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法律第百十五号(平一四・一一・二七)

  ◎古物営業法の一部を改正する法律

 古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)の一部を次のように改正する。

 目次中

第二章 古物営業の許可等(第三条―第十条)

 
 

第三章 古物商等の遵守事項等(第十一条―第二十一条)

第二章 古物営業の許可等

 
 

 第一節 古物商及び古物市場主(第三条―第十条)

 
 

 第二節 古物競りあつせん業者(第十条の二)

 
 

第三章 古物商及び古物市場主の遵守事項等(第十一条―第二十一条)

 
 

第三章の二 古物競りあつせん業者の遵守事項等(第二十一条の二―第二十一条の七)

に改める。

 第二条第二項に次の一号を加える。

 三 古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)

 第二条に次の一項を加える。

5 この法律において「古物競りあつせん業者」とは、古物競りあつせん業を営む者をいう。

 第二章中第三条の前に次の節名を付する。

    第一節 古物商及び古物市場主

 第三条の見出しを「(許可)」に改め、同条中「の所在地を管轄する」を「が所在する都道府県ごとに」に改める。

 第五条第一項中第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。

 六 第二条第二項第一号に掲げる営業を営もうとする者にあつては、その営業の方法として、取り扱う古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によつて直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。以下同じ。)により公衆の閲覧に供し、その取引の申込みを国家公安委員会規則で定める通信手段により受ける方法を用いるかどうかの別に応じ、当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号又はこれに該当しない旨

 第七条第一項中「変更」の下に「(同項第二号の所在地の変更にあつては、同一の公安委員会の管轄区域内におけるものに限る。)」を加え、同条第二項中「第六号」を「第七号」に改める。

 第八条の次に次の一条を加える。

 (閲覧等)

第八条の二 公安委員会は、第五条第一項第六号に規定する方法を用いる古物商について、次に掲げる事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供するものとする。

 一 氏名又は名称

 二 第五条第一項第六号に規定する文字、番号、記号その他の符号

 三 許可証の番号

2 公安委員会は、前項各号に掲げる事項に変更があつた場合には、遅滞なく、当該事項を補正するものとする。

 第十条に次の二項を加える。

2 古物商は、売却する古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供し、その買受けの申込みを国家公安委員会規則で定める通信手段により受ける方法を用いて前項の競り売りをしようとする場合には、同項の規定にかかわらず、あらかじめ、当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号、競り売りをしようとする期間その他国家公安委員会規則で定める事項を公安委員会に届け出なければならない。

3 前二項の規定は、古物競りあつせん業者が行うあつせんを受けて取引をしようとする場合には、適用しない。

 第二章中第十条の次に次の一節を加える。

    第二節 古物競りあつせん業者

 (届出)

第十条の二 古物競りあつせん業者は、営業開始の日から二週間以内に、営業の本拠となる事務所(当該事務所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、届出書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 営業の本拠となる事務所その他の事務所の名称及び所在地

 三 法人にあつては、その役員の氏名及び住所

 四 第二条第二項第三号の競りの方法その他業務の実施の方法に関する事項で国家公安委員会規則で定めるもの

2 前項の届出書を提出した者は、古物競りあつせん業を廃止したとき、又は同項各号に掲げる事項に変更があつたときは、公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして営業の本拠となる事務所を変更したときは、変更後の営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会)に、国家公安委員会規則で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、届出書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

 「第三章 古物商等の遵守事項等」を「第三章 古物商及び古物市場主の遵守事項等」に改める。

 第十二条の見出しを「(標識の掲示等)」に改め、同条に次の一項を加える。

2 古物商は、第五条第一項第六号に規定する方法を用いて取引をしようとするときは、その取り扱う古物に関する事項と共に、その氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。

 第十五条第一項中「その相手方の住所、氏名、職業及び年齢の確認をし、又はその相手方からその住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない」を「相手方の真偽を確認するため、次の各号のいずれかに掲げる措置をとらなければならない」に改め、同項各号を次のように改める。

 一 相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認すること。

 二 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けること。

 三 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。以下同じ。)による記録であつて、これらの情報についてその者による電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいい、当該電子署名について同法第四条第一項又は第十五条第一項の認定を受けた者により同法第二条第二項に規定する証明がされるものに限る。)が行われているものの提供を受けること。

 四 前三号に掲げるもののほか、これらに準ずる措置として国家公安委員会規則で定めるもの

 第十五条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、同項に規定する措置をとることを要しない。

 一 対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満である取引をする場合(特に前項に規定する措置をとる必要があるものとして国家公安委員会規則で定める古物に係る取引をする場合を除く。)

 二 自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合

 第十六条中「(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。以下同じ。)」を削り、同条ただし書中「前条第一項各号」を「前条第二項各号」に改め、同条第五号中「確認をしたときは、その方法」を「とつた措置の区分(同項第一号及び第四号に掲げる措置にあつては、その区分及び方法)」に改め、同条第六号を削る。

 第十九条第一項中「、道府県警察本部長」を「若しくは道府県警察本部長」に改め、「警察署長」の下に「(以下「警察本部長等」という。)」を、「品触れを」の下に「書面により」を加え、同条第二項中「前項の」の下に「規定により発せられた」を加え、「その品触書」を「当該品触れに係る書面」に改め、同条第四項中「第二項」の下に「又は第四項」を加え、同項を同条第六項とし、同条第三項中「又は」の下に「第二項若しくは」を加え、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。

3 警察本部長等は、第一項の品触れを、書面により発することに代えて、あらかじめ古物商又は古物市場主の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国家公安委員会規則で定めるものにより発することができる。

4 古物商又は古物市場主は、前項の規定により発せられた品触れを受けたときは、当該品触れに係る電磁的方法による記録を到達の日から六月間保存しなければならない。

 第二十一条中「盗品又は遺失物」を「盗品等」に、「警察署長」を「警察本部長等」に改める。

 第三章の次に次の一章を加える。

   第三章の二 古物競りあつせん業者の遵守事項等

 (相手方の確認)

第二十一条の二 古物競りあつせん業者は、古物の売却をしようとする者からのあつせんの申込みを受けようとするときは、その相手方の真偽を確認するための措置をとるよう努めなければならない。

 (申告)

第二十一条の三 古物競りあつせん業者は、あつせんの相手方が売却しようとする古物について、盗品等の疑いがあると認めるときは、直ちに、警察官にその旨を申告しなければならない。

 (記録)

第二十一条の四 古物競りあつせん業者は、古物の売買をしようとする者のあつせんを行つたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、書面又は電磁的方法による記録の作成及び保存に努めなければならない。

 (認定)

第二十一条の五 古物競りあつせん業者は、その業務の実施の方法が、国家公安委員会が定める盗品等の売買の防止及び速やかな発見に資する方法の基準に適合することについて、公安委員会の認定を受けることができる。

2 前項の認定を受けた古物競りあつせん業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、同項の認定を受けている旨の表示をすることができる。

3 何人も、前項の場合を除くほか、同項の表示又はこれと紛らわしい表示をしてはならない。

4 前三項に定めるもののほか、申請の手続、認定の取消しその他第一項の認定に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第二十一条の六 古物競りあつせん業(日本国内に在る者をあつせんの相手方とするものに限る。)を外国において営む者は、その業務の実施の方法が前条第一項に規定する基準に適合することについて、国家公安委員会規則で定めるところにより、公安委員会の認定を受けることができる。

2 前条第二項の規定は前項の認定を受けた者について、同条第四項の規定は前項の認定について準用する。

 (競りの中止)

第二十一条の七 古物競りあつせん業者のあつせんの相手方が売却しようとする古物について、盗品等であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察本部長等は、当該古物競りあつせん業者に対し、当該古物に係る競りを中止することを命ずることができる。

 第二十二条第一項中「警察官」を「警察職員」に、「第十条の競り売り」を「第十条第一項の競り売り(同条第二項及び第三項に規定する場合を除く。)」に改め、同条第二項中「警察官」を「警察職員」に改め、同条第三項中「警察署長」を「警察本部長等」に、「又は古物市場主」を「、古物市場主又は古物競りあつせん業者」に、「盗品又は遺失物」を「盗品等」に改め、同条に次の一項を加える。

4 前項の規定は、第二十一条の六第一項の認定を受けた者について準用する。

 第三十一条第一号中「古物営業」を「第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業」に改める。

 第三十三条第一号中「第十九条第三項若しくは第四項」を「第十九条第四項から第六項まで」に改め、同条第四号中「品触書」を「品触れに係る書面」に改め、同条第五号中「第二十一条」の下に「又は第二十一条の七」を加え、「警察署長」を「警察本部長等」に改める。

 第三十四条に次の二号を加える。

 三 第十条の二第一項の規定に違反して届出書若しくは添付書類を提出せず、又は同項の届出書若しくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者

 四 第二十一条の五第三項の規定に違反した者

 第三十五条第一号中「第七条」の下に「若しくは第十条の二第二項」を、「又は」の下に「第七条若しくは第十条の二第二項の」を加える。

 第三十七条中「第十九条第三項又は第四項」を「第十九条第五項又は第六項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十五条第一項の改正規定、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に一項を加える改正規定、第十六条の改正規定並びに第二十二条第一項及び第二項の改正規定(「警察官」を改める部分に限る。)は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行前に改正前の古物営業法第十条の規定によりされた届出は、改正後の古物営業法(以下「新法」という。)第十条第一項又は第二項の規定によりされた届出とみなす。

第三条 この法律の施行の際現に古物競りあっせん業を営んでいる者に対する新法第十条の二第一項の規定の適用については、同項中「、営業開始の日から二週間以内に」とあるのは、「、古物営業法の一部を改正する法律(平成十四年法律第百十五号)の施行の日から二月を経過する日までに」とする。

第四条 この法律(附則第一条ただし書に規定する改正規定については、当該改正規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(内閣総理大臣署名)

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