、「以下この条」を「次項、第五条第二項」に改める。

 第五条第四項中「売渡」を「売渡し」に、「食糧管理法第四条ノ三第一項の規定を」を「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律第六十八条第二項において準用する同法第六十一条第二項から第七項までの規定は」に改める。

 (経済関係罰則の整備に関する法律の一部改正)

第十七条 経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。

 別表甲号第四号を次のように改める。

 四 削除

 (私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律の一部改正)

第十八条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律(昭和二十二年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

 第一条第二号を次のように改める。

 二 削除

 (住民基本台帳法の一部改正)

第十九条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

 第七条第十二号中「食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)第八条ノ四」を「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成六年法律第百十三号)第八十三条第一項」に改める。

 (地価税法の一部改正)

第二十条 地価税法(平成三年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。

 別表第一第二十一号中イを次のように改める。

  イ 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成六年法律第百十三号)第五十九条第一項(米穀の政府買入れ)、第六十条第一項(米穀等の輸入を目的とする買入れ)、第六十二条第一項(輸入に係る米穀等の特別な方式による買入れ及び売渡し)、第六十五条第二項(米穀の輸入又は輸出の許可)、第六十六条第一項(麦の政府買入れ)又は第六十七条第一項(麦等の輸入を目的とする買入れ)の規定に基づき政府が買い入れた米穀又は麦を保管するための施設

 (農林水産省設置法の一部改正)

第二十一条 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

 第四条第九十五号中「統制」を「安定」に改める。

 第五条第六号中「主要食糧の使用、加工、譲渡、譲受又は引渡」を「米穀の使用、譲渡又は譲受」に改め、同条第七号を次のように改める。

 七 米穀の譲渡、移動又は保管に関し、命令すること。

 第五条第四十六号を次のように改める。

 四十六 米穀の売渡しを指示し、又は命ずること。

 第二十二条第一項中「国家管理並びに」を「需給及び価格の安定を図るとともに、」に改める。

(大蔵・農林水産・内閣総理大臣署名) 

 

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